旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

呑み鉄放浪記 東海道本線を往く!

2018-10-30 | 呑み鉄放浪記

 雨上がりの朝、日の出時刻を過ぎても東京駅は静けさの中。
北へ西へ始発の新幹線に乗る人々が、タクシーで乗り付ける6時前の丸の内北口。
秋の乗り放題パスが使える最後の週末、東海道本線を西へと発つ。

06:18発の熱海行きは、午前中最後の東京始発。座席にはかなり余裕がある。
グリーン車を選ばずとも、ボックスシートで朝ビールが愉しめるのだ。
呑みながら、喰らいながら、2日をかけて神戸まで。旨い酒肴と出会えるといい。

     

 缶ビールを片手に尾崎紅葉を読んできた。
冒頭の古風な文体に戸惑いながらも、根府川鉄橋を渡るころには前編を了える。
身悶えして恋しき人の名を呼ぶ美しき宮、今朝の「貫一・お宮の像」は見え方が違う。

テレビや映画のロケ地となり、熱海は若い層を中心に観光客がV字回復した。
生まれ変わった駅ビル・ラスカ熱海、昭和風情の仲見世商店街は買って、食べて、愉しい。

09:06発、島田行き6両編成は、昨今東京で見ることはなくなった一世代前の湘南電車だ。
熱海からJR東海の管轄となる東海道本線で西をめざす。

 先頃、『駿府城から太閤の天守台と金箔瓦が出土』と大きなニュースになった駿府城址。
静岡駅から10分も歩くと巽櫓が見えてくる。

堀の畔では、東海道中を旅する弥次喜多が与太話に興じているね。

     

そして城内、駿府城本丸跡では、鷹狩り姿の大御所家康が天下に睨みを利かしている。

 

ところで、駿府城公園の売店がリニューアルして「静岡おでん」を楽しめる様になった。
店子の青葉横丁「おでんや おばちゃん」 は、静岡鉄道を呑み潰した折に訪れている。
先ずは "焼酎お茶割り" を一杯。おでんの味?まぁ出店だから、ご愛敬でしょう。

東海道本線も静岡県内では需要が低くなるのだろう、短い編成がシャトルしている。
鮮やかなオレンジのラインが引かれた3両編成に乗車して、次は豊橋をめざす。

 金山駅で途中下車して、環状になっている地下鉄名城線で名古屋城を訪ねる。
五層の大天守にいただく "金のシャチ" が弱々しい秋の夕陽にも輝いてみせる。

      

1610年(慶長15年)、天下普請に際して天守台の石垣積みを指揮したのは加藤清正。
着飾った小姓と大石に乗り綱引きの人々を囃し立てる「清正石引き」の像が立っている。

 

金山から2つ先の名古屋駅、各ホームの「きしめんスタンド」から3・4番ホームを択ぶ。
この店はスタンドの中で天ぷらを揚げる。 "えび天玉子入りきしめん" が美味い。

ところで豊橋からは「新快速」で飛ばしてきた。堂々8両編成の韋駄天が頼もしいのだ。

 夕暮れの岐阜までは名古屋から新快速で20分。県庁所在地には敬意を表して途中下車。 
岐阜を訪ねたのは3年振り。中山道を歩いた旅は、長良川を渡し船で越えたっけ。

      

黄金の信長像は、マントを羽織り、右手に種子島、左手には西洋兜を持って仁王立ち。
当に時代の最先端を生き、歩いた信長その人らしい姿を岐阜駅前に観ることができる。

17:20発、大垣行き快速。帰宅の人の波に紛れて本日のラストランなのだ。

 暮れかかる大垣駅。乗る「鉄」の猛者たちは1日で徳山あたりまで行ってしまうだろう。
呑む人はこの辺りが良いところ。さっそく酒場をさがして街をぶらり。

高屋町交差点近くの細い路地に紛れ込むと「居酒屋とん平」がある。隠れ家的な酒場だ。 
って云いたいとこだけど、まわりが駐車場になってしまって、通りからも見えたりする。

 
 

1階はカウンターのみ、この短冊の豊富なメニュー、旧き良き時代の酒場なのだ。
"三千盛" は多治見の酒。辛口で癖なくすっきりしたキレ味、どんな肴にも合いそうだ。
"揚げ出しナス" それに "かつおの山かけ" が美味い。味ある地方都市の宵が愉しいのだ。

 

