きょう、くるみさんが中学を卒業した。
朝、女房どのと共に家を出たが、女房どのは保護者席へ向かい、私は来賓の控え室となっている図書室へ向かった。
図書室に入り、みなさん方と挨拶を交わし、お茶をいただきながら周りの方々と世間話をしているうちに我が家の子供たちのことを聞かれた。
「一番下の子がようやく中学卒業です。清々【せいせい】します」とわざと大きめの声で言い、口を手で覆【おお】う仕草をしたら周りの方に受けた。だが、決して冗談ではなく清々している。
間もなく、卒業式が始まり式次第が進むにつれ卒業生のすすり泣く声が大きくなっていった。
ちょうど、くるみさんの横顔が見えるところに私の席があった。彼女はこみ上げてくるものを必死でこらえているように見えた。
体育館での式が済み、生徒も保護者も教室に移動した。教室に戻った子供たちはしばらく、級友との別れを惜しむように抱き合ったり、書き物を交換したりしていた。
やがて、親に向かって感謝の言葉を述べるようにとの担任の指示があり、生徒たちは一人ひとりそれに従ったた。
くるみさんはどんなことを言うだろうか。きっと照れて「ありがとうございました」の一言くらいだろうな等と思っていたが全く違った。
「高校生になったら寮生活を始めるけれど…」と言い出したとたん、後は涙、涙だった。
式の途中からこみ上げてくるものを必死で抑えていたのだろう。それが堰【せき】を切ってあふれ出してきたのだ。
体育館から教室へ移動する際、女房どのが肩を叩く。振り返ると同級生の女の子が2人立っていた。くるみの送別会を計画しているんだってと女房どの。
彼女たちの話によると、くるみさんに内緒で計画を立てているのだが、その送別会をするのを了承してほしいということと、内緒にしていてほしいという2点の申し出だった。
くるみさんの中学校生活は、たくさんの友人と楽しく過ごした仕合せな3年間だった。
朝、女房どのと共に家を出たが、女房どのは保護者席へ向かい、私は来賓の控え室となっている図書室へ向かった。
図書室に入り、みなさん方と挨拶を交わし、お茶をいただきながら周りの方々と世間話をしているうちに我が家の子供たちのことを聞かれた。
「一番下の子がようやく中学卒業です。清々【せいせい】します」とわざと大きめの声で言い、口を手で覆【おお】う仕草をしたら周りの方に受けた。だが、決して冗談ではなく清々している。
間もなく、卒業式が始まり式次第が進むにつれ卒業生のすすり泣く声が大きくなっていった。
ちょうど、くるみさんの横顔が見えるところに私の席があった。彼女はこみ上げてくるものを必死でこらえているように見えた。
体育館での式が済み、生徒も保護者も教室に移動した。教室に戻った子供たちはしばらく、級友との別れを惜しむように抱き合ったり、書き物を交換したりしていた。
やがて、親に向かって感謝の言葉を述べるようにとの担任の指示があり、生徒たちは一人ひとりそれに従ったた。
くるみさんはどんなことを言うだろうか。きっと照れて「ありがとうございました」の一言くらいだろうな等と思っていたが全く違った。
「高校生になったら寮生活を始めるけれど…」と言い出したとたん、後は涙、涙だった。
式の途中からこみ上げてくるものを必死で抑えていたのだろう。それが堰【せき】を切ってあふれ出してきたのだ。
体育館から教室へ移動する際、女房どのが肩を叩く。振り返ると同級生の女の子が2人立っていた。くるみの送別会を計画しているんだってと女房どの。
彼女たちの話によると、くるみさんに内緒で計画を立てているのだが、その送別会をするのを了承してほしいということと、内緒にしていてほしいという2点の申し出だった。
くるみさんの中学校生活は、たくさんの友人と楽しく過ごした仕合せな3年間だった。