旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

想い出がいっぱい

2019-01-31 | 日記・エッセイ・コラム

 人口20万、日本海に面した地方都市の支店が今日、70余年の歴史に幕を閉じる。
昭和21年の開設と云うから小さいながらも歴史のある支店だ。 

新卒で8年、後にふたたび3年、ボクはこの支店で勤務した。
同期の殆どが首都圏配属となったあの日、この支店に配属を命じられて悲嘆に暮れた。

でも良き先輩・同僚、お客様、地域の方々に恵まれてこの町に育てられた。
2度目の勤務では組織運営を経験し、今の自分がある。心から感謝している。

週末、市内のホテルでお別れ会が開催された。懐かしい顔が集まった。
会の終わりにスクリーンが下りて、スライドが流れた。BGMはH2Oだ。

街の風景の移り変わりと仲間たちのスナップがコラージュする。
スライドの後半にはボクも登場する。仲間に囲まれ20代のボクが笑っていた。

街には久しぶりの来訪者を歓迎するかの様に雪が降り積もる。これ以上の演出はない。
雪が深々と降る季節にまた集まりたいね。 


想い出がいっぱい / なかざわけんじ   


一酒一肴 下高井戸・たつみ「澤の井」

2019-01-29 | 津々浦々酒場探訪

 

 黒板に書かれた「今日の野菜」で気になった "揚げ豆腐と野菜の甘酢炒め" が美味しい。
青梅の酒が置いてあった。でっ迷わず "澤の井 本醸造大辛口" の冷を注文する。 
すっきりしまったキリリと辛い酒は肴を択ばない。中華系でもバッチリなのだ。
「世田谷線散策きっぷ」でぶらりと散歩して、今宵の一杯なのです。 

2018/01

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一酒一肴 下高井戸・たつみ「日本刀」

2019-01-27 | 津々浦々酒場探訪

 

 下町風情の下高井戸で「居酒屋たつみ」の赤ちょうちんに灯がともる。
"超辛口 日本刀" は花の舞酒造が輸出用純米吟醸。やさしい吟醸香、キレのよい淡麗辛口だ。 
"刺身3点盛り" は、これで480円。なかなかパフォーマンスが高い。
下高井戸のたまり場を自称する地元民に愛される店のカウンターでひとり飲みなのです。

2018/01

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夕暮れ東京散歩Ⅷ 新宿にて 都営新宿線を完乗!

2019-01-25 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 都営新宿線は東大島と船堀の間で地上に姿を現す。多分荒川を渡河するためと思う。
久しぶりに陽を浴びて、都営の車両も京王から乗り入れてきた車両も眩しそうだ。

本八幡駅は、京成本線と国道14号線それに総武本線を串刺すように地下空間に在る。
今回はここから新宿へと、都営新宿線を折り返す。

銀色に鮮やかな黄緑のラインをひいた新宿線の車両は、ちょうど15:00発、急行の笹塚行き。
なんと新宿線は地下鉄には珍しく急行を走らせている。
いくつかの駅に退避線が設けられていて、各駅停車を2本も追い抜いて行くのだ。

岩本町駅は国道4号線の下、地上に出ると和泉橋の下を神田川が流れている。
お茶の水の谷を流れてきた神田川は、この1キロ先で隅田川に注ぎその旅を終える。 

新宿線はここから靖国通り(都道302号線)の下を西へと進む。
古本屋とスキーショップが並ぶ神保町に停まると次は大きな鳥居が建つ九段下に滑り込む。 

 九段下の駅をおりて坂道を、人の流れ追い越して行けば、
              黄昏時雲は赤く焼け落ちて、屋根の上に光る玉ねぎ。

 北の丸公園から歩道橋で通りを渡ると靖國神社の参道が夕陽に延びている。
大村益次郎を見上げて神門を潜ると拝殿に行き当る。今ここに平穏があることに感謝。

 

新宿線は九段下から靖国通りをさらに西進、市ヶ谷そして曙橋と停まる。
曙橋の南側には魅惑的なオトナの街・荒木町が広がる。でも週末は休みの街だからパス。 

本八幡から新宿まで、各駅停車で35~40分、急行で29分の都営新宿線の短い旅が終わる。
乗務員を交替して京王線を橋本まで走り抜ける電車を見送る。 

 新宿四丁目の雑居ビルを見上げると「信州炉端」の文字、故郷の味はあるだろうか。

 

