隣りの時計屋さんから蕎麦が届く。五年ほど前からはじめた蕎麦打ちも、今ではプロ以上の腕前。「挽きたて・打ちたて・茹でたて」が信条と、打ちたてを時々届けてくれる。こればかりは冷たい盛りで食べるのが最高! そんな訳で、てんぷらを揚げたときには「てんかす」をたくさん作って冷凍にしておく。それをタレに添えて頂く。幽かなごま油の香りが一層、蕎麦の味を引き立たせてくれる。 かつてアメリカからの短期留学生(35歳)が、帰りがけにこんな事を言った。「ホームステイーの先々の町で、ここの蕎麦が最高! と奨められ沢山頂きました。でも正直どれも美味しいとは思えなかった。」 と。蕎麦の味がほんとうに判るまでには、日本人を五十年ぐらいやらないと無理。それでも判らない日本人がいるのだから、たとえ地元有名店であってもアメリカ人を早速蕎麦屋に連れて行くのは考え物である。
数日前から軒先を物色していたスズメバチが、昨日ついに家の中に押し入ってきた。姫たちは危険を察して二階へ逃げ込む。妻は果敢にも掃除機を取り出し、タイミングよろしく見事に吸い取る。用心の為、掃除機の先をビニール袋で閉じ、丸一日放っておいた。妻は掃除機の扱いが得意で、羽アリでもピーナツでも何でも吸い取る。やがては僕まで吸い取られそうな気がしている。今朝掃除機の先を覗いてみると、奥に吸い取った筈のスズメバチがビニールにへばり付いてギロッとにらんでいる。怖ろしい眼・・・・・。 子供の頃、たくさんの昆虫をいじめた所為だろうか、彼らの大きな眼に睨まれると寒気がする。