旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

一酒一肴 川崎・かつお酒盗と日高見と

2022-03-30 | 津々浦々酒場探訪

 今宵の「酒道場 陣屋」は川崎駅からは足速に歩いて20分、数多の客引きや風俗店の煌めきを越えてきた。
赤提灯に縄暖簾を潜ると、コの字カウンターと桜材の四人掛けが並ぶ昭和感たっぷりの空間が広がる。

ラインナップされた東北の蔵々の中から、二杯目は石巻の “日高見 超辛口純米酒” を択ぶ。
ひとめぼれを醸したコクと旨みの有る酒のアテは “かつお酒盗” がいいな。おまけに “スルメイカ肝和え” も。
酒盗を箸先で少量つまみながら、酒は舐めるように、訳知りの常連さんの振りをして愉しむ。

google mapだと、あと5分も歩くと運河と工場群に突き当たる。駅もさっき訪ねた浜川崎の方が近そうだ。
仕事が退けたサラリーマンが連れ立って縄のれんを潜ってくる。外はいい具合に暮れてきた。

 
file-096

Take Me / Casiopea 1982
     

 


桜が枝に咲く頃は 小湊鐵道を完乗!

2022-03-26 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 古びた線路にカタカタと鳴り始める。プァーンと遠くで警笛が響く。
チカチカっと前照灯が煌めいたと思ったら、山陰からクリームと朱を纏った古びたディーゼルカーが現れた。
ディーゼルカーは黄色い絨毯の上に弧を描いて、終着駅への最後の勾配をエンジンを唸らせて登っていった。

朝日を浴びて小湊鐵道の五井機関区、新旧の車両と言いたいところだけど、旧々の車両がひしめいている。

 07:59発の7列車でまずは上総牛久まで、小湊鐵道の顔ともいうべき200系は1960〜70年代の生まれ。
ディーゼルエンジンが唸りを上げるのだけれど、掛け声の割に走り出しはゆっくりだ。

春の小湊鐵道の旅は、車窓いっぱいの “菜の花” や “ソメイヨシノ” を眺められるのが魅力だ。

今日の一杯めは爽やかに “SUI GIN & SODA”、桜井ユキさんが立ち飲みでグラスを傾けるCMがいいね。

 上総牛久は交換駅、上り列車の運転士から駅員へ、そして下り列車の運転士へとタブレットが手渡される。
なんだか懐かしい風景だね。後から入線した上総中野行きは只見線を走っていた旧国鉄のキハ40系だ。

飯給(いたぶ)駅は菜の花と桜のコラボレーションが楽しめる人気スポット。カメラの砲列が列車を待っている。
線路の築堤は “ソメイヨシノ” が並木となり、道床の脇では “菜の花” が黄色い花びらを風に揺らす。

養老渓谷駅を目前に車窓に広がる石神の菜の花畑、列車が走ってくると遠足の園児たちから歓声が上がり、
一眼レフと言わずスマートフォンと言わずシャッター音の拍手が単行気動車を迎え、そして見送る。

単行気動車が養老渓谷駅に到着すると、満員であった乗客のほとんどがホームに降り立つ。

石神の菜の花畑から戻っても、次の上総中野行きまでは1時間以上の待ち合わせを持て余す。
ということで駅前唯一の「あさひ屋」へ。"きゃらぶき" と 柚子味噌たっぷり “みそおでん” を肴に地酒を一杯、
IWC2019普通酒の部で銅メダルを受賞した “腰古井” は淡麗辛口な地元親父の定番晩酌酒なのだ。 

     

名物だと云う “山菜そば” は、菜の花、わらび、たけのこ、キノコがふんだんに入って雰囲気あり。
いつの間にか花曇りになったこんな日に、ズズッと啜る濃いめの汁、温かいそばが沁み渡るね。

小さな分水嶺を越える最後のひと区間は案外と難所、旧型デーゼルカーは喘ぎながら登っていく。
水が滲み出す切り通しを25km/hの最徐行で抜け、ふたつ目の板谷トンネルを潜ると下り勾配に転じた。
元気を取り戻したディーゼルカーが軽快につなぎ目を鳴らし始めたら、まもなく終点の上総中野駅だ。
おそらく次の週末に桜は満開、“菜の花” と “ソメイヨシノ” に彩られた小湊鐵道を旅したらいかがだろう。

