夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

高齢者の私でも、気落ちしている昨今、慰めて下さる女性のひとりは・・。

2014-05-10 14:23:33 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市の片隅に住む年金生活の69歳の身であるが、
過ぎし日の4月30日に於いて、
作家の楡周平(にれ・しゅうへい)氏の『「いいね!」が社会を破壊する』(新潮新書)の書評を読み、
暗澹たる思いで、『ネットの世界は、やがて《勝者なき世界》と学び、無力な69歳の私は悲嘆し・・。』と題して、
このサイトに投稿した。

この書評文は週刊朝日』の2014年3月21日号に掲載された記事のひとつで、
《・・2012年、ある大企業が日本でいう会社更生法の適用を申請した。
イーストマン・コダック。世界最大の写真感光材メーカーである。

デジカメがこれだけ普及したらフィルムや印画紙のメーカーなんかひとたまりもないべ、と私たちは考える。
だが、ことはそう単純でもないらしいのである。
楡周平『「いいね!」が社会を破壊する』はそのコダック社に15年在職し、
現在は作家として活躍する著者による警世の書。
          

コダック社が窮地に立たされたのは〈あまりにも確立されたビジネスモデル〉ゆえだったと著者はいう。
1ロールのフィルムが売れるごとにフィルム代・現像料・プリント料と3段階の収益がついてくるシステムは
同社を優良企業にしたが、2000年頃から市場に大変革が起こる。

カメラ付き携帯電話の普及とブログ人口の増加である。
これはデジカメの出現以上にインパクトのある出来事で、以来、人々は写真を撮りまくるも、三つの収益部門はすべて不要。
街のカメラ店も見事に消えた。

新しい業態にさっさと移行すればよかったって? 
<私がここで言いたいのは、企業自体の存続ではありません。
そこで働く人たち、つまり個々人の雇用など、イノベーションの波に襲われたら最後、
簡単に崩壊してしまう時代になったのだということなのです>。

同様の現象は、ネット書店に席巻されて中小書店が消えた出版業界でも、
ネット配信でCDショップが消えた音楽業界でも観察できる。
新聞もいずれ同じ道をたどるだろうし、コンビニも同じ運命にある……。

注意すべきは、これが単なるノスタルジー系の「昔はよかった」という話ではないことだろう。
<少し前の時代まで、イノベーションは多くの雇用を産み、社会を豊かにするものを意味しましたが、
今は全く違います>。

雇用は崩壊し、知的労働にも対価を払わず<待ち受けているのは勝者なき世界>。
技術革新の結果がコレかと思うとゾッとする。・・》
          
          
そして私は音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めたりする中で、市場の躍進、そして縮小となり、
こうした中でリストラ烈風を状況を記載したりした。

このようなことをとりとめなく思いながら、
何よりも怖いのは、《雇用は崩壊し、知的労働にも対価を払わず》の世界は、
主要国の混迷を深めて、やがてそれぞれの国家の衰退を招くことであり、
作家の楡周平(にれ・しゅうへい)氏の乾坤一擲(けんこんいってき)のような命言、
《勝者なき世界》でもある。
          

このような投稿文の主旨を投稿した私は、翌日の5月1日に駅前に買物をした時、
本屋に立ち寄り、この楡周平(にれ・しゅうへい)・著作の『「いいね!」が社会を破壊する』(新潮新書)を探したが、
無念ながら店内在庫がなく、やむえず取り寄せの依頼をした。

そして大型連休の最中(さやか)であり、本の卸店も休みが多いと思われ、
やかて5月6日に本屋から取り寄せ依頼した本が到着した、と私は電話連絡を受けて、
私はこの新書本を入手した。
             

