旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

吾輩は猫駅長である 名前はまだ... 貴志川線を完乗!

2017-03-30 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 なんとも癒されるイラスト。貴志駅ウルトラ駅長??の三毛猫「たま」だそうだ。
和歌山駅の9番ホームで1日乗車券を購入する際、駅員氏から念を押された。
「駅長の勤務は終了してます。よろしいですか。」猫駅長目当ての乗客が多いらしい。

 

真っ赤なボディーの "おもちゃ電車"、車内ではガチャガチャでおもちゃを販売している。
水戸岡鋭治氏のデザインの通称「
おもでん」は、貴志までの単線をガタゴト往く。

 

貴志着は17:00過ぎ、「たま」は退勤済み、人気の「たまカフェ」も閉店の準備中。
それでも少なくない乗客が思い思いに楽しんで、折り返しの上り電車を待っている。

 

途中駅で貴志駅周辺の特産品であるイチゴをモチーフにした "いちご電車" と交換。
人気の「たま駅長」をモチーフにした小さな耳が付いた "たま電車" とも擦れ違った。
他にも鮮やかな赤紫色の "うめ星電車" が和歌山名産の南高梅をアピールしている。

 

 和歌山の夜は雑賀町の「地魚・和食キッチン おぎん」を訪ねた。
白い暖簾に紀州・地魚・地酒と染め抜かれ、軒下には4個の菰樽、期待が膨らむ。
突き出しのホタルイカを肴に、まずは生ビールを一杯。

 

海南市の平和酒造の "特別純米 カラクチキッド" 、斬新なネーミング通りのキレがある。
名産のしらすを使った "じゃこサラダ"、"地魚の刺身盛合せ"、"タコの唐揚げ" に杯が進む。 

 

世界一統酒造の "南方 純米吟醸 無濾過生原酒" はとろりとしたフルーティーな酒。
肴に選んだ "地鶏の温玉とり団子" はこれまた絶品だ。
お酒をなみなみと注いでくれた "あみちゃん" はこの日がアルバイト最終日。
透明感のある素敵なお嬢さんは4月からは社会人だそうだ。1年生頑張って!
美味しい和歌山の夜は更けて、明日からは紀勢本線で南紀を巡るのだ。

和歌山電鐡・貴志川線 和歌山~貴志 14.3km 完乗

 

硝子坂 / 高田みづえ 1977


四天王寺から和歌山城へ 阪和線を完乗!

2017-03-28 | 呑み鉄放浪記

 推古天皇元年(593年)に建立されたと云うから、四天王寺の歴史は旧い。 

寺院を地名にいただいた天王寺は和歌山へ向かう阪和線の起点だ。
「あべのハルカス」を有する近鉄の阿部野橋と共に大阪の南玄関口となっている。
阪和線のホームはターミナル駅らしい櫛形をしているね。

次の目的地、鳳行きの各駅停車に乗車する。
空いてて快適と思いきや、何本もの快速・特急に鉄路を譲る文字通りの "鈍行" なのだ。

 

鳳駅構内に突き刺さるような5番ホームに、懐かしの京浜東北線って感じの3両編成。
1.7km先の東羽衣との間をシャトルしている。どこかの大工場のための引き込み線か。 

 

3分の乗車で終着した東羽衣駅の階段を降りると眼の前には南海の羽衣駅。
昭和初期に当時有数の行楽地である浜寺海水浴場への輸送のための支線だ。
どうやら南海電鉄とは激しい乗客獲得競争を繰り広げたらしい。

日根野駅からもうひとつ支線を乗車する。とは云っても関西空港線は立派な幹線。
在来線の鉄道橋としては最長の関西国際空港連絡橋を飛ばして10分の乗車だ。 

 

第1ターミナルビル2F町家小路の YEBISU BAR で一息。「呑み鉄」だからね。
トマトジュースにピルスナーを注いだ "レッド・アイ"、二日酔いの赤目が由来だ。 

