旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

東海道紀行2 川崎宿~神奈川宿~保土ヶ谷宿~戸塚宿

2018-07-30 | 東海道紀行

08:45「川崎宿」 00:00:00
 4ヶ月を開けてしまった東海道紀行の2日目は川崎宿から。今日も暑くなりそうだ。
江戸が近すぎて振るわなかった川崎宿。洪水で六郷橋流失し舟渡しになってから栄えた。
旧い遺構は全く残っていないが「跡」を示す案内板だけは充実している。 

 

問屋場に近い曹洞宗の古刹宗三寺には、宿場で働いた遊女の供養塔がある。

佐藤本陣跡地は川崎信用金庫本店になっている。
その先、小土呂橋交差点には新川堀に架かっていた石の擬宝殊が残る。

 

『麦の穂を たよりにつかむ 別れかな』
元禄七年(1694年)、芭蕉はここで門人に見送られている。伊賀上野へ帰る旅路だ。
別離の句であるにせよずいぶん心細げだ。5ヶ月後、大坂に没している。

Navi4-2 京浜急行線と踏切でX字に交差するが基本的に直進。

09:20「市場村一里塚」 00:35:00
 日本橋から五里目の市場村一里塚には「跡碑」が建つ。 

白いアーチ橋は鶴見川橋を渡る。
街道当時の橋は長さ二十六間、橋上からは大山箱根連山が見えたと云う。

09:50「鶴見神社」 01:05:00
 鶴見村から生麦村にかけては風光明媚な海浜で茶屋が繁盛した。
鶴見神社近くには信楽茶屋と云う米饅頭が名物の茶屋が「江戸名所図会」に描かれている。

Navi4-3 京浜鶴見駅で京急線X字に交差。複雑な交差点だが基本的に直進。

下野谷町入口交差点で国道15号線と交差すると、鶴見線国道駅を潜る。
駅のガード下はいかにも昭和な佇まい。日活映画にも度々登場したと云う。

10:20「道念稲荷」 01:35:00
 悪霊を萱で作った蛇体に封じ込めて海に流す「蛇も蚊も」を祭事とする道念稲荷。
薩英戦争の原因となった生麦事件の現場はこの辺りになる。

      

キリンビール横浜工場付近で見かけたマンホールの蓋。
海岸線を旅人が往く様子が描かれる。お伊勢参りの道中か、ご婦人の旅姿もある。

Navi5 生麦一丁目交差点(斜め左) → <国道15号> → 宮前商店街入口 3.9km

神奈川新町駅近くの長延寺(オランダ領事館)前には土塁が築かれ神奈川宿の入口だった。

 

Navi6 宮前商店街入口(斜め右) → <旧東海道> → 保土ヶ谷1丁目本陣前跡交差点 4.9km

11:30「神奈川宿」 02:45:00
 神奈川本陣跡、青木本陣跡を過ぎると東海道は国道15号を離れて宮前商店街に入る。
洲崎神社の前が神奈川湊、神奈川宿は旅籠に商家も並んで大いに賑わったそうだ。

神奈川宿 : 本陣2、脇本陣0、旅籠58、問屋場1軒

 

街道はJR線と京急線を跨ぐ青木橋で塞がれるが、基本的に直進方向へ続く。
湊町だから金毘羅神社、ここには三宝寺・神奈川一里塚があった。日本橋から七里目だ。
台の坂を上って行くと料亭・田中屋、明治初期には龍馬の妻おりょうが働いていた。
広重の絵には、この店の前身「さくらや」が描かれているね。美しい宿並みだ。
十返舎一九はこの辺りの茶屋を『浪うちぎはの景色いたってよし』と書いている。

Navi6-2 西口ランプ入口交差点(斜め右)  環状1号を浅間下交差点まで 0.5km

 

Navi6-3 浅間下交差点(斜め右)  相鉄天王町駅まで 1.6km

浅間下交差点から再び旧道に入る。
浅間神社には横穴が在って、源頼朝の時代には富士山麓まで続いていると云われた。 

マルシェで賑わう松原商店街の入口が江戸方見附跡、ここから保土ヶ谷宿に入る。

 

