旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Biz-Lunch 味万本店@心斎橋筋「きつねうどん」

2024-02-28 | Biz-Lunch60分1本勝負

本町から心斎橋筋商店街を下って、ちょっとレトロな「味万本店」を訪ねる。
なにがレトロって、店内の有線放送は、なぜか童謡が流れている。

実は一昨日、大阪オフィスの社員に案内されて、とにかく “カレーうどん” が美味しかった。
っで、大阪らしい “きつねうどん” を食べようと、この出張で二度目の訪問、開店時間の11:00に飛び込む。

着丼した “きつね”、真昆布やら鯖節やら出汁を利かせた澄んだつゆ、甘辛く煮たふんわりと油揚げが旨い。
パリッと海苔で巻いた “天むす” が、塩の加減も絶妙に、これまた美味しい。

さすがに食い倒れの街は、ランチは安くて美味しい。午後への活力も湧く大阪の Biz-Lunch だ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
つぐない / テレサ・テン 1984


Alta Velocidad Española

2024-02-24 | 呑み鉄放浪記 番外編

バルセロナ・サンツ駅、07:00発、AVE3270に乗車してマドリードへ向かう。
"Alta Velocidad Española" は、バルセロナ〜マドリードを2時間30分で結ぶ、スペイン国鉄が誇る新幹線だ。

サグラダ・ファミリア聖堂、グエル公園、カサ・ミラ、と世界遺産となったガウディ建築を訪ねる。

午後はサン・ジョセップ市場を冷やかす。世界遺産よりむしろこちらが興味深い。
果物や野菜、ハムにソーセージ、魚介類、あるいはチーズやナッツの店を覗いたら
市場内のバルでタパスをアテにCavaを愉しむ。っと漸くスペインにやってきた実感を味わう。

ホテルはバルセロ・サンツ、宇宙船をイメージしたモノトーンな客室がクールだ。
ターミナル・サンツ駅真上のホテルは、明日の便が早いから絶好のチョイスだった。

改札と荷物のX線検査を通ったら、ラウンジでプシュッとセルベッサ。
横に2+1席と並んだ1等車の革張りシートに身体を沈めたらオムレツのサービス。白ワインの小瓶を開ける。

市街地を抜けたAVE3270は徐々に速度を増して、やがて300km/hに達する。揺れもなく、すこぶる快適だ。
荒涼とした丘、オリーブの林、牧草地と羊たち、ときおりひまわり畑を眺めながら2時間30分、
やかて列車は音もなくアトーチャ・セルカニアス駅に滑り込む。文化と芸術の都マドリードに到着。
午後はプラド美術館へ、着衣のマハ、裸のマハに会いにいくつもりだ。

Barcelona-Sants 〜 Estación de Cercanías de Atocha 完乗

Just a Joke / 国分友里恵 1983


Biz-Lunch 兆峰@大塚「ポークソテー」

2024-02-21 | Biz-Lunch60分1本勝負

池袋のランチ漫遊もとうとう北大塚の住宅街まで出掛ける。池袋オフィスの仲間に教えてもらった。
都電の巣鴨新田停留所が近いかな。今は山手線を跨ぐ西巣鴨橋が架け替え中で、車も通らず静かな佇まい。

初めましてのメニューは “ポークソテー定食” を択ぶ。
ボリューミーで肉厚な豚肉は、よく火が通っているけれどジューシーだ。なかなかの腕前とお見受けした。
そして惜しげもなくかかるデミグラスが絶品、柔らかなポークにたっぷりつけて口に放り込む。これは美味い。

看板には Restaurant とあるけど町中華の趣、洋食も中華も和食もあってカオスな世界。
でも美味しいから、この節操のないラインナップも歓迎なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
Tendernessを抱きしめて / サーカス 1984


亥鼻城と千葉寺とモツ焼きの大衆酒場と 京成千葉線・千原線を完乗! 

