旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

それでは酔いお年を 今宵、立ち呑みスタンドにて!

2019-12-31 | 津々浦々酒場探訪

 

 地下鉄の階段を上ったら、昭和なアニメを模した日除けが掛かる立ち呑みスタンド。 
25~30名キャパのカウンター席は押し合い圧し合いの大盛況。諦めて帰る客も多い。

穏やかな香り、キレが良い純米酒、アテはちょっと贅沢に "ズワイ蟹の雲丹和え"。
カウンターは4~5人の女子、どの娘もかわいいし笑顔が良い。それにしても、
そのホスピタリティとオペレーションが半端ない。感心しきりな札幌のひと。

 牛込神楽坂を降りる。白銀公園方面へ路地を入ると粋な立ち呑みを見つけた。
黒塀に淡い提灯ともる小料理屋、その古民家の土間がウェイティングバー的なスペース。

爽やかな口あたりの無濾過生酒にアテは "鯖へしこ"。これで2~3合いけそうだ。
後からの客人に席を譲って粋人を気取る。おとなの街を堪能した神楽坂の宵。

 目黒通りを下って行くと、打ちっぱなしの壁に白い提灯と杉玉を見つけた。
10人でいっぱいのコの字カウンター、ウインドウには「日本酒バースタンド」のサイン。

 

カウンターの明日美さん、日本酒に詳しいし表現が豊か。知性溢れる東京のひと。
彼女に択んでもらった土佐の純米酒と "酒盗クリームチーズ" でご機嫌な東京の夕暮れ。

 中華風の "セセリと蓮根" をアテに、酒は西条の寒仕込、すっきりとキレのよい辛口。
たしかこの前も雨降りだった横川の夜。和ませ上手なユカリさんは広島のひと。
昔ながらの角打ち風から洒落たスタンドまで、なかなか深い近頃の "立ち呑み" が愉しい。
時にはひとり、スタンドで杯を傾けてはいかが。皆さま、それでは酔いお年を!

ふりむかないで / ハニーナイツ


思えば遠くへ来たもんだ

2019-12-30 | 日記・エッセイ・コラム

 80年代に流行った「いい旅チャレンジ20,000km」って国鉄・JRのキャンペーン。
「青春18きっぷ」が発売されたのもこの頃。キャンペーンのポスターは旅情を誘った。
学生になったら寝袋背負って旅に出ようと思ったけれど、何時しか忘れて時は過ぎた。

"呑み鉄" という大人のゲームを始めたのは新潟に単身赴任していた頃。
単純な話、吉田類氏や六角精児氏、あるいは井之頭五郎氏のような旅をしてみたかった。

高校生や小母ちゃんに交じって鈍行列車に乗る。蔵元を訪ねて地酒を求めて車中酒。
蔵元がない土地では「縄のれん」を潜って常連さんに倣ってカウンターで呑んでみる。

今年は、北海道を終え、三陸を巡り、名古屋に出没、旅先で潜った暖簾は50軒を数えた。
地方の文化、風景、人情そして酒肴は「旅」のアクセントになりますね。
彷徨う "呑み鉄" の旅は、まだまだ続く。っと思います。

JR北海道 2,535.9km
札幌市交通局 56.9km
函館市電 10.9km
津軽鉄道 20.7km
三陸鉄道 163.0km
仙台市営地下鉄 28.7km
山形鉄道 30.5km
ディズニーリゾートライン 5.0km
山万 4.1km
東京都営地下鉄 130.9km
東京臨海高速鉄道 12.2km
横浜市営地下鉄 53.4km
アルピコ交通 14.4km
広島電鉄 35.1km 以上完乗

思えば遠くへ来たもんだ / 海援隊


メトロに乗って 師も走る年の暮れ 日比谷線を完乗!