12:45~13:15「保土ヶ谷宿」 03:00:00
 まずは宿場そば「桑名屋」で腹ごしらえ。旅籠風の古民家で雰囲気がある。
八王子道、金沢道の追分、江戸朝立ちの1泊目、留女、保土ヶ谷宿は賑わったそうだ。
『おとまりは よい程谷と とめ女 戸塚前(とっ捕まえ)て はなさざりけり』 の狂歌が上手い。

金沢浦賀道への追分である金沢横町にはお休み処、金沢道道標が四基並んでいる。

 

保土ヶ谷宿 : 本陣1、脇本陣3、旅籠67、問屋場1軒

Navi7 保土ヶ谷1丁目本陣跡前交差点(右折) → <国道1号> → 藤沢バイパス出口交差点 14.9km

13:40「保土ヶ谷一里塚」
 国道1号線と刈部本陣跡で合流する。辛うじて本陣門が残るほか遺構は見当たらない。
その先、保土ヶ谷宿上方見附跡には、小さな土塁と一里塚がモニュメントになっている。
日本橋から八里目の一里塚は宿の上方見附と同じ場所にあった。宿並みはここで終わる。

Navi7-2 保土ヶ谷二丁目交差点(斜め右) 750m

 

Navi7-3 セブン-イレブン 保土ケ谷元町橋店(左折) 140m

Navi7-4 鮮魚魚平の先(右折) 1.3km

箱根駅伝でお馴染の権太坂。なかなか足応え?がある。江戸を発った旅人には辛い。
実際、街道脇には行き倒れた旅人や馬を葬った投込塚があった。 

Navi7-5 境木中学校前丁字路(右折) 250m

 

14:15「境木地蔵尊」 05:30:00
 万治二年(1695年)創建で泥棒強盗除けで知られる。
境内の大ケヤキは武蔵・相模の国境になる。なるほど「境木」ってことだ。 

Navi7-6 境木地蔵尊前交差点(左折) 1.2km

 

14:30「品濃一里塚」 05:45:00
 焼餅坂を下りきると今度は品濃坂を上る。どちらも切り通しの坂になっている。
品濃一里塚は日本橋から九里目になる。両塚が残るが切り通しと一体化して分かり辛い。 

Navi7-7 品濃坂歩道橋で環状2号を渡橋(左折) 850m

Navi7-8 東戸塚駅入口交差点(直進) 700m、秋葉立体入口交差点先でR1に戻る

Navi7-9 不動坂交差点手前(斜め右) 400m

 

Navi7-10 元舞橋交差点(右折)  190m、舞岡入口交差点でR1に戻る

 

戸塚の市街地に入ってくる。交差点の名称は江戸見附前、戸塚宿江戸方の入口になる。

広重が描いた戸塚宿は、大橋(吉田橋)とその先に続く宿並みだ。
橋の東詰には日本橋から十里目になる戸塚一里塚があった。痕跡は残っていない。
ところで欄干に並ぶ街灯は、大名行列の「毛槍」を模しているのだろうか。洒落ている。

Navi7-11 吉田大橋西詰交差点(左折) 550m

Navi7-12 戸塚駅跨線橋(直進) 230m、清源院入口交差点でR1に戻る

15:50「戸塚宿」 07:05:00
 戸塚宿には内田本陣、澤邊本陣があったが、今では澤邊本陣前に「跡碑」があるのみ。
江戸から一泊目の旅人に、鎌倉・江ノ島への参詣客でさぞ賑わったことだろう。
その規模は本陣2、脇本陣3、旅籠75、問屋場3軒。
川崎宿から2日目行程は、神奈川湊から保土ヶ谷宿、権太坂を越えて戸塚宿まで23.2km。
所要7時間5分はかかり過ぎか?暑かったからね。 

 


一酒一肴 函館・あかちょうちん「法螺吹」

2018-07-28 | 津々浦々酒場探訪

 