 

日根野に戻って阪和線を南下する。"紀州路快速" とは云ってもここからは各駅停車。
和泉山脈の山合いを抜けると紀の川が流れる和歌山平野が広がる。

雨上がりで薄暗い和歌山に終着する。でも和歌山城だけは押さえておく。桜は未だだ。
世界一統、祝砲、羅生門etc、今宵は和歌山の地酒を堪能して、明日は南紀を往く。

  阪和線 天王寺~和歌山  61.3km
東羽衣支線 鳳~東羽衣      1.7km
関西空港線 日根野~関西空港 11.1km 完乗 

サクセス / ダウン・タウン・ブギウギ・バンド 1977


“きしめん” と “にしんそば” と “きつねうどん” と 東海道新幹線を完乗!

2017-03-26 | 呑み鉄放浪記

 "青春18きっぷ" の季節。はじめましての南紀を地酒を愉しみながら巡りたいと思う。
アプローチは東海道新幹線を往くのだが、今回は「駅そば」 をテーマにしてみよう。

東京08:00発、のぞみ207号は、雨上がりの東京駅を静かに滑り出す。
案の定富士山もご機嫌斜めで、その雄姿を見せてくれない。
09:41、名古屋に途中下車する。目的地まで新幹線を乗り継ぐのは初めての経験だ。

 

 16・17番ホームの新大阪寄りに「きしめん住吉」がある。
午前中からサラリーマンやら学生やら列が出来ている。人気店なのだ。
"みそ(玉子入)きしめん" は、濃厚な八丁味噌のスープに、ツルツルのきしめんが旨い。
後半は玉子を溶いてマイルドな味を愉しむ。620円なり。癖になりそうな一杯だ。

 

 後続のひかり463号に乗車して30分少々、京都に途中下車する。
京都駅の新幹線ホームに立ち食いそば屋はない。
コンコースに祇園の「総本家にしんそば・松葉」が暖簾を上げている。
甘辛く炊いた "棒炊き" にしんの甘露煮が淡泊な蕎麦の味とよく合って旨い。
駅構内の1,400円はちょっと予算オーバーかな。 

 京都から新大阪までは10分少々、座席が暖まるまでもなく21番線に滑り込む。
ホームにはかつお出汁の匂いが漂う。残念ながら「大阪グル麺」は今月末で閉店だそうだ。
当然に "きつねうどん" 380円をいただく、ここは大阪だからね。

 

「呑み鉄」をテーマにしながら缶ビール1本の東海道新幹線の旅。
名古屋、京都、新大阪と「駅そば」を食べ比べての3時間30分。さすがに腹一杯なのだ。
天王寺に移動をすれば、南紀一周、地酒と巡る旅のスタートだ。

東海道新幹線 東京~新大阪 552.6Km 完乗


旧東海道・品川宿でBiz-Lunch「いなせ」

2017-03-24 | Biz-Lunch60分1本勝負

 同僚はこの店をキャベツ畑と呼ぶ。千切りキャベツが大盛だからなのだそうだ。
店には縄暖簾が架かっている。宵には赤提灯が灯るので雰囲気が出そうだね。
「いなせ」は新馬場を背に山手通りの聖跡公園交差点を左に入る。
4人掛け×2卓、カウンター3席、小さなキャパの大半はガテン系のお客さん。
だからホクホクの白米も大きな丼、美味しい "しょうが焼き" も濃いめの味付けだ。
ってことで、チューハイグラスに氷たくさんの麦茶が嬉しい。ご馳走さまでした。 

     
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旧東海道・品川宿でBiz-Lunch「なかよし」

2017-03-22 | Biz-Lunch60分1本勝負

 演歌歌手のポスターに大きなモニターが設置されている。
きっと夜の帳が下りると近所の方々が集まって、十八番を披露しあうんだろうな。
今日、その大きなモニターはWBCの残念な試合を映し出していたけれど。
そんな居酒屋「なかよし」の油淋鶏定食は、柔らかくてジューシーな鶏肉が及第点。
他のメニューにも期待が持てる美味さでした。お母さん、また伺います。

