今日は冷たい北風が吹いて、霙が落ちてくる。でも、陽が射しているのがこの湖北の天気だ。東北のお友達は家の中の片付けが大変だという。全部の部屋に荷物やらが散乱しているので、一部屋一部屋やっているという。「人生で2度も地震に遭わなくてもいいのにね。この前は断水で毎日自転車で水をもらいに行ったのにくらべればいいけど。」と話していた。幸い、私は自然災害には見舞われていない。祖父母は関東大震災で、すべての財産を失った。それでも、近所は亡くなった人が多いので、不幸中の幸いだった と言う。母方の実家は茨城で鬼怒川の水害に遭ったという。自然災害の怖さをつくづく感じる。
昨日、午後から急に胃が痛みだした。胃が痛いというのはここのところ無かったので少し心配だったが、どうも食べ過ぎたのではないだろうか。もしくは、風邪をひたようだ。1日、バナナとカステラで過ごした。横になって静かに本を読んでいた。宮本輝の川の三部作、「道頓堀川」だ。むかし、ざらっと読んだのか、細かいところはほとんど覚えていない。3部作のなかで、この年で読むと一番いいかもしれない。さまざまな生い立ちの人が肩を寄せ合って生きている。
失敗の許された世界があった。それはこの小説だけだなく、最近の風潮を見ていると、「寛容さ」が無いように思う。貧困でも、少しは夢を見て生きていけた。だから、苦学生も、貧乏な画家や音楽家も許容されてきた。事業の失敗、賭け事に溺れるなどなど道を外れても、また復活できる道があった。道頓堀川を読んでいると、人が生きている!どんなにどんくさくても。それは宮本輝の目線なのかもしれないが。最後のページで、なにか人間味あるあたたかい希望を感じた。誰かがいれば、もう1度生きてみようと 思える。
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