 函館は高砂通り「あかちょうちん」と云う名の炉端焼きの店。
常連さんに詰めてもらって、八角形を半分にしたカウンターの片隅に席を占める。
"法螺吹" は、旭川にある高砂酒造の酒。中富良野産の米で仕込んだ旨口の純米酒だ。
アテは "じゃがいも(塩辛セット)"。北海道の玄関で道産の酒と肴を満喫の宵なのだ。

file-003


旅情の小箱 神戸「ワイン弁当」

2018-07-26 | 旅のアクセント

東海道本線から山陽本線にバトンが渡る神戸駅。
ここに知る人ぞ知る淡路屋の "神戸ワイン弁当"、1日50個限定の予約お取り置きだ。
今でも販売しているのだろうか。Webでは見当たらない。
ミディアムに焼き上げた神戸牛をメインに、神戸ワインのシャルドネが入る。
テリーヌ、フレンチフライ、野菜のマリネなどの付け合わせも旨い当てになる。
新快速米原行きは満員。スクリューキャップを切ったのは草津を過ぎてからだったな。

file-002


旧中山道・浦和宿 酒場事情「HALKA」

2018-07-24 | 津々浦々酒場探訪

 暑い夜はスパイシーなエスニックも良い。アジアンレストラン&バー「ハルカ」です。
"パクチーサラダ" と "サテ" を肴に "ハートランドビール" を愉しむ。

 
 

ネパール風焼きそば "チョーメン"、なすとじゃがいものカレー "アルベイグン" を食す。
洋ナシか白桃か、暑苦しい夏の宵に、清々しい冷えたシャルドネが心地よい。 

 

file-010


適わない約束

2018-07-22 | 日記・エッセイ・コラム

 

80年代後半、雪の便りが聞こえると、Youmigの曲が街に溢れた。
若者たちを猫も杓子もゲレンデへゲレンデへと駆り立てたっけ。
そんな時代に志賀高原のスキースクールで時を共にした仲間が集まった。
杯を重ねるにつれ想いはあの頃のゲレンデに帰る。
また一緒に滑ろう!適わない約束をして真夏の街に散る。
いいとこ次回もウイスキーだな。 

サーフ天国、スキー天国


Biz-Lunch 那覇「五星そば」

2018-07-20 | Biz-Lunch60分1本勝負

 ゆいレールの牧志駅を降りて出張先のランチは「五星そば」、大きな提灯が目印だ。
こちらの一杯、"三枚肉そば" はかつおの風味が濃厚な澄んだスープが美味しい。
オリジナルの太麺はもちもち、やわらかな豚肉も申し分ない。お奨めの一杯なのだ。 


file-002


一酒一肴 弘前・菊富士本店「津軽の吟」

2018-07-18 | 津々浦々酒場探訪

 

 弘前の菊富士本店での2杯めは "菊乃井 純米吟醸 津軽の吟"、黒石は鳴海醸造店の酒。
芳醇な香りとやわらかな口当たりの旨い酒です。明日は弘南鉄道に乗って蔵を訪ねよう。
刻んだ野菜・山菜・油揚げ・豆腐などを煮込んだ "けの汁"、素朴な味わいにホッとする。

file-002


夕暮れ横浜散歩Ⅱ 桜木町にて 東急・東横線を完乗!

2018-07-16 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 横浜スパークリングトワイライト、今宵横浜港に大輪の花火が上がる。
そう云えば東横線には浴衣姿の女の子、カップルも多かった。なるほどの山下公園だ。 

渋谷宮益坂下、東横線渋谷駅の面影はない。
跡地には地上35階の「渋谷ストリーム」が9月のOPENにむけて最後の仕上げに忙しい。 

渋谷ヒカリエから潜って地下5階、東横線を乗ると東急電鉄も呑み潰し完了なのだ。 
中目黒方面から元町・中華街行きが入線してきた。折り返しは4番ホームが多い。 

田園調布で目黒線が合流して、日吉までの5kmほどは堂々の複々線が走る。 

横浜~桜木町間の高架線が廃止になって、東横線の営業は横浜まで。今では地下駅だ。
この先は "みなとみらい線" になって元町・中華街まで走る。乗務員の交代はなかった。 

