峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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師弟同行

2019年05月03日 | 将棋
NHK杯将棋トーナメント1回戦第4局、佐々木大地五段VS畠山鎮七段戦が先の日曜日にテレビ放映された。
結果は、大地五段が畠山玉を鮮やかに即詰みに討ち取り、見事初戦を突破した。

解説に当たっておられたのが大地五段の師匠である深浦康市九段、この日、深浦さんはたいそうご機嫌の様子だった。

棋士にとって全国放送のNHK杯出場は晴れの舞台に違いない。厳しい奨励会を這い上がり、厳しい予選を勝ち抜き、ようやっと出場できる晴れ舞台、その道のりが並大抵でないことは誰よりも師匠が分かっている。
入門を許した頃のまだ幼かった少年がB級1組の歴戦の猛者と今、その晴れの舞台で戦っているのだ。深浦さんの心情、察するに余りある。

解説中、深浦さんは大地五段を指して、師弟の関係であることを踏まえられてのことだろう「佐々木」と呼び捨てにしておられた。ところが、大地五段が勝ちを収めた直後、それが「佐々木五段」に変わった。

終盤の大地五段が劣勢と思われたところからの指しまわし、さらには最後の鮮やかな即詰みを、深浦さんはたいそう感心しておられたが、それは、師匠としての見方から一人の棋士としての見方へ変わった瞬間だったのかもしれない。

この勝利で、佐々木大地五段は2018年度の勝数ランキングにおいて堂々の単独1位となった。
ちなみに対局数が2位、勝率が4位、連勝ランキングも3位に入っている。

佐々木大地五段のこれからがいよいよ楽しみである。
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