小湊鐵道 五井〜上総中野 39.1km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
制服 / 松田聖子 1982


駅そば日記 上野「ピリ辛菜の花そば」

2022-03-23 | 旅のアクセント

「春の美味」と謳った季節メニューから択んだ “ピリ辛菜の花そば” がカウンターに着丼した。
ピリ辛って?丼の中にはゴルフボール大の坦々が浮いて、じわぁって赤い辛味がつゆに滲み出してきた。
汁をひと口、続いて割り箸で大掴みにしてズズッと啜る。んっ意外と坦々は蕎麦にも合うんだなぁ。
見た目も賑やかで良いのだけれど、春を感じるのには “菜の花” だけでいいね。

蕎麦スタンドが立つ11・12番ホームは常磐快速の折り返しホーム。多くの電車が品川乗り入れになった今、
ホームは閑散としている。これは売り上げもきついだろうなと思う。大きなお世話だけど。
この日の東京はソメイヨシノの開花宣言があって、スタンドとは対照的に、公園口は華やかに賑わっていた。


file-016

私の16才 / 小泉今日子 1982


恋がかなう駅と諏訪泉となまこ壁の宿場町 智頭急行を完乗!

2022-03-19 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 智頭急行の主役「スーパーはくと」は、時速130kmで大阪〜鳥取を2時間30分で駆け抜ける。
陰陽連絡を担う智頭急行は、スーパーはくと号の効果で第三セクター鉄道の中では数少ない黒字の優等生だ。

何人たりともスーパーはくと号を邪魔できないから、ローカルの単行気動車は彼の通過後にひっそりと発車する。

ところで智頭から上郡まで全線を乗り通すと1,320円、1日フリーきっぷは1,200円だから、
たった一度の途中下車をしなくてもフリーきっぷがお得だという珍しい運賃設定になっている。

ひとつ目の駅は恋山口駅、1日の平均乗降人員がたった3人の山間の小駅は、平成25年に駅舎をピンクに彩り
“恋がかなう駅” としてリニューアルした。大きなハートマークと記念撮影ができるじかけの駅なのだ。
上郡発10:27、鳥取発11:05発は恋山口駅には15分停車するので、恋する二人は訪ねてみたらいかが?

 恋はしていない呑み人は、智頭の蔵 “諏訪泉” の純米を開ける。うさぎラベルはかろやかな定番晩酌酒だ。
しかしながら300mlを飲み切らないうちに車両基地のある大原駅に到着、ここは途中下車しておきたい。

交換した下り列車は、車体に夜空にきらめく星のようを散りばめた「あまつぼし」だ。
内装に地元材をふんだんに使い、外装に沿線の澄みわたる夜空を描いたこの車両はイベント列車に使われる。

 大原(美作市)は因幡街道の宿場町として栄えた。袖壁、なまこ壁、通し土間に虫籠窓、白い家並みが美しい。
池田侯(鳥取藩主)が宿泊した本陣も、土蔵と長屋門が立派な脇本陣も江戸期の建屋が現存している。
脇本陣に並んで酒林を提げているのは “白梅” の田中酒造場、大原宿を代表する町家が創業当時の趣を残す。

大原宿をぶらり歩いて駅至近の「Restraunt Paris」へ。赤れんがの外壁と屋号はまるでフレンチレストラン。
実は洋食はもちろんだが、中華も丼物ある大衆食堂、いや田舎のファミリーレストランと云うべきか。

     

オーソドックスに “とんかつ定食” を注文したのだが、これがまたボリューミー。
もはや中鉢と云うべき、“切り干し大根” と “春菊のお浸し” をアテにスーパードライを呷ったら、
丼めしと赤だしで “とんかつ” をいただく。もう動けないくらいの満腹状態で、これ以上車中酒は飲めない。

駅に戻ると、ちょうど当駅始発の738Dが車両基地から出庫して来た。乗客はボクを含めて二人だけ。
山間を走る第三セクター鉄道の日中は、特急を利用する通過客を除けばほとんど閑散としている。