渋谷から元町・中華街まで30km弱、特急に乗ると30分少々で人気の待ちを結ぶ。 
壁面には居留地時代の巨大な写真が浮かび上がっている。なかなかの見応えだ。 

 

元町口に出る。左は横浜元町商店街、右は港の見える丘公園へむかうフランス坂だ。 

山下公園は花火を待ちわびる人・人・人、日没までもう少しだね。
大桟橋にはパシフィック・ヴィーナスが夕陽にかがやいている。 

人波に逆流してみなとみらいまで歩いてきた。山下公園をめざす波はまだまだ続く。

東急桜木町駅舎跡は西口公園となって緑と花が溢れる憩いのスペースになっている。
公園の先は今でも横浜に向かう高架線がそのまま残っている。 

 

通りを挟んで桜木町ぴおシティのB2Fには酒処が並ぶ。今宵は大衆酒場ホームベース2。
まずは "かちかちレモンサワー" で渇きを潤す。
胡麻油と大蒜ソースが入ったマヨネーズをかけた "青ねぎサラダ" が絶品。

 

"本マグロ中トロ" と "めひかり唐揚" にはサワーのレモンを絞って美味しい。
酒は青森の "桃川にごり酒"、初めましての旨口の酒だね。
ほろ酔って桜木町のホーム、オフィスビルのガラス壁面に大輪の花火が咲いている。 

         東急電鉄・東横線 渋谷~横浜 24.2km
横浜高速鉄道・みなとみらい線 横浜~元町・中華街 4.1km 完乗 

 

追いかけてヨコハマ / 桜田淳子 1978


Biz-Lunch 門前仲町「芳志」

2018-07-14 | Biz-Lunch60分1本勝負

 魚問屋「芳志」の料理は、良質で安いのはあたりまえ。ってWebに綴っている。
地味にも挑戦的なフレーズだけど、実際美味かった。
"かつお胡麻ダレ丼"、甘い胡麻ダレに漬けたかつおが、ミョウガの苦みと相まって旨い。
北から南までこだわりの地酒を集めて、夜も期待のできる「芳志」なのだ。
富岡八幡宮をいただく門前仲町、まだまだ美味い店がありそうだ。 


file-001


一酒一肴 弘前・菊富士本店「豊盃」

2018-07-12 | 津々浦々酒場探訪

 

生産量500石、小さな三浦酒造の "豊盃" は地元米と岩木山の伏流水で醸す弘前の酒。
特別純米酒は青林檎系のフルーティーな立ち香。この一杯を花冷えでいただく。
肴は "目張(メバル)塩焼き"、身がプリプリして旨い。ここは弘前の菊富士本店だ。

file-001


ご当地B級グルメ 富良野・オムカレー「まさ屋」

2018-07-10 | 旅行記

 俄かライダーとなってCB750で北海道を彷徨った夏。
麓郷の森を訪ねた後だったかな、富良野駅前に「てっぱんやき・まさ屋」を訪れた。
こちらの一皿、鉄板で炒めたバターライスと上富良野産豚トロに半熟オムレツをのせる。
赤ワインを使ったデミグラスソース×カレーをかけて "富良野オムカレー" の出来上がり。 
熱熱でジューシーで美味い。黄色いのぼりが勇気のしるしなのだ。


file-012


復興の町から夕暮れの仙台平野へ 石巻線を完乗!