東京 / マイペース


浜松町・大門界隈でBiz-Lunch「五六八」

2018-10-28 | Biz-Lunch60分1本勝負

「五六八そば」にランチで訪れたのは初めてだ。
そば全品、中盛り・大盛り無料サービスだから若いサラリーマンにも満足のはず。
"かき揚丼セット" を注文する。もりそばは控えめに中盛りをお願いした。
ところがだ、丼はセットにありがちな小丼ではない。中盛りの550gも半端ではない。 
失礼のないように完食したけれどギブアップ寸前。次回からは普通盛りで良いね。
でっ、カラッと揚がったかき揚も、コシのあるそばも、程よい甘さの汁も大満足なのだ。 

      
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市電でガタゴトええじゃないか 豊橋鉄道・東田本線を完乗!

2018-10-26 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 井原交差点を路面電車が右折して往く。
豊橋鉄道の市内線は終点直前で2方向に分かれる。一方は直進して赤岩口へ。
もう一方は運動公園前へ。どちらが本線、支線と云う区別はないようだ。 

この日は「ええじゃないか豊橋まつり」の最終日。街中只ならぬ賑やかさだ。 
市内線1日フリー乗車券を買ったら、イベントには目もくれず、乗って呑むのだ。 

 始発の駅前電停からは赤岩口行きと運動公園前行きが交互に出発する。 
まつりの日の紅い電車に日章旗の髪飾りが似合っている。 

まつりのメイン会場の豊橋公園前へ向かう満員の乗客を乗せ、電車はガタゴト走る。 
「花電車」と擦れ違いながら、電車は20分と少々かけて赤岩口へ到着した。 
競馬場前からは単線になっているので、紅い電車はそそくさと折り返していく。 

井原交差点に戻ったら、もう一方の終点・運動公園前までガタゴトと揺られる。
こちらの電車は、空色の地に虹が描かれているね。

 メインカウンターが店内から店外へ飛び出した斬新なデザインの「立呑酒場・がや」。
ハムカツセット(550円)でウイスキーソーダ、よく冷えた琥珀が浸みわたる。 

  
 

ポテサラ(280円)、トピングのカリカリは何だろう。美味しい。赤ワイン(380円)と楽しむ。
さて、ウォーミングアップはできた、本格的に旨い酒場を探しにいく?

豊橋鉄道・東田本線 駅前~赤岩口 4.8km
        井原~運動公園前 0.6km 完乗 

南こうせつ / 夢一夜 1978


COLORFUL TRAINで渥美半島を往く 渥美線を完乗!

2018-10-24 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 渥美線を走る電車は「COLORFUL TRAIN」。
10編成の各編成ごとに半島に咲き香る花々をテーマにしてラッピングしている。 

新豊橋駅の2番線から乗車したのは「菊」のラッピングの4両編成。
渥美半島の電照菊栽培は、全国の生産量の30%を占めると云う。
電照菊のハウスの灯りが夜を幻想的に美しく彩るのは、渥美半島の秋の風物詩なのだ。

 途中の大清水駅で途中下車。砂場大清水店は地元でも評判のうどん屋さんだ。
当然、豊橋のB級グルメ "豊橋カレーうどん" を注文する。

 

砂場の丼は、必須の "うずら" をカマンベールと揚げて、色鮮やかな野菜とトッピング。
コシのある饂飩をツルっと楽しむと、下から "とろろごはん" が現れる。
カレーと絡めて二度美味しいのだ。 

 大清水駅は上下線の列車が交換する。
黄緑の新豊橋行きは藤七原湿原の「しでこぶし」、薄紅色の可憐な花だね。
赤の三河田原行きは「ばら」、田原市を主な産地として愛知県が産出額日本一だそうだ。 

大清水を発つと左右に田園風景、ハウスたちの中では電照菊が育っているだろうか。 
直線と曲線に囲まれた、シンプルな機能美の三河田原駅は安藤忠雄氏のデザインだ。 
ここから、バスに乗り継げば白砂青松の伊良湖岬、更にフェリーで伊勢・鳥羽へ。
「呑み鉄」に拘らなければ、まだまだ先へと続く、花に溢れた渥美半島の旅なのです。

豊橋鉄道・渥美線 新豊橋~三河田原 18.0km 完乗 

庄野真代 / マスカレード 1978


近江牛と旨酒と甲賀路を往く 草津線を完乗!

