アカデミー外国語映画賞を受賞したアルゼンチンの映画。刑事裁判所を退職した主人公の現在と回想でかっての事件の真相が描かれる。事件そのものは凄惨なものだが、主人公と同僚が捜査する過程は少しユーモラスでもあり、同僚を演じているウディ・アレン似の俳優がいい味を出している。事件の結末も被害者の夫の深い思いからくる意外性のあるものになっていて、サスペンスとして楽しめるが、同時に描かれるのが主人公と上司の女性検事のロマンスである。なんとなく好意を持ち合っているのに成就しなかった恋は今になってまた甦るのか・・・。アルゼンチンといえばタンゴ、情熱的とイメージされるが、情熱で解決しないなんとももどかしい男女の話でもあった。
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