峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

公立高校合格発表

2008年03月20日 | 私塾
昨日、県下の公立高校で合格発表が行われたが、塾生たちは見事に全員合格を果たした。

みんな、合格おめでとう   

  バスを待ち大路の春をうたがわず  

石田波郷【いしだはきょう】の句だ。
志望校に合格した。たった今、合格発表を見てきたばかりだ。家に帰って合格したよってお母さんに言ったら、きっと喜んでくれるだろうな。仕事から帰って来たお父さんは何て言うだろうか。弟と妹も喜ぶだろうななどと思いながら、大きく息を吸い込んだら春の匂いがした。
ここしばらく季節を感じることがなかったけれど、バス停でバスを待つ間、周囲を見渡してみると、並木や家並みにやわらかな春の光が降り注いでいた。春なんだなぁ。
さぁ~、高校に入学したら勉強や部活に頑張るぞぉ。

この句は1933年、破郷が20歳のときの作だ。その前の年に破郷は句作を志し上京している。四国・松山からやってきたみずみずしい感性を備えた若者にとって大都会・東京は見るもの聞くものすべてが刺激的であり、すでに水原秋桜子主宰の『馬酔木(あしび)』に投句を始め、周囲の注目を浴び始めていた波郷にとって前途は洋々たるものに感じられていたに違いない。

  バスを待ち大路の春をうたがわず

輝かしい未来を露とも疑うことのない若者の姿がまぶしい。
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憎しみと暴力の連鎖を断ち切ろう

2008年03月20日 | 暮らし
土下座し「お子さん奪った」=畠山被告、判決に表情変えず-顔覆う遺族・秋田地裁(時事通信) - goo ニュース

この件に関し、朝のテレビのニュースショーのコメンテーターたちは一様に、なぜ死刑ではないのか納得できないと息巻いていた。

一方、東京渋谷のマンションで夫を殺害し遺体をバラバラにしたとして、殺人などの罪に問われている三橋歌織被告の公判が10日に行われ、検察・弁護側それぞれの請求に基づき精神鑑定をした医師2人が、殺害時の被告の責任能力について、いずれも「心神喪失の状態にあった」との認識を示したと伝えられた。

畠山被告と三橋歌織被告、この2人に共通する事柄がある。それは、幼児期に父親から暴力を振るわれていたという点だ。
三橋歌織被告は夫にまでひどい暴力を受けていたことが明らかとなっている。

今月14日の長崎新聞に、昨年1年間に被害が届けられるなどして全国の警察が認知したDV【ドメスティックバイオレンス】(女性が、夫や恋人など身近な立場の男性から受ける様々な暴力行為)が前の年に比べ15,1%増の20,992件と過去最高を記録したことが報じてあった。男性が被害を訴えたのもあったが、被害者の98,6%は女性だ。乳幼児の虐待は毎日のように報じられている。

今朝の地元紙では、上記のニュースよりも長崎市長射殺事件の論告求刑で検察が死刑を求刑したことを大きく取り上げていたが、ここでも前市長の2女の「どうか死刑に」という言葉が大きな見出しになっている。
しかし、公判すべてを傍聴したという長女は「なぜ」という遺族が一番知りたいことを法定で見つけることはできなかった。正直、これで終わりなのかという空虚な気持ちと心境を語ったという。

殺人を犯した者をただ死刑にするだけでは、いかなる被害者の魂も慰められないだろうし、いかなる遺族の心も癒されることはないだろう。
憎しみは新たな憎しみを生み、それを増幅させるだけであり、暴力は暴力を生み、それを増幅させるだけだということを私たちは強く心に刻みたい。

私は他者を憎まない。
私は他者に暴力をふるわない。
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