ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

香華

2012年08月30日 | 映画

先日行った木下恵介生誕百年特別上映会を再度観にいった。今回の作品は有吉佐和子原作の同名の小説「香華」

明治の末期から昭和30年代までの母娘3代の葛藤の物語。中心人物は乙羽信子演じる郁代だが、この人物がとんでもなく奔放で身勝手。田中絹代演じる母つなのも、岡田茉莉子演じる娘朋子もその人生を翻弄される。特に娘の朋子は芸者に売り飛ばされ、好きな人と結婚もできず、最後は母親を引き取ってめんどうを見る羽目になる。それでも心底母を嫌いにはなれない。どこか憎めないその奔放さに観客の方も呆れながらも飽きることなく付き合ってしまい、3時間半の長編だが途中眠くなることもなく最後まで堪能することに。

郁代と朋子に関わる男性たちは皆どこか気弱で優しい。そんな男性軍の多くは途中で亡くなってしまい影が薄い。結局は女性のたくましさ、しぶとさに圧倒されてしまうのであった。

1964年(昭和39年)の日本の高度成長期に公開。舞台の大半は花柳界で、芸者を身請けして店まで持たせるというような話が出てくるが今でもこんなことが行われているのだろうか、今となってはひどく前近代的なことのように思える。

懐かしい俳優が大勢出ているが、田村正和がセリフが一言のちょい役で出ているが、詰襟の学生姿が初々しい。

空を見上げれば今日も入道雲。今夏はいつ見ても入道雲が出ている気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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なぜかバレエ

2012年08月25日 | その他

西宮に出たついでに県立芸術文化センターで「堀内元バレエUSA」を鑑賞。バレエはテレビでは時々観ていたが実際の舞台を一度観てみたかった。料金が高いので二の足を踏んでいたが今回は4000円というリーズナブルな料金。しかも当日券だったのだが、なぜか最前列の真ん中付近が空いていてかぶりつきで鑑賞。

優雅にバレリーナを持ち上げたり回したりできるのが不思議だったが、その舞は男性も女性も筋力に支えられているのがよくわかった。華奢で優美に見えても実際は汗がほとばしる究極の細マッチョたちの競演だった。

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寄り道

2012年08月21日 | 山旅

甲府から名古屋に出て、友人の家に立ち寄る。ちょっと太っちょのマリア君。この前来たときも嫌われたが、からかうと反応がおもしろいのでつい手を出してしまう。

豊満なお腹をツンツンすると、まず「ニャア」と声で抗議、それでもやめないと今度は軽く手を出し、それでも止めないと最後は本格的なネコパンチ!

 

日進市のマンホール

 

名古屋市のマンホール。水道局なのでミズスマシ

 

名古屋市美術館で「大エルミタージュ美術館展」をやっていたので山帰りのドタ靴で鑑賞

 

これは隣の科学館。なかなかユニークな外観。球体のところはプラネタリウムになっているらしい

 

 

 

 

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甲斐駒ヶ岳 下山

2012年08月20日 | 山旅

今日は広河原へ下山するだけなのであわてなくてもいいが、テント場の朝は早く、0400時ごろには他の人は皆撤収にかかっていて目が覚めてしまう。昨日までは夏山シーズン真っ盛りということで広河原からのバスの便も多いのだが今日からは本数が減ってしまい、身延に出るにしても甲府に出るにしても丁度いい時間のバスがない。乗り合いタクシーがあるかもしれないということで行き当たりばったりで0630時下山開始。

広河原峠までの道で、木の間越しだが3日目にしてようやく北岳の姿が見える。いよっ、日本のNO.2!

 

30分ほどで広河原峠着。ここからは八ヶ岳の峰々がくっきり見える

 

ここからの樹林帯はなんとなくクマが出そうな感じなので鈴をつけていく。道は部分的に荒れているが要所要所に赤テープが付いているのでわかりやすい。

倒木に生えたビロードのようなこけ

 

こちらはまるでマリモみたい

 

広河原からの北岳

 

広河原までは案外時間がかからず0830時バス停着。身延にも甲府にも路線バスは午後からしか出ていない。どうしたものかと思っていたら、昨日の早川尾根で抜きつ抜かれつした女性の3人組が乗り合いタクシーのドライバーと交渉中で相乗り者を募っていたので甲府まで便乗させてもらうことができたのはラッキーだった。

その乗り合いタクシーで相乗りした男性の話

その方は本来なら昨日下山予定だったのだが今日になってしまったという。そのわけは昨日の午後、鳳凰三山から白鳳峠を下山中、30Mくらいの距離でクマに遭遇してしまって30分ほどにらみ合った状態で相手が逃げるのを待っていてそのせいで最終バスの時間に間に合わなかったとのこと。

