旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

近江八幡の日牟禮界隈を漫ろ歩く 近江鉄道・八日市線を完乗!

2015-09-27 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 豊臣秀次が築いた城下町、近江商人の町、近江八幡を訪ねた。
何度目かの近江八幡につき、商家の町並みはパスして日牟禮界隈に直行する。
実際お腹が空いているのだ、冷たいビールも飲みたい。

鳥居本宿から武佐宿まで23.5kmを歩いた中山道、武佐には近江鉄道・八日市線の駅がある。
近江八幡まではわずかに1駅だけど、完乗が目的なので、一旦起点の八日市に向かう。

八日市線は米原から貴生川を結ぶ本線と八日市駅で分岐している。

 

近江鉄道は西武鉄道グループ、当たり前のように懐かしい旧西武電車が走っている。

 

近江八幡まで20分の旅、愛称通りガチャコンガチャコンと走り、東海道本線の隣に終着。

 

日牟禮界隈は女性に嬉しい、洋菓子の「クラブハリエ」と和菓子の「たねや」が並ぶ。

 

 さて、滋賀に来たからには、本場近江牛を味わいたい。
八幡堀沿いの「浜ぐら」で、行き交う観光船を眺めながら生ビールを呷る。
かなり遅いランチ、息子は “和風ローストビーフ丼”、私は “赤の他人丼” をいただく。
名物赤こんにゃくを使用した看板メニュー、これなかなかの一品です。

近江鉄道・八日市線 八日市~近江八幡 9.3km 完乗

 

<40年前に街で流れたJ-POP>
陽かげりの街 / 高橋真梨子 1975


ガチャコンと多賀大社と金亀と 近江鉄道・多賀線を完乗!

2015-09-26 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 近江鉄道の電車は、地元の人から “ガチャコン” と呼ばれている。
ミニチュアみたいなかわいい車体が“ガチャガチャ”うるさい音をたてて走るのを、
愛情込めてそう呼ぶのだそうだ。息子と歩く中山道の旅、64番目の宿場町高宮から
多賀大社前へと走る近江鉄道の支線があるので少々の寄り道を楽しんだ。

休日の日中、高宮と多賀大社前間は1時間に1本、ガチャコンが往復している。
長い待ち時間、ホームにちょこんと在る木製のベンチに腰掛けて文庫本を読みふける。
何の本なのかは尋ねないのが賢明だ。

 

2両連結のワンマン電車は、3駅間6分を “ガチャガチャ” 走って多賀大社前に終着する。
終点のここ多賀大社前駅でさえ無人駅なので、運転士がキップを回収する。
高宮駅で求めたキップは今どき珍しい硬券なので、頼んで記念に持ち帰ることにした。

 

駅前の大鳥居から延びる参道には、名物「糸切餅」を売るみやげ店が並び散策が楽しい。

「お多賀さん」の名で親しまれている多賀大社は、御祭神として伊邪那岐命(いざなぎ)と
伊邪那美命(いざなみ)を祀る旧官弊大社、延命長寿・縁結びの神として信仰を集める。

例えば、豊臣秀吉は母大政所の病気に際して病気平癒を大社に祈願している。
この時母の治癒により太閤橋(たいこうばし)と呼ばれる石の反り橋を寄進している。
太閤橋を渡って境内に入ると、玉砂利を敷いた境内には、木立を背景に堂々とした
風格を持つ本殿が建ち、本殿右に能舞台、左に絵馬殿が建っている。

参詣後、息子に近江牛のコロッケとご当地サイダーをねだられる。
吞み人はといえば、岡村本家の「金亀」生原酒の冷えた枡酒をいただく。
汗が吹き出した身体に冷えた生酒が染わたる。すっかり良い気分だけれど、
そろそろ高宮宿に戻って先を進めないといけない。

近江鉄道・多賀線 高宮~多賀大社前 2.5km 完乗

 

<40年前に街で流れたJ-POP>
俺たちの旅  / 中村雅俊 1975


うまさぎっしり新潟 in ツーリズムEXPOジャパン2015

2015-09-25 | 日記・エッセイ・コラム

 にいがた単身赴任生活5年のうち3年を過ごした上越市。
只今ツーリズムEXPOの「うまさぎっしり新潟」ブースの一角でプロモーション中。
在任中連携したメンバーが桜色の法被姿で頑張ってます。
今春、北陸新幹線が延伸開業した上越妙高駅、東京とは “はくたか” で最短106分で結ばれた。
展示のコンテンツである高田城公園の桜は “日本三大夜桜” と称され、
三重櫓のライトアップとボンボリに照らされて、お堀に映る約4,000本の桜が美しい。
来春の「高田城 百万人 観桜会」は、4月1日(金)~17日(日)の開催です。
北陸新幹線で金沢・能登をめざす旅、桜の季節には上越妙高で途中下車はいかがでしょう。

