今年第一号のしおからとんぼを発見! 森に囲まれた郊外の静かな鍼灸院の庭。車の音も町の喧騒もここには届かない緑の空間。びわの木の隣り、ナスの花に紋白蝶が舞っている。彼方の青田で一羽の白鷺が瞑想している。ふと、眼の前の石の上に小さな影が落ちる。目を凝らしてみると、しおからとんぼであった。しおからとんぼには盛夏のじりじり灼ける日を思い浮かべるが、こんなに早い時季に現われていたとは・・・・。 僕が鈍いのか、それともやはり自然界の異常現象だろうか。 最近、糸トンボやオハグロトンボも見かけなくなった。これらは水質汚染の所為だろうが、トンボやシジミチョウやれんげそうの花が一つ一つ僕の視界から消えていく。もう随分たくさんのものが消えていった。そうやってやがて僕もこのうつし世の視界から消えていくのだろう。
石になりたくてしおからとんぼうよ