春到来。何か月ぶりかでついにズボンの下のタイツを脱ぎ捨てた。それほど暖かい日だった。
ソメイヨシノはまだだがいろいろなものが咲き始めた。
しばしベンチに座り花を眺めて近くのベーカリーで調達したあまおうのパイをほおばる。あまおう、うまい!花もいいけどダンゴもね
せっかく脱いだパッチも明日にはまた履かなければならない雲行きだ。
春到来。何か月ぶりかでついにズボンの下のタイツを脱ぎ捨てた。それほど暖かい日だった。
ソメイヨシノはまだだがいろいろなものが咲き始めた。
しばしベンチに座り花を眺めて近くのベーカリーで調達したあまおうのパイをほおばる。あまおう、うまい!花もいいけどダンゴもね
せっかく脱いだパッチも明日にはまた履かなければならない雲行きだ。
4月になれば冬の間休んでいた稜線の小屋で営業するところも出てくるので、今年はどこへ行こうかと思っていた矢先、栃木県の那須で不幸な事故が起きてしまった。一瞬にして8人の若い命が奪われてしまったのはなんとも痛ましい。
表層雪崩が起きやすい気象条件下での雪上訓練だったところに指導者の判断の甘さがあった気がするが、責任者が会見で「絶対安全だと思っていたが結果的に云々」というようなことを語っていたのに違和感を覚えた。
自分も雪山に入るときは一応気象条件と地形くらいは頭に入れているつもりだが、後から考えて「あの時はちょっとまずかったかな」というときもないとはいえない。それでもこれまで事故がなかったのは正直なところ運がよかったからだと思う。
どこの山でも雪崩は頻繁に起こっているはずだが、そこに人がいなければ特に問題にはならない。いくら気をつけていてもそこに居合わせる不運から完全に逃れることはできないけれど、ある程度予測がつく場合はより慎重に判断しなければと改めて思う。
今年の滋賀は本当に積雪が多いようだ。まだ武奈ヶ岳でも雪が楽しめそうということなのでこれは行かねばならない。がんばって早起きし、青春18きっぷで電車に飛び乗る。
湖西線の堅田駅発0850時のバスで登山口の坊村に向かう。バスを降りて0950時、急登を上り出す。さすがにこの辺りはすでに雪解けが進みでズルズルの泥道になっている。
30分ぐらいするとやっと雪道になって歩きやすくなるが、途中急斜面で渋滞が発生。男性リーダーに引率された女性グループの一人が雪の途切れた急斜面で怖がって立ち上がれず前に進めない。全員新しいアイゼンを履いているので雪山初挑戦なのかもしれない。ルートを雪のあるトラバースに逃げた方が楽なのだが進退窮まっている。雪道に不慣れというより普通の登山道の経験もあまりないのではないだろうか。こちらがトラバースに逃げて先に行かせてもらう。
雪庇に乗らないように気をつけて
2時間ほどで御殿山に着く。武奈ヶ岳は3度目だがここから見る西南稜の武奈ヶ岳へのラインはいつもながら魅力的だ
ここからいったん下りとなるが、ステップができているのでアイゼンまではつけずヘルメット大明神とストックを出す。
空に向かって登っていく
ワサビ峠の標識。まだ雪はけっこう深い
雪庇もあってこの稜線がたまらない
最後の急登
1230時武奈ヶ岳(1214M)到着。今日は風もなく穏やか
これまで2回は坊村へピストンで戻っていたが今日は八雲ヶ原、金糞峠を経て青ガレを下りてイン谷口へ下りることにする
御殿山方面
この分岐を八雲ヶ原方面へ
八雲ヶ原からは渓流沿いを進む。雪解けが進みブリッジになっているところはそっとね
森の巨木兄弟
金糞峠は東西南北の分岐点。それにしても金の糞ってどんなんやろ