2018-10-22 | 呑み鉄放浪記

 草津線の4両編成は1・2番線から発車する。ラインカラーは "ピクルス" だそうだ。 
甲賀路を往く草津線は、関西本線の柘植を起点に、東海道本線の草津を結ぶ。
終点・草津は旧東海道と旧中山道が合流する要衝の宿場町として発展した。 

草津線はひょっとしたら日本の物流・人流の大動脈になっていたかもしれない。 
旧東海道筋を走っているからね。一方、東海道本線の岐阜~草津間は実は旧中山道筋だ。
実際、名古屋~京都間は関西本線・草津線を経由した方が約9km短いのだ。 

 今日は草津駅から逆走する。1番線から折り返すのは、途中駅の貴生川止まり。

乗車早々、南洋軒の "近江牛すきやき弁当" を開ける。甘い匂いが広がる。
とろけるような味わいの近江牛を、特製の割り下でこしらえた逸品なのだ。 

3つめの甲西(こうせい)で途中下車。半自動のドアが開くと収穫を前にしたイネの匂い。 

 

旧東海道筋には、鈴鹿山系の伏流水と美味しい近江米に恵まれて酒蔵が点在する。
訪れた "御代栄" の北島酒造もそのひとつ。生酛造りにこだわって醸している。 

後続の柘植行きは、東日本では珍しくなった国鉄時代の湘南型電車。"ピクルス" 色だね。 

セミクロスシートのボックスに昔ながらの小さなテーブル、スクリューキャップを切る。
先ほど仕込んだ "御代栄しぼったそのまま一番酒" は、とろりとしたまろやかな旨さだ。 

"ピクルス" の4両編成は、右手から寄って来た関西本線と並走して柘植駅に終着する。
直前に県境を越えて、ここは三重県だ。アルコール19度の旨酒に酔々で旅を終える。 

 

柘植駅には忍者のイラストやら案山子が忍んでいる。ここは伊賀だからね。
練られた合理的なダイヤは、3方向から列車が同時に入線して連絡の便を図っている。
関西本線の上下の列車が出発すると駅は閑散とする。"ピクルス" だけが佇んでいる。

草津線 草津~柘植 36.7km 完乗 

LOVE(抱きしめたい) / 沢田研二 1978


一酒一肴 すすきの・七番蔵「北の錦」

2018-10-20 | 津々浦々酒場探訪

 

 札幌出張の折、探し当てたお目当ての「七番蔵」は、狸小路に酒林を提げている。
創業明治11年、栗山町の酒蔵「小林酒造」のアンテナショップだ。
小林酒造には酒蔵は六番蔵まである。だからこの店は「七番目の蔵」と云うわけだ。
"北の錦 特別純米" ほんのりとした吟醸香の優しい酒を愉しむ。
肴は羅臼の "ほっけルイベ"、舌の上でとろけるね。今宵ボクは北の旅人だ。

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浜松町・大門界隈でBia-Lunch「キッチン ハレヤ」

2018-10-18 | Biz-Lunch60分1本勝負

 今日は世界貿易センタービルの北側へ。2つ目の辻をR15方面に折れる。
13:00をまわっていると云うのに7~8人の列ができているのが「キッチン ハレヤ」だ。
結構おひとり様が多い。そう云えば全ての席が壁向き横並びだね。
此の店はオムライスが美味しい。バリエーションが豊富だしね。あとはカレーかな。
オーダーは "チキン南蛮オムライス"、甘いケチャップソースの上にピリ辛のチキン南蛮。
なかなか良いコンビネーションだね。最後まで飽きることない大人のオムライスが旨い。
ごはん1.5倍、2倍盛りも無料だから、若者にgood。ごちそうさまでした。 

      
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ちょっぴりアートにふれた瀬戸内海 瀬戸大橋線・宇野線を完乗!

2018-10-16 | 呑み鉄放浪記

 現代アートの聖地として世界的に注目を集めている直島の「赤かぼちゃ」です。
太陽の "赤い光" は直島の海の中で赤カボチャに変身してしまった。と草間彌生氏。 

 厳ついマスクは "快速マリンライナー" の先頭車両。
瀬戸大橋線は、ここ茶屋町駅で宇野線から分岐して海を渡る。 

島々の緑を散りばめた瀬戸内海が美しい。 

無骨な鉄骨の林の中を "快速マリンライナー" が駆け抜ける。時折右へ左へ捩れながら。
まるで巨大な龍の体内を旅するようだ。 

坂出の工場群と火力発電所が見えてくると、瀬戸大橋線の僅か25分の旅は終わる。
列車は終点の宇多津駅を短絡線で通過して予讃線へと合流する。 

最初の駅、坂出で "快速マリンライナー" を見送る。列車はこのまま高松まで駆けるのだ。 

 "フェリーなおしま" が宮浦港に着岸する。件の「赤かぼちゃ」 に目を惹かれる。
帰りはかつての宇高連絡船航路を複ってみる。
直行は味気ないので直島経由にした。島での乗り継ぎ時間は1時間20分ある。 

