旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

旅先のひと皿 栃木「じゃがいも入り焼きそば」

2019-07-30 | 旅のアクセント

 焼きそばに「じゃがいも」を入れる是非はともかく、ソースと相性は良い。
地元の方からすれば、これが一般的で、昔から親しまれている普通の焼きそばなのだ。
人気の大豆生田商店で自慢のひと皿をいただく。並皿380円、旨くてボリュームがある。
店で食べるのは僕ひとり、持ち帰りのお客さんはひっきりなしに訪れる地元の逸品なのだ。

2016/07
      
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漁師なげこみ丼と陸奥八仙とヒッチコックの神社と 八戸線を完乗!

2019-07-28 | 呑み鉄放浪記

リアス線から襷を受けて、八戸線(うみねこレール)でさらに北に向かう。
ステンレス製2両編成は、スカイブルーのラインを纏ってサイドには "うみねこ" のマーク。 

 

さて、旅立つ前に道の駅くじ「山海里」で一杯、2時間程の在り余る乗換時間があるのだ。
久慈の地酒 "福来" の生酒をいただく。幸せを呼ぶお酒って地元で愛されているそうだ。
"漁師なげこみ丼" にふんだんに盛られた刺身と "まめぶ汁" が絶好の肴になる。

三陸海岸の復興支援を目的としてリニューアルされた駅舎の黄褐色と黒色の外観は、
久慈特産の琥珀をイメージしている。 

なんとなく京浜東北線を思わせる2両編成は、立ち客もでるほどの満員御礼。
呑み人が乗って来たリアス線の後続便から、まるまる乗客を引き受けたらしい。 

 駅前広場でJAWSが口を開けている鮫までは1時間20分ほど、全行程の8割を消化する。
鉄路は美しい海岸線をなぞったはずだが覚えはない。ほろ酔いでぐっすり昼寝したらしい。 

鮫駅から10分ほど歩くと、次第に「ミャアミャア」という鳴声が大きくなってくる。
ウミネコの繁殖地「蕪島」は国の天然記念物、まるでヒッチコック映画の情景だ。
漁場を教えてくれる蕪島神社の弁財天の使いとして、ウミネコは大切にされてきた。 

 陸奥湊駅では "イサバのカッチャ" が出迎えてくれる。この素朴な町のシンボルだ。
ここ陸奥湊は、八戸市営魚菜小売市場を中心に、毎朝「朝市」が開かれ賑わっている。
次の機会には八戸に投宿して、横丁で呑み、朝市で食べ、早朝の銭湯を愉しみたいものだ。 

 

がらんとした午後の市場を抜け、新井田川べりに "陸奥男山" の八戸酒造を訪ねる。 
大正年間に建てられた、漆喰土蔵と赤レンガ蔵、そして豪壮かつ繊細な主屋が美しい。 

降り出した雨の中、陸奥湊から八戸までは、"リゾートうみねこ" で旅を締めくくる。
国鉄時代の旧い気動車を、大きな窓のクルージングトレインに仕立て直したものだ。 
志津川から延べ4日をかけた三陸海岸の「呑み鉄」旅を八戸駅の1番線で終える。
さて、新幹線に乗ったら、先ほど仕込んだ "陸奥八仙" 特別純米を開けようか。 

八戸線 久慈~八戸 64.9km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
虹とスニーカーの頃 / チューリップ 1979


旅情の小箱 高崎「だるま弁当」

2019-07-27 | 旅のアクセント

 吾妻線を往くときには、高崎名物「だるま弁当」を買い込んだ。
竹の子煮、椎茸煮、こんにゃく煮に鶏肉、ナス漬けに山ごぼう、どれも酒の肴になる。
地酒は "貴娘 純米吟醸" はやや辛口だけどフルーティーな酒。蔵元は沿線の中之条にある。
旧い湘南電車のボックスシートを占めて、渓谷を眺めながら食べる駅弁が美味い。

2014/07
 
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旅するどんぶり 松島海岸「かき丼」

2019-07-25 | 旅のアクセント

 260の小島が点在する松島湾の景観美を俳人・松尾芭蕉が絶賛している。
『島々や 千々に砕きて 夏の海』は、時を経て芭蕉年譜大成に松島を詠んだ句だと云う。
その場にあってはあまりの素晴らしさに言葉も無く、句も思い浮かばなかったってこと?
っで、五大堂を眺める「南部屋」で牡蠣三味。"かきフライ" と "殻焼き" を肴に生ビール。
〆にホクホクの "かき丼" を味わって、満足のランチなのだ。

