旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

甲州道中四十四次 街道めし2 府中宿「そば処 砂場」

2020-07-30 | 旅のアクセント

 甲州道中を歩く旅第2日目、七五三で賑やかな大國魂神社(府中)を過ぎる。
京王線の踏切を渡って2つ目の角を覗くと、隠れ家的な老舗「砂場」の看板が見える。
初日に続いて "カツ丼" を注文。そば屋のは出汁が利いて美味しいからね。
新そばの "せいろ" もいただいて腹が満たされたら、日野あたりを目指して先を急ごう。

2015/11
 


甲州道中四十四次 街道めし1 上高井戸宿「天兼&海老蔵」

2020-07-28 | 旅のアクセント

 甲州道中を歩いたのは2015~2016年、214キロを延べ12日間かかった。
第1日目は日本橋を発ち、皇居を半周したら針路を西にとる。
内藤新宿の次は高井戸宿。下高井戸宿と上高井戸宿の合宿(半月づつ役務を勤める)だ。
甲州道中で最初の街道めしは上高井戸商店街の「天兼&海老蔵」で "かつ重" を頬張る。
今回の旅は宿場の大衆食堂で類似のメニューを食しながら味を比べようと思う。

2015/11
 


メトロに乗って 雷鳴轟く午後に 副都心線を完乗!

2020-07-25 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

鉄道5事業者が相互乗り入れする副都心線には多彩な顔ぶれが集まる。
始発の和光市駅3番線で出発を待つのは BAYSTARS TRAIN、横浜高速鉄道の車両だ。

今日も35度を超える東京、発雷予報も出ているし、なんとか夕立ち前に呑み潰したい。

Fライナーっていうのが優れもの、和光市を発つと小竹向原、池袋、新宿三丁目、
明治神宮前だけに停車して渋谷に急ぐ、地下鉄線内の速達運転て希少じゃないだろうか。
副都心線の起点小竹向原で見送った元町・中華街行きは東急電鉄の車両だね。

副都心線の池袋駅は少し西にずれていて、地上に出ると立教通りの入口辺り。

池袋の街を彷徨ううちに、空は俄かに暗くなり、遠くで雷鳴が轟きはじめた。
然らば今日は早めの一杯、降り出した大粒の雨を避けて蔵元居酒屋「清龍」に転がり込む。

この店、蓮田市の清龍酒造の直営店、でも先ずは生ビールを。汗が吹いているからね。
アテは本日のおすすめから "マグロ刺身" を注文する。
盆の故郷で親戚が集まったら、こんな刺身を抓んで一杯やるんだろうな。今夏はNG。

純米辛口 "伝" は旨味のある辛口の酒、涼冷えくらいでいただくのが良い食中酒。
二皿目は "旨辛とうふサラダ"、さっぱりとトマトと奴を抓む。窓の外は滝のような雨だ。 

"油揚げ厚焼き" の上でおかかが踊っている。生姜と刻みネギをたっぷりのせて美味しい。
繊細でフルーティーな "大吟醸" は雪冷えくらいが良い、すっと喉を通り過ぎていく酒だ。
清龍と云えば歌舞伎町店が閉まるそうだ。学生の頃、あの店ではずいぶん過ぎた酒を
強いられた気がする。まぁ時代だったからね。今では微笑ましい記憶ではある。

池袋の一つ先は雑司ヶ谷まで各駅停車に乗る。
今度の8両編成はブラウンのライン、これぞ営団の車両は有楽町線からの転線組だそうだ。

長いエスカレーターを乗り継ぎ、雨上がりのサンシャイン60を見上げる地上に這い出る。
都電荒川線(さくらトラム)がモーターの唸りを上げてのぞき坂を登って来た。

羽衣をつけ、吉祥果を持ち幼児を抱いた美しい鬼子母神を祀る雑司が谷鬼子母神堂、
安産と子育の神様として広く信仰を集める。当然にカップルや女性、子連れの参詣が多い。

雑司が谷から北参道まで乗車した東急電鉄の新型車両はグリーンのフェイス、
東横線開業90周年を記念した「青ガエル」塗装車両と思われる。沿線の方には懐かしい?

