夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

遠くからビアノの音が聴こえて・・♪   《初出2006.9.19.》

2008-05-04 14:57:11 | 青年時代の想いで
東京の郊外は、午後3時過ぎに雨があがり、
薄日の射す中、樹木の枝葉から枝へと微風が流れている。

居間に戻ると、近所のお宅からピアノの音色が聴こえてきた・・。

女の子の弾くバイエルの何番かしらと思っていた時、
東京オリンピックの少し前頃が蘇(よみがえ)ってきた・・。

あの頃は大学生の身であり、今もあるが程遠くない所に音楽専門学校がある。

近所の家では、親戚の娘と云われた方が、下宿していた。

バイオリンの音色が、ある一定時刻に聴こえてきた。
練習をされているらしく、今日はスムーズに聴こえている、
と感じたりしていた。

まもなく卒業したらしく、音色が途絶えた・・。

数年後、新聞で有数なバイオリニストになった、と綴られていた。


このころ実家の最寄には、音楽家の夫婦が引っ越しされてきた。

ご主人は日本の交響楽団でオーボエを担当され、
奥様はピアニストと風の噂で聞こえてきた。

日中からピアノの音色が聴こえ、
私なりにそのピアノ独奏曲を覚えてしまった。
私が10数曲覚えた頃、海外に行かれたと後日、聞いたりした。

私が23歳になると、このお方は国内の有数なホールでピアノ独奏会を開催するまでになった。

数年後、レコード会社でレコードを3枚録音し、
ご主人と離婚され、小高い丘陵に一軒屋を構えて、生活されている。

私はこのピアニストが著名になる前、
ピアノの練習で聴こえてきた音色を懐かしく想いだしている。


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