横浜中華街、西門通りの広東料理の老舗「大珍樓」(ダイチンロウ) 本店。再訪。
某日は4階、座敷の円卓テーブル席を利用した宴会仕様。
今回は火鍋をメインとする忘年会になりますが、幹事さんから事前にお知らせいただいた情報では
・辣酒煮花螺
・芝麻海蜇手撕鷄
・家常小炒
・大良炒牛奶
・山羊腩火鍋と醉鷄鍋底火鍋
・茘茸肉碎糯米煲仔飯
・紅棗燉龍眼水
・糖不甩 を検討しているとのこと。
テーブルクロス:有り
卓上調味料:有り
その他:爪楊枝
着座後:タオルおしぼり(トレー置き)
卓上に菜單の用意がなく、決定内容は具体的にわからないミステリー&お楽しみな会食。
記録は幹事さんからの事前情報に従い記します。
(※以下の料理はすべて、幹事さんが、事前にお店と打ち合わせして決定したもの。
通常メニューにないものもあります) なお、料理は全て大皿です。
芝麻海蜇手撕鷄
胡麻をたっぷり効かせた蒸し鶏は、頭や手羽、尻尾(ぼんじり)をも盛り付けた
ダイナミックなプレゼンテーションで供され、コリコリ食感のクラゲもかさ増し的な要素はなく、
双方ともに圧巻のボリューム。
(レンタロー) 香鶏(北海道産)を使っているだよ。肉はしっこりもっちり。皮の部分もうめえだ。
辣酒煮花螺
バイ貝のスパイシー酒煮込みをリクエストされていたようですが、
入手ならずで、淡白な身質の白貝がピンチヒッター。
貝の出汁のでたスープは唐辛子やニンニクが効いて、ぴりっと後を引く旨辛系で
香菜とは鉄板の相性。
また、極うまスープは楽しみ方いろいろ。
白飯をもらい、お茶漬け風にしていただくのも美味いのです。
(寝太郎) ジャスティス!白飯を呼ぶことはもちろん、この味は春雨も合うんじゃないかなあ。
家常小炒
柔らかいモンゴウイカと野菜(もやし、ピーマン、セロリ、黄韮、干しシイタケなど)の炒め。
家常とありますが、炒めに迷いのない火入れ加減できっちりプロの味。
ブレない確かな旨さに心を射抜かれました。
大良炒牛奶
エビのミルク炒め。器の縁を彩るのは人参とキュウリです。
卵は白身のみを使い、調味にはバターと生クリーム、牛乳を使用。
エビはふっくらぷりっと、干し貝柱の出汁に、ほわほわの白身はバターが
コクと香りを深めて、しみじみと優しい味わいです。
社長さんの話では、この料理は高い技術を要するもので、当店でも作れるコックさんは
1人だけなんですって。味加減、絶妙ですもん。説明にもうなずける包容力のある美味さです。
脱皮伊勢海老の避風塘炒め
忘年会のスペシャルメニューは社長さんの提案によるもので
話によると、伊勢海老は脱皮するところを見せないそうですが、目利きに長けた養殖職人さんは
その脱皮するタイミングを見逃さないのだそう。
脱皮したてのところを急速冷凍していますから、その柔らかさは世界一で、
幻の伊勢海老と呼ばれているそうです。
殻ごと食べれる脱皮伊勢海老はニンニクなどのスパイシーチップと炒められていて、
大牌檔風ですが、味は極めて上品。
また、チップはガーリックの風味を前面に押し出したものではなく、噛むとコクと甘みが広がり、
中にはミソなども入っているのでは?と思わせる、ふくよかさとリッチな旨みがあるのです。
(ノブロー) 脱皮伊勢海老ははじめて体験する柔らかさで、チップも油っこさが微塵もねえ。
突き抜けた美味さだ。オラ的には今日のナンバーワンだな。脱帽だで。
次の料理は火鍋2種。まず運ばれてきたのが火鍋用の野菜(春菊、レタス)。
次いで、腐乳ソース。
山羊腩火鍋
大珍樓、冬の名物料理、山羊鍋はある程度厨房で仕上げた状態でサーブ。
卓上カセットコントを始動します。
濃厚な色味のスープにお目見えする具材は、ヤギ肉、干しシイタケ、タケノコ、クワイ、
枝竹(乾燥枝ゆば)など。ヤギ肉は時間をかけ臭みをとっていて、食感は少し硬めですが
鶏肉のよう。独特の旨みが生きたスープはパワーを感じる味わいで、コク深く体の中から
温まっていく感じ。ゼラチン質たっぷりで少し煮詰まると、とろみも出てきます。
余談になりますが、この味付けは犬(狗)も同じなんですって。
ただし、肉には臭いがあるとのこと。
犬の肉は中国語では香肉と呼ばれ、その香りを楽しむということから
あえて臭いを消さないのかもしれませんね。(当店では犬料理の提供はありません)。
次の鍋は卓上で仕上げるスタイルです。
香味野菜を使った鍋のタレがサーブ。
鶏は名古屋コーチン。なかなかの美形(*´艸`*)
今度は立派な鶏脚つきです。
醉鷄鍋底火鍋
薬膳・漢方食材の浮かぶスープで
名古屋コーチンを煮るのですが、決め手は漢方薬の当帰。香りが格段に違います。
健やかでぷりぷりと歯応えのある肉も素晴らしいものですが、この鍋の最大の魅力は
鶏の豊かな旨みが味の奥行きを深めた香りの良いスープでしょう。
鍋のタレは肉をちょいつけする程度に使用。完成度の高いスープの味を壊しては勿体ないわ。
胃袋に染み入る美味しさと余韻を残す味わいは、一同の心を捉えて離さず、お替りの連続。
一滴も残らず飲み干し、ついに鍋は空っぽになりましたよ。絶品スープでした。
茘茸肉碎糯米煲仔飯
料理長さんの自信作、もち米を使った臘腸とタロイモの煲仔飯。
こちらも卓上カセットコンロで仕上げます。
中国醤油を回しかけ、
手早く混ぜる。
炊き加減は絶妙で臘腸の風味にタロイモのねっとりホコホコとした食感がもち米と相まって驚きの旨さ。
この組み合わせも素晴らしい。食欲を焚き付けられる醤油の香ばしい香りに、
嬉しい副産物のオコゲもきっちり仕上がっていて大満足です。
糖不甩
白玉団子を粉砂糖、レモンシロップをベースとするソースに絡めていただくのですが
仕上げにクラッシュナッツ、ゴマをふんだんにかけているので香ばしさもプラス。
説明によると「糖不甩」は白玉自体には砂糖は入っていないけど、という意味だそう。
とっても甘くて素朴なデザートです。
紅棗燉龍眼水
ナツメと龍眼と温かいデザートスープ(糖水)。安心、安定感のある美味しさです。
骨格の太い料理構成に今回も満足度は神クラス!やはり当店は凄い。非常に美味しかったです。
(訪問日:2016年12月)
大珍樓 本店
神奈川県横浜市中区山下町202
TEL 045-681-3277
営業時間/11:00~22:00(LO21:30)
定休日 無休 -店舗情報「食べログ」より-