 
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旧東海道・品川宿でBiz-Lunch「春」

2017-03-18 | Biz-Lunch60分1本勝負

 カウンターに6席、4人掛けテーブルが1卓、人気の居酒屋はランチの味も間違いない。
居酒屋「春」のランチは魚が三種類と肉が一種類。
今日は、さば、赤魚みりん、さんま塩焼きに豚ロース焼肉のラインナップで700円。
香ばしい “赤魚みりん” を美味しくいただいた。それにしても小鉢が充実しているでしょう。
それからお姉さんの笑顔が人気を確かなものにしています。

     
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「くらの細道きっぷ」で筑紫平野をゆく 西鉄・甘木線を完乗!

2017-03-14 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 まったくの偶然なんだけど、3月11日は西鉄甘木線 "くらの細道きっぷ" の日。
西鉄と甘木線沿線の4つの酒蔵がタイアップした春の蔵びらきを飲み歩きイベントだ。

久留米から筑後川を渡ると宮の陣駅、甘木線はここを起点に天神大牟田線から分岐する。 

 

五郎丸、古賀茶屋と個性的な名前の駅を経て、4つ目の北野駅で最初の途中下車といこう。 

北野と云うからにはやはり北野天満宮。今日も旨いお酒が飲めるように柏手を打つ。
天満宮の参道には、山口酒造場、千年乃松酒造、と2軒の酒蔵が在る。
最初に立ち寄った酒蔵で「飲みくらべおちょこ」を求めると、ひと蔵2種類を楽しめる。 

 

1軒目は "庭の鶯" の「山口酒造場」、しぼりたて生酒と定番の純米吟醸をいただく。
フレッシュな味は和でも洋でも合いそうだ。おつまみの水菜の和えものが嬉しい。 

 

2軒目の「千年乃松酒造」は今日が本蔵びらき。倉庫を開けての大宴会なのだ。
老いも若きもべろべろに楽しんでいる。大鍋で作った粕汁も素朴で美味でした。 

ペパーミントグリーンの電車に乗ってひとつ先の大城駅へと進む。
"くらの細道きっぷ" は、蔵の最寄りの北野駅、大城駅、大堰駅で自由に乗降できる。 

 

「山の壽酒造」では、純米吟醸とにごり酒をいただく。若い蔵人が醸す個性的な酒だ。
個性的と云えば、YouTubeでなかなか秀逸なCMを見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=ojbF8xvaomI 

「みいの寿」は大堰駅から15分ほど、豊な筑紫平野の田舎道を歩いて訪ねる。
企画の2杯以外も試飲させていただく。ワイン酵母で造った純米吟醸酒が出色だ。 

 

すっかり良い気分で大堰駅にもどる。終点の甘木駅まではあと4駅を残している。
窓から差し込む西日の暖かさとほろ酔いで、すっかり居眠りをしてしまった。
気付けば終点の甘木駅だ。さあ、宮の陣までもどって、本線で福岡天神をめざそう。

西日本鉄道・甘木線 宮の陣~甘木 17.9km 完乗 

雨やどり / さだまさし 1977


水都柳川から大宰府そして天神へ 西鉄・天神大牟田線を完乗!

