夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

私が本を読みはじめた頃・・♪   《初出2006.12.4.》

2008-05-06 13:43:20 | 青年時代の想いで
私は昭和19年に農家の子として生を受けた。
男の子ばかり続けて生まれた三男坊であった。

子供心に何となく期待されていないように思い込み、
いじけた可愛げのない幼年期であった。

この頃は、祖父と父が農業をして折、程々に手広く田畑を耕していた。
小作人、農業の学生研修生も受け入れて、旧家の面目は保っていた。

私が小学校に入学した頃は、子供の視線から見れば『家の光』程度しか、
見当たらなかった。

長兄、次兄は学校の成績も良く、私はクラスの中程の劣等性だった。
中学校は次兄と同じであったが、
『お兄さんはできるのに・・』といった雰囲気を感じて、
私は次兄の影のように成っていた。

長兄、次兄は国立の高校で学んでいたが、私は私立の都心の高校に通った。
東京の郊外の小学校、中学校だったので、
都心で育った学友から、あらゆる面から刺激を受けた。
そして、兄達の影響のない高校生となり、何かしら開放感のように過ごした。
その中の一面として、遅ればせながら、本を読みはじめ、
活字を通して想像力の要求される世界に魅了された・・。

武者小路実篤を読み始め、明治時代からの日本の小説にのめり込んで、
特に井上 靖の小説が好きになったりした。

夏休みのひととき、小説の真似事みたいなものを綴り、
学友に読んで貰ったりした。

この後、本格的に映画青年、文学青年の真似事をする期間を送った時期もある。

定年退職後の今、私の日常生活の友として、
小説、随筆、歴史書、現代史を読んでいるが、
人生、あるとき何かのきっかけで本を読みはじめたのか、ときたま振りかえると、
高校の学友達の顔、文庫本の十数冊が浮かんできて、
私は苦笑している。



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