旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

にいがた単身赴任生活を終えます

2014-02-01 | にいがた単身赴任始末記

 本年開府400周年を迎える高田城、三重櫓が穏やかな青空に映えています。
新潟市で2年、上越市で3年の決して短くない「にいがた生活」を今日で終えます。
たくさんの方と知り合い、支えられ、成長を実感できる充実した5年間でした。
お付き合いいただいた皆様に心より感謝いたします。
在京勤務になりますが、引続き新潟への誘客、交流人口拡大にお手伝いしたいと考えます。

 さて「にいがた」を去るにあたって本編のネーミングをどうしたものか考えました。
良いアイディアも浮かばないので暫くこのまま寝かせておきます。『始末記』ですから。

<40年前に街で流れたJ-POP>
銀の指輪 / TULIP 1974


Biz-Lunch とんかつの梅林@高田「かつサンド」

2014-01-29 | にいがた単身赴任始末記

 高田の歓楽街仲町通りにある「とんかつの梅林」は上越では結構な有名店なのだ。
一番人気は "かつサンド"、スナックやバーで飲んでいるオヤジ達が注文の電話を入れる。
帰り際にタクシーや代行で乗りつけて、ほっかほかのかつサンドをピックアップして行く。
これがご作法。だから夜の店内は閑散としていても厨房は忙しい。
越後もち豚の柔らかい肉がとっても美味い。でも値段もけっこう張るのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
学園天国 / フィンガー5 1974年


Biz-Lunch たんたん麺の店 菜心@高田「ネギ担々麺」

2014-01-25 | にいがた単身赴任始末記

 うちの支店の社員が強力に推す農業高校前の担々麺専門店「菜心」。
通には有名なお店で地元はもとより県内外からファンが食べに来るそうだ。
"ネギ担々麺" は(通でない私にはうんちくを語れないけれど)確かに美味しい一杯だった。

<40年前に街で流れたJ-POP>
春風のいたずら / 山口百恵 1974年


Biz-Lunch とんかつ大矢@高田「かつ重」

2014-01-22 | にいがた単身赴任始末記

 

「とんかつ大矢」は高田の人なら誰でも知る店。
上越での暮らしもあと僅か。旨いところは巡っておかないとね。
昔ながらのソース味のかつ重が旨い。

<40年前に街で流れたJ-POP>
しあわせの一番星 / 浅田美代子 1974年


Biz-Lunch たちばな@新井「とん汁定食」

2014-01-18 | にいがた単身赴任始末記

 「ケンミンSHOW」で "とん汁ラーメン" が取り上げられた。でも一般家庭ではそんなもの食べない。
久しぶりに訪ねた「とん汁たちばな」は席待ちの列ができていた。
周りの会話からは「初めまして」のお客さんが多いようだ。
メニューの脇役だった "とん汁ラーメン" がサインボードに大きく描かれている。メディアの影響は大きい。
ただ「とん汁のたちばな」に関して言えばシンプルな『定食』をお奨めする。
その方がこの絶妙な旨さが伝わると思うのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
薔薇の鎖 / 西城秀樹 1974年


Biz-Lunch 鳥新@妙高「やきとり丼」

2014-01-15 | にいがた単身赴任始末記

 長野から上越へとR18を走る。妙高大橋を渡ると "やきとり丼" の「鳥新」がある。
出汁で炊いたご飯に、焼き海苔、香ばしく焼き上がった焼き鳥がジューシーで美味しい。
この地方に古くからつたわる香辛調味料 "かんずり" を添えると更に旨し。
妙高高原スキーリゾートへの往き帰りにお奨めの一丼です。

<40年前に街で流れたJ-POP>
傷だらけの天使 / 井上尭之バンド 1974年


Biz-Lunch 食堂ニューミサ@中郷「みそラーメン」

2014-01-11 | にいがた単身赴任始末記

R18を上越方面に下る。関・燕入口交差点を越えると右手に「食堂ニューミサ」がある。
ここは "味噌ラーメン" の一点、トラック野郎やツーリングの編隊も目指す評判の一杯だ。
平日のお昼にはNGなほどニンニクたっぷりの味噌ラーメン、大汗をかきながら啜る。
都会に戻ってひと月もすると、きっとまた食べたくなる癖になる一杯だね。