2018-07-08 | 呑み鉄放浪記

 日中は閑散としている地方ローカル線も平日の朝夕は賑わいを見せる。
女川16:25発の小牛田行きは沿線の高校生たちを乗せ、海辺から水田地帯へとひた走る。 

復興の女川に降り立つ。駅から続くシーパルピア女川の先に水平線が見える。
黄色のフェンスで行く手は阻まれて海岸線までは行けない。逞しい槌音が響いている。

飲食店は昼の営業を終えたタイミング、飲める処はなさそうだ。
然らば新装なった「女川温泉ゆぽっぽ」を訪ねる。JR女川駅の2階が温泉施設なのだ。 

 

こちらはタイミング良く貸切状態。水辺の鹿たちを眺めながらナトリウム泉に浸かる。
祖母ちゃんたちに混じって生ビールを愉しむ休憩室。肴は塩釜で買った笹かまぼこだ。 

階下に降りると一面一線の石巻線ホーム。小牛田まで2両編成の気動車に揺られる。 

女川を出発した列車は直ぐに長いトンネルに入る。抜けると車窓に万石浦が広がる。
穏やかな海跡湖には海苔やカキの養殖筏が浮かんでいる。 

 

石巻では20分程の長い停車、乗客も殆どが入れ替わる様だ。
駅名案内板のイラストは仮面ライダー何って云うんだろう?。
モニュメントは藤岡弘さんが変身した仮面ライダー1号。これなら私にも分かる。 

夕暮れの仙台平野。見渡すかぎりの水田、米どころを実感させる風景が広がる。 

 

やがて右手から東北本線の複線が近づいて、2両編成の気動車は東京方面へ向きを変える。
列車が旅を終えた4番線の外れ、0キロポストが石巻線の起点であること教えてくれる。

石巻線 女川~小牛田 44.9km 完乗

Let's Go Rider Kick


島々や 千々に砕きて 夏の海 仙石線を完乗!

2018-07-06 | 呑み鉄放浪記

 風光明媚な松島海岸に "サイボーグ009" のラッピング電車、んっ微妙ですね。
仙石線の終点石巻に石ノ森萬画館が在るから。"マンガッタンライナー" と云うそうだ。 

街路樹の緑が眩しい青葉通り、さすがは杜の都・仙台。文化横丁で飲んで以来だろうか。
仙石線の起点あおば通駅はこの街路樹の地下に在る。 

1番線に "仮面ライダー新1号" が入線してきた。幸運にも "マンガッタンライナー" なのだ。

まずはこの列車の終点・高城町までやってきた。島式一面二線の小さな駅だ。
まもなく反対のホームに東北本線経由で追いかけてきた快速・石巻行が入線する。
この4両編成の気動車には後ほど塩釜駅から乗車することになる。 

折り返して1つ目が松島海岸駅。日本三景、松島観光の玄関口になる。 

縁結びの橋「透かし橋」を渡って五大堂、政宗公が造営した東北地方最古の桃山建築だ。
大陸、香港、あるいは台湾か、聴こえてくるのは中国語ばかり。 

振り返ると松島湾、260の小島が点在する景観美は俳人・松尾芭蕉が絶賛している。
然しながら「おくのほそ道」に句は無い。曾良の句が載るばかりだ。
『島々や 千々に砕きて 夏の海』は、時を経て芭蕉年譜大成に松島を詠んだ句とある。
あまりの素晴らしさに言葉も無く、句も思い浮かばなかったと云うことか。 

瑞巌寺は天長5年(828年)、慈覚大師円仁が建立した。
江戸時代の初め、正宗公が京都の名工を集めて大伽藍を完成させた。
平成の大修理を終えたばかりの美しい姿は一見の価値がある。 

 

五大堂を眺める「南部屋」で牡蠣三味。"かきフライ" と "殻焼き" を肴に生ビールを一杯。
"かき丼" を掻き込んで、満足のランチなのだ。 

松島海岸駅に戻ると、またしても "マンガッタンライナー"、3つ戻って本塩釜駅へ。

塩釜には人気の銘酒 "浦霞" の醸造元が在る。
オリジナル猪口をお求めて、月替わりの酒の利酒を愉しむことができる。
酒は旨いんだけど、ホスピタリティーがちょっとね。残念。 

 