先ずは "直島パビリオン"。27の島々で構成される直島の「28番目の島」がコンセプト。
蜃気楼で海面に浮かぶように見える「浮島現象」をイメージしたそうだ。
 

 

直島パビリオン至近の「木の崎うどん」を訪ねる。
地ビール "直島物語" で一息、フルーティーなカクテルのような味わいだ。
饂飩は "温玉肉ぶっかけ"、弾力あるツルツルの麺と甘辛く煮込んだ牛肉が美味しい。 

 迎えに来た新造船 "フェリーあさひ" で航路の後半、宇野をめざす。
広く明るい窓とゆったりしたシートはまるで空港のラウンジの様だ。 

宮浦から宇野までは寛ぐまでもなく20分の乗船時間。
見事な操船で、狭い港内で180度向きを変えたフェリーはお尻から宇野港に接岸する。 

 

 南国風でアートな宇野駅。舳先の様なモニュメントは「海からの贈りもの」と云う。
かつては広い構内と引き込み線を有した連絡船の駅は、コンパクトに様変わりしている。 

16:05発の岡山行き。まるで食パンの様なフェイスは中間車からの改造だろうか。 
傾く陽を浴びながら4両編成が往く。
茶屋町までは広々として田園地帯を、瀬戸大橋線と合流してからは住宅街を走る。 

所々単線区間が残る宇野線。交換を重ねて50分、濃黄色の4両編成は岡山に終着。
駅ビルで土産を見繕ったら足早に新幹線ホームに上がる。ここからが長いからね。
ちょっぴりアートに触れた、鉄道と船と酒肴の瀬戸内海の小さな旅を終える。

瀬戸大橋線 茶屋町~宇多津 31.0km
  宇野線 宇野~岡山 32.8km 完乗 

ブルースカイブルー / 西城秀樹 1978
 


ご当地旨ラーメン事情 高松「らぁめん欽山製麺所」

2018-10-14 | 旅のアクセント

 うどん王国讃岐って云ったって美味いラーメン屋はある。
片原町駅近くの「らぁめん欽山製麺所」を訪ねる。無論、一杯やってきら帰路なのだ。
初めての来店を告げると、大将は "鶏そば" をどうぞって、これが基本系だそうだ。
丸鶏をコトコト煮込んだスープと深みのある魚介スープを合わせた鶏濁白湯らぁめん。
太麺ちぢれ麺にご自慢のダブルスープが絡んで美味しい。鶏チャーシューも抜群です。 

      

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高松琴平電気鉄道を完乗!讃岐平野を東へ西へ

2018-10-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

「うみ・まち・さと - 心でむすぶ」 高松琴平電気鉄道で讃岐平野を往きます。

古来より航海、五穀豊穰・大漁祈願・商売繁盛の神様として信仰を集める金刀比羅宮です。
20年振りの785段の石段に息も絶え絶えなのです。 

秋の青空が広がる讃岐平野の眺めですが、びゅうびゅうと音を立てる強い風。
これから日本海側を台風が抜けます。先ほど渡った瀬戸大橋線も不通になったようです。 

でっ四国島内にもう1泊することに。門前の琴電琴平から高松築港をめざします。 

琴平線の2両編成は、クリームとイエローのツートン。京浜急行からお嫁にきました。 

 

女性運転士の指差喚呼、颯爽として格好良いですね。
彼女のきびきびした姿を眺めながら冷たい缶ビール。汗かいたからね。 

琴電琴平から起点の高松築港まではちょうど1時間の旅。 
2両編成が車止めと向き合う頃にはとっぷりと暮れています。陽が短くなりました。 

「ことでん」の瓦町駅と片原町駅(音にするとややこしい)の間が高松の繁華街。
アーケードでは、井川遥とローラに酒場へと誘われる。誘われなくても飲むけど。

 