ここから青ガレを下る。その名のとおりガレ場で落石の多いところで無雪期はあまりお勧めではないようだ。まだ今は雪で覆われているのである意味歩きやすい。ただ雪が緩んでいるので時折ズボッともぐり足をとられるので慎重に下っていく
琵琶湖が見えてきた
渡渉も何度かあって
1520時谷口イン到着。1525時のバスに間に合った。昨日までならバスが運休していたのでここから比良駅まで車道を1時間弱歩かなくてはならなかったが今日からバスが運行再開していて楽をさせてもらえた。
比良駅から琵琶湖バレイの打見山方面
今日も無事に下山できやれやれ。お彼岸のこの時期にまだ比良の山で雪道歩きを楽しめて今年は得した気分だ。
ポートアイランドに行くことがあってポートターミナル駅を通ったらクイーンエリザベス号が停泊していた。
我々世代の豪華客船のイメージといえばなんといってもQEということになる。一生乗れる機会はないだろうな。
滋賀県の日野町にある綿向山は標高1110Mほどだが冬は樹氷が楽しめる山として人気がある。以前から行きたくて2月にはそのつもりだったのだが朝寝過して行けずじまいになっていた。3月に入って暖かくなってきたので今年はもう無理かと思っていたが、最近のヤマレコでまだけっこう雪もあって樹氷も見られるという投稿をみつけた。ならば行かねばならない。
今度こそ布団の撥ねのけに成功。青春18きっぷで近江八幡まで行き北畑口行0920時発のバスに乗る。1時間ほどで着くが登山口の西明寺まではさらに40分ほどの車道歩きとなる。
日野町マンホール。このお坊さまは誰?
日野町特産の日野菜が植えてある。漬物にすると独特のえぐみがあって美味
40分ほどで登山口へ着く。今日は土曜日なので駐車場には20台ほど車が止まっている。けっこう登っている人がいるようだ。登山口からしばらくはまったく雪がないのでほんとに樹氷があるのか半信半疑で表参道登山道を登っていく
この辺りでもそろそろこれが威力を発揮し始めそう
3合目あたりから雪道になる。ジグザグを繰り返す緩やかな道が続く。
五合目の避難小屋は新しくてきれい。屋根の赤が映える
七合目を過ぎてしばらく行くと道は参道を外れて尾根を直登する冬道に出る
ここからは斜度が増し、風当たりがきつくなってくる
もう少しで頂上かという辺りから木々に樹氷が見られるようになる
エビのしっぽも
登山口から2時間ほどで頂上到着。標高に因んで11月10日は綿向山の日だそうな
見えているのは雨乞岳、御在所方面か
時折吹く風は冷たく身を切られるようなのでそそくさと昼食をとって下山する。下りはアイゼンを付け慎重に。
麓まで戻ってくるとそこはすっかり春だが、1000Mの稜線はまだまだ冬の様相を見せていた。この落差も山に登る魅力のひとつかもしれない。
今日は3月11日、あの地震から6年。それが早いのか遅いのかいろいろな人の思いがある日に私はまた山で遊んでしまった。
今回の旅も今日で終了。朝一番、昨日の降雪で新雪の積もった湯ノ湖に出てみる。
ボートは春の出番待ち
温泉街もひっそり
温泉の熱でマンホールが見えている
宿の玄関先に鹿の足跡あり
朝食後路線バスで日光駅に向かう。途中紅葉の名所いろは坂を下りていくが今は落葉してしまってまったく色彩のないただの枯れ山。これからまもなく芽吹きが始まり新緑になり秋には紅葉に燃えるのだから自然の力はすごいと今更ながら感心する。
宿の食事は淡白な和食中心だったので東京駅でこってりした駅弁を調達し車中の人となる
天気予報では今日は天気が悪いとのことだったのでスキーでもしようかと思っていたが、朝起きてみると案外天気がいい。午後からは下り坂とのことだがせっかくだからもう一山登っておこうとバスで光徳牧場まで行き、そこから山王峠へ登りその先の山王帽子山という小さなピークを目指すことにする。時間があればその先の太郎山に登りたいところだが天気のこともあるのでとりあえず帽子山まで行ってみることにする。
