音の記憶 ②
夕方はお豆腐屋さんのラッパの音でやってくる 「トフー、トフー」 ちょっととぼけた音が夕暮れをやさしくする
リンリンと風鈴の音が縁側でする頃、ラジオドラマのテーマ曲が聞こえる。
雨音がする。トタン屋根に降る元気な雨の音。瓦の屋根に降る大人の雨音。雨漏りのする場所に置いた
金属の洗面器に ポトン、ポトンと雨の音楽が聞こえる。
記憶の中の音はいつも温かい空気に包まれているようだ。からだの中でいろいろな音がする。
やさしいうちわの風の音の向こうに祖母の子守歌が聞こえる。
一日の終わり。明かりを消して布団の中でちいさくつぶやく 「おやすみなさい」
ただそれだけで幸せな日々。「おやすみ」
若い人は辞書を引かないとわからないことばもあるのだろうな。陶芸を習いだしてから、食器は使って初めて食器 という考えが違うように思えた。飾っておいて生活を豊かに感じさせる食器もあるだろう。そぎ落としていった生活を改めて見直すときが来た。無駄が豊かさになることもある。
「音の記憶」は2009年に作られた冊子にあった。2か月に1冊作っていた冊子だ。自分で見てもきれいな色使いだ。夏の号なので涼しさを感じる。そして、その内容もここまでいつも自分以外のことに心を向けていたのか!もうその感性はないのだろう。失われたデーターもあるので、15年分の冊子をすべて復元はできないが、再生してみよう かと思った。
(昨日の写真の年齢差は30歳かな?)