      


“ツーリズムEXPOジャパン2015”を遊ぼう

2015-09-24 | 日記・エッセイ・コラム

 世界最大級 旅の祭典 “ツーリズムEXPOジャパン2015” が開幕しました。
9月26日(土) 10:00~18:00
9月27日(日) 10:00~17:00 東京ビックサイトで一般公開です。 
各国政府観光局、47都道府県、航空会社、JR各社、旅行会社がブースを並べます。
美味いもの、美味い酒は「全国ご当地どんぶり選手権」、「ワールドフードコート」
「世界のグルメ名酒博」で楽しめます。
都道府県ブースでは今年は利き酒がブームのようです。
JR北海道ブースではH5系のグランクラスシートが体験できます。
さて、こちらのブースでは、武井咲さんが27日(日) 11:30~、高田延彦氏と登場の予定。
週末は東京ビックサイトへ是非お立ち寄りください。

  


丸の内に「青森ねぶた」がやってきた

2015-09-23 | 日記・エッセイ・コラム


 世界最大級 旅の祭典“ツーリズムEXPOジャパン2015”が開幕しました。今夜は海外からの賓客を招いてJAPAN NIGHT。日本の祭り、伝統文化の代表ともいえる「青森ねぶた」が丸の内は行幸通りで披露されました。丸の内のオフィスビル群を背景に巡航する「ねぶた」は幻想的です。


中山道紀行35 鳥居本宿~高宮宿~愛知川宿~武佐宿

2015-09-19 | 中山道紀行

 

「鳥居本駅」 07:00
 4ヶ月ぶりに戻ってきた中山道、第35日目は近江鉄道鳥居本駅をスタートする。
駅から100mほど離れた本陣跡には既に遺構はなく、立札がその位置を示すのみだ。

 

鳥居本宿では和紙に渋柿を塗った合羽の製造が盛んであった。
いまでも古い町家の何軒かに合羽所を示す看板が上がっている、「松屋」もその一軒だ。

 

宿場の京方の出口に「左中山道、右彦根道」の道標がある。
右に3kmほど行くと彦根城下、言わずと知れた徳川四天王の一人井伊直政が築城した城。
鳥居本と彦根を隔てるのは佐和山、石田三成の居城のあったところ。
鳥居本側の旧い家々は石田三成と佐和山城を地域の宝と幟を立てている。

 

「小野集落」 07:40
 曼珠沙華咲く田圃地帯を行く。この先草津宿までは東海道新幹線と国道8号線と並行。
考えると中山道と東海道のコラボは不思議だ。ほぼ5分ごと “白い矢” が追い抜いていく。
軽トラック同士が譲り合う狭い道、小野集落は小野小町の出生地だとされ小野塚が在る。

 

「岩清水神社」 08:15
 岩清水神社には能楽の扇を埋めた扇塚が在る。石段したには小さな地蔵群が佇んでいた。

 

近江鉄道の踏切辺りが高宮宿の入口。
高宮宿は多賀大社の門前町として、また「高宮上布」の問屋町として賑わったそうだ。

 

今でも残る提灯屋はここが門前町であることを教えてくれる。

少々寄り道をして、伊邪那岐命(いざなぎ)と伊邪那美命(いざなみ)を祀る多賀大社へ。
多賀大社へは近江鉄道多賀線で高宮駅から2駅6分の旅だ。

 

「高宮宿」 08:40~10:20
 高宮宿本陣跡に表門が残る。今まで見てきた門と比べ少々貧弱な気がしないでもない。

 

宿場は犬神川を渡る高宮橋で終わる。高宮橋は「むちんばし」と呼ばれていたそうだ。
川渡しや仮橋が有料だった時代に渡り賃を取らなかったからだ。このことは彦根藩の
政策とこの地の富豪の協力によるものだ。
左手に鈴鹿の山並みを見ながら田圃地帯を進む。この辺りは所々に松並木が現れる。

 