一旦は建設凍結したAB線(地方開発線)である智頭線は、沿線自治体の第三セクター化により開業した。
1994年開通の新路線は、路線のほとんどが高架かトンネル、踏切だってほとんどない高規格路線。
普通列車の110km/hの高速運転も大きな揺れはなく、地酒を注ぐのに零す事もない。クロスシートも快適だ。

寄り添ってきた千種川が大きく蛇行して播磨灘をめざして流れていく。流れも緩やかになって平野も近い。
釜ケ谷トンネル(1,476m)を抜けると、近寄って来た山陽本線の複線に飲み込まれてあっさりと上郡に終着する。
特急が爆走する第三セクター鉄道、ガラガラの鈍行列車に身を任せての暢気な呑み鉄の旅が愉しい。

智頭急行・智頭線 智頭〜上郡 56.1km 完乗

♡じかけのオレンジ / 大瀧詠一 1982
     


水曜日は家呑み派 「南 純米吟醸生酒」

2022-03-16 | 日記・エッセイ・コラム

 「寒の戻り」というのだろうか、低気圧が送り込んだ寒気の影響で、ここ数日寒い日が続いていますね。
東京の開花宣言を聞いた途端ですから「花冷え」とはよく言ったもの、こんな晩は鍋をつつきたくなります。
大きめに切った絹漉し、えのき、長ネギ、水菜がたっぷの土鍋が吹いてきたら、イベリコを放り込みます。
今宵の花冷えは高知の蔵・南酒造場の “南 純米吟醸生酒”、淡いピンクのラベルがソメイヨシノをイメージする。
17度とちょっと高め、フレッシュだけど出羽燦々らしい優しい口当たりの酒は鍋料理にも相性がいい。
新潟赴任時に出会った発酵辛味調味料 “かんずり” が風味を添えて、鍋と生酒が美味しい肌寒い夜なのだ。

Hello Mr. Telephone / ハイ・ファイ・セット 1982
     


旅立ちと出会い 暮らしと物語を乗せて 若桜線を完乗!

2022-03-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 紅葉と果実、八頭町の美しい秋を表現したというロイヤルレッドに塗られた「八頭号」が入ってきた。
インテリアは木の温もりを感じる木材を使用したデザイン、これは間違いな水戸岡鋭治氏の仕業だな。

鳥取から因美線で3つ目、郡家から八東川に沿って国鉄特定地方交通線を引き継いだ若桜線が延びる。
昭和5年、郡家〜若桜まで開通した国鉄若桜線は県境を越えることはなく今に至っている。

 鳥取駅で仕込んできた “いかすみ弁当 黒めし” を開ける。脇を固めるのは “アサヒ生ビールマルエフ”だ。 
イカ墨で炊き込んだ真っ黒めしが美味。盛り付けされたイカとイカ団子は絶妙な酒の肴になる。

八東駅では対向列車と交換する。踏切の警報機が鳴り始めると、前照灯を煌かせてブルーの車両がやってきた。
なんともノスタルジックな「昭和号」という名称は、懐かしい日本の原風景を走る列車にはピッタリかな。

列車は徳丸駅の手前で「第二八東川橋りょう」を渡る。10連のプレートガーダーがガタガタと音を立てる。
田圃には薄らと緑に雑草が生えて、日本海側の谷間にも春の到来を感じる。

っと思いきや、次の丹比駅を過ぎるあたりから、田圃に一面の雪の風景が広がっていた。
張り出す尾根、それによる日照や風通しでこんなにも違うものか、改めて自然の大きさを感じる。

構内に雪を残して終着の若桜駅、古びた庇の下には直ぐにも動かせる状態で除雪機が置かれている。
行手には名も知らない山塊の白い屏風が立ちはだかり、この先が未成線に終わった理由が知れるようだ。

若桜駅は昭和5年開業当時の姿をとどめる木造駅舎、レトロな良さを活かしてリニューアルされた駅舎は、
磨りガラスの切符売り場、モダンなカフェ、暖かみのある待合室がいい。コーヒー片手に文庫本でも読みたい。