<40年前に街で流れたJ-POP>
突然の愛 / あべ静江 1974年


休日はローカル線で 高山ラーメンとさるぼぼと深山菊

2014-01-04 | にいがた単身赴任始末記

朝食を抜いてきたので、真っ先に安川交差点近くの「甚五郎ラーメン」を訪ねる。
所謂 "高山ラーメン" は醤油ベースのスープにシンプルな具材、細く縮れた麺が特徴だ。

06:53、まだ陽が昇らない岐阜から、飛騨古川行き2両編成の気動車に乗車する。
岐阜から高山まで達する普通列車は午前中この1本だけだ。

岐阜から続く住宅と田園の風景は美濃太田まで。この先は飛騨川の渓谷を遡っていく。
渓谷といっても多くの水力発電ダムがあるため。渓谷美と水を湛えた風景が交互する。

列車は約2時間かけて下呂駅に滑り込む。ホームでは手湯が白い湯気を上げている。
下呂温泉は、草津温泉、有馬温泉と並んで「天下の三名泉」と称される名湯だ。

さらに飛騨川を遡ること1時間と少々。2両編成の気動車は高山駅に到着する。
上三之町から上二之町にかけて古い町並みを散策する。旨い地酒を求めるのが目的だ。
この界隈には五蔵が店を出している。利き酒をしながら巡るのも楽しい。

12:00。次走の猪谷行きに乗車する。高山を発って間もなく野も谷も雪景色となる。
となると当然雪見酒となる。高山で仕込んできた "深山菊 しぼりたて生" を開ける。
思わず買ってしまったお猪口に入った「さるぼぼ」が可愛らしい。

高山本線は高山の手前で分水嶺を長いトンネルで越えている。車窓の宮川は日本海に注ぐ。
90年代、長瀬智也と酒井美紀が主演したドラマ「白線流し」が人気を博した。
卒業式の日、学帽の白線とセーラー服のスカーフを一本に結び川に流すというものだ。
ロケ地は松本市だけど、実際は高山市の高校の行事、この宮川(支流大八賀川)が舞台だ。

レンガ造りのトンネルを抜けると富山県。2両編成の気動車はひっそりとした無人駅猪谷に終着する。
乗客は足早に、ホームの先で待つレールバスに乗り換える。ここからはJR西日本の管轄となるのだ。

軽快に駆け下りた富山平野には意外にも雪の気配がない穏やかなお正月だ。

レールバスが大きく右カーブすると左手から北陸本線が近づき併走する。
神通川鉄橋を渡ると終点の富山駅。北陸新幹線の真新しい駅舎が青空に白く輝いていた。

<40年前に街で流れたJ-POP>
恋の風車 / チェリッシュ 1974


休日は各駅停車で 静岡おでんと駿府城と鰻丼と

2014-01-01 | にいがた単身赴任始末記

東海道本線を下って、"静岡おでん" を試したくて横丁「青葉おでん街」を訪ねる。
さすがにどの店も暖簾がかかっていない。夜に向けての仕込中だ。
諦めきれず観光案内所で入手したMAPを探して、駅南の「海ぼうず本店」 を訪ねる。
だし汁に浸さず青のりを振りかけていただく。旨い。地酒は "花の舞 大吟醸超辛口" だ。

なぜ正月早々駿府城に居るかって、単身赴任先へ戻るのに遊び心の遠回り。
東京~岐阜~富山~直江津と周ってみようかと、そろそろ異動だと思うのだ。

 

静岡から浜松までは乗り換えて所要1時間30分。当然青春18きっぷの鈍行の旅。
まだ腹は減っていないのだが、喰わなきゃならないのが "うなぎ" でしょう。
駅近の「一兆」でビールと鰻重を楽しんだら、今宵は名古屋で双六は一回休み。
明日は、高山本線で富山、北陸本線で直江津へと駒を進めるつもりだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
赤ちょうちん / かぐや姫 1974


休日はローカル線で ふなぐち菊水と荒川峡と米沢牛

2013-12-28 | にいがた単身赴任始末記

新潟始発の "快速べにばな" は意外にも満席。どうも本物の「鉄」たちが大勢乗っている。
気後れしないよう「吞み鉄」の本領を発揮しよう。新潟県北では “菊水” がお奨めだ。
旅ものカレンダーに紅葉風景がしばしば登場する荒川峡を眺めながら雪見酒を愉しむ。

米坂線は羽越本線の坂町から分岐して米沢に向かう。
坂町駅はあまりにも寂しい駅だ。客待ちのタクシーも動く気配がない。
せめて今日明日の午後ぐらいは故郷に降り立つ人と迎える家族で賑わうだろうか。

ピークの宇津峠をトンネルで越えると最上川水系となって米沢盆地へ下っていく。
米坂線は2時間ほどの旅で米沢に到着する。ホームでは伝承米沢牛が迎えてくれる。 
やはり食べておかないといけない米沢牛、駅弁の新杵屋で "すきやき膳" をいただく。