2017-03-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 大宰府天満宮の梅が満開です。
約6,000本の紅梅、白梅、一重、八重と咲き誇り、境内は芳しい梅の香りに包まれている。
「呑み鉄」番外編、西鉄・天神大牟田線を北上して柳川、大宰府を訪ねて天神をめざす。

 大牟田は江戸時代からの炭鉱の街。
隣の荒尾市(熊本県)と併せて日本の産業の発展を支えたのは三井三池炭鉱。
明治産業革命遺産の一部として世界遺産に登録されている。

08:52発の特急・福岡天神行きは観光列車「水都」は柳川の季節の風物詩をあしらった。
先頭の6号車は、「さげもん」の "柳川まり" をデザインしている。

8000系という旧型の特急車両、パノラミックな運転室に面したシートは子どもに大人気。

12分の乗車で西鉄柳川に到着。
観光列車のコンセプトとなった水郷の町・柳川は、詩人北原白秋が愛した町。
酒の肴は「柳川なべ」に「鰻のせいろむし」がお楽しみだろうか。

筑後川と矢部川に挟まれた市内を縦横に堀割が走る。巡る川下りは柳川観光の定番。
船は船頭さんの巧みな1本竿さばきに操られ、柳川城堀水門から場内に入っていく。
ちらほらと早咲きの桜が掘割に映って華やかだ。

柳川から西鉄二日市をめざして再び特急・福岡天神行きに乗車、今度は近代的な車両だ。

西鉄二日市で途中下車。太宰府線のペパーミントグリーンの6両編成に乗り換える。
この支線にも観光列車「旅人」がシャトルしていると云う。
太宰府の観光名所を描いた日本画の世界、和テイストあふれるデザインだそうだ。

 

 夕暮れの太宰府駅は、老若男女に訪日外国人観光客まで入り乱れてとても賑やかだ。
駅前から参道にかけて、土産物屋を冷やかしたり、グルメを楽しむ人々で大混雑。
福岡中心街からのアクセスもよく、日帰り観光やデートコースにはぴったりの様だ。

京の都から大宰府へ左遷される日、庭の梅の木に別れを惜しんだという菅原道真。
道真のあとを慕い一夜のうちに大宰府まで飛んでいったと伝えられる「飛梅」。
樹齢1000年を超える御神木は散りはじめ。紅梅は今を盛りに咲き誇っている。

まっ、とりあえず大宰府で雅に梅酒でも。
門前で全国の酒蔵がつくる梅酒を150種が揃う "全国梅酒まつりin太宰府天満宮" が開催中。
でも、すっかり到着が遅れて参戦できずに残念。  

二日市から福岡天神まではラストランナーの急行で20分の乗車。
ターミナル駅の大きさと機能的な美しさには驚き、博多は大都会だ。

高速バスターミナルと、三越と一体となった近代的な福岡天神駅。
周囲には高級ブランドショップ立ち並ぶこの一角に、めざす立ち飲み「角屋」がある。
この混在感が地方の大都市の大いなる魅力なのだ。  

 

さてこの角屋さん、1階は立ち呑み、地階は椅子席、じっくり呑みたい人にも優しい。
しかし雑多なこの雰囲気、まだ暮れ切らない時間に席を探すのが大変な賑わいだ。

 

こうした店の割には味付けもしっかりしていて良い感じ、とくに "肉じゃが" は絶品。
でも小母ちゃん、さすがに大根は煮過ぎじゃないですか。
天神から福岡空港までは地下鉄で10分。ラウンジで缶ビールよりここで一杯が良いね。

西日本鉄道 天神大牟田線 大牟田~福岡(天神) 74.8km
        大宰府線 西鉄二日市~大宰府    2.4km 完乗

 

優しい悪魔 / キャンディーズ 1977


旧東海道・品川宿でBiz-Lunch「幸」

2017-03-05 | Biz-Lunch60分1本勝負

  八ツ山橋で自衛隊のヘリと対峙したゴジラが一転、運河に飛びこみ姿を消す。
その船溜まりの運河の最奥に屋形船幸吉丸、待合室に「幸」の紅い暖簾がかかっている。
メニューは揚げものと焼き魚と二種類、今日はメンチかつかサバ塩焼の択一です。
玉子か納豆が付いて600円のシンプルな定食をわずかカウンター6席のお店でいただく。
じっくり焼いたサバが香ばしく美味いのだ。

 
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