さて、今宵は人情味酒場「えんぎ屋」へ。鶏料理と牛ホルモンがご自慢の店です。 
昨晩も日本酒をだいぶ飲んだから、今宵はホッピーから始める。 

 

炭火焼は、豚しそ巻き、トマトベーコン巻き、白ネギ、ししとうをいただく。
箸休めに "大根サラダ" でさっぱり。 

 

酒は観音寺の "川鶴"、深い味わいとキレの辛口本醸造。
肴は "種鶏のたたき"、うまみとほどよい歯ごたえは、柚子胡椒をつけて美味しい高松の夜。 

 瀬戸内海に面して築城された海城・高松城は別名を玉藻城(たまもじょう)と云う。
『玉藻よし さぬきの国は 国柄からか 見れども飽かぬ かむからか』
万葉の詩人、柿本人麿が詠んだに和歌に因みます。

「ことでん」の起点・高松築港駅はこの玉藻公園の中。
クリームにエメラルドグリーンの長尾線の電車は、内堀をS字になぞって瓦町方面へ。 

讃岐平野らしく、ため池が点在する田園風景の中を2両編成がガタゴト走ります。
休日午前の車内は長閑な風景、揺れに合わせて吊皮がメトロノームの様に揺れ奏でます。 

ガクガクッとつんのめるように2両編成は長尾駅に終着。高松築港駅からは40分の旅。 

駅から東へ5分、 補陀落山 観音院 長尾寺は、四国八十八か所霊場の第87番札所。
前身の高松電気軌道は、長尾寺への参拝路線としてレールを敷いたのではないだろうか。
その意味では、ここが真の旅の終わりですね。 

 瓦町駅の連絡通路を渡ると、他の2路線から離れて4・5番ホームがある。
クリームとローズピンクのツートンは志度線の車両、名古屋市営地下鉄からのIターン。

今日の讃岐平野は町々で秋祭り、駅に停車する毎にお囃子が聴こえる。
車内を華やかにしているのは3人組のお嬢さん。これから神輿を担ぐと云う。
横顔をパチリ、快く写真を撮らせてくれた。粋でかつ美しい。 

車窓に屋島を背景にして塩屋海岸が広がると、3両編成は程なく琴電志度に終着します。

第86番札所は補陀洛山 志度寺、推古天皇33年(625年)建立の四国霊場屈指の古刹。
仁王門で大きな「わらじ」に迎えられて志度線の旅を終え、「ことでん」完乗なのです。

高松琴平電気鉄道 琴平線 琴電琴平~高松築港 32.9km
         長尾線 瓦町~長尾 14.6km
         志度線 瓦町~琴電志度 12.5km 完乗 

時代遅れの恋人たち / 中村雅俊 1978


Biz-Lunch 門前仲町「富水」

2018-10-10 | Biz-Lunch60分1本勝負

 門前仲町、魚屋の経営する居酒屋「富水」、100席と云うから大箱の部類ですね。
12:00をまわった頃だから席待ちの列、威勢のいいお母さんが席を差配する。
"富水上定食" は1,100円、刺身と天ぷらが箱弁になっている。
厚めに切った "ブリ"、ほどよく脂がのった "中トロ"。旨い。魚屋さんだからね。
"エビ天" も大ぶり、ぷりっぷり。まんぞくのBiz Lunchなのだ。 

      
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水島臨海鉄道を完乗! 蔵の町からコンビナートへ

2018-10-08 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 花嫁行列に出会いました。白壁の町並みを鮮やかな打掛姿の花嫁さんが往きます。
綺麗ですね。沿道から「おめでとうございます」の声々。末永くお幸せに。 

倉敷は駅もデパートも白壁の蔵を想像させるデザイン。さすがは美観地区の玄関口だ。
水島臨海鉄道はJR倉敷駅の傍ら、倉敷市駅からひっそりと出発する。 

 スカイブルーの単行気動車がホームに入って来た。折り返し三菱自工前行きになる。 
朝夕の通勤時間帯を除くと、終点の三菱自工前まで走る列車はわずか。希少な12:00発だ。 

単行気動車は2キロほど山陽本線を並走した後、左手に分かれて臨海工場地帯をめざす。
重い貨物列車が走る路盤や線路は重厚で、列車は揺れも少なく快調に走る。 

倉敷市駅で埋まった座席は徐々に乗客を減らし、水島駅では私以外下車してしまった。
最後の1区間は貸し切り状態で三菱自工前に終着。列車は直ぐに車庫へと回送される。
なるほど休日の工場地帯には猫の子すら見当たらない。湊をながめながら水島へ戻ろう。 