明治通りの地中深く走る副都心線、どの駅も地上に這い出るのに時間がかかる。
北参道の鳥居を潜る、さすがに杜の中の参道はいくぶんの涼しさが期待できる。

深い杜、世の中の雑音が届かない静けさの中に明治神宮はある。夫婦楠が見事だ。

明治神宮前から渋谷までのアンカーは、飯能から走って来た西武鉄道の10両編成。
渋谷は終点とは云え、ほぼ全ての列車は乗客の大半を入替え、東横線に乗り込んでいく。
明治通りの地下深くから、長いエスカレーターを継いで、渋谷の谷底まで這い上がる。
副都心線の旅の終わりは、東京メトロ、総延長195.1kmの旅の終わりでもあるのだ。

東京地下鉄・副都心線 小竹向原~渋谷 11.9km 完乗

RYDEEN / YELLOW MAGIC ORCHESTRA 1980
     


人生のそばから 長井「そば処丸万」

2020-07-23 | 旅のアクセント

 山形鉄道に揺られて、長井あやめ公園に500種100万本の "あやめ" を観に来た。
花を愛でたら今度は一杯、ひっそりした商店街を探して「そば処 丸万」を訪ねる。
地酒の "小桜" を冷やでいただく。飾りっけのない、まさに地元のオヤジが晩酌する酒だ。 

肴は "にしん甘露煮" が美味い。冷や酒によく合う。おもわず杯が重なる。
鰊ってのは、最上川を介した北前舟文化の影響だろうか。
大きな板状の木箱に入った "板そば" が運ばれてきた。山形内陸部のスタイルだそうだ。
地元山形産、香り高い十割そばをズズっと啜って、ちょっぴり幸せな旅先の午後なのだ。


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旅するどんぶり 久慈「漁師なげこみ丼」

2020-07-21 | 旅のアクセント

 宮古のカキフライからさらに70キロ、三陸鉄道の旅はここ久慈に終わる。
リアス線から襷を受けて、八戸線(うみねこレール)でさらに北に向かうのだが、
旅立つ前にちょっと一杯、約2時間の在り余る乗換時間があるのだから。
狭い市街地を彷徨って、道の駅くじ「山海里」を発見。普通は郊外の国道沿いじゃない?
久慈の地酒 "福来" の生酒をいただく。幸せを呼ぶお酒って地元で愛されているそうだ。
"漁師なげこみ丼" にふんだんに盛られた刺身が絶好の肴になる。
少し前の連続テレビ小説で "まめぶ汁"、旨みたっぷりに煮込んだ脇役も美味しい。


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メトロに乗って 約束の5秒前 半蔵門線を完乗!

2020-07-18 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

先週に続いて今日の目的地も渋谷、押上(スカイツリー前)から半蔵門線を旅する。
半蔵門線は北は東武日光線の南栗橋まで、西は東急田園都市線を中央林間まで、
長駆100kmを駆け抜けるなかなかタフなランナーなのだ。

北十間川から眺める下町の東京スカイツリー、川面に映る銀の尖塔が美しい。

押上の3番ホームから折り返しの急行中央林間行きが発車する。
営団時代からの8000系が健在、シルバーの車体にひくパープルの帯が妖艶だ。

3つ目の清澄白河で早速途中下車、江戸名物を求めて「深川釜匠」を訪ねる。
夕暮れを待てずに生ビール、"かにみそ豆腐" をアテに冷えた一杯を楽しむ。

こだわりの出汁で炊き込んだ "深川めし" が運ばれてきた。
あさりとしめじをがふっくらと、刻みネギと海苔を散らして美味しい。

江戸庶民の味を堪能して再び清澄白河、2番手の電車もパープルの10両編成だ。

日本橋三越を潜った電車は、大手町から永田町まで江戸城内堀を半周する。

九段下の駅を降りて 坂道を 人の流れ 追い越して行けば、

勢い余って、光る玉ねぎも追い越して、靖国の杜へ、

終戦の日も近いから、国を護ってくれた尊い先人たちの魂に手を合わせる。

歌舞伎の「てんつつ」が流れるのは半蔵門、国立劇場の最寄り駅だからね。
その国立劇場とR20を挟んで桜田濠が霞ヶ関方面に続いて、江戸城の規模を実感する。

東武線から遠征してきたオレンジのフェイスを見送って表参道駅に降りる。

明治神宮へと続く歩道には、ケヤキ並木の濃緑が往く人にせめてもの日除けを差しかける。

最後のひと区間を走り抜け、パープルの10両編成が渋谷に滑り込んだのは約束の5分前?