2019-12-29 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

 中目黒にメタリックシルバーの7両編成が入線してくる。なかなか渋いね。
おそらく今年最後の呑み鉄は、都心をふらふら彷徨って北千住に抜ける日比谷線の旅。

     

神谷町駅から国道1号を南下する。飯倉交差点を右に折れると見上げるような東京タワー。
永井坂からのタワーは冬の青空を突き、圧倒的な存在感で視界を覆っている。

神谷町から乗車したのは赤が基調の7両編成、相互乗り入れする東武の車両だ。

路線名になっている日比谷で途中下車、交差点から大手町方面を見通す。

日比谷公園をぶらり散歩して松本楼、ここに入るのも、カレーをいただくのも初めて。
"彩り野菜カレー" は、深みとコクとほんのり辛いカレーに野菜の甘さが絶妙に美味しい。

3つ進んで築地で途中下車、市場が移転した後の場外をぶらりと巡る。

築地本願寺は、古代インド仏教様式を模した特徴的な外観が存在感がある。
そのオリエンタルな雰囲気は、仏教がシルクロードを経て伝わったルーツを感じさせる。

入谷駅には「三富」の開店に併せて17:00前に途中下車。上野在勤時代の馴染みの店だ。

但馬の酒 "香住鶴" は旨みありコクありの生酛純米、どんな肴にも合う。
アテは "里いも揚出" をあわせる。熱々の餡とやわらかな里いもが冷えた身体に美味しい。

今宵は生酛純米に拘って、二杯目は二本松の "大七"、豊かなコクと旨味の酒。
コリコリと歯応え良い "軟骨入りつくね" は黄身を絡めてマイルドにいただきます。

ほろ酔いで入谷の店を出たら残るは3駅、4度メタリックシルバーの7両編成に乗る。
三ノ輪を出た車両は、暮れた地上に這い出て、さらに高架に上って5番線に滑り込んだ。
日比谷線の旅はここに終わる。北千住は芭蕉矢立初めの地、みちのくへの出立点である。
そして7両編成も乗務員を乗せ換え、さらに東武線を北上して往く。どうか素敵な旅を。

東京地下鉄・日比谷線 中目黒~北千住 20.3km 完乗

 

DESTINY / 松任谷由実 1979


一酒一肴 大分・気らく家「イモリ谷」

2019-12-27 | 津々浦々酒場探訪

 二杯目は安心院(あじむ)の米と地下水で醸した "イモリ谷 生原酒"、中野酒造の酒だ。
ブランデーのような香りと、さらさらとした飲みやすい喉ごしが両立している。
アテは "とり天"、これ も大分で古くから愛されている郷土料理のひとつだね。
下味をしっかりつけた鶏肉を天ぷらにして、ポン酢ベースのタレをつけて美味しい。
今宵大分都町、「気らく家」のカウンターで酔い宵なのだ。


file-056


一酒一肴 大分・気らく家「鷹来屋」

2019-12-25 | 津々浦々酒場探訪

 今宵は歓楽街都町、大分の郷土料理で一杯。まずは "りゅうきゅう"。
アジなどの切身を、醤油・酒・ミリン・生姜・ゴマ他を合わせたタレに漬け込む一品。
これは旨い、杯が進みそう。酒は "鷹来屋 辛口本醸造" をいただく。
豊後大野の浜嶋酒造は石高500石の小さな蔵、土地の米と水で醸す当に地酒だ。
燗を付けてよし、冷やでよし、飲み飽きしないシャープな味わいが良い。

日本全国酒飲み音頭 / バラクーダー 1979

file-055


ご当地旨ラーメン事情 函館「滋養軒」

2019-12-23 | 旅のアクセント

 昭和22年創業の老舗「滋養軒」を訪ねた。昔ながらの "函館塩ラーメン" を味わうため。
午後1時前に辿りついたのだけど私の後ろ1組でオーダーストップ。なんとか滑り込んだ。
後ろは台湾からのカップル、一生懸命「しおらあめん」と発音練習する彼女がキュート。
隣国さんと英語で話すのももどかしいけれど、"牡蠣入り麺線" を褒めたら悦んでいた。
 30分くらい待った?カウンターに座ったら瓶ビールで餃子を抓んでラーメンを待つ。
着丼した "函館塩ラーメン" は、透きとおるスープにツルツルの中太ストレート麺。
鶏ガラと野菜で丁寧にとったスープ、しっとり柔らかなチャーシューが旨い。
いやぁ美味しい経験をさせていただいた。きっとこれ、記憶に残る一杯になると思うな。


file-013


はやぶさ5号は北の大地へ 北海道新幹線を完乗!