構内には給水塔や転車台など蒸気時代の終着駅の機能を残し、若桜線を走ったC12-167号機も動態保存される。
近いうちに、条件が整えば、観光列車として蒸気機関車が走るのではないかと期待される。

駅周辺にはかつての城下町・宿場町の面影を今に残す町割り、蔵や町家が残っていて情緒たっぷり。
そんな通りの中に太田酒造場を訪ねる。全量を若桜産の米で “辨天娘” を醸す小さな蔵元だ。

折り返しの鳥取行きがガクンと動き出す。っと呑み人は先ほど仕込んだ300mlのスクリューキャップを着る。
雪のようにうっすらとオリが入った玉栄の純米中垂れをmyちょこに注いで、しばし雪見酒と洒落込むのだ。

ところでこの車両、SUZUKIが誇る究極のスポーツバイク「隼」のラッピングをしている。なぜ?って。
答えは帰り道で見つかった。若桜鉄道には「隼」駅があって、隼ライダーの「聖地」となっているらしい。
レトロモダンなこの鉄道に異端のように斬新な「隼ラッピング列車」に揺られて、若桜線の旅を終えるのだ。

若桜鉄道・若桜線 郡家〜若桜 19.2km 完乗

     

檸檬 / 岩崎宏美 1982
     


一酒一肴 茅ヶ崎・カジキマグロのコートレッタ×千峰天青

2022-03-09 | 津々浦々酒場探訪

 湘南唯一の蔵、熊澤酒造のトラットリア「MOKICHI TRATTORIA」はこの日も30分待ちの盛況だ。
ランチの主菜 "カジキマグロのコートレッタ" のきつね色が夏野菜の素揚げを添えて美しい。
柔らかでジューシーなコートレッタを数種類のマスタードでかわるがわる比べながら美味しくいただく。
カジキマグロに合わせるチョイスは "千峰天青 生酒"、華やかな香りでフルーティーな純米吟醸が良い。

     

「MOKICHI TRATTORIA」の最寄りの香川駅から相模線に乗車すると終点までは余すところ2駅。
ホームに「希望の轍」が流れる茅ヶ崎駅を降りたら、クロマツの林を抜けて海岸まで足を延ばしたい。
正面には烏帽子岩、カラフルなセイルの群れが江の島を遮って疾走していく。


file-095

<40年前に街で流れたJ-POP>
潮風の少女 / 堀ちえみ 1982
     


鳥取砂丘とモサエビと日置桜と 因美線を完乗!

2022-03-05 | 呑み鉄放浪記

跨線橋のない東津山駅、反対側ホームに渡る構内踏切の警報機が響く。遥か遠くに前照灯が煌めいている。
見るからに小柄な単行気動車キハ120系が、車体を左右に揺らしながら津山からの緩やかな勾配を上ってきた。

因美線は姫新線と東津山で分岐して日本海をめざす。起点は鳥取だから上り列車ということになる。
智頭急行の開業により陰陽連絡の役割を喪失した因美線は、わずか7往復の普通列車が県境を越えるのみだ。

津山城の南側には出雲街道が東西に貫いている。
城の東を流れる宮川から2カ所の枡形を挟んで約1.2km、東津山駅付近まで伝統的建造物群保存地区が延びる。
なまこ壁や袖壁(そでかべ)、虫籠窓(むしこまど)の町家や火の見櫓など、旧街道を歩く呑み人には興味深い。

津山城から30分、旧街道情緒を味わいながら東津山駅にたどり着くころ、智頭行き680Dが入線してきた。
全長16.3m、定員110名の小さな気動車は、帰宅の高校生を満載して出発する。

長い列車が交換できる美作加茂駅を出ると、単行気動車は県境の物見トンネルに向けて25‰を登っていく。
物見トンネルが近づくにつれ、線路の左右には薄汚れた残雪が積もり、冬期の往来の困難が想像される。

県境のトンネルを潜って峠を下ること約7km、単行気動車は智頭駅の2番線に終着する。
隣の3番線には鳥取からHOT1000系の2両編成が迎えにきていた。これは相互乗り入れする智頭急行の車両だ。
智頭急行による陰陽連絡の一端を担う智頭〜鳥取間は線路も改良され、高性能な気動車が時速100kmの
高速運転をしている。勢い因美線はこの智頭駅の北と南で運用が分断され、津山〜鳥取を直通する列車はない。