 先ずは "七笑 辛口純米酒"、木曽福島の酒だね。あれっラベルが変わっている。
コクとキレのある豪快な酒は肴を択ばない。"野菜焼き" は長芋にバターの味付けが旨い。 

 

"トマトおでん" と "白菜煮" は、出し汁が利いてサッパりと美味。
名物 "山賊焼き" は大根おろしとエノキをのせて、カラッと揚がった鶏にポン酢が良い。 

 

"夜明け前 辰の吟" はホタルの町・辰野の蔵、山田錦を醸したなめらかな吟醸香の酒。
こちらの信州郷土料理は松本平の味だね。生まれ育った善光寺平のとは趣がちがう。
それでも旨い酒肴を愉しんだ都営新宿線の夕暮れ散歩、中天には満月が浮かんでいる。

東京都交通局・新宿線 本八幡~新宿 23.5km 完乗 

大きな玉ねぎの下で / 爆風スランプ


Biz-Lunch 門前仲町「門前茶屋」

2019-01-23 | Biz-Lunch60分1本勝負

 昔ながらの江戸の漁師めしが繊細な一品料理として味わえる。
グループ会社が所在するので四半期に一度は訪ねる門前仲町、今日のランチは深川めし。
深川不動堂赤門と永代通りを挟んだ「門前茶屋」は炉端焼きの店。
ランチのメニューの "深川あさり蒸籠めし" は炊き合わせで仕上げている。
あさりの出汁で炊いた熱々のご飯、あさりを盛り付けたら海苔をまぶして美味しい。 
一度試して損のない一品です。 


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浜松町・大門界隈でBiz-Lunch「一力」

2019-01-21 | Biz-Lunch60分1本勝負

 金杉橋口から徒歩1分、「焼き鳥一力」は昭和42年の創業と云うから老舗の部類だ。
ランチメニューは定番10種と日替定食、でっ "鶏唐揚" を注文する。焼き鳥屋だからね。
生姜が利いて、片栗粉をまぶしてカラッと揚がった唐揚げは家庭の味そのもの。
なんだかお袋の唐揚げが食べたくなった。故郷の妹ならあの味をだせるだろうか。 


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旧中山道・浦和宿 酒場事情「おそうざいBAR 蔵」

2019-01-19 | 津々浦々酒場探訪

 

 おそうざいBARって云うからL字カウンターに大皿料理が載ってるイメージ。
ところが思いがけず2階に案内され、階上は4人掛けテーブルが10脚は並ぶ居酒屋さん。
騒々しいほど賑やかで、煙草も漂って、想像したのとずいぶん違う。 

 

料理は380~1,000円くらいで一見リーズナブルだけど量が少ない。 
味は決して悪くないけど、おそうざい?と云うには余りにも定番メニューで残念。 

 

酒は吟醸クラスで結構気の利いたラインナップ、升で550~850円で好印象。
今宵は新潟の淡麗辛口で。
職場や気の置けない仲間でワイワイ飲むにはGood。楽しい店かも知れない。
二人でしっぽりと飲みたいならNG。況してや独り酒を飲む雰囲気ではない。 
屋号と雰囲気がアンマッチで、久しぶりに勉強させられた旧中山道・浦和宿の夜。 

 
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ご当地旨ラーメン事情 鹿児島「Noodle Laboratory 金斗雲」

2019-01-17 | 旅のアクセント

鹿児島中央駅東口の名店「Noodle Laboratory 金斗雲」を訪ねる。
こちらの薩摩ラーメンは、豚骨、鶏ガラ、野菜でとったスープに自家製麺。

シャキシャキの刻みタマネギとサイコロ大の角切りチャーシューが旨い。
北緯31度11分。開聞岳を望むJR日本最南端、西大山駅を訪ねた晩の一杯なのだ。

2017/01/08 

         

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ご当地旨ラーメン事情 鹿児島「薩摩思無邪」

2019-01-15 | 旅のアクセント

 

 豚骨と鶏ガラのブレンドスープ、中太ストレート麺が鹿児島ラーメンの主流。
鹿児島中央駅西口の名店「薩摩思無邪」は、器に薩摩焼を使うこだわり様だ。
"坂之上スペシャル" は、豚骨ベースのまろやかスープに中太麺が美味しい。
揚げゴボウ、煮玉子、トロトロチャーシューがトッピングされて華やかなのだ。

2017/01/07

         