2019-12-21 | 呑み鉄放浪記

 北海道新幹線の旅はわずかに1時間、でも呑み人にとっては節目の旅になる。
2015年に江差線を乗ってから4年、この旅でJR北海道が完乗になるのだ。

本格的な寒波の影響で、新青森駅は白一面の静けさの中にある。
駅ビルのあおもり旬味館で300mlの地酒と駅弁を仕込んで13番ホームに上がる。

はやぶさ5号が今まさに滑り込んできた。東京から700kmを2時間59分の俊足ランナーだ。

 

E5系が滑りだしたら、早速 "桃川 吟醸純米" のスクリューキャップを開ける。
芳醇な香りの奥入瀬の酒は、International Wine Challenge 2018 でGoldを受賞している。
15に小分けされた "津軽めんこい懐石弁当" は、呑み鉄ご同輩のためのひと箱と云える。
ホタテ唐揚げ、すしこ、鶏もも塩焼き、紅鮭寿司、津軽の肴がびっしり詰まった優れ物だ。 

吟醸純米酒の余韻に浸る間もなく、はやぶさ5号の車内には乗換案内が流れる。
新函館北斗駅は対面二線のホーム、ターミナルではなく、途中駅の設備になっている。
札幌開業は2030年度末の予定、新幹線の延伸は北海道にどんな未来を描くだろう。
先のことはいざ知らず、JR北海道を完乗した呑み人は北海道内全線呑み潰しに向かう。

北海道新幹線 新青森~新函館北斗 148.8km 完乗

Wake Up / 財津和夫 1979


一酒一肴 盛岡・萬YOROZU「IWANOI THE MOON」

2019-12-19 | 津々浦々酒場探訪

 

 二杯目は磐乃井酒造(一関市)の酒 "IWANOI THE MOON"、なんとも洒落たラベル。
県産トヨニシキで醸した特別純米無濾過生原酒は、飲み飽きしない1年熟成の酒。
澄んだ出し汁の上品な "おでん" と一緒にいただいた。
余所者にもやさしいアットホームな店で、旨い酒肴を堪能した盛岡の夜なのです。

2018/12

      
file-054


一酒一肴 盛岡・萬YOROZU「浜千鳥」

2019-12-17 | 津々浦々酒場探訪

 

 田沢湖線を旅して、とっぷりと暮れて盛岡に終着。
このまま新幹線に飛び乗るのはもったいない。ひたすら東へ、歓楽街大通りをめざす。
串焼き酒場「萬」は炉端の幅広のカウンター席がなかなか良い。 
串焼き5点盛りを味わったら、"炙りしめ鯖串" を焼いてもらう。脂がのってこれが美味い。
海の肴には海辺の酒、釜石の "浜千鳥" を啜る。穏やかな飲み口で旨みのある酒だ。


file-053

 


次の北国行きで≪後編≫ 奥羽本線を完乗!

2019-12-15 | 呑み鉄放浪記

 奥羽本線を往く2日目は、10:57、昨夜の雪が残る秋田駅を出発する。 

 

駅のコンコースには、なまはげ、竿灯に加えて「秋田犬」のオブジェも仲間入り。
ロシアの金メダリストにプレゼントした頃から脚光を浴びている様な気がするね。 

5番手の1651Mはやはり旅情のないロングシート、追分を過ぎると車内も閑散とする。
むかしの「こまち」と揺られること1時間、列車は終点の東能代に到着となる。 

 五能線が分岐する東能代は広い構内に転車台が残り、かつての賑わいが想像される。 
この駅裏に大盛りで有名な田舎食堂があると聞いて訪ねた。営業時間は11:00~13:00だ。 
店には入れたものの1時間待ちと云われて諦める。調理が追い付かないらしい。
割烹着の婆ちゃんが二人で奮闘する素朴な「中川食堂」には必ず再訪したいと思う。
お元気でいてください。 

仕方なしに駅に戻り、KIOSKで "比内地鶏の鶏めし" を求め、待合室のベンチで食す。
鶏肉の煮汁で炊いたご飯、鶏の塩焼きがのって案外美味しい。
茄子の田楽やら、がんもどき煮やら、付け合わせも缶ビールのお供になるね。 