「豊郷小学校旧校舎」 11:10
 豊郷小学校は、建築家ウィリアム・メレル・ウォーリズが手がけた建物のひとつで、
アニメ「けいおん!」の校舎モデルとして有名。昭和12年に竣工した2代目校舎は、
当時としては珍しい壮麗な鉄筋コンクリート建築で「白亜の殿堂」「東洋一の小学校」
などと称されたそうだ。
滋賀県に入ってからはまともな一里塚を見ない。豊郷にも中山道一里塚趾碑のみが在る。

 

愛知川宿の入口では、アーチと地蔵尊が迎えてくれる。

「愛知川宿」 12:10~13:00
 愛知川宿は寂しくなった商店街に幾つかの旧い商家が残っている。

 

本陣跡には金融会社の旧社屋、創業200年を超える料亭竹平楼の門構が目を引く。

 

少々の寄り道を。中山道を500mほど外れると「旭日」の蔵元藤居本家が在る。
新嘗祭の御神酒を宮中に献上する蔵元は、朝の連ドラの舞台にもなっている。
「渡船」など主張のあるお酒を試飲させていただいて「旭日ひやおろし」を購入。
酒蔵は街道筋の華と言える存在だ。

 

愛知川宿の出口では不飲橋 (のまずばし)を渡る。なんとも曰くありげな名称なのだ。
一説にこの川の水源地で、都に送られる平将門の首を洗ったことに由るらしい。

     

暫く国道8号線を行く。御幸橋で愛知川を渡ると近江商人の故郷・五個荘町に入る。
中山道は国道と別れ旧道を行く。残念ながら近江商人の街並みは国道を挟んで反対側だ。

 

それでも中山道沿いにも所々旧い町並みが残る。
大正時代のものではあるが、登録有形文化財・旧五個荘郵便局もその一つだ。

 

「左いせ道。右京道」の常夜灯、そして江戸時代からの呉服商の町家が保存されている。

     

五個荘町(現東近江市)と安土町(現近江八幡市)の市境に差しかかる。
国道8号線との合流点には天秤棒を担いだ近江商人のモニュメントが立っている。

 

「奥石神社」 14:30
 新幹線と鋭角に交差し再び国道から左手に分かれると豪壮な奥石(おいそ)神社が在る。
安産延寿、狩猟、農耕の神様で本殿の造営は織田信長の寄進によるものだそうだ。
奥石神社を含むこの辺り一帯は「老蘇(おいそ)の森」と言って、万葉の昔から多くの
歌人や旅人によって歌に詠まれ「歌枕」としても名高い森だ。
本居宣長は “夜半ならば 老蘇の森の郭公 今もなかまし 忍び音のころ” と詠んでいる。

 

老蘇の森を抜けて牟佐神社辺りが武佐宿の大門跡、左右に旧い建物が連なり出す。
まずは右手に役人宅平野家、近隣の家々には“武佐宿”を染め抜いた暖簾が架かっている。

 

「武佐宿」 15:10
 武佐は近江商人の町として賑わった近江八幡市街に比べてひっそりしている。
脇本陣奥村家跡は町会館となり、本陣下川家は現在では門構えを残すのみだ。
照りつける陽射しは夏そのもの、田圃を吹き抜ける風は秋の匂いという日和の中、
第35日目は、鳥居本宿から多賀大社の門前町高宮宿、蔵元藤居本家へ寄り道した
愛知川宿を経て武佐宿まで23.5km、5時間40分の行程。三条大橋まではあと45.8kmだ。


休日はローカル線で 奮闘努力の甲斐も無く

2015-09-12 | 日記・エッセイ・コラム

ご自慢の天丼の具は、海老、鱚、獅子唐の3つ、サクサクで美味しい。
代々受け継がれてきた濃厚なタレが最高に旨い。

老舗の天ぷら屋「大和家」を訪ねる。店内は雑然としているんだけど何故か居心地が良い。
こんな老舗で飲むビールは、瓶、それもキリンのラガーがいい。

JR常磐線、金町駅のロータリー脇にひっそりと、単線ホームの京成金町駅が在る。
“買う街・飲む町・食べる街”、駅の南端の踏切から金町栄通りという路地が伸びている。
もつ焼きの店先で姐さん達が昼飲みをしている。