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東海道紀行9 興津宿~江尻宿~府中宿~丸子宿

2019-01-13 | 東海道紀行

06:50「興津宿」 00:00:00
 相模灘に陽が昇る。未明から東名高速道路を飛ばしてきた。
暫くは、ドライブ+街道歩き+ドライブのハードな時期そして区間になる。
"東海道を歩く旅" 第9日目は、JR興津駅からスタートする。 

 

興津宿に旧い遺構は残っていない。
案内板が建つ興津宿公園向かいの割烹旅館岡屋は、街道時代の旅籠がその前身と云う。 

宿場は名刹清見寺の手前まで。
清見寺和尚は今川氏の人質として駿府に過ごした時代の教育係だったとか。
その縁で、大御所として駿府に隠居した晩年には、度々ここに来遊したと云う。 

Navi37-2 (静清バイパスガード下)波多打川橋西詰(左折)  400mで国道1号に戻る 

Navi38 辻町交差点(斜め右) → <市道> → 清水江尻郵便局 1.5km 

 

07:45「細井松原」 00:55:00
 辻交差点から延びる道は、100本を越える細井の松並木であったことを碑が伝える。
その先500mほどで、辻一里塚跡、そして東木戸跡を経て江尻宿に入って来た。
白壁の蔵と格子戸の旧家が宿場の雰囲気を醸している。 

Navi39 清水江尻郵便局(右折) → <清水銀座通り> → 魚町交差点 0.4km 

08:10「江尻宿」 01:20:00
 松平信康(家康の長男)の墓所・江浄寺を鉤の手に折れると清水銀座商店街に入る。
駿河國では府中(静岡)に次いで大きな宿場であったと云う宿場の中心地になる。  
本陣3、脇本陣3、旅籠50軒の賑わいも、今では少々閑散とした様子だ。 

江尻宿は大坂江戸航路の中継基地・清水湊を擁し、船手奉行が置かれて発展した。
広重が描いた江尻の風景は、三保半島を背景に帆かけ舟で賑わう清水湊だ。

Navi40 魚町交差点(左折) → <県道75号線> → 入江2丁目交差点 0.3km 

ふたたび鉤の手を折れると巴川を稚児橋で渡る。子河童のモニュメントが可愛らしい。 

Navi41 入江2丁目交差点(右折) → <市道> → しずおか信金御門台支店 3.0km 

久能道追分に道標が建ち、「是より志三づ道」とある。
紅いシャッターの追分羊羹は元禄八年(1695年)創業の老舗。道中食として人気だった。 

Navi42 しずおか信金御門台支店(右折) → <県道407号線> → JA静岡市 国吉田支店 2.6km 

09:00「草薙一里塚」 02:10:00
 県道407号線と合流すると直ぐに草薙一里塚跡。
日本橋から四十二番目の塚木は榎、塚脇には高札場があったと云う。 

 日本武尊を御祭神とする草薙神社、その大鳥居が見えてきた。
この地で賊に襲われ火を放たれた時、剣で草を薙いで難を逃れたと云う。 

Navi43 JA静岡市 国吉田支店(左折) → <市道> → 春日一丁目交差点 4.0km 

Navi43-2 静岡鉄道県総合運動場駅手前(左折)  240m 

Navi43-3 旧東海道記念碑でJR用地で先を塞がれたら、北村地下道で渡り、延長線上の道を行く 1.1km 

Navi43-4 古庄交差点(左折)  200mを国道1号線

Navi43-5 長沼交差点(斜め右)  静岡鉄道線沿いを1.1kmで国道1号に戻る 

10:05「静岡縣護國神社」 03:15:00
 長沼一里塚を過ぎると静岡鉄道線の反対側に静岡縣護國神社の杜が見えてきた。
維新以降の静岡所縁の殉国者を祀った神社は、少々遅めの初詣客が訪れている。
参道もフリーマーケットでアンティークを並べた露店と冷やかす客で賑わいを見せる。  

Navi43-6 柚木交差点(左折)  小鹿通りを260m、JR線アンダーパスを潜る 

Navi43-7 JR線アンダーパスを潜ったら階段を上がり左折 260m 

 

Navi43-8 曲金五差路(右折)  途中JR線アンダーパスを潜って350m 

Navi44 春日一丁目交差点(直進) → <市道> → 安倍川橋東詰 3.8km 

国道1号線の春日町一丁目交差点が東見附跡、ここから3.6kmが府中宿になる。
静岡の中心部に向けて徐々に賑やかになる伝馬町通り、2軒の本陣もこの通りに在った。 

Navi44-2 江川町交差点(斜め左)   江川町通りを170m 

Navi44-3 呉服町交差点(右折)  呉服町通りを300m 

11:05~11:45「府中宿」 04:15:00
 鉤の手を2つ曲がった呉服通りは歩行者天国になった静岡の中心街になっている。
府中宿の規模は本陣2、脇本陣2、旅籠43、問屋場1軒。ほかに貫目改所が設けられていた。 