地吹雪の中、次の北国行き1657M弘前行きがやって来た。この旅6番手のランナーになる。
期末試験の頃だろうか、鷹ノ巣・大館では真昼の列車が高校生で満員に、熱気で窓が曇る。 

 14:01、弘前着。冬至へと向かう北国の日はすでに弱々しい。 
駅ビル内の観光案内所、弘前城へは「土手町循環バス」って100円バスで行けると教わる。  

弘前城本丸は石垣の老朽化による修理工事中。
本来、石垣の上にそびえる天守は曳屋を行い、2015年から仮天守台に移動している。
弘前城天守が本来の位置に戻るのは2023年、その時こそは桜の頃に訪ねてみたい。 

木造洋風3階建、八角形の双塔、ルネッサンス様式の旧弘前市立図書館が美しい。 
明治39年の建築だそうだ。屋根の「紅」は津軽のりんごを象徴しているのだろうか。 

16:16発、665M青森行きが、この旅のアンカーになる。
西空は厚い雪雲、ほどなく日没、何れにせよ津軽富士はその秀麗な姿を見せてくれない。 

凍てつく5番ホーム、やはり青森駅は雪の中だ。乗客は足早に暖が取れる駅舎へ向かう。 

 

駅から直ぐの「お食事処おさない」を訪ねる。
陸奥湾産の新鮮な、ほたて料理をご賞味ください。ってのがこの店のキャッチコピー。 

 

いきなり看板メニューの "ほたての貝焼きみそ"、青森の郷土料理だ。
一口大に切った貝柱とネギを、溶きたまごと味噌で煮る。うにのトッピングが嬉しいね。
甘味のあるホタテとふんわりタマゴをふはふはと、美味しくいただいた。

 

酒は地元青森、西田酒造店の "田酒 特別純米酒"、旨口コク有りの食中酒だ。
そして "生姜味噌おでん"、生姜を入れた味噌だれをつけて、温まる一品なのです。

 

津軽の郷土料理 "けの汁" は、野菜、山菜、油揚げ、凍み豆腐などを煮込んだ汁。
主に小正月に食されたと云う。当然に二杯目は津軽の酒を択ぶ。
三浦酒造の "豊盃 特別純米酒" は、青林檎系のフルーティーな立ち香が愉しめる。
奥羽本線の旅を終え、ほろ酔いで店を出る。いつしか雪は止んでいる。
桟橋にはライトアップされた八甲田丸、この青函連絡船が海を滑ることはない。
明日は青函トンネルを潜って北の大地へと渡る。

奥羽本線 福島~青森 484.5km 完乗

さよなら / オフコース 1979


旅するどんぶり 碧南・大正館「カツ丼」

2019-12-13 | 旅のアクセント

 碧南の路地を歩くと板塀のなつかしい風景に出会える。 
特に九重味醂の「大蔵」が素晴らしい。こうした路地を抜けると知多湾の最奥部が開ける。
大正3年、碧南駅の開業に際して旅館として開業した老舗「大正館」に伺う。
この店の名物カツ丼は卵でとじない一品、上品な味わいは酒の肴になる。
ところで今日の酒は "國盛"、お隣は半田の蔵。この辺りのオヤジさんの晩酌の酒だね。  

 
file-031


ご当地B級グルメ 横手焼きそば 「食い道楽本店」

2019-12-11 | 旅のアクセント

 革靴の足元を気にして慎重に足を運んで5~6分、「食い道楽本店」の暖簾を潜る。
2年連続で、横手やきそば「四天王」の栄冠を手にした一皿は "牛バラやきそば"。
もっちり太麺に牛肉の濃厚な味を楽しんだら、後半は黄身を割ってマイルドにいただく。
冬がはじまっている町で "やきそば" で〆る北上線の旅。 

2018/12

 
file-015


旅するどんぶり 角館「稲庭うどん処古泉洞」

2019-12-09 | 旅のアクセント

 田沢湖線の各駅停車に揺られて角館、ご存知「みちのくの小京都」だ。
武家屋敷と桜の風景はあまりにも有名だけど、凛とした冬の風景もなかなか良い。
武家屋敷の町並みの中に「稲庭うどん処古泉洞」、かつては寺子屋だったそうだ。
"比内地鶏の稲庭うどん" をいただく。あっさりした出汁が美味しい、温まるね。 

2018/12 

 
file-030


次の北国行きで≪前編≫ 奥羽本線を往く!