2018/07 

 
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旅先のひと皿 大泉「ハバータ」

2019-07-23 | 旅のアクセント

 "ハバータ" は、 牛テール、ポテト、ニンジンをトマトベースで煮込んだ煮込み料理だ。
大泉は町中にポルトガル語の看板が溢れ、ブラジル人向けの飲食店や雑貨屋等が点在する。
日本でも一番老舗のブラジル料理店といわれる「レストラン・ブラジル」もその一つ。
つまみに、ボリーニョ・デ・バカリャウ(干しタラのポテトコロッケ)を注文する。
クスケーニャー(ペルーのビール)を楽しみながら、"ハバータ" のサーブを待つのも愉しい。

2016/07
 
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ドンコたたきと龍泉八重桜と俺を酔わせる碧い海 三陸鉄道を完乗!

2019-07-21 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

今春、JR山田線の宮古~釜石間が復旧、そして経営移管を受けリアス線が一つになった。
盛から久慈まで163キロ、新たなリアス線で風光明媚な三陸海岸を北上してみよう。 

盛15:20発の2両編成の気動車は、3つ目の「恋し浜」で3分の停車をする。
太平洋を見渡す高台の駅は、旧小石浜駅を2009年に現駅名に改称している。
元々は地元のブランドほたての名称だったそうだ。 

ホームには天使のオブジェを背にして「幸せの鐘」が掲げられている。
この鐘、カップルで鳴らすと永遠に結ばれ、一人で鳴らすと素敵な出会いが訪れると云う。
停車と同時に昔のお嬢さんが我先にと「鐘」に殺到して姦しい。あっいや微笑ましい。 

三陸海岸は、宮古以南では岬と入り江が連続するリアス海岸となっている。
2両編成の気動車は、時折景勝ポイントで徐行或いは停車して案内をしてくれる。
この美しい海岸線を愉しみながら、仕込んだ "純米 酔仙" を開けてしまおうか。 

高架に上った気動車がトラス橋を渡ると、"鉄とラグビーの町" 釜石に到着となる。 

早稲田も明治も同志社も敵わなかった、松尾雄治率いる赤いラガーシャツが懐かしい。
そんな釜石の町は間もなくワールドカップで世界のフィフティーンを迎える。
間もなく歴史が刻まれるスタジアムがある鵜住居(うのすまい)は2つ先の駅だ。 

10分程の停車の後、2両編成の気動車は復旧なった旧山田線区間に入る。
鳥ヶ沢トンネルを抜けると両石湾が広がる。
沖にはオオミズナギドリ、ヒメクロウミツバメの繁殖地、天然記念物・三貫島が浮かぶ。 

岩手船越では上り列車と交換する。時節柄、向こうもシルバー層の旅行客で満員だ。  

日が傾いた頃、三陸鉄道本社が在る宮古に到着する。駅前は思いがけず賑やかだ。
2両編成の気動車は日に2本の全線直通列車だけれど途中下車、今宵この町で飲むとしよう。 

「居酒屋大ちゃん」はJAZZが流れている。若いスタッフさんがハキハキと気持ちが良い。

 

先ずはお約束の生ビール、黒皿に並んだ5品はお通し、これで結構飲めてしまう。  

 

おまかせ三点盛りは "ホヤ"、"かつお"、そして初めましての "ドンコのたたき" をいただく。
アイナメの一種らしいけど身と肝を味噌でたたく、とろりと旨い。日本酒に絶好の肴だ。
地元は菱屋酒造店の "千兩男山"、すっきりした呑口は刺身に合うね。 

 

良いのが揚がったからと、奨められて "ソイ" も切ってもらう。
"龍泉 八重桜" はすっきりした生酒、淡白な白身魚に合う。これは龍泉洞がある岩泉の酒。

 

最後に "AKABU 純米吟醸" はワイングラスが似合いそうな、ほのかな香りの芳醇旨口。
宮古からはちょっと離れて盛岡の酒。そして〆は "明太茶漬け" で小腹を満たす。
ちょっと過ぎた気もするけど、三陸の美味い肴に、旨い酒を愉しんで満足の宵だ。  

旅館の朝食を諦めて、駅片隅の0番線から06:58発の久慈行きに乗車する。
三陸鉄道開業時から活躍しているずいぶん年季が入ったレールバスだ。

休日ということもあって、小さなレールバスは呑み人の貸切状態なのだ。
トンネルと鉄橋で入り組んだ結構なアップダウンの鉄路に、レールバスは唸りを上げる。

宮沢賢治から火山島の名前にちなんだ「カルボナード」と名付けられた島越駅。
あたらしい築堤を渡ると、モダンな八角形をした塔屋の駅舎が待っている。 

塔屋の駅舎から徒歩10分ほど、小雨の中に北山崎断崖クルーズ観光船の乗船場があった。
観光船で50分、高さ200mの大海食崖が連なる迫力ある景勝を洋上から満喫できる。 