2024-02-17 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

前照灯を煌めかせて、外房線と並走して3500系の4両編成がやってきた。
京成線は千葉中央駅を境に千葉線と千原線が走っている。この駅を降りたら昼呑みを楽しみたい。

日暮里で成田空港行き快速特急に飛び乗って30分、京成津田沼までやって来た。千葉線はここから分岐する。
歴史的には成田へ向かう本線より先に開通し、戦前は海水浴や潮干狩りの行楽客で賑わったという。

行き先表示に「千葉中央」を光らせて、5番ホームに新京成の8800形電車が入ってきた。
日中は新京成線の車両が千葉線に乗り入れて、松戸〜千葉中央間を直通運転している。

千葉にお城があった?
県庁東側の猪鼻山は北側を都川が洗い、西側は断崖となった天険の要害、平安時代に千葉氏が居館を構えた。
ここを亥鼻城(いのはなじょう)というが、歴史的にはあまり意味のない模擬天守と千葉常胤像が建っている。

亥鼻公園の最寄りは千葉中央駅、千葉線の終点であり、新京成の車両が乗り入れるのもここまで。

かつて千葉の花街であった蓮池から西に外れた辺りに昼飲みの大衆酒場が暖簾を揚げている。
どうやらキンミヤ焼酎が飲めるらしい。もつ煮・モツ焼きの「まるは」に、もつNGの呑み人が突入する。

なんだか遠慮がちに光量を落とした店内なのだが、すでにご同輩たちで8割方の席が埋まっている。
カウンターの最奥に席を占めて見回すと、いやいや結構若いカップルも杯を重ねているね。
まずはキリンラガーを、それからお急ぎの “マカロニサラダ” と “まぐろ納豆” で始める。

揚げ物は “とうもろこしかき揚げ天” と “紅しょうが天” を択んだ。
この色合いの対称と、甘さと酸っぱさの対称が楽しい。そして推しの “徳島産生すだちサワー” が爽やかだ。

三杯目は徳島から紀淡海峡を渡って “紀州梅サワー” をいただく。あと “ねぎま” を2本ね。
昼下がりの街で一杯を楽しんで小3枚、いい感じだね。立体マスクを耳に掛けたら千原線に乗ろう。

千原線はもともと第三セクターの千葉急行電鉄の路線を京成電鉄が引き継いでいる。

Z世代の3000形電車が6両編成で入って来た。
京成津田沼から10分毎の電車の半分は千葉中央止まりだから、この先は20分に1本と少しだけ寂しくなる。

近代的な装いの千葉寺駅に降りてみる。千葉寺って?ちょっとした好奇心なのだ。

千葉寺(せんようじ)と読む。駅からは徒歩10分、緩やかに坂を登っていくと、突如として仁王門が現れた。
709年(和銅2年)、この地を訪れた行基が十一面観音を安置したのに始まり、その後千葉氏の勅願所となった。

千葉寺には、江戸時代に「千葉笑」という奇習があった。
面や頬かむりで仮装した民衆が大晦日に集い、権力者の不正などを罵り合い、笑って年を越すのだと言う。

千葉寺や 隅に子どもも むり笑い とは小林一茶。 

鉄路は、おゆみ野・ちはら台のニュータウンの端をかすめて、終着駅にわずかな乗客を降ろす。
その先、小湊鉄道の海士有木まで至ると言ういつ叶うとも分からない夢に向かって、少しだけ南に延びている。

京成電鉄 千葉線 京成津田沼〜千葉中央 12.9km 完乗
京成電鉄 千原線 千葉中央〜ちはら台  10.9km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
星空のディスタンス / THE ALFEE 1984


Biz-Lunch きょうの登龍@旧東海道・品川宿「味噌ラーメン」

2024-02-14 | 日記・エッセイ・コラム

旧東海道の荏原神社に寒緋桜が満開になっている。紅色の花弁を揺らしてメジロが遊んでいる。

そしていつもの登龍、今日は “ミソラーメン”、そう言えば初めて択ぶメニューかも知れない。
炒めたモヤシや野菜をたっぷり載せて着丼、思い切って豆板醤をトッピングする。
レンゲでスープをひと口、旨いねぇ。
決してキレイに割れたためしがない安っぽい割り箸を駆使して、麺を大掴みにズズッと、悪くない。
縮れた細麺にスープが絡んで美味しい。豆板醤が溶け出して味が微妙に変わっていくのも楽しい。

いつも大盛り御免のご飯ものばかりだったけど、約10年の時を超えてラーメン系が美味いことを知った。
メニューの麺類を上から上から試してみようか。くだららない独り言を呟いて、午後のオフィスに戻るのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
涙のリクエスト / チェッカーズ 1984


木根川橋とせんべろの聖地とトマトのおでんと 京成押上線を完乗!