2019-12-07 | 呑み鉄放浪記

 北へ向かう列車の旅は、別離か感傷の情景と相場は決まっている。
さらに夜汽車となればなおさらのことだ。そんな夜行列車は全廃になって久しい。
ならば普通列車を乗り継ぐ過酷な旅は、秋田の酒肴を求め、なまはげの酒場をめざす。 

奥羽本線は秋田へ青森へと、そんな夜行列車が何本も走った路線のひとつ。
今では2本のミニ新幹線が割り込んで、軌間の違いから直通する列車はない。
福島駅の5番ホームで寂しげに佇む2両編成431Mで奥羽本線の旅は始まる。
板谷峠を越える普通列車は日に上下6本づつしかないのだ。 

置賜盆地は冷たい雨、米沢駅前広場の植込みも冬囲いされ、いずれ訪れる深雪に備える。

2番手の433Mは4両編成の山形行き、幸いにもロングシートの車両は空いている。
六角さんになったつもりでバックから缶ビールを取り出す。プシュって音が車内に響く。

 はらはらと時雨が振る山形の街、駅から歩くこと10分「そば処 庄司屋」をめざす。

 

山形そば屋の隠し酒 "特別純米 五薫"、男山酒造がそば屋だけに卸す特別な酒。
ふわっふわの "厚焼き玉子" はおろし醤油で美味しいアテなのだ。

 

上品に揚がった地の野菜天は塩かおろしをお好みで、これまた絶好のアテになる。
山形産「でわかおり」を石臼挽きした手打ち "といちそば" の深い甘みをズズっと愉しむ。 

3番手の1431Mを降りると新庄駅は雪の中。コンコースの新庄まつりの山車が鮮やかだ。 

ピンクのラインがひかれた2両編成はとても残念な車両だ。
風光明媚な地方路線を走るのに無粋なオールロングシート、旅情は台無しになる。
山形から先秋田そして青森まで、このタイプの列車を繋ぐと思うと少々気が重い。 

北に向かうにつれ、車窓は白に包まれていく。
4番手の2447Mは、及位(のぞき)~院内の間、まさに山形・秋田県境で停まってしまう。 

正確に云うと、立ち往生した上り列車にぴったり横付けして乗客を救援するらしい。 
既に駆けつけていた作業員氏らが、電車の屋根に上ってパンタグラフの雪と氷を落とす。
当然に送電は停止され、徐々に凍えていく車内に1時間と15分、でも見守るしかない。
やがて障害は除去され、電車は北へ南へと分かれ行く。 んっ、偶々複線区間で命拾い。

列車は1時間30分の遅れを背負って18:20、とっぷり暮れた秋田駅に辿りつく。
電車は弘前行きに変わり、待ちわびた通勤通学の乗客を呑み込み休む間もない。 

 

 一方、吞み人はと云うと10分後、赤々とした囲炉裏のカウンターに席を占める。
ナマハゲが睨みを利かせる「秋田長屋酒場」で、秋田の酒肴を堪能するのだ。
今宵は大仙市の酒で攻める。"刈穂 銀風" は燗良し冷良しの地元オヤジの晩酌の酒。
刺身はマグロ、いなだ、スズキを盛って、名物 "はたはた" は唐揚げでいただく。
(写真ピンボケでした) 

 

二杯目の "やまとしずく" は、香味あざやかで軽快な純米吟醸、これは花冷え位が良いね。
"炙りしめ鯖" を肴にゆるりと呑む。呑むほどに酔うほどに心地よい秋田の夜なのだ。
明日は青森、ホタテで一杯。奥羽本線の旅は続く。

奥羽本線 福島~秋田 298.3km 

安奈 / 甲斐バンド 1979


奥州道中二十七次 街道めし9 白坂宿「朝日屋」

2019-12-05 | 旅のアクセント

 白河はご当地ラーメンが有名だ。白坂宿を過ぎると人気の朝日屋食堂が在る。
開店の11:30を目標にしたのだが適わず、10名程の席待ちの後に並ぶことになる。
今日の街道めしは白河ラーメン。
太めの手打ちのモチモチ縮れ麺にあっさりスープが絡んで美味しい。

2017/12