女房どのが絵理子さん・有紀さんに徳島行きを打診したところから事は急展開を見せた。
四国、阿波踊り、そして、妹の暮らすまち。2人は、彼女たちの胸の内にぼんやりとあっただろう徳島に惹かれる思いに火をつけられたかのように、思いの外、前向きな反応を示してくれたのだった。
徳島行きの話は早速、絵理子さん・有紀さん宅に持ち帰られ、それぞれの家族の中で、それぞれに計画が練られ、そしてそれは再びLINEのビデオ通話の場に持ち寄られ、みんなが知恵を出し合う中で次第により良い計画が出来上がっていった。
その計画の第一幕は、徳島行きの1週間前の8月4日・土曜日に研二くん・絵理子さん一家が我が家へやって来るところから始まる。
翌8月5日・日曜日の昼下がり、研二くんと絵理子さん、それに三女の1歳4か月の悠月さんの3人は1泊した後、北九州へと戻って行った。小学3年生になる長女の彩理さんと幼稚園年長の次女の結理さんの2人がこちらに残ったわけである。
彩理さんは2歳と4歳の頃の2度、1人で我が家に泊ったことがあった。だが、結理さんは初めてのことであり、また、親から離れて姉妹2人だけで我が家に滞在するのも初めてのことだ。幼い彼女たちにとって、それは未知への挑戦であり大いなる冒険であった。
つづく