待ち焦がれた新書本の解説には、
《・・「便利の毒」に殺される前に――経済小説の第一人者が見据えたネット進化の冷徹な事実。

すべてのモノと情報が、ネットのプラットフォーマーに呑み込まれていく。
「いいね!」をクリックするたびに、われわれは知らず知らず、自分の首を絞めているのではないか? 
より快適な、より便利な生活を追い求め、「無駄」の排除を続けた果てに生まれるのは、
皮肉にも人間そのものが「無駄」になる社会……。
ネットの進化が実社会にもたらすインパクトを、「ビジネスモデル小説」の第一人者が冷徹に見据える。・・》
と明記され、私は読み始めた・・。

そして翌日に読み終わった私は、暗澹たる思いとなった・・。
この中のひとつの難題として、現在の働いて下さるビジネス諸兄諸姉の過酷、社会をとりまく実態の現代、
やがてこれからの時代の予測が克明に描かれていたりした。

私は今後の人口の1/3近くが65歳以上の年金受給者となり、社会保障費の増大、
そして支える働いて下さる層の過剰負担、そして国力の低下などの2030年の問題・・
私は計算すると確か86歳ぐらいとなり、天上の神々の采配により生死は不明であるが、
若き20代から50代の人々はどのようになるのか・・
このひとつの難題を取っても、暗澹たる思いとなり、無力な私は気落した・・。
          

そして虚(うつ)ろな日々が続き、こうした心情の中で、
開き直って俳優の鶴田浩二さんが唄った歌のひつとの『傷だらけの人生』を
心の中で呟(つぶや)くように唄ったりした。

しかしながら、この歌は1970年〈昭和45年)の師走に発売され、翌年の春まで街に流れていた曲であり、
あの頃は少なくとも、昨今より遙かに明日が観えていた日本、そして欧米であったので、
駄目だょなぁ、と落胆を深めたりした。


本日の午前中のひととき、私はパソコンの置いてある机の引き出しを開けた。
そして引き出しの中の栞(しおり)を取りだして、ひとつの栞(しおり)を見たりした。

私は新書本、文庫本を買い求めると、本の中に出版社から出された栞(しおり)が、
殆どは入っている。
私は帰宅後、これら新書本、文庫本を開き、大半は栞(しおり)には気に留めないが、
過ぎし年、たった一度だけ瞬時に圧倒的に魅了され、しばらく眺めた体験がある。

この圧倒的に魅了された栞(しおり)の絵柄に関して、無念ながら筆力が乏しいので、
記念写真で撮ったのを恥ずかしながら掲載する。
もとより小さな栞(しおり)であるので、あえて大きく表示した。
             

私はヨーロッパの貴婦人と思われる女性が、強い意志を秘め、少し憂い顔で、凛としたまなざしで、
《 で、あなたは読んだの? 》
と呟(つぶや)かれたりすると、齢ばかり重ねた私でも、ドキとさせられてしまったのである。

そして貴方は歴史の本が好きだと風の噂で聞いたりしていますけれど、
ローマ帝国はもとより、オランダ、スペイン、大英帝国などの興亡史をきちんとお読みなったの、
このように言葉を私に言われたりすると、
無学の上、ほんの少しだけ・・
と私は言いながら、赤面して、うつむく・・。
このように感じる絵柄である。

この栞(しおり)は、筑摩書房から刊行されている『ちくま新書』か『ちくま文庫』を買い求めた中に付いていた栞(しおり)で、
それぞれのお方が感じることに差異があるが、私は圧倒的に魅了され、
机の引き出しに、こっそりとしまいこんで、早や7年が過ぎている。

そして私は今回も見惚れたりしながら、今後益々世界のわずかな人だけが富を急激に加速化する社会は、
肝要の多くの中間層の人々が低迷させ、そして主要国の混迷を深めて、やがてそれぞれの国家の衰退を招くことは、
過去の興亡史でも、これに近いことがあったでしょう・・。
ただ地球全体の各国のスケールではなかったけれど・・でも無力な貴方が・・いつまでも気落ちしている場合でもないでしょう、
と叱咤激励を受けた、と思いながら、
これからの時世、残された人生を淡々と過ごそう、と顔を洗いに洗面所に向った。

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