鳥取行きの638Dの転換クロスシートに席を占めたら、仕込んでいた300mlを漸く空けるのだ。
津山三蔵の一つ難波酒造の “作州武蔵” は、当然に剣聖・宮本武蔵を称している。
暮れゆく西の空を眩しく眺めながら、岡山県産の「朝日米」を醸したすっきり辛口の純米酒を愉しんでいる。

終点・鳥取を目前に638Dは郡家(こうげ)で16分の長い列車交換の停車をする。
先ずは大阪・京都へ急ぐ特急を通し、さらに夕日を浴びたタラコの到着を待ってからの発車となる。

さて、酔いがまわる前に報告しておくと、翌朝は早起きして鳥取砂丘を見にいくことにしている。
起伏に富んだ砂の大地は、夜風が描いた風紋が人の気配を消し去り、柔らかな砂丘の曲線美を堪能できる。
海原のブルーと砂丘のゴールドが旭に輝いて、なんとも美しく幻想的な景色に飽くことはない。

新袋川橋りょうを渡った638Dは高架の鳥取駅へと駆け上る。夕日はまさに沈もうとしている。
12両が停まれるであろう長いプラットホームの中ほど、2両編成がポツンと停車して因美線の旅は終わる。

 鳥取は落ち着いた街だ。駅を背に5分、市街地の賑やかな一角を過ぎると「順吉」の赤提灯が見えてきた。
カウンターの一角に席を占めたら先ずは生ビールを呷る。お通しは “えび団子餡かけ”、いい出汁が出ている。

刺身は迷わず “もさえび” を注文する。玉子をのせて、弾力があって、甘味旨味がたっぷりで美味。
地元でしか味わえない幻のエビに合わせて、一杯目は “日置桜”、鳥取市内青谷は山根酒造場の酒だ。
強力米を醸した純米吟醸は、豊かな酸と旨味が印象的な呑み応えある一杯だね。

素揚げにした “もさえび頭” (これってなかなか良い)を抓まんでいるうちに “大山鶏もも塩焼き” が登場した。
カリカリの皮、肉はジューシーな鶏ももを、柚子胡椒をつけて口に放り込む。とっても美味しい。
辛口を求めて “千代むすび” を択んだ。これは境港の蔵、海の男たちが嗜む酒だろうか。
五百万石を醸した辛口でキレのあるドライな純米酒は、焼き鳥とは相性が良いと思うなぁ。愉しめる。

     

めしは “もずくぞうすい” をいただく。シンプルだけど、ちょっぴり潮の香りも感じて旨いお酒の〆になるね。
今宵、鳥取の海の幸、野の幸、山の幸を堪能して満足の晩餐、まだまだ鳥取には旨い酒肴がありそうだ。

因美線 東津山〜鳥取 70.8km 完乗

萌黄色のスナップ / 安全地帯 1982
     


駅そば日記 曳舟「曳舟そば」

2022-03-02 | 旅のアクセント

 東京スカイツリーを見上げる曳舟駅の駅ナカに蕎麦スタンドがあった。思えば私鉄駅では初めての訪問だ。
これって関西風なの?いや違うな、鰹節と塩だし、とにかく透き通った濃厚な出汁が特徴だね。
択んだのは 本場大阪!“あぶらかすうどん”、丼の中でおかかが踊っている。
無料サービスの玉子を落としてズズッと啜る。昆布がいいアクセントになっているね。美味い。

カリカリの食感で中はプルプル、ところで “油かす” ってなに?
あとで調べたら、牛のホルモンを油が抜けるまでカリカリに揚げたものらしい。ええっ。
お酒は嗜むけど、モツだのホルモンだのレバーだの、大の苦手な私。「知らぬが•••」
そんなことはつゆ知らず、澄んだ塩だしを最後の一滴まで平げて、悔しいけれど美味しい一杯でした。


file-015

愛してモナムール / 岩崎良美 1982