■ムーミンパパ、海へ行く/ヤンソン
■ストーリ
かわいいムーミントロールとやさしいママ、おしゃまなミイに
すてきな仲間たち。毎日が平和すぎて物足りないムーミンパパは
ある日一家で海をわたり、小島の灯台守になります。
■感想 ☆☆
「ムーミンパパのわがままっぷりにひくよ。」と
薦められていた一冊。思っていた以上に、ひどいパパぶりに
心から驚きました。ひどい!ひどすぎる!
安定したムーミン谷を物足りなく感じるムーミンパパ。
そんなムーミンパパのために、谷での生活を捨てて島に
移住するムーミン一家は、慣れない土地で日々を奮闘して過ごす。
しかし、慣れない土地ゆえに、ムーミンパパは勝手が分からず
すべてが空回りする。ムーミンママは草木が育ちにくい島で
ホームシックになり、ムーミン谷の家の庭を壁に描き綴り
空想の世界に入り込むようになる。
ムーミンは「海馬」なる不思議な生き物に心を奪われ、
家族からの自立を図り始める。一方、ミィはどんなところでも
自分のやりたいように生き、協調とは無縁の日々を送る。
あと書きによると、「父親」という役にこだわりすぎて、
すべてが空回りするムーミンパパはヨーロッパの父親像
そのものだそう。どうやって終わるのだろう、最後はムーミン谷
に戻っていくのだろうか、とはらはらしながら読み終えて、
何も変わらないまま、話が終わってしまったときの驚きは大きい。
あらためてムーミンシリーズは子供のための童話ではなく
大人のための小説なのだと思い知った。
極端に少ない登場人物。出番はほとんどムーミン一家だけだが
唯一、灯台から逃げてしまった灯台守が大きな存在感で
島にいつづける。何も語らず、ムーミンたちと交わりあうこともないが
彼の存在に思うところは多い。ラストで灯台守の洋服を着せられた
彼は、みんなから「ぴったりだね」と言われる。
どんなに逃げても自分の人生からはにげられないのだと
少し胸が痛くなった。
余韻は残る。けれども私は、まだこの小説をしっかりと楽しむ
ことができそうにない。そう感じた。
■ストーリ
かわいいムーミントロールとやさしいママ、おしゃまなミイに
すてきな仲間たち。毎日が平和すぎて物足りないムーミンパパは
ある日一家で海をわたり、小島の灯台守になります。
■感想 ☆☆
「ムーミンパパのわがままっぷりにひくよ。」と
薦められていた一冊。思っていた以上に、ひどいパパぶりに
心から驚きました。ひどい!ひどすぎる!
安定したムーミン谷を物足りなく感じるムーミンパパ。
そんなムーミンパパのために、谷での生活を捨てて島に
移住するムーミン一家は、慣れない土地で日々を奮闘して過ごす。
しかし、慣れない土地ゆえに、ムーミンパパは勝手が分からず
すべてが空回りする。ムーミンママは草木が育ちにくい島で
ホームシックになり、ムーミン谷の家の庭を壁に描き綴り
空想の世界に入り込むようになる。
ムーミンは「海馬」なる不思議な生き物に心を奪われ、
家族からの自立を図り始める。一方、ミィはどんなところでも
自分のやりたいように生き、協調とは無縁の日々を送る。
あと書きによると、「父親」という役にこだわりすぎて、
すべてが空回りするムーミンパパはヨーロッパの父親像
そのものだそう。どうやって終わるのだろう、最後はムーミン谷
に戻っていくのだろうか、とはらはらしながら読み終えて、
何も変わらないまま、話が終わってしまったときの驚きは大きい。
あらためてムーミンシリーズは子供のための童話ではなく
大人のための小説なのだと思い知った。
極端に少ない登場人物。出番はほとんどムーミン一家だけだが
唯一、灯台から逃げてしまった灯台守が大きな存在感で
島にいつづける。何も語らず、ムーミンたちと交わりあうこともないが
彼の存在に思うところは多い。ラストで灯台守の洋服を着せられた
彼は、みんなから「ぴったりだね」と言われる。
どんなに逃げても自分の人生からはにげられないのだと
少し胸が痛くなった。
余韻は残る。けれども私は、まだこの小説をしっかりと楽しむ
ことができそうにない。そう感じた。