米沢城址と上杉神社を訪ねる。人集は若き歴女たちが武将隊を囲んでの写真撮影待ち。
上杉景勝、直江兼続、前田慶次郎あたりが居るのだろうけど見分けがつかない。
米沢の健闘に比べ、謙信・景勝創業の春日山を有する上越はもっと頑張らないといけない。

東光酒造さんで帰路の地酒を仕込んだら、東京行きのつばさ号でも一杯なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
心もよう / 井上陽水 1973


休日はローカル線で 懐古園と亀の海と千曲川

2013-12-21 | にいがた単身赴任始末記

キハE200形の爽やかなスカイブルーのラインは、浅間山や千曲川それに八ヶ岳といった背景に映えるだろう。
小海線 “高原列車の旅” はここ小諸から始まる。

仙石秀久が完成させた小諸城は、城下町より低い穴城として有名だ。
懐古園は『破戒』や『千曲川スケッチ』を起稿した頃の藤村が歩いたことだろう。

11:00小諸発の列車は中込止まり、途中下車して「旧中込学校」を訪ねる。
駅への戻り道に土屋酒造店、千曲川の伏流水で仕込んだ『亀の海』の新酒を買った。

後続の小淵沢行で早速キャップを切る。車中で楽しんだのは別に求めた300mlだ。

小海線は千曲川に沿って進み、信濃川上を過ぎると大きなUの字カーブを切って河岸段丘を駆け上がる。
視界が開けると雪化粧した高原とその先に八ヶ岳の峰々が聳える。野辺山駅は日本最高標高駅(1345.7m)だ。

野辺山を出ると間もなく県境を越えて山梨県へ。清里、大泉、小泉に短く停車して列車は小淵沢に到着する。
まだ15:00過ぎというのにかなり薄暗い。富士山だけが夕陽に照らされ輝いていた。

千曲川 / 五木ひろし 1975


休日はローカル線で にしん親子弁当と青海川海岸と萬代橋

2013-12-18 | にいがた単身赴任始末記

"にしん親子弁当" は、脂が乗った甘露煮、数の子、昆布巻などを並べてニシンずくめの一品。
ロング缶を傍に、これはいい酒の肴になるでしょう。

信越本線の旅、後半は直江津から新潟までのいわゆる「海線」をゆく。
新潟行きの "快速くびきの号" は特急車両、大きなテーブルを降ろして呑む旅には絶好の環境なのだ。

柿崎~柏崎間の車窓は日本海を間近にする。遠く佐渡を臨む冬の日本海は荒れることが多い。
波がホームを洗う青海川は、確かドラマ「高校教師」のエピローグに登場した駅だ。

長岡のソウルフードは "洋風カツ丼"、皿盛りのゴハンにカツを載せ、ケチャップかデミグラスをかける。
ケッチャップベースのレトロな味は、ちょっと甘いけど後をひく味わいだ。

豊野で別れてから150km、鉄路は信濃川(長野県内では千曲川)と再会する。
信越本線の終点新潟で、日本最長の信濃川(367km)も旅を終える。ゴールテープは万代橋か。
旅を終えたボクはご当地料理 “のっぺい” をアテに、佐渡の酒 “真野鶴” ぼっちの打ち上げだ。

新潟ブルース / ロス・プリモス


休日はローカル線で 峠の釜飯と浅間山と門前の蕎麦

2013-12-14 | にいがた単身赴任始末記

鶏肉、ささがき牛蒡、椎茸、筍と “峠の釜めし” はビールのアテに良い。
信州へ越後へと鉄路が分岐する旧くからの交通の要衝高崎駅を起点に信越本線をゆく。

 

1998年の長野新幹線開業を期に、かつての大幹線も並行在来線へ移管、分断されてしまった。
僅か2両で横川をめざす各駅停車、主な乗客はご多分に漏れず高校生とご年配の方だ。

かつて補助機関車に押されて登った横軽の碓氷峠区間は廃止となった。往く手を阻む車止めが寂しい。
学生時代、上京に帰省に何度も乗車した区間を、今はJRバスが僅かに1日8往復連絡している。

妙義山を眺めながら35分、JRバスで碓氷バイパスを登ると "風立ちぬ" 軽井沢。
軽井沢〜篠ノ井は「しなの鉄道」に移管された。ガンメタリックとレッドに化粧を直した115系が斬新だ。

浅間山の雄姿が見えてくる。個人的には信濃追分から御代田の間が一番美しいと思う。
かつての信越本線の特急は、長野新幹線に「あさま」の名称を引き継いでいる。

善光寺に参ったら門前で信州の酒と蕎麦。"西之門 純米吟醸" でそばが茹るのを待つ。
お約束の "ざるそば" を一枚ズズッといただく。ふるさとの蕎麦処で満悦の真冬のひとときなのだ。 