京成電鉄・金町線は、常磐線の金町と京成本線の高砂を結ぶわずか3駅の路線。
真ん中が柴又で上下線の行き違いをしている。

葛飾は柴又を訪ねた。駅前では寅さんが、名残惜しそうな誰かさんに袖を引かれる。
で、やってきました帝釈天参道、まるで縁日のような賑やかさだ。

一杯飲んで、いよいよ帝釈天へ、二天門を潜る。
入母屋造瓦葺の楼門は、増長天と広目天を安置しているから二天門なのだそうだ。

佐藤蛾次郎さんが掃き掃除をしていた帝釈堂は大正年間のもの。
内殿には帝釈天のご本尊を安置し、左右に四天王のうちの持国天と多聞天を安置している。

清涼感のある看板娘が気になって、ついつい「高木屋老舗」へ。お約束の団子を味わう。
帝釈天裏手の「矢切の渡し」は、小説「野菊の墓」や、細川たかしのヒット曲でも有名だ。 
農民が関所を通らずに江戸と往来する用途からこの渡しが始まったそうだ。
対岸は千葉県松戸市。乗ってみたいのだが、金町線を高砂まで乗らないといけない。

男はつらいよ / 玉置浩二


休日はローカル線で ななこと近藤勇とキッコーマンと

2015-09-09 | 日記・エッセイ・コラム

 夏日となったシルバーウイーク初日、近藤勇陣屋跡を流山に訪ねた。
流山へは東京から常磐線で40分の馬橋から流鉄・流山線に揺られてい行く。
ここでも元西武鉄道の車両が、かわいく2両編成と短くなって頑張っている。
ところでヘッドマークの「ななこ」って誰?アニメのキャラクター?
車内放送も沿線案内を交えて「ななこ」が喋っていた。

流鉄・馬橋駅は常磐線に併設している。こんな昔ながらの出札口があって、
もちろんSuicaは使えなくて、木の柱・木の梁のホーム屋根、レトロな駅なのだ。
ところで「流鉄」は地元の人にとても愛されている。自転車で並走する小学生、
お散歩の幼児、そのママ達も時速40kmほどでガタゴト走る電車に手を振ってくる。
なんと運転士も手を振り返している。なるほど。

わずか5.7kmの流鉄、途中駅で行違いの待ち合せをしても11分で全線を走り抜けてしまう。
終点流山駅のホームの先は小さな電車庫になっている。駅舎も昔ながらの木造平屋建て。

そしてここにも「ななこ」が居て... もうひとりの娘は誰?

江戸川沿いの流山のまちは、江戸時代から明治・大正にかけて商業の中心として栄え、
今でも明治時代の土蔵造りの家屋が点在し面影を忍ばせている。
まちなかの見所にはボランティアガイドが居て、丁寧な説明をしてくれる。

ランドマーク的なキッコーマンの工場があって、

幕末、新撰組が駐屯した近藤勇陣屋跡、近藤はここで土方らと分かれて自首している。 

有形文化財の土蔵が趣たっぷりのCafeになっていたり、

重厚感のある町家がイタリアンレストランになっていたりする。 
で、吞み人はというと洒落たCafeやイタリアンより、夜は大衆食堂がいい。
お決まりの生ビールを呷って、冷たい稲庭うどんをいただく。美味い。

シルバーウイーク突入と同時に晴れ間が広がった関東は行楽日和。
海から遡ること29km、江戸川の堤防に照りつける陽は暑かった夏を思い出させる。 

<40年前に街で流れたJ-POP>
20歳のめぐり逢い / SIGNAL  1975


休日はローカル線で 笠間稲荷神社といなりそばと松緑と

2015-09-05 | 日記・エッセイ・コラム

 青春18きっぷ、残った1回分で首都圏の外郭を周る水戸線を呑み鉄旅。
起点の小山駅は久しぶり、東口へと延びる自由連絡通路が抜けて様変わりをしている。
水戸線のホームは15・16番線?どれだけ大きな駅なのかと訝しむ。

勝田行きが下館駅に着くと向かいのホームにSLを見つた。迷わず予定外の途中下車。
C12型はローカル線用のタンク機関車、トーマスみたいなタイプ。南樺太や台湾でも走った。
出発の様子は小さいながらも迫力があって、汽笛の一声には構えていてもドキッとする。

 笠間駅は南に筑波山を望む田園風景の中に在る。
ここから北へ20分、日本三大稲荷に数えられる笠間稲荷神社を訪ねる。
バスの便は日に10本程度、朝夕に集中しているので訪れる人のダイヤではない。
駅前には立派な観光案内所があるから、ここのレンタサイクルを利用すると良い。