東北本線の塩釜駅に4両編成の気動車、快速・石巻行が入線する。
塩釜駅の先に仙石線・東北本線接続線が在って、快速は接続線を渡って高城町へ向かう。 

クロスシートに座席を占めたら、純米 "浦霞" のスクリューキャップを切る。
米の旨みが存分に生きた、すっきりした味わいの "やや辛" が美味しい。 

4両編成の気動車は、接続線を渡って仙石線に乗り入れる。
純米酒をちびちび愉しんでいると、石巻までの40分まではあっと云う間なのだ。
1番ホームの車止めに行く手を塞がれて、仙石線の旅は終わる。
ホームに駅舎に9人の戦士が躍動する。憂いを秘めたフランソワーズに魅せられる。

       仙石線 あおば通~石巻 50.2km
仙石線・東北本線接続線 塩釜~高城町   0.3km 完乗 

 

誰がために / 成田 賢 1979


旧中山道・浦和宿 酒場事情「金太郎」

2018-07-04 | 津々浦々酒場探訪

 今宵、本場・月島もんじゃの金太郎です。ここは果たして酒場だろうか。
否、何れにしても飲みに来たのは違いない。旧中山道から裏門通りを50mほど入る。 

 

先ずは生ビール。爽やかに "温泉卵のシーザーサラダ" で始める。
"ホタテバター焼き" は最後に醤油を垂らして香ばしい匂いが広がる。旨い肴になる。

 

連れは勝手に "たこ焼き天" を焼く、ボクもきままに枝豆やら豚トロやら居酒屋メニュー。
"ジンジャーハイボール" はmischoice、第一甘すぎる。"塩焼きそば" には参加。これ旨い。 

 

口周りがまったりしたのでサラダをもうひと皿。"棒々鶏サラダ" でさっぱり。
3杯目からは "ホッピー・黒" を。そう、後は飲むだけだね。 

 

file-009


おばこ号に揺られて 鳥海山ろく線を完乗!

2018-07-02 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 羽後本庄です。今回は由利高原鉄道・鳥海山ろく線(旧矢島線)で飲む。
旧国鉄にはこんな盲腸線がずいぶんあった。
戦前に敷かれた国鉄矢島線は、米や木材の搬出手段であったと想像される。 

単行ディーゼルカーが田圃の中を往く。
乗客は私の他にはグループ交際っぽい中学生4名、微笑ましい光景だね。 
それにしてもクロスシートのテーブルが大きい、高校生が自習できそうな広さだ。 

鳥海山ろく線は子吉川と絡みながら内陸へと進む。
鳥海山に発したこの川は、本庄平野に穀倉地帯を形成しつつ日本海に注ぐ。 

前郷駅で上り列車と交換。
かつて日本中の鉄道で見られた懐かしいタブレットの引き渡し風景を見ることができる。
由利高原鉄道、津軽鉄道そしてくま川鉄道の3路線のみに残る非常に貴重な風景だ。

期待の鳥海山は雲の中、夜半からは前線の影響で大雨になるらしい。 
かろうじて裾野がぼんやりと見える。まだかなりの残雪を抱えている様だ。 

「なわとびがたくさん跳べますように」「お菓子がじょうずに作れますように」 
終着駅のホームには短冊に込められた子供たちの願いごとで溢れていた。 

 

矢島駅前には何にもない。否、唯一の多賀部食堂が暖簾を提げている。
この店は朝7時からの営業で「朝定食」なんてメニューもある。
それでは私もと、昔ながらの鶏ガラ醤油ベースのラーメンを。なかなか美味しい。
叉焼の代わりに「しねにぐ」という噛みごたえのある鶏肉が入っているね。 
 

 

矢島には "出羽の富士" の佐藤酒造、"鳥海山" の天寿酒造が在る。さすがは米どころ。
天寿酒造さんで試飲を堪能し、蔵元限定の純米大吟醸 "鳥海山" 生酒を土産に仕込む。
純米吟醸は帰りの車内で、肴は地産のくるみ。旅情たっぷりの鳥海山ろく線なのです。 

由利高原鉄道・鳥海山ろく線 羽後本荘~矢島 23.0km 完乗

ジョニーの子守唄 / アリス 1978