ちょっと寄り道をして駿府城巽櫓、この日はちょうど静岡市消防出初式の真っ最中。 
はしご乗り・纏演技、隊員・車両部隊の分列行進、一斉放水が披露されたようだ。 

しばし弥次喜多と与太話を愉しむ。ちなみに十返舎一九はここ府中の生まれである。 

Navi44-4 札之辻交差点(左折) 七間町通りを400m 

Navi44-5 エンブルタワー七間町先(右折) 210m 

Navi44-6 梅屋町郵便ポスト手前(左折) 新通りを1.3km 

Navi45 安倍川橋東詰(直進) → <県道208号> → 藤枝市水守交差点 16.8km 

4つめの鉤の手を曲がると新通りを真直ぐ1.5kmで安倍川に達する。
橋手前の「石部屋」は文化元年(1804年)に創業した "安倍川餅" の老舗なのだ。 

大御所の隠居地駿府を控え、防衛上の観点から安倍川も徒歩渡しだった。
渡し船は禁止され、旅人は着物をまくりあげて浅瀬を渡るか、人足の肩車か蓮台で渡った。

広重の府中宿の図は、安部川を渡る旅人の様子を克明に描いている。 

Navi45-2 手越原交差点(右折) 国道1号線と230m重複 

Navi45-3 佐渡交差点(左折)

Navi45-4 丸子交番前(右折) 

13:05「丸子宿」 05:35:00
 安倍川を渡り、宇津ノ谷峠に向かう丸子川沿いに針路を西に転じると丸子宿に入る。
その規模は本陣1、脇本陣2、旅籠24軒と東海道中では最も小さい宿場のひとつと云える。 

「梅わかな 丸子の宿の とろろ汁」と芭蕉が詠んでいる。広重も描いている。
弥次喜多は膝栗毛の中で、茶屋の夫婦喧嘩の巻き添えに遭い、食い逃している。
それほどに "とろろ汁" の丁子屋は街道でも著名な茶屋であった。 

 

今回の街道めしは、趣ある茅葺き屋根の茶屋で江戸風情たっぷりに "とろろ汁" を食す。
地産の在来自然薯を使った白味噌仕立てのとろろ汁、ほんのり甘くて美味しいのだ。

夜明けの興津宿を発って、見どころ少ない道中を快足飛ばして次郎長親分の江尻宿へ。
鉤の手を何度も折れた府中宿で弥次喜多と与太話、餅は我慢して安倍川を渡って丸子宿。
東海道を歩く第9日目は "とろろ汁" で〆て所要5時間35分の旅。次回は宇津ノ谷峠を越える。

興津宿~江尻宿~府中宿~丸子宿 20.2km 


旅するどんぶり 大垣「みそにこみ」

2019-01-11 | 旅のアクセント

 中山道を歩き終えて大垣駅前。
観光案内所で「お昼にお薦めは?」と尋ねると、挙げてくれた中の一つが "みそにこみ"。
大垣城近くの東京庵、地方都市どこにでもある冴えないお蕎麦屋さんの雰囲気。
でも、大正12年創業でトウキョウアンってずいぶんモダンなお店だったのだろう。
ところで熱々の "みそにこみ" は、素朴で濃厚味噌味が美味しい。
半熟の玉子を箸で割ったり、生姜を入れたりすると風味が変わってまた美味しいのだ。

2015/01/12

      
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一酒一肴 鹿児島・港食堂たるみず「八千代伝」

2019-01-09 | 津々浦々酒場探訪

 

「港町食堂たるみず」は、垂水の食材を使って美味いものを食べさせてくれる。
店長が奨めてくれたのは勿論垂水の焼酎「八千代伝」。
まずはスッキリした "かめ壺仕込み"。二杯目は芳醇な "冬の限定むろか"。
三杯目はロックで、肴は甘めに煮込んだ "ぶり大根" が絶品なのだ。

2017/01

 

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東海道紀行8 吉原宿~蒲原宿~由比宿~興津宿

2019-01-07 | 東海道紀行

09:35「吉原宿」 00:00:00
 居並ぶ製紙工場の煙突越し、間近に富士を仰ぎ見る吉原宿。
新吉原宿町割りの基準となった天神社から "東海道を歩く旅" 第8日目をスタートする。 