笠間稲荷神社の御祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、農牧、水産、養蚕を
はじめ殖産興業の神だそうだ。家族連れが多く三世代のお宮参りを数組見かけた。

門前はそれなりに賑わい、参詣客は名物笠間いなり寿司や、くるみ饅頭のお店に足を止めている。
ボクはと云えば吹き出す汗に甘いものより生ビール、で並びの蕎麦処の暖簾を潜るのだ。

格子のガラス戸、クラッシクな柱時計、2階の座敷へ上がる急な階段、壁一面に食器棚、
老舗の雰囲気十分な店で、お奨めの大きな油揚げが入った "いなりそば" を注文する。
お蕎麦が来るまでは、お決まりの生ビールで人心地なのだ。

門前の笹目宗兵衛商店は "二波山" と "松緑" の醸造元、神社に御神酒を奉納している。
明治維新に際して、笠間藩主牧野家から蔵の経営を譲られた時に銘柄を賜ったそうだ。
「二波山 松の緑りの 色たけく よろずよかけて なお榮ゆらん」と

三度車中の人となる。車窓に実りの風景を見ながら、仕込んだ "蔵出し原酒" を愉しむ。
割り水を一切していない20°のお酒は、冷酒かオン・ザ・ロックが美味しい。

笠間から山裾に沿って走ってきた水戸線は、常磐線の複線に合流して友部駅に終着する。
「水戸線」ではあるが水戸駅までは達しない。でも電車は水戸や勝田まで乗入れている。
飲みきれなかった蔵出し原酒は上野行きに乗り換えてから楽しもう。

<40年前に街で流れたJ-POP>
 愚図 / 研ナオコ 1975


休日はローカル線で 渡良瀬橋と吹雪の舞とひもかわと

2015-09-02 | 日記・エッセイ・コラム

 「めん街道両毛線」って以前JR東日本高崎支社が小さな旅キャンペーンをしていた。
呑み鉄旅、両毛線を行く、沿線で美味い麺と酒を味わえるといい。
両毛線は新前橋で上越線から分岐、ここではまだ川幅の狭い利根川を渡ると前橋だ。

県庁所在地の前橋に敬意を表せず通過して、3つ目の駒形駅で途中下車する。
駒形には "清りょう" の町田酒造が在る。5代目、群馬県内初の女性杜氏が仕込んでいる。

早速求めてきた "吹雪の舞生貯蔵酒" を愉しむ。やや辛口のフルーティーな酒だ。

東京で見かけなくなった湘南色が桐生駅に滑り込む。織物の町は “うどんの町” でもある。
観光案内所で「桐生うどんまっぷ」を手にし街に出る。シャッターの下りた店が目立つ。
商店街は結構な規模で、昭和の時代にはさぞかし賑やかだったのだろうなと思う。

 本町4丁目の「そば蔵・桃太郎」は創業88年。
白壁の蔵を改装した店には、桃を染め抜いた暖簾。壁には猪口のコレクションが並ぶ。

桐生のうどんは「ひもかわ」という幅3cmぐらいの広い平打ち麺が有名。
しっかりしたコシの麺を、やや甘め濃いめのとり南つけ汁でいただく。なかなか美味い。

“今でも 八雲神社にお参りすると あなたのこと祈るわ” 懐かしく切ない発着メロディー。
レトロモダンな足利駅の待合室に、本人直筆のメッセージが入ったパネルが架かる。
この曲は彼女自身の作詞なんですね。いい作品です。

駅から10分ほど西へと歩を進めると史跡足利学校が在る。
シンボルの學校門を潜ると静謐な世界が広がる。足利は落ち着いた町だ。

東武線と並んだコンパクトな橋上駅、佐野駅前の噴水におしどりの夫婦が羽を休める。
それにしても大通りにも、小さな路地にも「佐野ラーメン」の赤い幟が目立つ。
佐野ラーメン会のマップには69軒が掲載されている。

精養軒では "野菜メン" が人気、生姜をきかせた野菜のあんかけの細麺が美味い。
親父さんが一杯一杯丁寧に作っているのがカウンター越しに覗える。

佐野ラーメンを食べたら終点の小山までは30分のラストスパート。
岩船山麓に実りのぶどう畑を眺め、思川の鉄橋を渡ると終着の小山駅まであと僅かだ。

 

渡良瀬橋 / 森高千里