旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 富士山と沼津港と桜エビかき揚げ丼と

2015-03-28 | 日記・エッセイ・コラム

 国府津駅を下りる。目の前の無粋な高架道路を潜ると、蒼い湘南の海岸線が目の前に広がっていた。
白い波打ち際が煌めいて真鶴半島に向かって緩いカーブを描いている。「ゆうひが丘の総理大臣」を思い出す。 

御殿場線はここ国府津を起点に東海道本線から分岐して、富士山に向かって2両編成が登っていく。
昭和9年に丹那トンネルが開通するまで、御殿場線は東海道本線の一部であり、日本の大動脈の役割を担った。
確かに鉄道唱歌には、山北・小山・御殿場が謳われていて熱海は登場しないのだ。

 国府津から35kmの山登りを終えると御殿場に到着する。小田急から “特急あさぎり” が乗り入れているね。
長めの停車時間に土産屋を物色して、車中酒に “SAPPOROの静岡麦酒“ と “本醸造富士山” を求めた。

 御殿場を出ると2両編成は富士の裾野を駆け下りる。富士山の眺めは南御殿場~富士岡間が素晴らしい。
列車は停車駅毎に乗客を増やしつつほぼ満員で沼津に終着、ここで再び東海道本線と合流する。

駅を降りたらぶらりと沼津港へ、目的はやはり桜エビ。店先に干物を並べた「さかなや千本一」を訪ねる。
迷わず択んだ “公認!ぬまづ丼(桜エビのかき揚げ)” が着丼したら、先ずは茶塩でサクサク感を楽しんで、
後半だし汁を注いで “天茶漬” にして掻き込む。香ばしいかき揚げを噛み締めて御殿場線の旅を終えるのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
心のこり / 細川たかし 1975年


休日はローカル線で 富士宮焼きそばと静岡麦酒と身延山久遠寺と

2015-03-21 | 日記・エッセイ・コラム

 製紙工場群から白い煙が上がる東海道本線の富士駅、ここから始まるのは富士川を遡る身延線の旅だ。
複線区間が終わる富士宮で早々に途中下車をするのは、富士山本宮浅間大社を訪ねておこうと思ったから。

富士山本宮浅間大社の本殿右手には武田信玄公お手植えの枝垂れ桜、すでに見頃を迎え艶やかな姿を見せている。

社殿東側には富士の霊水が湧出する湧玉池があって、冷たく清冽な水を豊かに湛えている。
ここ流れ出る御手洗川では何が釣れるのか、釣り人たちが富士山を背景に釣り糸を垂れるね。

社殿西側には1831年創業の富士高砂酒造が蔵を構えている。この環境だから当然に美味い酒があるだろう。
女将に勧められ、吟醸、純米、あらばしり、山廃仕込と試飲をさせていただいた。
っで、"あらばしり" と "高砂ヨーグルト酒" を土産にして、車中酒には "純米吟醸生酒" を仕込むのだ。

富士宮と言えばB-1グランプリで名を馳せた「富士宮やきそば」が盛り上がっている。
朝食も食べていないから、お宮横丁で “昔ながらのやきそば” をいただく。もちろん生ビールは “富士麦酒” だ。

身延線は富士側と甲府側でそれぞれ区間運行は多いけど、全線を直通する普通列車は極端に少ない。
と言い訳しながら、富士宮から身延までは反則の特急「ワイドビューふじがわ」に乗車してしまった。

身延は言わずと知れた身延山久遠寺の最寄駅、ここから路線バスに15分ほど揺られると門前に至る。
但し本数も少ないし、必ずしも電車との連絡も良くないのでご注意を。

三門を潜ると本堂へと続く287段の石段「菩提梯」が行く手にあたかも壁の如く立ちはだかっている。
上りきると涅槃に達するらしいのだけれど、一段一段が高くて厳しい。途中、何度息を整えたことか。

石段を3分の2ほど上ると紅い五重塔が見えて来たね。本堂が姿を現すのは287段を上り切ってから。
仏殿前には有名な枝垂れ桜があるのだが、今日のところは残念ながらまだ蕾のままなのだ。

門前に戻ったら平多屋食堂で “湯葉そば” をズズッといただく。美味しい。湯葉は身延の名物でもある。

旅の後半は、身延15:45発の3633G甲府行きでさらに富士川を遡る。たっぷり1時間半の旅になるのだ。

電車がガクンと動き始めたら、富士宮で仕込んだ "高砂" 純米吟醸生酒のスクリューキャップを切る。
幸いクロスシートの一角を占める。窓枠に300mlを置いて、至福の呑み鉄旅を愉しむ時間なのだ。

身延線は富士川支流の扇状地や谷をトンネルで繋いで鰍沢口で漸く視界が開ける。甲府盆地だ。
善光寺、金手と中央本線と並走すると、舞鶴城の石垣を仰ぎ見るように甲府駅の5番ホームに終着する。
駅前広場に出ると、夕陽に照らされた武田信玄公が軍扇を手に市中に睨みをきかせているのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
湖の決心 / 山口百恵 1975年 


休日はローカル線で 赤電に揺られて浜松がんこ祭りと

2015-03-14 | 日記・エッセイ・コラム

「呑み鉄」と云う大人のゲームに私鉄線の乗り潰しは課していない。
でも、せっかく遠くまで来たので、西鹿島駅から新浜松まで通称「赤電」で南下しよう。

営業キロわずか18kmの鉄道だけど、毎時00、12、24、36、48分発の高密度運転をしてる。

西鹿島では閑散とた車内も、交換駅の浜北あたりで席は埋まり、やがて満員になった。
これが政令指定都市・浜松の実力か。

さらに馬曳駅からは高架線に上ってしまって感心しきり。
満員の赤電は約30分で高架駅の新浜松に到着。浜松は洗練された都会の風景だった。

折しも駅前では、よさこい系の「浜松がんこ祭り」が開催されて、たいへんな賑わいだ。
まだまだエネルギッシュな熱気に包まれていたいけど、赤電で折り返さないといけない。
天竜浜名湖鉄道の旅があと半分残っているからね。

<40年前に街で流れたJ-POP>
ひとり歩き / 桜田淳子 1975年


都心でふるさとを味わう いしかわ百万石物語「能登牛ステーキ丼」

2015-03-07 | Biz-Lunch60分1本勝負

 “能登牛ステーキ丼” は、輪島塗の器に能登牛と半熟玉子、金箔入りのタレでいただく。
オープンから日も浅く、おもてなしは発展途上の感はあるけど、能登牛の味には満足だ。

 北陸新幹線開業を控え、大いに盛り上がっているだろう金沢。
でも当面行けそうもないので銀座2丁目の「いしかわ百万石物語*江戸本店」へ。
銀座界隈のアンテナショップ5軒(6県)目だ。
2階は外堀通りを眺めるカフェと輪島塗が並ぶ伝統工芸品の展示販売のフロアだ。

1階には農産品、水産品が並ぶ中、目を引いた金沢カレーのレトルト。
お馴染みゴーゴーカレーなど結構なレパートリーがあってパッケージを眺めるのも楽しい。

地下1階は地酒と銘菓のコーナーと僅か8席ほどのイートインコーナーがある。
2度目の訪問の際は “加賀百万石天丼” を択んだ。大ぶりの有頭エビが3尾、
やはり金箔入りのタレをかけていただく。こちらも満足のひと椀だ。


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<40年前に街で流れたJ-POP>
白い部屋 / 沢田研二 1975年)