のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ATARU

2012年07月10日 21時30分35秒 | 日常生活
□ATARU
□日曜夜21時TBS放送
□出演
 中居正広、北村一輝、栗山千明、村上弘明、玉森裕太、利重剛、奥貫薫
 田中哲司、中村靖日、千原せいじ、嶋田久作、光宗薫
□お気に入り度 2012年度夏クール1位/7作品
□ストーリ
サヴァン症候群で特殊な能力を秘めた正体不明の青年・アタルは、事件現場で警察が見つけられなかった証拠に気付く能力に長けている。しかし、その証拠をうまくアウトプットできず、解決の糸口となるキーワードのみを発する。彼が発したキーワードをヒントに刑事たちが事件の真相を追及していく姿を描く。
□感想
この3か月の私の口癖は「もしアタルが道端に落ちていたら間違いなく家に連れて帰る!」でした。それぐらい中居さんが小動物的かわいらしさを炸裂しておりました。すんごくすんごくかわいらしかった!!我が家にもぜひ来てほしい!!と懇願しましたし、玉森君演じる弟君が面倒見よくアタルを扱う姿を見て、「分かるよー!かわいいもんね!」と勝手に仲間意識を持っておりました。

そして、中居さんのかわいらしさだけではなく、演技に感嘆し続けたドラマでもありました。私、スマップさんの中では、文句なく一番好きなのは中居さんなのですが、なにぶん本人が役者業より司会業に重心を置いていたり、たまに出演するドラマは私好みではなかったり、で大野さん同様、手放しで「大好き!」と言える中居さん出演作品はなかったのです。「ナニワ金融道」は大好きだったけれど、あの作品は中居さんよりも小林薫さん、緒方拳さんのほうが魅力的なドラマだからなー。
そのため、この3か月間は役も演技もストーリーも全部好き!という幸せな状態で、中居さんの演技を楽しめる幸せな期間でした。中居さんの役への入り込み具合に毎回毎回、飽きもせずに驚きながらドラマを楽しんでいました。もう普段の中居さんと全然っ!違うっ!勿論、それは当たり前のことなんだけど、でも、ここまで違うもんなんだなぁ、とただただ感嘆していました。声の出し方、しゃべり方、たたずまいや表情の作り方、どれもこれもが見事なまでに「アタル」でした。

今まで外の世界をまったく知らなかったアタルが外の世界を知って、知らない人たちと共同生活を送って、そこで自分の能力だけでなく、「アタル」というキャラクターもすべて認めてもらって、そういった信頼関係の中で今までとは異なる事件へのアプローチをし始めるところとか、すごく好きでした。サヴァン症候群故に、どうしても分かりあえないところはあるけれど、違いを認め合って、その違いに折り合いをつけて過ごすアタルと舞子の家族たちの関わりあい方が素敵だったな。いち早くアタルのことを理解し、実は誰よりもアタルの言葉を通訳する能力に優れていた舞子の弟君が事件解決時に涙を流すアタルにいち早く気が付いてアタルの気持ちを思いやったところも素敵だったし、「3回同じ情報を与えたら、その情報でアップデートされる(その情報を受け入れられるようになる)」と分かっても、自分たちの都合がいいようにむやみにアップデートせず、アップデートしてもまた元に戻す舞子パパさんも素敵でした。押しつけがましくない優しさや愛情に満ちた穏やかな家族だったな。

勿論、村上さん演じるラリーさんもアタルに愛情を抱いていて、だからこそ「彼の特徴」を活かして「ひとりで生きる術を身につけさせたい」と思っている。その気持ちはよく分かるから、舞子ファミリー(と沢さん)たちに出会う前もアタルが幸せじゃなかったなんて思わないけれど、でも、アタルをまるごと受け入れてくれる存在、なおかつアタルを特別視せず、心配してくれる存在はアタルにとって大きかっただろうな、と思うのです。本来はラリー以外に心を許さないはずのアタルが徐々に舞子ファミリーたちに甘えたりふざけたり、じゃけんに扱ったり(対沢さん限定。ある意味、彼はアタルにとって特別な人でした。)するところを見ていると、アタルにとって彼らは「家族」だったんだな、と思いました。その一方で、どんなに舞子たちに心を許しても手放さなかったチョロ(ぬいぐるみ)や、アップデートされても実の母親以外のおにぎりを「おにぎり」と認めなかったアタルの姿に、言葉で説明できない「絆」(という言葉もここ数年、安易に使われ過ぎていて苦手だけれど)のようなものも感じて心を打たれました。アタルの特性を頭では理解していても感情では理解してあげられなかった母親と、それでも母親を(そして家族を)求め続け、忘れられなかったアタルと。どちらの気持ちも分かってしまうから切ないエピソードでした。

サヴァン症候群というシリアスなテーマを扱っているのに、硬軟うまく組み合わせていてコメディ部分はおもいっきりはっちゃけているこのドラマの姿勢が大好きでした。アタルのことをどうこう言えないだろうってぐらい愉快な(愉快すぎる)職場仲間の犬飼さんと渥美さんたちなんて、最初から最後まで大活躍。見事に振り切った演技で見ていて爽快でした。デフォルメされ過ぎていて、「ふざけている」要素満載なのに、仕事に対しては、ふたりともプロ意識が高くてまったくふざけない。(口調やキャラクターはあんなにふざけているままなのに・・・。)そのギャップがとにかく素敵なオジサマ方でした。やるときゃやるよ!ふざけるときは本気でふざけるよ!みたいな潔さがとにかくかっこよかったし、その象徴が仕事あけに朝っぱらから飲んでべらんめえ口調の(でも、それは通常仕様)の犬飼さんだったな、と思うのです。大好き!

賛否両論どちらも同じくらい聞いたタモさんの最終回への出演。私は大興奮でした。まさかドラマで!しかもTBSさんドラマ枠のゴールデンで!タモさんに会えるなんて。堤さんらしいいたずら心満載で、クスリと笑わせられる小ネタの多いドラマでしたが、まさか最後の最後にこんなびっくりをどどーんとかましてくれるなんて思いも寄りませんでした。どどーんとかましてくれているのに、当の本人はぬるりと入ってきて、ぬるりと出ていくあたり、ぬるりと出てるのに、タモさんと言えば、の「帰ってもいいかな?」「・・・いいとも?」のお約束をちゃんと口にするあたり、堤さんテイストとよくあった大物ゲストさんだったな。大満足です。
もうアタルに会えないのかと思うとさびしくてたまりません。続編熱烈希望です。