新しい年が始まった。さして感激もなし、ただただ平穏であってほしいと願うのみ
新しくできた中之島美術館でモディリアーニ展を観てきた。最近の美術館らしく、展覧会以外にもいろいろ仕掛けがあってまずは玄関で迎えてくれるのは
ロビーには
この二点は撮影もOK
モディリアーニといえばうらなりヒョウタンのような特徴的な細い顔をした女性の絵が多い。これはあえてそういう人をモデルにしたのか、それともどんな顔を見てもうりざね顔に見えてしまったのだろうかなどと門外漢は考えてしまう。活躍した時代、パリ画壇の人々とも交流があったそうだが、ルノワールのことはあまり好きではなかったそうだ。画風からするとなんとなくわかる気がするような・・・。
この時期になると宇陀市の桜が気になる。見どころはたくさんあるが、筆頭は又兵衛桜だろうということで今回で3度目の鑑賞
まずは脇役の北向き地蔵を守る桜
又兵衛桜の周りには桃、こぶし、水仙なども植えられ、又兵衛さんを盛り上げている
どこから見ても美しい
念入りに手入れされた又兵衛さんは本当に地域の人に大事にされていることがよくわかる
このあとは近くの万葉公園、古い街並みなども見学
春日神社の桜
背後の松山城址にも上がって宇陀市の春を堪能した1日だった。
夏に水中に咲くバイカモを観に醒ヶ井に行く。
マンホールはイチョウとバイカモ
有形文化財の旧醒ヶ井郵便局
街道沿いの商家
街を流れる地蔵川に咲く花は小さいが真夏に水中に咲くということで涼やか。
流れにスイカ
百日紅も満開
朝顔に石の手水鉢
家々の前を流れる地蔵川は風情があってよい雰囲気なのだが、すぐ後ろを名神高速道路が走っていて風情に水を差しているのが少々残念だ。
県立美術館で開催中の「アイノとアルヴァ 2人のアアルト展」を観てきた。2人は夫婦でフィンランドのデザイナー。2人が関わった多くの建築や家具、食器など北欧デザインのシンプルで機能的な作品を鑑賞。
芸術品ではなく工業デザインで作られた数々の作品は写真もOKだった
素っ気ないほどシンプルな家具の数々
そのデザインは現在のイケアの商品などにつながっている気がした
テキスタイルにはなんだか日本を感じる
シンプルで趣味のいい最小限の家具に囲まれたモノの少ない生活に憧れるものの実現は難しい。
帰りに本屋で「ミニマリストの愛用品」という本を発見、紹介されていた趣味のいい商品が欲しくなったがただでさえモノの多い部屋にまたモノを持ち込んではなんのためのミニマリストがわからないと本をそっと閉じたのだった。
没後70年を記念して静岡で開かれている「吉田博展」を観に行った。
多色刷りの木版画作品は海外での評価も高いそうだ。故ダイアナ妃の来日時に作品をお買い上げということでも有名である。山が好きで山を描いた作品も多いということなので、今回はそれが観たかった。
穂高、剱はじめ山を描いた以外の作品も多く、精緻な木版画はその色彩が豊富で、日光の陽明門を描いたものなどは96回もの摺りが施されているとのことで驚きだ。多色摺りを活かして同じ木版で春夏秋冬、朝昼晩などで色彩を変えて摺り分けたりもしていて、いろいろな表情が楽しめ興味深かった。
版画は棟方志功のように自ら原画を描き、彫り、摺る人は少ないようだ。吉田博も一部は自分で彫ったり摺ったりもしているが多くは彫師と摺師との共同作業だったようだ。しかし彫師や摺師の名前などは特に明記されているようでもなさそうなのが不思議な気がする。それをいえば葛飾北斎などの有名な版画も同じことがいえるのだろうが。描いた人は芸術家、彫った人、摺った人は職人ということなのだろうか。
剱岳を描いた代表作
静岡まで来たのだからとついでに登呂遺跡近くの芹沢銈介美術館も観に行く。
登呂遺跡
美術館正門
商業デザインとして多くの作品で描かれた日本的な色彩が好きで何年か前にも一度来ているが、今回は常設展の他、本のデザインの特集が観られた。
それにしても空いている。私の他には一組のみ。こういう個人の作品を展示する美術館の存続はなかなか難しそうだ。愛知県でも杉本健吉美術館が近く閉鎖になると聞いたのでここも心配だ。
静岡は模型の街でもあるということで駅前にはこんなモニュメントがあった
静岡ではおでんも有名だったことを忘れていて食べそこなったのが心残りだ。
コロナワクチン接種の順番が回って来て、接種してもらった。接種会場には大勢の高齢者がいたが、比較的年齢が高そうな人は2回目の接種らしいので1回目と半々といったところか。
一連の流れをサポートするスタッフの数も多く、すでに接種が始まって1か月以上経つので特に混乱もなく淡々と進んでいく感じだが、会場全体に熱気のようなものを感じた。早く打ってほしいという高齢者の熱い思いの表れか。
サポートしてくれる方々はまだ未接種の方が多いことと思う。この1年半の間に通常の業務の他に、この降ってわいたような災難に対する業務が降りかかり本当にご苦労さまといいたくなる。