 美観地区のひっそりとした裏路地に、トラットリア×自家製蕎麦「武野屋」を訪ねる。
パスタ風の平打ちで、トマトソースやジュノベーゼのお蕎麦が人気のようです。
私は純和風に "和牛お肉のおそば"、濃厚な出汁が太麺にからんで美味しい。
セットの "十八穀米" は、出汁と薬味でお茶漬け風にいただく。これがまた美味なのだ。 

 

着丼までは、シャンパングラスで "萬年雪 激辛"、ほどよく冷えた超辛口が心地よい。

 それにしても、台風の接近か、西日本豪雨の風評か、倉敷の町並みはことのほか静か。 
これからの季節、多くの方に足を運んでいただきたいと思う山陽路なのです。 

水島臨海鉄道 倉敷市~三菱自工前 10.4km 完乗

いい日旅立ち / 山口百恵 1978


雄町と烏城と路面電車と 岡山電気軌道を完乗!

2018-10-06 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 心配していた台風25号も、暴風雨圏からはずれて、朝の岡山駅は快晴。
総営業距離は4.7km、日本で一番短い路面電車に乗って、岡山城を訪ねてみよう。

 

週末の出張を終えて岡山に居残り。おかやまの酒ばあ「さかばやし」の引戸を開ける。
僅か10席のカウンター、右隣りは女子大生2人連れ、左のご同輩はすでにうつ伏せ。 

 

1杯めは "きびの吟風"、雄町米で醸した純米吟醸。心地よい香りと爽快な後味だ。
こんな酒には白身かな、肴は"黒鯛の刺身" を抓んでみる。

 

店の名物 "おでん" を盛り合わせてもらう。柚子味噌でいただくのが美味しい。
"伊七" は倉敷の酒、こちらは雄町純米ひやおろしだ。

 

岡山は板野酒造本店の "鬼ノ城 純米吟醸" はフルーティーながらも力強く飲み応えあり。
〆の "鶏雑炊" はさっぱりと旨い一品だ。岡山の地酒を堪能した週末の宵なのだ。

 翌朝、岡山駅前電停からMOMOに乗車する。
機能性とデザイン性を両立した2両連接の超低床式路面電車、見るからに水戸岡デザイン。

近未来的な外観に対して、車内は木をふんだんに使った柔らかなデザイン。
そして、うしろすがたの素敵なあなた、ふりむかないで岡山のひと ♪ 

清輝橋線は柳川電停から本線と分かれ、繁華街表町の西側R53を南下する12分の旅。 

 東山本線は岡山駅から、岡山城・後楽園方面へ、真っすぐ延びる桃太郎大通りを往く。
城下電停で下車して烏城公園へ。 旭川に映える漆黒の天守閣が威風堂々と美しい。

城下から進行方向を南へ転じた東山本線は、西大寺で再び東へ向くと旭川を渡る。
右手に名門女子高の薄桃の校舎が見えてくると終点の東山電停は間もなくだ。

岡山電気軌道 東山本線 岡山駅前~東山 3.1km
       清輝橋線 柳川~清輝橋  1.6km 完乗

巡恋歌 / 長渕剛 1978


旅情の小箱 人吉「栗めし」

2018-10-04 | 旅のアクセント

 人吉駅には、今では全国的にも珍しくなった駅弁の立ち売りがいる。
人気の "栗めし" は、かんぴょう入りの炊き込みご飯、ほくほくの甘い栗がのっている。
先ずはおかずを肴に "瑞鷹" のワンカップを楽しむ。栗めしはあとのお楽しみ。
人吉球磨産ヒノキをふんだんに使用した "田園シンフォニー" でくま川鉄道を往く。 

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旅情の小箱 八代「鮎三代」

2018-10-02 | 旅のアクセント

 肥薩線の八代~人吉間は日本三大急流・球磨川に沿って走る。
翠緑色の水を湛える球磨川では、尺アユと呼ばれる30センチ超のアユが育つそうだ。
八代駅前、鮎の老舗・より藤の "鮎屋三代" は、九州駅弁ランキング3年連続1位の名物駅弁。
焼鮎からとった出汁で炊き込んだごはんに、球磨川産の天然鮎で作る甘露煮がのっている。
缶ビールを傍らに、甘露煮にかぶりつく。ディーゼルカーにガタゴト揺られながら。

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