のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

新人の日報より

2006年04月16日 00時59分00秒 | 日常生活
本日、新人の日報確認のため、出社。
56人の日報を45人まで確認したところで
こんな項目を発見。

受講した教育の感想
 ・のりぞう殿
  研修開始から三日目。のりぞう殿の失敗数度。
  馬鹿にしているわけではなく、純粋にのりぞう殿の失敗に
  緊張がほぐれた。ありがたい。





えー。本人に悪気がまったくないのは分かってるんです。
ちなみに間違ったことも書いてません。
確かにのりぞうの日々は失敗だらけ。
おそらくごくごく普通に思ったことを素直に伝えてるんでしょうねー。
でも報告書に書くことじゃなかろうもんっ。
しかも「のりぞう殿」というそのタイトルはいかがなものなのか。



・・・・いや、むしろタイトルにまでなれて
喜ぶべきところなんでしょうか?

ていうか、この日報を読んだのりぞうの先輩方に
のりぞうの失敗続きの日々がばればれじゃーん!
やはり叱らねば!と決意しつつ
本日の仕事を終了させました。

なんだか脱力しちまったっすよ。

心のなかの冷たい何か / 若竹七海

2006年04月16日 00時38分11秒 | 読書歴
■ストーリ
 失業中のわたしこと若竹七海が旅先で知り合った一ノ瀬妙子。
 強烈な印象を残した彼女は、不意に電話をよこして
 クリスマス・イヴの約束を取りつけたかと思うと、間もなく
 自殺を図り、植物状態になっているという。悲報に接した折も折、
 当の妙子から鬼気迫る『手記』が届いた。これは何なのか、
 彼女の身に何が起こったというのか。真相を求めて、体当たりの
 探偵行が始まる。

■感想 ☆☆*
 若竹七海のデビュー作「僕のミステリな日常」の主人公
 若竹さんが失業してめぐり合う事件。15年前に書かれた
 若竹さん(作者のほう。ああ、面倒くさい 笑)のデビュー
 第二作目だ。時はおりしもバブル真っ最中。
 しかしそんな空気は微塵も感じさせない。

 ここに存在するのは人が誰でも持っている二面性の恐ろしさ、危うさ。
 バブルのさなかだからこそ感じたのであろう作者・若竹さんの
 疑問や人に対する思いが込められてるのではないだろうか。

 世の中が好景気に沸いて、どこを向いても浮かれた
 人や浮かれたお金の遣い方ばかり。
 でも、世の中の人々はみなそんなに明るいの?
 悩みは何もないの?
 いつも明るい日々を送っているの?

 違う。確かに外にいるとき、人は楽しそうに笑い
 幸せそうに過ごしている。
 しかし、いつも幸せでいつもいつも明るくて
 毎日楽しい日々が続いているわけではない。
 悩んだり泣いたり人には見せられないような
 ひどいことを考えたり情緒不安定になったり
 そんな二面性を人は併せ持つ。それは誰でも。
 どんな人もいろんな面を併せ持っている。

 変わりたいと願う。
 こうなりたいと願う。
 そちらに向かって努力する。
 けれどもその目標がほんの少しずつずれていく。
 ほんの少しずつだから自分には分からない。
 けれどもふと後ろを振り返ったとき
 少しずつ少しずつ道がずれていたこと
 その結果、目標からかなり離れたところに
 たどり着いてしまったことに気づく。
 その恐ろしさ。そのおろかさ。その悲しさ。
 そういったことをつぶさに細かく描いた作品。
 気づいてしまった一ノ瀬妙子の悲しみに胸をつかれる。

 そして、この作品が書かれたバブルの時代を改めて思う。
 この時代、世の中が浮かれていたからこそ
 そういったほんの少しの違いに
 人は鈍感になっていたのではないだろうか。
 ちょっとしたずれが深刻な違いになった体験を
 してしまった人が多かったのではないだろうか。