□IS~男でも女でもない性~
□月曜夜22時日本テレビ放送
□出演
福田沙紀、剛力彩芽、高橋ジョージ、南果歩、丘みつ子
西田尚美、西村雅彦、井上正大、入江甚儀
□お気に入り度 夏クール4位/6作品
□感想 ☆☆*
「IS」という存在を今回、このドラマを見て初めて知りました。
ISとは「インターセクシュアル (intersexual) 」の略。
「半陰陽」とも言われており、遺伝子、染色体、生殖器などの一部、
または全てが非典型的であり、身体的な性別を男性や女性として
単純には分類できない状態の人たちを指すそうです。
このドラマではそういった身体的特徴を持つふたりの少女を中心に
物語が進みます。「少女」といっても、ふたりは男性や女性として
単純には分類できない状態で、ヒロインのひとり、ハルは
男性として育ってきたにも関わらず、突如、心身の女性化が進み始めたため
「少女」として高校に入学することになった「女の子」になることを選択したばかり。
もうひとりのヒロイン、美和子は母親によって無理矢理
「女性」として生きることを強要され続け、心身のバランスを崩しています。
もうひたすらに「なるほど・・・」と思うことばかりだったこのドラマ。
普段、ドラマを見る際は、登場人物の誰かに共感したり、
心を寄せたりしながら見ることが多いのですが、
このドラマばかりは、そういう近い位置での鑑賞ではなく
ひたすらに「こういうことがあるんだな」「こういう人たちがいるんだな」
と「知る」ためのドラマでした。
その中で私がもっとも心を寄せて見ていたのは
自分の子どもをまるごと受け入れることができず、
無理矢理、「女性」であることを強要し続け、そのことによって
自分も苦しみ続けている美和子の母親でした。
もし、私が「IS」という存在を知らずに子どもを生んで、
生まれたその子が「IS」だったら。
たとえ「IS」という存在を知っていたとしても。
私はハルの両親や祖母のようにフラットな状態で
わが子を人間としてまるごと受け入れられるのかな、と考えると
まったく自信がなく。きっと美和子の母親のように
「普通」にこだわってしまうだろうし、
「それがあなたの幸せなんだから」と決め付けてしまうんじゃないかな。
と思いながら見ていました。
私は狭い世界で生きて来ていて、「幸せ」も「普通」も
自分の想像力の範囲内でしか考えられないでいる。
だからこそ、「知らない」が故に、「愛情」故に
わが子を傷つけて苦しめてしまう美和子の母親が
私にとってはもっとも身近な存在でした。
「知る」こと、お互いに「知り合う」ことから
「親しくなる」ことって始まるんだろうな、と思える
清清しいドラマでした。
けれど、「IS」である、ないに関わらず
親しいからこそ、家族だからこそ、「分かり合う」ことっていうのは
すごくすごく難しいことなのかもしれないな、とも思えたドラマでした。
□月曜夜22時日本テレビ放送
□出演
福田沙紀、剛力彩芽、高橋ジョージ、南果歩、丘みつ子
西田尚美、西村雅彦、井上正大、入江甚儀
□お気に入り度 夏クール4位/6作品
□感想 ☆☆*
「IS」という存在を今回、このドラマを見て初めて知りました。
ISとは「インターセクシュアル (intersexual) 」の略。
「半陰陽」とも言われており、遺伝子、染色体、生殖器などの一部、
または全てが非典型的であり、身体的な性別を男性や女性として
単純には分類できない状態の人たちを指すそうです。
このドラマではそういった身体的特徴を持つふたりの少女を中心に
物語が進みます。「少女」といっても、ふたりは男性や女性として
単純には分類できない状態で、ヒロインのひとり、ハルは
男性として育ってきたにも関わらず、突如、心身の女性化が進み始めたため
「少女」として高校に入学することになった「女の子」になることを選択したばかり。
もうひとりのヒロイン、美和子は母親によって無理矢理
「女性」として生きることを強要され続け、心身のバランスを崩しています。
もうひたすらに「なるほど・・・」と思うことばかりだったこのドラマ。
普段、ドラマを見る際は、登場人物の誰かに共感したり、
心を寄せたりしながら見ることが多いのですが、
このドラマばかりは、そういう近い位置での鑑賞ではなく
ひたすらに「こういうことがあるんだな」「こういう人たちがいるんだな」
と「知る」ためのドラマでした。
その中で私がもっとも心を寄せて見ていたのは
自分の子どもをまるごと受け入れることができず、
無理矢理、「女性」であることを強要し続け、そのことによって
自分も苦しみ続けている美和子の母親でした。
もし、私が「IS」という存在を知らずに子どもを生んで、
生まれたその子が「IS」だったら。
たとえ「IS」という存在を知っていたとしても。
私はハルの両親や祖母のようにフラットな状態で
わが子を人間としてまるごと受け入れられるのかな、と考えると
まったく自信がなく。きっと美和子の母親のように
「普通」にこだわってしまうだろうし、
「それがあなたの幸せなんだから」と決め付けてしまうんじゃないかな。
と思いながら見ていました。
私は狭い世界で生きて来ていて、「幸せ」も「普通」も
自分の想像力の範囲内でしか考えられないでいる。
だからこそ、「知らない」が故に、「愛情」故に
わが子を傷つけて苦しめてしまう美和子の母親が
私にとってはもっとも身近な存在でした。
「知る」こと、お互いに「知り合う」ことから
「親しくなる」ことって始まるんだろうな、と思える
清清しいドラマでした。
けれど、「IS」である、ないに関わらず
親しいからこそ、家族だからこそ、「分かり合う」ことっていうのは
すごくすごく難しいことなのかもしれないな、とも思えたドラマでした。