松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

後方への体重移動の改善点

2005-01-21 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
18式は前後半に分けて
リズムと動きの確認をしている。
後半部はとくにリズムの変動が多くなる。
転身双擺蓮に辿り着く前に
腰が伸びきってしまう。
つまりそれだけ筋肉も緊張させているから
最後にきて力が入らなくなってしまうのだろう。
時間が許す限り
自分にとって無理なく流れるスタイルを作り上げたい。

また、このところ疲労がたまってきている。
ここで無理をしてケガしてしまったら
個人はおろか団体にも迷惑をかけてしまうので、
少し様子を見ながら練習している。

ところで、8式や16式は
体の使い方や意識の仕方を目的とした
練習には重宝している。
最近改めて納得したものは
攬雀尾や如封似閉の
後方への体重移動の際の股関節の状態がある。
体重移動は
腰の位置が上下動しないで水平に動くのが原則だと
認識しているのだが、
確かに前方への体重移動は要求を満たせていると思うが、
後方への場合は腰が一緒に沈みがちになる傾向がある。
攬雀尾や如封似閉の場合は、
両手を体側に寄せながら体重を後方にかけ移すので、
とくにその傾向が著しくなる。
なぜかと言えば、自分の場合、
最優先に意識しているのは上体の姿勢を
真っ直ぐに維持することであり、
腰が沈みがちになることへの意識は
もう少し下位にあったから。
このところの18式の練習では動作が激しい分、
どうしても上下動を意識せざるを得なくなってきていて、
そのために意識レベルが少し上がってきているのだろう。
こういうことがあるから、
多様な套路を練習している方が
全体的な意識バランスも発達してくるような気がする。

今回気がついた改善点は、いまよりも
もう少し股関節を開くこと。
こうすると股関節の可動域が広がって、
上体の姿勢を維持しながら腰を沈めることなく
体重移動ができるのではないかと思っているのだが。
体重移動が甘くなると、
すべてが中途半端になるように感じている。
ひとつひとつの動きを
限界まで到ることで調整ができるのではないか。
だからこそ無駄な緊張は
それを阻むことになるのだと思う。