ウェーブ通りに紛れ込むと、雑居ビルのロフト的フロアにひっそりと日本酒バーがある。
YATA、八咫?打ちっぱなしのコンクリート壁にスチールの立ち飲みカウンター、
今宵、若いバーテンダー氏のお勧めに素直にしたがってみる。

一杯目は "残草蓬莱"、華やかな香りの槽場直詰生原酒は、愛川町の大矢孝酒造の酒。
山北町、川西屋酒造店が美山錦で醸した辛口の旨酒 "隆" が二杯目のグラスに注がれる。

相模の酒が続いて、初めましての朱のラベルは "車坂 山廃純米"、和歌山の酒だって。
キレの良い酸の酒は、揚げ物や肉料理にも合いそうだな。
梅雨明けの真夏日に、生酒を愉しんだ谷底の街は夕暮て、半蔵門線の旅が終わるのだ。

東京地下鉄・半蔵門線 押上(スカイツリー前)~渋谷 16.8km 完乗 

MajiでKoiする5秒前 / 広末涼子


一酒一肴 宮古・大ちゃん「千兩男山」

2020-07-16 | 津々浦々酒場探訪

 日が傾いた頃、宮古に到着する。駅前は思いがけず賑やかだ。今宵この町で飲むとしよう。
大通1丁目の「居酒屋大ちゃん」はJAZZが流れている。若いスタッフさんがハキハキと気持ちが良い。
おまかせ三点盛りは "ホヤ"、"かつお"、"ドンコのたたき" をいただく。これぞ三陸ってラインナップ。
そして初めましてのドンコはアイナメの一種。身と肝を味噌でたたくととろりと旨い。日本酒に絶好の肴だ。
酒は地元宮古の "千兩男山"、すっきりした呑口の純米酒が刺身に合わないはずがない。
ちょっと過ぎたけど、三陸の美味い肴に、旨い酒を愉しんで満足の宵、明日は始発でさらに北へ向かう。

2019/07 

 
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旅先のひと皿 宮古「カキフライ」

2020-07-14 | 旅のアクセント

 釜石ラーメンから60キロほど北上して宮古のランチ。三陸に来たなら "カキフライ" を。
大ぶりな身がカラッと揚がって、生をグイグイ呷りながら、ジューシーなカキが美味しい。

 

箸休めは "海鮮サラダ"、ホタテ、エビ、イカ、タコ、サーモンがたっぷりのって嬉しい。
結局、頼んでしまった "千兩男山"、三陸の豊かな海を感じるひと皿に満足の昼呑みだ。


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メトロに乗って 渋谷で5時 銀座線を完乗!

2020-07-11 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

1927年、浅草~上野間で営業開始した日本で最初の地下鉄はもちろん銀座線。
渋谷駅新駅舎完成、開通当初を再現したレトロ車両など、話題に事欠かない旧くて新しい路線ですね。
今回の吞み鉄はそんな銀座線で、東京の名だたる繁華街を巡ってみます。

久しぶりの吾妻橋西詰、スカイツリーと巨大なビールジョッキー、梅雨の晴れ間の「青」が眩しい。
橋の下にはTOKYO CRUISEの乗船場、夕暮れどき、日の出桟橋までの40分は親密になれる魔法の時間と空間、
若い頃にはずいぶんお世話になりました。

そして振り返ると雷門、何時見てもインパクトのある「朱」ではあります。
もはや浅草の風景?人力車を操る屈強な若い車夫たち。その手持無沙汰な様子が、近頃の状況を映します。

冷気に誘われて階段を降りると、そこは銀座線の起点・浅草駅、瑞々しいオレンジの6両編成が停まっていた。
ホームの支柱はことごとく「朱」に塗られ、ここが浅草だと意識させてくれます。

稲荷町で降りて台東区役所裏までぶらり、ここには東京メトロ・上野検車区がある。
ここは、一生の殆どを穴蔵で働き、暮らすオレンジの車両たちが、唯一日を浴びる場所なのです。