2024-02-10 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

精悍なマスクの3700系がホーンを響かせて疾走する。都営浅草線を越えて長駆久里浜まで駆け抜ける。
晴れ渡った連休初日は、先週に引き続き、京成電鉄の短い旅を楽しみたい。

北十間川にその姿を映して銀の尖塔が空を突く。
押上線は東京ソラマチの地下から、住宅や町工場が密集する下町を掻き分け、青砥で京成本線に連絡する。

羽田空港と成田空港を結ぶルートを担う押上線、多くの特急・快速が途中駅に止まらずに爆走する。
成田空港行きのアクセス特急を1本やり過ごして、ボクは青砥行き各駅停車に乗り込むのだ。

ひとつ目の京成曳舟駅を越えたあたりで擦れ違った羽田空港行きは、京浜急行の紅い1000系電車だ。

木根川橋から 水道路抜けた 白髭神社の 縁日は🎵って、さだまさしが歌っていた。
昭和な呑み人にはストライクゾーンの曲、歌詞の情景を探し求めて四ツ木駅に途中下車してみた。

白髭神社、区立中川中学校、木根川薬師、銭湯を巡って下町散歩。
歌詞が描かれた頃にはなかった東京スカイツリーと木根川橋の夕景を切り取る。

その木根川橋を下流に見て、赤と青のラインを引いた8両編成が、轟音を立てて荒川を渡る。
やがて各駅停車は “せんべろの聖地” 京成立石に滑り込む。

宇ち多゛栄寿司、ミツワと名店が並ぶ仲見世通りだけど、“もつ” が食べられないボクはすごすごと退却。
線路脇の小道を四ツ木方面に戻ると、橙の暖簾が揺れているのが目的のおでんの店「二毛作」なのだ。

ちょっと立石っぽくないムードの店は、コの字カウンターに選りすぐりの日本酒を並べて午後2時に開く。
暖簾を潜って人差し指を示すと、端からふたつ目の席を案内される。隣は韓国から留学してきた男の子。
なんでこんなに詰めさせられるの?と思ったけれど、10分もしなういちに18席がぎっしりと埋まるのだ。

最近のCMは芳根京子さんに代わりましたね、まずはマルエフを一杯。
高知県は宿毛に揚がったウスバハギ、ミズダコ、ぶり、かつお、を並べて “刺盛” が美味しい。

隣の男の子に倣って、白身魚のすり身を揚げた “下町フライ” にレモンを絞る。
9号酵母で醸した “るみ子の酒” は、すっきりとした特別純米酒、三重県は伊賀の酒だね。

おでんは “とまと” と “ロールきゃべつ”。お店の代名詞的な “とまと” が、いい味を出している。
青ラベルの “いずみ橋” は山田錦の純米吟醸酒、口当たりの良い辛旨口は、出汁が利いたおでんによく合う。

“せんべろの聖地” 京成立石を後にした各駅停車は、住宅や町工場を見下ろす高架を駆け上がる。
夕暮れの茜の中、左から京成本線が近づいて来ると、短い押上線の旅は終わるのだ。

京成電鉄 押上線 押上〜青砥 5.7km 完乗

木根川橋 / さだまさし 1979


Biz-Lunch 長寿庵@大塚「かつ丼そばセット」

2024-02-07 | Biz-Lunch60分1本勝負

スーツの前を合わせて大塚駅前まで歩いてきた。シャーベット状の雪に足を取られないよう慎重に。
赤い看板のその店はこんな日でも盛況だ。それに客層は案外と若者も御婦人も多いのだ。

今週のランチから “かつ丼そばセット” を択んだら、熱いお茶で一息ついて着丼を待つ。
角盆にフルサイズの “かつ丼” と小丼の “かけそば” が登場って、なんだか想像していたのと逆だなぁ。

七味を振ったら、ワカメと一緒にそばを大掴みにズズっと啜る。美味い。
そしてこの小丼、そばがぎっしり。何というかトランジスターグラマー。なるほど若者も通うわけだ。
蕎麦つゆを傍に、三つ葉の風味とともに、この “かつ丼” も出汁が効いて旨いね。

満腹を抱えてオフィスに戻る。大塚にまた一枚手札ができて、ちょっと満足のランチタイムだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
白いハンカチーフ / 堀ちえみ 1984


帝釈天と老舗の葛餅と剣菱の小瓶と 京成金町線を完乗!