光徳牧場の辺りの奥鬼怒林道はクロスカントリースキーのコースにもなっているようでスキーの跡が何本かある。その林道の途中から山王峠への登山口に入るつもりだったのに分岐を見落としてしまう。このまま林道を行っても峠には出るようだが距離が長くなってしまうのでやむなく引き返し登山道への分岐を探し何とか見つけ再スタートする。峠までは傾斜も緩やかでトレースもあるのでツボ足で登っていく。1時間半ほどで峠に出る。ここを西にとれば先日行った刈込湖方面に、東に行けば山王帽子山、太郎山方面になる。
小さな標識がありトレースも一人分あった
ここからは急登になるのでストックとヘルメット着用。急登とはいうもののおとといの前白根山への道とは比べものにならないほど楽なのでアイゼンまではいらない。しばらく上って傾斜が緩やかになったところ辺りで雪が降りだす。天気予報は正確だった。せっかくここまで来たのだがから頂上だけは踏んでおこうとがむしゃらに歩いて何とか登りきる。
山王帽子山(2077M)眺望なし
雪が激しくなってきたので即下山にかかる。トレース上にも雪が積もり始めるが目印のテープもあるので迷うことはなさそうだ
木々にも雪が付き始めている。明日の朝は雪景色が見られそうだ
雪道の下りは天気がよければスノーシューを付けてトレース以外のところをバホバホと歩きたいところだがやはり雪が降っているとあまり気持ちに余裕がなく、つい最短距離を行くことになり上りの半分以下の時間で光徳牧場へ着いてしまう。このころには雪も小止みになっていた。あとは14時台のバスで湯元に戻るのみ。
よくよく考えると何をしているんだか。歩くことの嫌いな人からすれば、寒くて雪も降るなかしんどい思いをしてガシガシと山に登って何がおもしろいのだろうということになるんだろうな。しかしそれが楽しいのだからやめられない。
日常生活でたいして緊張することもなく、達成感を得ることもない弛緩した日々を送っているとやはりどこかでピリッとしたいという思いがあるのだろう。それを求めての山登りということになるのだと思う。緊張の後には緩和あり。それもまたたまらない。そんなことを考えながら今日も温泉に浸かるのだった。
今日は戦場ヶ原、中禅寺湖の辺りまでの平地歩き。湯ノ湖の北に隣接する休暇村から湖の淵に沿って歩いていく。夏なら湖畔沿いの遊歩道だが今は雪道で場所によっては凍結している。高さこそそれほどではないものの落ちれば湖に転がり込むことになる。凍っているところならまだいいが淵が凍ってないところに落ちれば目も当てられないので気が抜けない。
30分ほどで湖尻の湯滝に到着。湖尻から湯ノ湖方面。白く見える山は金精山か
湯滝
ここから森の中を歩いて小田代ヶ原に向かう。森の中はクロカンやらスノーシュー歩きやらのトレースが多い。トレースを外さない限りツボ足でも十分歩ける。
小田代ヶ原の展望台から戦場ヶ原を隔てて女峰山・男体山
さらに竜頭の滝へ向かう
滝へ流れ込む小川。凍っているところもあるが雪解けも進んでいる
どのあたりが竜頭なのかよくわからないがとにかく竜頭ノ滝
この後中禅寺湖に出て少し湖畔を歩く。赤岩辺りから対岸を望む
中禅寺湖を1周するには8時間ほどかかりそうなのであきらめて引き返し帰りは路線バスで休暇村に戻る
今日は4時間半ほどの高低差なしの平地歩き。このところの晴天続きで木々に雪はなくきれいな森が見られないのが少々物足りない、とぜいたくなことを考えてしまうのだった。