デパ地下(松坂屋)に直結する上野広小路を降る。この辺りは繁華街と下町が混在する魅惑のエリア。
上野3丁目交差点から路地を入ると「燕湯」が白い暖簾が提げています。

11:30の開店に合わせて、名店・井泉に飛び込む。とりあえず男は黙ってキリンラガーを呷る。
「お箸できれるやわらかいとんかつ」が、創業明治5年(1930年)のこの店のキャッチフレーズ。
やわらかくしたのは、一説には花柳界の芸者衆が小さな口でも食べ易すくするためだとか。

銀座線、丸ノ内線、日比谷線と東京オリンピックまでに開通した3路線が一堂に会す数寄屋橋から銀座四丁目。
銀座という街が他の追従を許さない東京、いや日本を代表する繁華街であったことの証左と云えるでしょう。

銀座駅1番ホームにやって来た一つ目の電車は、1927年の開通当初から40年ほど運行していた1000形の復刻版。
木目調の壁と扉、真鍮色の手すり、涙型の吊手、室内側面予備灯など、細部にまでこだわりが見えます。

予備灯は、集電用の第三軌条が途切れる無電区間で室内灯が消えると、代わりにバッテリーで点灯しました。
これ、なんとなく覚えがあるんだな。上京したばかりの学生時代には未だ走っていたはずです。

外苑前で降りると、青山2丁目交差点から聖徳記念絵画館に向かっていちょう並木が延びている。
野球やラグビー観戦の後、シャンパンゴールドの並木の下を歩いた覚えがあるな。

オレンジの6両編成は浅草から30分、チューブ型の渋谷駅に終着する。今では室内灯が消えることはない。
ちょうど渋谷で5時、チューブから見上げる空は明るいけれど、そろそろ気の利いた酒場が暖簾を提げる頃。

     

学生時代はあまり縁がなかった渋谷、道玄坂交差点からしぶや百軒店へと彷徨ってみます。
っと、路地が雑居ビルに塞がれる手前、青竹の生垣に囲まれて「立吞み なぎ」が現れた。

福島の地酒を揃えた店だから、今日は会津の夏限定酒を択んでみる。
一杯目の "天明中取り参号" は会津坂下の酒、微かに柑橘系、清々しいキレの無濾過生原酒。
アテは "九条ねぎとしめじと厚揚げ炒め" をポン酢風味で。
マスター氏は、三つ口とフライパンを操って、丁寧に素早く美味いひと皿を仕上げていく。

二杯目は "会津中将 夏限定吟醸酒" 、あさがおと金魚のラベルが爽やかでしょう。 
ほんのり甘く、さらっとした吞み口はきゅっと冷やして飲む酒、本当はアテは要らないかも。
カウンター越しに供された "天然本まぐろユッケ" が絶品、この店のアテはレベル高っ。
さてと、ちょっぴり気分が良くなる頃、谷間の街にも夜の帳が下りて銀座線の旅が終わるのです。

東京地下鉄・銀座線 浅草~銀座 14.3km 完乗

渋谷で5時 / 鈴木雅之 X 菊池桃子


ご当地旨ラーメン事情 釜石「新華園本店」

2020-07-09 | 旅のアクセント

 極細の細ちぢれ麺、琥珀色に透き通った醤油味の淡麗スープが特徴の釜石ラーメン。
せっかちな漁師たちを待たさないためだとか、製鐵所の男たちを待たせないためだとか、
ともかく「早く茹で上げるための極細」と云うことらしい。
しなやかな細ちぢれ麺が、さっぱり醤油スープを絡めて口に入ってくる。美味い。
是非食べておきたいと、発祥の店「新華園本店」の開店時間に飛び込んでの一杯なのだ。


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路地裏のスペインバルで

2020-07-07 | 日記・エッセイ・コラム

 駅前の雑踏と住宅街の静寂が混じり合う辺り、そこに小さなスペインバルがある。
6人でいっぱいのL字カウンター、4人掛けが1卓、今宵も常連が帰宅前の時間を過ごす。
ボクはと云えば、一杯目は "edelpils" の樽生をいただく。
肴は "ズッキーニオーブン焼" と "カツオのタタキ オリエンタルソース" をタパス風に。

素揚げしたジャガイモにピリ辛ソースを付けて "パタタス・ブラバス" がなかなかの美味。
白は "Adega Condes de Albarei"、ガルシアの華やかな香りと塩味を持つアルバリーニョ。

 

赤はカタルーニャのプレディカット、清涼感のあるアロマは "Grifoll Declara" の一本。
ほうれん草たっぷりの "トルティーリャ" に唐辛子のペーストを添えて頬張る。
なんだか10年来の常連氏になりすまして、カウンターの椅子に収まる吞み人なのです。

Xanadu / Olivia Newton-John 1980


青い風切って走れ 相模線を完乗!