この男性は宝塚の方で、湖西の比良山系の武奈ヶ岳への登山口坊村付近でもクマに遭遇したことがあるそうだ。

一般的には人間を見たらすぐクマの方から逃げるといわれているがそうともいえないらしい。鈴も鳴らしていたそうだが、クマの方が風上で聴こえなかったのかもしれないとのこと。背を見せて逃げると追いかける習性があるので、あわてて騒がず、冷静にゆっくり後ずさる、というのが一般的な対処方法とはいうものの自分が居合わせたらできるだろうか少々心もとない。

クマにとってはこちらが闖入者なのだから友好的に接して、願わくば平和な関係をお願いしたい。

クマは怖いが山には登りたいし・・・。クマったものだ。

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甲斐駒ヶ岳 早川尾根

2012年08月19日 | 山旅

今日は朝から天気がいい。予報では午後からも崩れる心配はなさそうだ。膝の方も心配したほどひどくなく何とか歩けそうなので0630時予定通り出発する。

今日は仙水峠から甲斐駒方面とは反対の早川尾根を歩く。この尾根は眺望がいいので甲斐駒、鳳凰三山、白根三山などがよく見えるはずだが・・・。

朝の光が差し込む登山道

 

仙水峠(2264M)から早川尾根にとりつくが、のっけから急登である

 

急登で高度は上り、振り向けば甲斐駒が見える。

 

先回の 雲の平のときは花が咲いていたナナカマドも実がついている

 

夏の終わりを告げるトウヤクリンドウも蕾がふくらみ始め、季節は着実に秋に向かっているようだ。

 

栗沢山(2714M)を経て、1100時過ぎアサヨ峰(2799M)着。

ガスって何も見えない!

 

 1130時、アサヨ峰から早川尾根小屋を目指す。小屋までの標高差は330M程度だが、岩場の細かいアップダウンの繰り返しとなる。

振り返るとさっきのアサヨ峰が見えるが、依然遠望はなし

 

先行するパーティーもガスの中

 

秋を告げる花、トリカブト

 

夏の名残、オトギリソウか?

 

細かいアップダウンに消耗し、1430時早川尾根小屋到着。小屋のアイドル犬ソウマ君に癒される

時間的にはこの先、広河原まで下れそうだが、疲れたのでここで沈没

 

ここのテント場は陽当たりがよさそうなので、昨日濡れたものを広げて 日干しする

 

 時間が早いのでのんびりとお茶を飲んだり、他の登山者と話をしたりして過ごす。

奈良から来ていた男性は百名山ならぬ百高山に登っておられるとのこと。単純に標高の高さで上から百座のことらしい。百名山なら北は利尻島から南は屋久島まで広範囲で、時間的にも経済的にも大変だが、百高山なら本州の中央部に集中しているので効率がいいとのこと。個人的には順番につぶしていく登り方にはあまり興味がないが、そういう登り方もあるんだと感心する。

 

 

 

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甲斐駒ヶ岳 頂上へ

2012年08月18日 | 山旅

朝起きると日差しはないが雨は止んでいる。予定通り広河原から北沢峠への一番バスに乗ることにする。バスセンターの前は土曜日ということもあって、甲府方面から何台もバスが着き、人で溢れている。北沢峠へのバスも何台も増便される。

この広河原と北沢峠の連絡バスは何度乗っても落ち着かない。山を削り取って付けられた道の片側は山肌がむき出しのところ、ネットを張ったところ、コンクリートで固めたところと様々だが、いつ崩れたり落石があってもおかしくないところばかりなので、ずっと窓から上を見上げてしまう。コンクリートで固めたから安心というわけではなく、経年劣化でコンクリートが剥離しているところもあるので油断ができない。

30分ほどで北沢峠に到着。ここから仙水小屋まで30分ほど上りここに大急ぎでテントを張り、大きな荷物はテントに放り込み、0830時ナップサックだけで甲斐駒ヶ岳に向かう。今日も午後からは雷雨の予報が出ているので、スタートが遅いのが気ぜわしい。

30分ほどで仙水峠に出るが、甲斐駒の頂上はガスで見えない

 

駒津峰までは登り一方だが、ここからは少し下ったりしながら稜線を登っていく

 

甲斐駒ヶ岳は頂上付近が白い花崗岩でできていて、遠くから見てもその白さですぐにわかる特徴的な山容をしている。頂上直下、その花崗岩のざれた斜面を登っていく

 

ガスの中、わずかに頂上が見えてきた

 

1200時前頂上着

 

眺望もなし、すでにこの頃遠雷が聞こえ始めたのでとても弁当など食べる気にはならない。写真だけ撮ってすぐに下山にかかる。稜線での雷だけはどうしても避けたい。荷が軽いので走れるところは走って下りていくが、駒津峰の手前であっという間に雨が降りだし、雷も大きくなってきて、かなり近いところで2発鳴って肝を冷やす。

泥水が流れる登山道をとにかく下へ下へと駆け下りる。途中2度ほど転んだが、そんなことはかまっていられない。なんとか仙水峠まで下りてくると雨も小止みになり雷も収まってきて、やっとホッとする。