ワクチンに懐疑的で摂取したくない人もいると聞く。次々と変異するコロナウィルスにどこまで有効なのかもわからない面もあるらしい。接種するもしないもそれぞれの人が判断すればいいことだが、ワクチン以外に今の状況を終息させる有効な手立てがないのが悩ましい。
サクラの花はもちろん華やかで美しいが、さらに華やかで私が好きなのはハナモモの花だ。何年か前に阿智村のハナモモを観に行って素晴らしかったので、他にもどこかないかと探していたら岐阜県の揖斐川町の桂川沿いに並木があることがわかった。これは行ってみなければ。
青春18きっぷの残りがあるのでこれを使って新快速に乗り込み米原、大垣を経て養老鉄道の揖斐駅を目指す。ちょうど今の時期は沿線の桜が満開で車窓からも花見を満喫することができる。
川は町役場の近くと聞いていたので役場まで移動。食事をするところがあまりないので近くの喫茶店に入る。東海圏らしく味噌カツ定食を注文するとクレソンのおひたしの他茶碗蒸し、ゴマ団子まで付いてくる。これが名古屋や岐阜で噂の喫茶店メニューかと実感し完食。
お腹もくちたので川沿いを歩き出す。
満開ではないが七分咲きくらいか
タンポポとのコンビで。つくしも生えていていい雰囲気
水車越しに
水面の白いのは桜の花筏
アップで見ると
満開の桜と
きりがないのでこの辺りで引き返す
菜の花も少々
橋の上の灯りがいい感じ
ここは特に観光地というわけではないのでごく普通の街の風景としてハナモモを観ることができる。これほどきれいなのに地元の人がちらほらいる程度で密とは無縁。
神戸からだと大阪、京都、滋賀を乗り越えていくので少々時間はかかるが十分日帰りが可能、おまけに沿線の桜も楽しむことができ、さらには養老線というローカル鉄道にも乗ることができるいい旅だった。
たまにはおしゃれをしてみようとスカーフなどをしてみる、ベストなども着てみる。だが歩くことが多い私には首回りが暑い、ザックを背負った背中が暑い、ということでおしゃれとは無縁の日々を送っている。
それでも着ることに関心がないわけではなく、7月には志村ふくみ展で和服の粋を堪能し、今回はちょっと味わいの違うテキスタイルデザインが楽しめるミナ・ペルホネン展を観に行きおしゃれの神髄に迫ってみるのだ。
県立美術館での開催だが、コロナの影響で密を避けるために事前予約が必要とのこと、前もって予約の上、ローソンの端末で発券する手間を経てやっと入れた。
いつものカエルさん
入り口には
今回は写真撮影OKの展示が多かった
スケッチから起こされた手の込んだ刺繍を織りあげる過程なども紹介されていたが、それを織りあげる織機の技術にも感心してしまう
個人的には生地のデザインは好きなのだがそれが製品、特に服になるとなかなか着こなしの難しいデザインのような気がする。
全体的にゆったりしたデザインなので、着こなし次第ではとんでもなくおしゃれに見えるが、一つ間違えれば野暮ったくも見える。そんな紙一重のような着こなしの難しさを感じる。着てみたい気もするが、私が着れば間違いなく野暮ったく見えそうだ。
観終わってから美術館の周囲をぐるりと廻ってみる。こんなところにリンゴがごろり
なんだか不思議なおねえさんも
ミュージアムショップにあったミナのテキスタイルを使ったなんでもない布の袋に1万円とか2万円の値段が付いていた。当然服になったらそれなりの価格になりそうと思いつつ、帰宅してからオンラインショップをのぞいてみたところ想像通りだった。大体一般的なカジュアルウェアの10倍ほどか、もし買ったら似合う似合わないに関係なく何が何でも着なくちゃと意欲的になれそうなお値段だ。
6月に山陰に行き日本海沿いを走る特急に乗ったが、今回は太平洋側を走る特急に乗ってみる。
名古屋に行くついでに普通は新幹線利用だが、今回は新大阪から特急くろしおで紀伊勝浦に行きそこからワイドビュー南紀に乗り換える大回りのルートを選択。つまり紀伊半島をぐるりと回ることになる。0733時新大阪発、1610時名古屋着なのでトータル8時間40分ほどの列車旅だ。
長丁場なので例によって、読み物、食べ物、飲み物、羽織り物を用意し、勇躍列車に乗り込む。
時節柄空いてはいるが、ビジネスらしき客がちらほら目に付く。出発して天王寺までは特急とは思えないノロノロ運転だ。
日本海側よりはなんとなく景色が大味のような気がするがそれでも広々と開けた太平洋の眺めはまた違った趣がある
津波の発生を考えると、長い海岸線上には住宅があるところも多いのでどこの自治体も頭が痛いのではと思わされる眺めでもある
紀伊勝浦駅での乗り継ぎ時間を使って街をぶらぶら
港にはビン玉を使ったツリーが
足湯で和む
450キロの作り物のマグロ。やっぱり大きい!
ワイドビュー南紀に乗り継ぎ一路名古屋を目指す。
古座川の河口が広い
自由席は先頭車なので子供のように運転席からの眺めも楽しめる
海岸線を離れ内陸に入ると、稲もすでに色づき秋の気配
ただただ列車に乗るだけの旅だが、冷房の効いた車内で眺めを楽しみ、本を読んだり、弁当を食べたり、揺れに体を任せて居眠りをしたりとゆったり時間が過ぎていく。
定刻通り名古屋に着いて終了。さすがに帰りは新幹線を利用したのだった。