一日待ったかいがあって今日は朝から快晴!雪崩の可能性のエリアなどの情報を宿の人に聞き、8時前出発。夏道の東側の尾根沿いを登っていく。下からのロープウェイは8時半頃にならないと上ってこないのでまだトレースはないが、視界は360度クリアなので目標目指してスノーシューで気持ちよく新雪を踏んで行く。
しばらく登ると眼下に雪に埋もれた栂池自然園とヒュッテが見える
天狗原の手前で足元がカリカリ状態のところがあったのでアイゼンに付け替え、そのまま白馬乗鞍の登りにかかるがこれが裏目にでてしまう。
雪にもぐる分アイゼンの底に雪団子ができて高下駄状態に。一応防止用のプレートも付いているのだが何の役にも立たない。これで登るのはしんどいが、この急斜面ではとてもアイゼンをはずしたりもできないので10歩歩いてはストックでたたいて雪を落としながら登っていく。
稜線近くになると、雪が飛ばされていてやっともぐらなくなりやれやれである。
白馬乗鞍岳(2436M)頂上付近はだだっ広くて道標がなければどこが頂上なのかわかりにくい。積雪期に視界が悪ければ方向がわからず迷うこと必至だが今日はその心配がないのがうれしい。11時前到着
白い山は雪倉岳(2610M)。その名のとおり真っ白
白馬三山
つなげてみれば、うーん、感激!
視界がいいのでこの先白馬岳まで行きたいところだが、単独ではここで止めておくのが賢明というものだ。去年のこの時期、お医者さんの5,6名のグループが白馬への稜線で亡くなった事故も記憶に新しい。
お天気は上々、いつまでも眺めていたいところだが、風が強く寒くて長居はできない。何度も振り返りながら下りにかかる。
ロープウェイが動き出したので下から続々と登ってくるアリンコたち
何度見てもきれいだなぁ
上りは3時間かかったが雪道の下りは早い。1時間でヒュッテまで下りてくる
12時半のロープウェイで下山。台状の山は妙高か
動力での下山はあっという間で1300時に麓の栂池高原着。
さてここから大糸線の駅に出て、糸魚川経由か松本経由かどちらにしようかと考えながらバス停までくると「さわやか信州号大阪行き」と書いたアルピコ交通のバスが止まっている。
2人いる運転手さんに聞いてみると栂池1320時発で途中、白馬八方、信濃大町などに寄って2040時大阪着とのこと。
鉄子のはしくれで断然電車派なので長距離バスはあまり好きではないのだが、あまりのタイミングのよさに「これに乗れば乗り換えなしで大阪まで・・・。運転手さんも2人いるから安心だし」と悪魔のささやきが。えーい、乗ってしまえと料金8000円を払う。ここでの乗客は私一人。ところがその後、ちょっとびっくりすることに。
バスは大糸線と並行して走り昨日は全く見えなかった山々もくっきり見え
ゆったり座席に座って次々に見える山の景色を堪能する。途中の八方で誰か乗るかと思うが誰も乗ってこない。信濃大町なら立山黒部アルペンロードの玄関口なので立山帰りの人がいるだろうと思ったがここでも乗らない。その後穂高にも寄るがここでも誰も乗らない。松本経由で行くのかと思っていたらバスはそのまま長野自動車に入り「次は京都深草」とアナウンスが。えっ、私一人かい。
私が乗らなかったら運休にできたのかもしれないと思うとなんだか落ち着かない。おそるおそる運転手さんに聞いてみると「大阪からの折り返し便にするので誰も乗らなくても行かなければならない」とのこと。
そう聞いてやっと心置きなく、広い車内に1人ゆったりと座りなおしたのだった。
今回は思わぬことでスノーモービルに乗ったり、大型観光バスに1人で乗ったり、人生60数年生きているといろいろなことがあるもんだ。
帰ってきてニュースを見ていると白馬以外にも奥穂などでも遭難者が出ている。中には関東の300M台の低山でも登山道を外れたところで滑落して1人亡くなっている。そんななか今回も無事に登れて感謝。