帰宅してから知ったのだが、この日、槍のテッペンで1人落雷で亡くなっていた。さらには山だけでなく平地の長居公園でも亡くなった人がいたようだ。まったく災難はどこにあるかわからない。

仙水小屋まで下りてくると雨は止んできた。合羽を着る前にすでに濡れていたので服を着替える。濡れたものでテントのなかは湿気が充満し、うっとうしい。おまけに転んだときに膝を捻ったらしく少し熱をもって腫れ、曲げ伸ばしが痛い。明日は歩けるか、いろいろ考えるとまた寝られない。

 

 

 

 

 

 

 

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甲斐駒ヶ岳 広河原

2012年08月17日 | 山旅

お盆も過ぎ、またお天気が安定するとの予報が出た。、今回は南アルプス北部でまだ登っていない甲斐駒ヶ岳(2967M)に登ることにする。

初日は7時半に家を出て新幹線、身延線を乗り継ぎ、身延まで行き、そこからさらに奈良田温泉経由、広河原までのバスに乗り、広河原着が1600時。着いた時には雨が降りだしていた。今日は午後からは雷雨の予報だったが明日からはよくなることを期待する。

広河原のテント場は炊事場やシャワーブースまであってトイレもきれいで快適だが、雨ではパッとしない。それでも前回学習の効果もあり、今回は要領よくテント設営ができた。

夕食を食べてシュラフに入るが、テントをたたく雨音に気が滅入る。

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人間の條件

2012年08月15日 | 映画

毎年この時期になるとNHKで戦争関連の番組が放送される。そのひとつとして、小林正樹監督の映画「人間の條件」がBSで放送された。1959年から61年公開の全6部の長大作だが、若いときに映画館での一括上映で観たことがある。今回は1部ずつ分けての放送だったが、たまたま放送に気づき途中から見始め、結局完結編まで観てしまった。

軍隊での古年兵からの制裁、突撃で生き残り、部隊から離れ中国大陸を彷徨い、やがて終戦、さらにはロシア軍の捕虜になりそこでの過酷な労働と、これでもかというぐらい主人公の梶上等兵が理不尽な扱いを受ける。そんな中でも理性を保つことが人間としての条件ということか。

所属する部隊を離れ、ロシア軍に捕まるまでの間、満州に取り残された民間人や敗残兵たちがそんな梶を信頼し付いてくることになり、リーダーとしての強さ、信念、人間性も描かれる。梶は妻美千子に対して顔向けできない、恥ずかしいことはできないという強烈な思いを支えに、妻の元に帰ることを目的に彷徨い続けるという重い内容だが、梶を演じる若き日の仲代達矢のギョロ目の迫力に圧倒され、見始めると止まらなかった。

さらには「人間の條件」に続いて、戦争を体験した兵士の証言を綴った番組も放送された。敗戦から67年、兵士で生き残った人が年々少なくなっていくなかでの貴重な証言としてそちらからも目が離せなくなってしまったが、その重さに見終わってどっと疲れた。

亡くなった父親も兵士として中国戦線、南方戦線と従軍し、終戦はフィリピンのルソン島で迎えたことは知っているのだが、生前詳しい話を聴いておかなかったことが今になって悔やまれる。

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今日のイノ君

2012年08月12日 | 散歩

  

「暑いのにそんなにくっついて、お熱いことで」と冷やかすと、上目遣いにギロッとにらまれた

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屋根裏部屋のマリアたち

2012年08月08日 | 映画

1960年代のパリが舞台。妻と2人の息子とパリのアパルトマンで暮らしている株の仲買人のジャン・ルイの家庭はメイドを雇うことができるくらいの中産階級である。妻のシュザンヌは家事はメイドに任せ、社交生活に何かと忙しい。

そんな家に、これまで雇っていた年配のメイドの代わりにマリアというスペイン人の若いメイドが雇われてやってくる。マリアは同郷の他のメイド仲間と一緒にジャン・ルイの暮らすアパルトマンの屋根裏部屋に住んでいる。そこはトイレも故障し、暖房もなくけっして恵まれた環境ではないが、メイドたちは助け合って明るく暮らしている。

ジャン・ルイは壊れたトイレを直してやったことをきっかけに、同じ建物に住んでいてもそれまで無関心だったメイドたちの暮らしぶりが気になり始める。あることがきっかけで妻ともうまく行かなくなり、マリアに引かれていき、やがて自分の生活に疑問を持つようになる。そんな彼が採った道とは・・・。

そばかすだらけでやせぎすの妻より、若くてかわいいマリアに引かれて自分の生活を見直す、っていうのがなんだか男にとって都合のよすぎる話に思えてくる。

出稼ぎのためメイドを送り出しているフランコ将軍の軍政下のスペインと、それを雇っているフランスの関係がそのままヨーロッパでの両国の経済格差を表しているが、ユーロ危機の今の状況もあまり変わっていないような、そんな気がしてきた。

 

 

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