のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ラストサマー/アン・ブラッシェアーズ

2007年04月12日 23時05分25秒 | 読書歴
■ストーリ
 誰がはいてもステキに見える不思議な力をもったジーンズ
 「トラベリング・パンツ」はレーナ、ティビー、ブリジット、
 カルメンの宝物だった。ジーンズは勇気と愛と絆をくれた。
 高校生最後の夏を迎え、ちがう道を歩きはじめる4人。
 めぐりくる3度目の夏に、「トラベリング・パンツ」は
 どんな奇跡を起こしてくれるのか。
 心にしみる感動のシリーズ完結編。

■感想 ☆☆☆☆
 4人組ともこの作品でとうとうお別れ。
 夢中で読んだ「トラベリングパンツ」シリーズの最終作だ。

 本作品では「トラベリングパンツ」の影は薄くなる。
 主人公たちは「トラベリングパンツ」が回ってきても
 よほどのことがない限り、ジーンズを履かない。
 何か困ったことが生じても、ひとりで悩みもがき
 自分と周囲の人たちの力で解決を試みる。
 18歳の夏、幼い頃から築いてきた四人組だけの世界は
 終わりを告げる。正確には「終わり」ではない。
 四人組の絆は永遠だ。そこには終わりがない。
 けれども「四人組だけの世界」には終わりがある。
 彼女たちはこれからどんどん世界を広げていくのだ。

 そういったことがしみじみと感じられるラストだった。

 身近な人の死を乗り越えたブリジットとカルメン、
 新しい命の誕生を間近で体験し、命の輝きを見た
 カルメンとティビー。
 夢に向かって自分の力で歩き始めたレーナとティビー。
 古い恋にようやくさよならできたレーナ。
 新しい恋の始まりにわくわくする四人。
 第一作目と比べると格段に大人になった四人が
 変わらない友情でこの作品の中にいる。
 物語ラストの友情の儀式では、四人組を見守ってきた
 私までもが切ない気持ちになった。

セカンドパンツ/アン・ブラッシュアーズ

2007年04月12日 22時48分39秒 | 読書歴
■ストーリ
 不思議な力をもつジーンズと4人の少女が不思議な夏を
 経験してから1年が経った。ジーンズはクローゼットで
 静かに休んでいる。トラベリング・パンツは夏のもの。
 「ぜったい洗わない」決まりだから、はくのは
 ほどほどにしなければ。だけどみんな一日たりとも
 忘れたことはなかった。ふたたび必要とされる日まで
 じっと不思議な力をたくわえたジーンズのことを。

 ブリジット:母親の自殺と向き合うために衝動的に
       祖母の家へ旅立つ。
 レーナ :遠距離恋愛中のコストスと幸せな一週間を過ごした後、
      彼からの連絡が途絶える。
 カルメン:母親に再婚相手候補が出現。デートに
      トラベリング・パンツをはかれてしまう。
 ティビー:映画コースを受講したが、カメラに映らない
      現実の世界から多くのことを学び取る。

■感想 ☆☆☆*
 相変わらず面白いトラベリング・パンツシリーズ第二弾。
 今作品でもヒロインたちは生き生きと生活している。

 前作ではそれぞれが忘れられないひと夏を過ごした。
 大きな前進を図った。だからといって、四人がすぐに
 変わるわけではない。
 レーナは臆病者で人嫌いのまま、カルメンは母親の
 再婚の可能性に怯え、ブリジットとティビーは
 身近な人の「死」から未だ立ち直っていない。

 それでも彼女たちはジーンズが回ってきたら、
 ジーンズの勢いを借りて自分を鼓舞し、
 今までの自分だったらできないような行動に走る。
 ジーンズに、ひいてはジーンズを共同で使っている
 親友たちに恥じることのない自分でいようと
 無意識のうちに背筋を正す。
 お互いに高めあい、励ますあう幼馴染たち。

 四人の友情が素直に羨ましい。彼女たちの友情を担う
 一員になりたい。二作目になり、こういった感情を
 ますます強く感じた。

トラベリング・パンツ/アン・ブラッシュアーズ

2007年04月12日 22時23分24秒 | 読書歴
■ストーリ
 癇癪持ちのカルメン、美人のレーナ、反抗屋のティビー、
 運動神経抜群のブリジット。ワシントンに住む4人の
 女子高生は生まれたときからの友だち同士。
 母親たちが妊婦教室で知り合ったため、生まれる前から
 のつきあいといってもいい。本人たちの性格や趣味、
 家庭環境や通う学校も違うが、週末や長期休暇は
 必ずいっしょに過ごしてきた。
 ところが今年の夏休みは、生まれてはじめてばらばらに
 過ごすことになる。夏休み前夜、カルメンが古着屋で
 買ったジーンズがまったくスタイルの違う四人に
 よく似合うとわかった。これはきっと魔法のパンツ!
 四人は、夏休みの間、このジーンズを交代で使うことにする。
 一週間たったら手紙をつけて次の人に送るのだ。

■感想 ☆☆☆*
 四人の女子高生が実に生き生きと描かれていて
 具体的な姿まではっきりと思い浮かべることができるほど。
 きっぱりはっきりしたスタイル抜群の金髪娘ブリジッド。
 ビビッドなピンクのスニーカーが似合いそう。
 ちょっぴりおせっかいで喜怒哀楽の激しいカルメン。
 カルメンはきっと栗毛色でくるくるカール。
 一番ちびっこでオトコノコなんて興味なさそうなティビー。
 ジーンズばかりで女らしさとは無縁かも。
 そして、誰もが認めるギリシャ系の美人、レーナ。
 黒目黒髪で見た目はきっと女性そのもの。

 彼女たちの姿も声も笑い声も全てがとても身近に感じられる
 作品だった。まるで私自身の友達のように感じられる。
 16歳のきらきらした夏の時間をあますところなく伝えてくれた。
 それぞれが別々に過ごしている夏の物語なので
 オムニバスのように四人の生活がかわるがわる語られている。
 それでも物語はすっきり分かりやすく、視点がぶれることはない。
 四人は違う場所で過ごしているが、距離など関係ないかの
 ようにお互いに支えあい、頼りにしあっている。

 トラベリングパンツと共に泣いて笑って怒って
 恋をした四人は、語りきれないほどの思い出と共に
 夏の終わりを迎える。
 青春時代特有の甘酸っぱさもほろ苦さも詰まった作品だ。