 

先日 "富士つけナポリタン" を食した喫茶アドニスの角で左折する。
生活道路の様だけど、れっきとした県道だ。
 

Navi25-2 磯野工業所(右折) 

Navi26 錦町北交差点(左折) → <国道139号> → 錦町交差点 0.1km 

Navi27 錦町交差点(斜め右) → <市道> → 高島五差路 0.6km 

 

国道139号線が上書きした関係で、直線であった筈の旧街道は左折右折と繰り返す。
錦町交差点は吉原宿の西木戸跡、標柱に示された地図が分かり易い。 

Navi28 高島五差路(斜め右) → <県道396号> → 富士川橋西交差点 5.2km 

Navi28-2 高島五差路より0.2km先(右折)  旧道を1.5Km 本市場五差路手前で県道396号に戻る 

Navi28-3 本市場五差路(左折)  旧道を1.5Km JR柚木駅手前で県道396号に戻る

Navi28-4 橋下六差路160m先秋葉山常夜燈(右折)  旧道を0.5Kmで県道396号に戻る 

10:45「富士川橋」 01:10:00
 6連のトラス橋が見えてくると右手に治水・渡船鎮護水神社がある。
天下に聞こえた急流富士川の渡船場は3カ所設けられ、うちひとつが神社のたもとにあった。 

富士川の舟運は「下り米、上り塩」と云われ、甲信地方と東海道を結ぶ流通の大動脈であった。

橋上から右手を振り返る。左右に裾野を広げた見事な富士山を堪能できる。

Navi29 富士川橋西交差点(斜め左) → <県道188号> → 富士川郵便局手前 1.5km 

富士川の河岸段丘を這い上がると間の宿・岩淵は、渡船業務と水運で繁栄した。
安政大地震後に建てられた常盤家は国有形登録文化財、大名が休憩した茶屋本陣だ。 

 

11:05「岩淵一里塚」 02:00:00
 日本橋から三十七番目になる岩淵一里塚は両塚が健在だ。
西塚の榎は塚を崩さんばかりの巨木、東塚の榎は昭和42に植え直した二代目になる。
この辺りには、岩淵名物「栗ノ粉餅」を売る茶店が立ち並んだとされる。

Navi30 富士川郵便局手前(右折) → <市道> → 清水区蒲原 富士屋マート前 4.0km

Navi30-2 東名高速道路を潜って右折

Navi30-3 富士・静岡市境を左折 東名高速道路を越える

Navi30-4 突き当たりT字路を右折

11:50「蒲原宿」 02:15:00
 蒲原一里塚跡の標柱を過ぎると枡形の名残が現れる。ここが蒲原宿の東木戸跡。
木戸内1.2kmの小さな宿場は、本陣1、脇本陣3、旅籠42軒、問屋場1軒の規模だ。

商家「佐野屋」の佐藤家は土壁で覆った塗り家造り、なまこ壁が美しい。

和泉屋は天保年間に造られた上旅籠、木造2階建、切妻、桟瓦葺に旅籠の面影が残る。

和泉屋の向かい側に平岡本陣跡、建物は大正時代のものになる。

さて、広重は蒲原宿を「夜之雪」に描いている。
この地方に大雪が降った記録はないそうだ。絵師の想像力か、それとも何かの暗示か。

Navi35 清水区蒲原 富士屋マート前(右折) → <県道396号> → (由比町)寺尾歩道橋 5.4km

Navi35-2 神沢交差点(斜め左) 由比駅先で県道396号に戻る

蒲原宿から由比宿まではちょうど一里。街道当時は望めた相模灘は東名の高架で見えない。
日本橋から三十九番目、由比一里塚を過ぎると東木戸跡、ここからが宿内だ。

12:55「由比宿」 03:20:00
 由比宿は本陣1、脇本陣1、旅籠屋32、問屋場2軒の小さな宿。
100人・100疋の駅伝馬の負担が重く、しばしば幕府に軽減を願い出たと云う。
 

 

