旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

中山道紀行1 日本橋~板橋宿

2010-11-30 | 中山道紀行

「日本橋」 11:40
 9才になる息子と男旅に発つ。
三条大橋まで中山道六十九次(537km)の踏破をめざし、晩秋の青空の下日本橋をスタートするのだ。

     

日本橋は慶長8年(1603年)に徳川家康が江戸の町割りを行った際に架けた橋である。
ここは中山道をはじめ、東海道、甲州道中、日光道中、奥州道中の起点であるのはご存知の通り。
現在も国道の起点であり、ルネッサンス調の橋の中央部には「日本国道路元標」が埋め込まれている。

江戸時代の大店・呉服屋三井越後屋は三越の前身、大正3年(1914年)から通りを睨むライオン像の前を北上する。
JR神田駅のガードを潜ると本郷台地への緩やかな上り坂となり昌平坂学問所、湯島聖堂を左手に見て進む。。

「神田明神」 12:30
道を隔てた神田明神は江戸城の表鬼門を守護する社、江戸総鎮守として庶民の信仰を集めた。
5月の神田祭は江戸三大祭りとして有名だ。門前では名物「揚げ饅頭」をほおばり一息つく。

「本郷追分」 14:00
シャンパンゴールドの銀杏並木が美しい東京大学赤門は加賀前田家上屋敷の御主殿門になる。
本郷弥生交差点を渡って農学部前のY字路が本郷追分、中山道(R17)は左手に折れ、直進するのは岩槻街道だ。
この辺に中山道最初の追分一里塚があったはずだが、その痕跡を見ることはなかった。

「とげぬき地蔵尊高岩寺」 14:45
白山を通りを巣鴨まで坂を下ると賑わう地蔵通り商店街に入って行く。「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる
商店街はとげぬき地蔵尊高岩寺の参拝客で賑わう。煎餅や饅頭の店がひしめく下町情緒たっぷりの中山道だ。
やがて都電荒川線の踏切手前に巣鴨庚申塚が現れる。手を合わせた後は滝野川銀座通りを進んでいく。 

JR埼京線を踏切で渡り国道17号とX字に交わると、中山道最初の宿場「板橋宿」へと入って行く。
板橋宿とはそれぞれに名主が置かれた3つの宿場(平尾宿・仲宿・上宿)の総称で総延長は2.2kmにもなった。
旅籠は54軒を数え多くの遊女を抱えていた。酒楼や茶店が並び中山道で最も賑わった宿場だと云われる。

     

「板橋宿」 16:00
商店街はやがて緩いカーブを描く下り勾配となり宿場を感じさせる雰囲気充分だ。本陣跡の石碑を確認したら
まもなく石神井川を渡る。ここに架かる橋こそ文字通りの「板橋」なのだ。
第1日目はおよそ4時間の行程。数年がかりになるであろう男旅、男同士語らいながら楽しく歩きたいものだ。

日本橋〜板橋宿 9.8km