2024-02-03 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

旧水戸街道の高架道路をくぐって、赤いラインの4両編成が京成金町駅に入ってきた。
節分の休日は真っ青な冬晴れ、それではと、金町線の短い旅をしようと下町の駅に降り立った。

京成金町駅は雑居ビルの1階にぽっかりと改札口の穴を開けている。
JR金町駅を背にして駅前広場を見渡しても、案内表示なしでは容易に見つかりそうにない。

わずか2.5kmの路線の唯一の中間駅だけが複線になっていて、上り下りの電車が交換する。
この短い金町線ではあるけれど、4両編成で車掌が乗務しているから、相当の乗降客があるのだろう。

その賑わいの背景の一つがこの中間駅にあるのは間違いがない。
柴又駅の案内板にはお馴染みのシルエットが描かれている。そう、柴又駅はフーテンの寅さんのふるさとだ。

帝釈天参道で上下姿の一団に出会す。ここで初めて今日が節分であることに気づいた。
ちょうど二回目の節分会の時間に当たって、参道は初詣のような人出になっている。

 唐破風と千鳥破風を飾った楼門(二天門)が見えてきた。
寺男の源公(佐藤蛾次郎)が掃き掃除をする静謐な帝釈天の雰囲気はなく、今日の境内は善男善女が埋め尽くす。
やがて豆まきが始まると老いも若きも歓声をあげる。一際大きなまき手は、元関脇旭天鵬だ。

帰りの参道で髙木屋老舗に潜り込む。雰囲気だけは味わいたい。
熱いお茶にホッとひと息ついたら、黒蜜と黄な粉をたっぷりかけて “くずもち” を味わう。
っと柱の振り子時計が鐘を四つ鳴らした。そろそろ飲みに行っても良い頃だろうか。

夕暮れの柴又駅、“寅さん” と一緒に旅に出る。とは言っても京成高砂駅まではわずかに2分。
寅さんの視線の先には、エプロン姿の “さくら” が弱々しい冬の夕陽を浴びて立っているね。

測ったように上り下りの電車が交換する。やや高砂方面からの入線が早い。
家路に向かう降客と、帝釈天を訪ねた乗客を入れ替えて、4両編成はそれぞれ高砂と金町をめざす。

鉄路の東側では江戸川が音もなく東京湾へと流れていく。
呑み人が土手に登った頃、泥だらけのユニホーム姿の野球少年たちが、自転車で流れを描いていた。

赤いラインの4両編成は、左手に電車庫が見えると、するすると高架に上って行き止まりの5番線に終着する。
吐き出された4両たっぷりの乗客は、整然と京成本線ホームへのスロープを下っていった。

カンカンカンと警報音を響かせる開かずの踏切をやり過ごして、暖簾が掛かったばかりの高砂家へ。
魚や野菜が並ぶ奥行きのあるカウンターに丸イスを並べて、なかなか趣のある店なのだ。

やっぱり “生ビール” で始める。“まぐろ納豆” はブツではなく切り身でちょっとびっくり。
トンカツのように揚げた “ハムカツ” はボリュームたっぷり、辛子とマヨネーズをブレンドして美味しい。
二杯目からは “ホッピー黒” を。この店はカウンターのお母さんが作ってくれる。

小鍋で煮てくれる “肉豆腐” は、胡麻油が効いてなかなかの逸品、汁まで美味しい。
お酒は “剣菱” の一択、サンデシ瓶なのは店の女の子が注いでくれるから、ちょっとご機嫌だね。

ローカル線の雰囲気たっぷりに金町線に乗って、柴又を訪ねるのは、ちょっと遠出をした気分になる。
ガタゴトと行き交う電車の音を聞きながら、下町情緒の酒場で杯を重ねて、金町線の旅が楽しい。

京成電鉄 金町線 京成金町〜京成高砂 2.5km 完乗

男はつらいよ / 渥美清