2020-07-04 | 呑み鉄放浪記

ブルーグリーンのラインを引いた電車が緩やかに右カーブして横浜線から離れて行く。
ニョキニョキと高層マンションが生える橋本を発った4両編成は、単線をコトコト生真面目に湘南海岸をめざす。

築堤や切通しをクネクネと、ブルーグリーンの4両編成は相模原台地を下って行く。
結構な勾配で台地を下り切った5つ目の下溝駅、鉄路は相模川に最も近づく。

すでに真夏の日が照りつける中、駅から3分ほど県道を歩くと「三段の滝展望広場」に眺望が広がった。
手前に大山・三峰山、奥に塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳の丹沢主脈、眼下を相模川が滔々と流れている。

南に向きを変えた相模川に着かず離れず、4両編成は青々とした水田地帯を抜けてゆく。
宮山駅を途中下車してこんもりした杜をめざす。折角だから相模國一之宮・寒川神社を訪ねよう。
折しも6月30日の「水無月大祓式」の直後、茅の輪を3回を潜って、罪穢れを払おう。

ブルーグリーンの4両編成は、いよいよ茅ヶ崎市に入って旅の終わりも近い。 

香川駅の周辺は落ち着いた住宅街、日傘をさした奥様たちが電車でお出かけの様です。
ここで途中下車するのは、湘南で唯一の蔵、熊澤酒造でちょっとだけ飲もうと思うから。

丹沢水系の伏流水で醸す "天青" は、中国の故事にある「雨過天青雲破処」という言葉からとったと云う。
敷地には酒蔵を囲むようにギャラリー、ベーカリー、和と洋のダイニングがある。
今日はトラットリア「MOKICHI TRATTORIA」に吸い込まれてみる。とは言え30分待ち、盛況なのだ。

前菜は、サーモンのカルパッチョ、自家製ソーセージ、スペイン風オムレツが涼しげな器を賑やかす。
湘南sparkling "さざなみ" は、ほのかな果実味を感じる爽やかなスパークリング、たまにはこんな酒も良い。 

"じゃがいもの冷製スープ" で一息つく、それにしても蔵を支える梁が立派で、思わず見上げてしまうな。

主菜はきつね色に揚がった "カジキマグロのコートレッタ" が夏野菜の素揚げを添えて美しい。
柔らかでジューシーな食感は、数種類のマスタードをかわるがわる比べながら美味しくいただく。
カジキマグロに合わせるチョイスは "千峰天青 生酒"、華やかな香りでフルーティーな純米吟醸が良い。

蔵元で夏限定の酒を堪能したら、相模線の旅も余すところ2駅。
今頃は期末テストなのだろうか、高校生でいっぱいの4両編成が大きく右にカーブすると茅ヶ崎駅に終着。
ホームにはお約束の「希望の轍」が流れている。

駅から南へ20分、汗が噴き出てくる。クロマツの林を抜けると相模湾が広がる。正面には烏帽子岩だ。
カラフルなセイルの群れが江の島を遮って疾走していく。青い風切って。

相模線 橋本~茅ヶ崎 33.3km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
青い珊瑚礁 / 松田聖子 1980


ご当地旨ラーメン事情 大船渡「中華こけし」

2020-07-02 | 旅のアクセント

 店のTVからは競馬中継が流れている。のど自慢はとうに終わっている。
小さな地方の町の日曜の午後3時、飲食店など開いてやしない。
唯一赤い暖簾を提げていた大衆食堂に吸い込まれ、中生ジョッキーを呷る。旨いね。
熱々の餡、具だくさんの "五目ラーメン" を啜る。素直に美味しいです。脱帽。


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