友人に薦められて、「100分de 名著」2月ハヴェル「力なき者たちの力」という番組の1回目を先日再放送でみた。
ニュースなどでは、大事なメッセージを国民の目からそらすような忖度報道をしているNHKだが、この番組はとても素晴らしい、「忖度」にまみれ保守政治家、官僚、マスコミなどが酷い政情に対して、文書隠し、改ざん、統計操作、ラグビー、オリンピックなどへ国民の目をそらすなど、飛んでもない有様になっている日本において、何をいまどう考えて、何をなすべきかの指標を示してくれるような番組となっていると感じられた。
実は、毎週月曜日/午後10時25分~10時50分 <再>水曜日/午前5時30分~5時55分、午後0時~0時25分(Eテレ)で4回にわたり放送されるが、1回目はもう再放送も終わってしまい、2回目は明日12日に早朝と昼の再放送となる。予告が遅くて申し訳なかったが、是非みなさんも録画するなり工夫をして2回目から見て頂けたらと思う。
*上の画像をクリックしてもらうと、NHKの番組サイトに飛べます。
プロデューサーAさんによると、「ハヴェルの研究を続けるチェコ文学者の阿部賢一さんは、現代にこそ「力なき者たちの力」を読み直す意味があるといいます。豊かな消費社会を享受しながらも、IT技術による高度な情報統制や、個人生活の監視が巧みに強化されつつある現代社会は、たやすく「ポスト全体主義」体制に取りこまれていく可能性があるといいます。番組では、この著作を現代の視点から読み解くことで、世界を席巻しつつある高度な管理社会・監視社会や強権的な政治手法とどう向き合ったらよいかを学ぶとともに、全体主義に巻き込まれないためには何が必要かという普遍的問題を考えていきます」とある。
さらに、1回目を放映したあとに、LITERAのココに、このNHKの中における勇気ある番組を絶賛し、この番組を応援する視聴者が多くいた事実が告げられていた。
LITERA概略
・<日本で起きているテレビの過剰な自主規制や、アーティストや芸能人の政治発言を封じ込める動きに、圧力・検閲から自主規制・相互監視へと進んだチェコスロヴァキアの状況とまったく同じ構造があることを>出演者が発言したこと。
・<『100分de名著』の番組自体が、明らかに政権下の日本で起きている事態と対峙するためのテキストという文脈で、ハヴェルの『力なき者たちの力』をとらえていた。たとえば、番組では、ハヴェルが「ポスト全体主義体制」について書いた、こんな一節も紹介していた。〈過去を偽造する。現在を偽造し、未来を偽造する。統計資料を偽造する。全能の力などないと偽り、なんでもできる警察組織などないと偽る。〉
〈人権を尊重していると偽る。誰も迫害していないと偽る。何も恐れていないと偽る。何も偽っていないと偽る。〉(『力なき者たちの力』)>
・ NHKの官邸べったりの政治報道は、まさにハヴェルの言う、物質的安定のために良心や責任を差し出し、全体主義をつくりだす装置の一端を担っている。しかし、一方で、NHK には、良心を売り渡さずなんとか抗おうとする製作者たちもいるのだ。 そして、こうした製作者たちに姿勢は確実に、良識ある多くの視聴者から支持されている。第1回の放送後に、公式アカウントは、こんな感謝のツイートをしていた。〈ハヴェル「力なき者たちの力」への応援ありがとうございます! 2/5の21時半時点で2695のリツイート、2704のいいね。お陰様で苦戦が予想された視聴率も歴代8位をマーク!第二回は「誠実なよい仕事が悪い政治への批判になる」というハヴェルの力強い言葉を読み解きます。引き続きリツイート等で応援を!〉
番組を見て、よいと思った方は、ハヴェルに倣ってしっかり私たちの声を上げていきませんか。まずは、再放送をみるか、録画予約をしましょう。判断する前に、まず何でも目を開き、耳をそばだて聴くようにすることが、大切ですよね。よろしく!!!! 1話は素晴らしかった。2話も期待できますよ~~~。
*テレビを見落とした方には、ここで話されている本「力なき者たちの力」を読むのもお薦めかもしれません。