岩辺本陣跡は公園に整備され、東海道廣重美術館になっている。
水路には亀たちが陽気に誘われ甲羅干し中、置物かと見紛ってしまう。

本陣跡正面の正雪紺屋では、藍染用のかめ(亀と掛けてはいない)や染物用具をが残る。
ここは幕府転覆を企てた由比正雪の生家と云われる。

西木戸跡を過ぎ宿並みを抜けると由比川を渡る。往時は架橋、増水時は徒歩渡しだった。 

さらに和瀬川を渡ると左手に由比漁港、通り沿いには桜えびの問屋が並んでいる。 

Navi36 由比町寺尾歩道橋(右折) → <市道> → 興津中町東交差点 6.0km 

寺沢歩道橋から右手に入った旧道は、右手に山が迫る細道になる。
薩埵峠登り口のこの辺りは間の宿・西倉沢、格子や蔀戸の家々が並んで情緒たっぷりだ。  

 

13:30~14:20「間の宿・西倉沢」 03:55:00 
 今回の街道めしは「桜えび・磯料理 くらさわや」で。
ほどよく冷えて清涼感がある "正雪にごり酒" は由比宿東木戸外の神沢川酒造の酒。
艶やかなご飯の "桜えび釜飯"
 は桜えびの甘味とおこげの香ばしさで実に美味しい。 

 

Navi36-2 由比一里塚跡Y字路を右 

 

Navi36-3 薩埵峠駐車場入口を左折~東海自然歩道へ 

 

14:50「薩埵峠」 04:25:00
 山が崖となって駿河湾に落ち込む狭隘な空間に日本の大動脈が行き交う。
東海道本線に国道1号線、東名高速道路が延びる先に霊峰富士。なんとも圧巻の風景だ。 

広重が描いた由比宿「由比薩埵嶺」に図はまさにこの風景だ。白い帆かけ舟が美しい。 

カメラの砲列を抜けて蜜柑がなる東海自然歩道を往く。 

相模湾を隔てて細く延びるのは伊豆半島、その先太平洋が広がる。 

Navi36-4 JR興津駅案内板を右折 280m 

Navi36-5 JR興津駅案内板を左折 240m 

Navi36-6 JR興津駅案内板を左折 350m 

Navi36-7 JR興津駅案内板・郵便ポストを左折 500m 

Navi36-8 興津川橋東詰を右折 700m 

興津川橋を渡る。冬至の弱々しい陽も、正面から浴びると眩しい。
旅人は川会所で「越し札」を求める。水嵩がひざ下だと12文、脇下だと42文。
川越しの方法は肩車、女性が東海道を嫌った理由の一つ。蓮台に乗ると料金は4倍だ。 

Navi37 興津中町東交差点(直進) → <国道1号> → (清水区)辻町交差点 5.6km 

 

街道は国道1号線に上書きされると興津の市街地に入って往く。
右手の宗像神社は平安中期の創建、海上安全の守護神興津島姫を祀っている。
神社の杜は「女体の杜」と云って、沖に出た漁師の目印になった。 

 

15:45「興津宿」 05:20:00
 興津中町西交差点は身延道との追分、常夜燈や道標が建っている。
興津駅前交差点は日本橋から四十一番目の興津一里塚跡、国道1号線の165kmポストがある。
本陣2、脇本陣2、旅籠34、問屋場2軒の興津宿の江戸方入口は間もなくだ。

吉原宿から霊峰富士を仰いで蒲原宿、由比宿で桜えびを堪能、薩埵峠を越えて興津宿。
駿河湾に沿った第8日目の行程は5時間20分、次回は府中(静岡)を抜け丸子で "とろろ汁" かな。

吉原宿~蒲原宿~由比宿~興津宿 24.1km

 


旅するどんぶり 枕崎「鰹船人めし」

2019-01-05 | 旅のアクセント

 枕崎のかつお漁は350年の歴史を持ち、かつお節生産量は日本一。
"鰹船人めし" は、かつお船の船乗りが食べていた料理を現代風にアレンジしたもの。
鰹の切り身と鰹節たっぷりのトッピングに出汁を注いで茶漬け風に食す。旨い。
半分食べたら、お好みで追い鰹と鰹のごまマヨ和えを加える。これまた旨い満足の一丼。
枕崎駅から5分の「だいとく」でいただきました。

2017/01/09

 
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主役はいつでも「兎」なのです

2019-01-03 | 日記・エッセイ・コラム

 調(つき)神社は地元では「つきのみや」と愛称します。
御祭神は、天照大御神、豊宇気毘賣神、素盞嗚尊。ポーカーならストレートフラッシュ。
第十代崇神天皇の勅命による創建とされ「延喜式神名帳」にも記載されています。
「つきのみや」と云うだけに月神の使いである兎が守り神狛犬ではなく狛兎が鎮座。
手水も羽子板も御朱印帳まで兎づくし。干支が何であれ、ここでは「兎」が主役なのです。