篠ノ井以北は再び信越本線、車窓から見る妙高山は関山とスイッチバックの二本木の間が美しい。
日本海と出会う直江津は、信越本線が北陸本線と合流し北越急行が分岐する交通の要衝だ。

佐渡航路と連絡する湊町の駅舎は客船を模し、電柱はマストをイメージしてできている。
浅間を望む高原の駅から、千曲の流れと戯れ、妙高山を眺めて直江津に至る山線の旅だ。

コスモス街道 / 狩人


休日はローカル線で 烏城と信濃ワインと善光寺平夕景

2013-12-11 | にいがた単身赴任始末記

塩尻はワインの産地。桔梗ヶ原には葡萄畑が広がりワイナリーが点在する。
観光センターで信濃ワインの新作 “秋薫る ナイアガラ” を仕込んだら長野行きに乗り込もう。

篠ノ井線の起点は塩尻、ここで中央本線から分岐して篠ノ井で信越本線と結ぶ。
東京から中央東線、名古屋から中央西線を束ねて松本・長野へ送る篠ノ井線は賑やかだ。

黒と白のコントラストがアルプスの山々に映えて松本城(別名烏城)が美しい。
これから篠ノ井線に乗車して、安曇野から善光寺平へと抜けようと思う。 
タイミングが良ければ、姨捨駅で善光寺平らの夕景を楽しむことができそうだ。 

明科駅を過ぎると電車は犀川を離れて山中に分け入って行く。
30分ほどで冠着(かむりき)トンネルを潜ると松本盆地から善光寺平に抜ける。

スイッチバックの姨捨駅は日本三大車窓のひとつ。折角なので途中下車する。
田毎の月と呼ばれる棚田、夕陽を浴びて鈍く光る千曲川、善光寺平の夕景がキレイだ。

後続の電車で善光寺平へと駆け下りると。2駅20分ほどで終点の篠ノ井に滑り込む。
篠ノ井駅は信越本線、篠ノ井線、しなの鉄道の結節点。列車の発着は頻繁だ。
66.7km、所要90分、篠ノ井線の旅はハーフボトル1本分の旅なのだ。

おひさま~大切なあなたへ / 平原綾香


休日はローカル線で 碌山美術館と道祖神と信州蕎麦

2013-12-07 | にいがた単身赴任始末記

2015年3月の北陸新幹線延伸開業を控えて、真新しい橋上駅舎が姿を現して、
先日も新幹線試験車両(イースト・アイ)入線のニュースが流れていた糸魚川駅だ。
単行気動車は2・3番ホームの端っこに設えた4番ホームからひっそりと出発する。

"笹寿司" と "謙信" のワンカップを買い込んで朝から車中酒の大糸線の旅。
この甘口の本醸造が思いのほか笹寿しと相性が良くて美味しい。
笹寿司は信越県境地域で作られる家庭料理、川中島合戦当時は上杉軍の野戦食だった。

35kmの非電化区間を姫川にそってゆっくりと遡ると1時間ほどで南小谷に到着した。
スキー場開きを待つ冬のはじめの駅周辺は閑散として、やがて来る賑わいを待っている。
鉄路はここからJR東日本の管轄、反対側のホームに控える松本ゆきの電車に乗り換える。

少し青空が覗いてきたので穂高に途中下車。
安曇野には美術館が点在するから、それらを巡って芸術に触れるのも楽しい。
代表的存在が穂高町の碌山美術館だ。

穂高神社近くのそば処一休庵で "なごり雪" って品書きのぶっかけそばをいただく。
千切り大根の上に冷たいそばをのせ、わさびの茎漬け、揚げ玉、きのこを散りばめる。
見た目もキレイな一品は、この地方名産の山葵が香る美味いそばだった。

穂高駅は長閑な田舎の駅だけど、結構な乗客がホームで電車を待っている。
松本へ買い物に出かけるご婦人、遊びに出かける中高生たちで騒めいているね。
安曇野の風景になくてはならない「道祖神」が駅名表示版を飾る。

穂高駅で座席を埋めた2両編成は、ふたつ先の豊科でさらに乗客を増やしていく。
通路までいっぱいにした2両編成は穂高から30分で松本駅6番線に滑り込む。
上高地線の7番線とひとつ島になっていて、まさにアルピニストのホームだ。

いつしか冬晴れが広がって、白い常念岳を見上げた大糸線の呑み旅なのだ。

安曇野 / 原田悠里