外海に出ると振り落とされそうな大きな波に翻弄される。
「やませ」特有の濃霧が断崖麓の海面を覆って、アナウンスの対象が見えない。

ウミネコと戯れながら、臨場感たっぷりの太平洋クルージングってキャッチだろうけど、
残念ながら、それは次回の課題として積み残しなのだ。 

昭和初期の優等車両をイメージしたマルーンのレトロ車両が築提を渡って来た。
オールクロスシート、大きな窓とテーブル、パーティーができそうな観光仕様の車両だね。 

長い普代トンネルを抜けると、しばらく海岸線を眺めることができる。
2両編成の気動車は、白井海岸辺りで眺望のために停車の計らいをしてくれる。 

陸中野田から鉄路は狭隘な小袖の海岸線を避け、トンネルで久慈へと抜ける。
小袖海岸は「北限の海女」で知られる。朝の連続テレビ小説のロケ地になっている。 

盛駅から久慈駅まで163キロ、4時間30分を駆け抜けてリアス線の旅を終える。
雄々しく復興が進む三陸地方は、鉄路に並行して三陸自動車道の建設も進む。
地域の暮らしが便利になるにつれ、ローカル鉄道の経営はおそらく厳しくなる。
この風光明媚な三陸鉄道が、地域の方に愛され、旅人を惹きつけ、走り続けて欲しい。 
また何時か、缶ビール片手にリアス線を訪ねてみたいと思う。

三陸鉄道・リアス線 盛~久慈 163.0km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
時間よ止まれ / 矢沢永吉 1978


Biz-Lunch 門前仲町「いさば」

2019-07-20 | Biz-Lunch60分1本勝負

 今日のランチは門前仲町交差点から黒船橋へ向かって一筋目。
「いさば」ってネーミングに期待してしまう。店長が毎朝豊洲から食材を仕入れるそうだ。
焼き魚を食べるのが正統なんだろうけど、あえて "マグロづけ丼" を注文する。
ほどよく甘辛に漬けた分厚いマグロに、刻み海苔とネギが添えられてキレイな丼。
控えめにワサビ醤油を垂らして一口。旨いね。
カウンターにはこだわりの焼酎が並んでいたな。日が傾いたらまた訪ねようか。 

 
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一酒一肴 桜木町・ホームベース2「桃川にごり酒」

2019-07-18 | 津々浦々酒場探訪

 

 横浜スパークリングトワイライト、今宵横浜港に大輪の花火が上がる。
そう云えば東横線にも、この桜木町界隈にも浴衣姿の女の子、カップルも多かった。
桜木町ぴおシティのB2Fには酒処が並ぶ。そんな一軒が「大衆酒場ホームベース2」だ。
"めひかり唐揚" にレモンを絞って、酒は青森の "桃川にごり酒"、初めましての旨口の酒。
ほろ酔って桜木町のホームに上がる、オフィスのガラス壁面に大輪の花火が咲いている。

2018/07 

      
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旅するどんぶり 黒石「つゆやきそば」

2019-07-16 | 旅のアクセント

 夏の午後の陽が照りつける一面の田圃風景を弘南線の2両編成にガタゴト揺られた。
車内の乗客は殆どが部活帰りの高校生、終点の黒石まではちょうど30分の旅になる。
黒石のご当地名物 "つゆやきそば" は、ソースやきそばにラーメンのスープをかける。
お食事処・妙光のそれは、煮干し風味のつゆに野菜たっぷり、揚げ玉たっぷりの700円。
とても癖になりそうな一杯なのだ。

2017/07 

 
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POKÉMONと酔仙と天翔ける龍ドラゴンレール 大船渡線を完乗!

2019-07-14 | 呑み鉄放浪記

はやぶさ49号が発車する際に「夕暮れ時はさびしそう」のメロディーが流れる。
後で調べたらNPSの3人は、ここ一関高専在学中(1972年)に結成したバンドだそうだ。
大人の休日は三陸海岸へ、今週のアプローチはドラゴンレールで往く。 

大船渡線は、東北本線一ノ関を起点に、北上山地を横断して盛を結んでいる。
地図上で見ると曲りくねり、まるで竜が飛翔するような線形がドラゴンレールの所以だ。 

この線形は大正期の政治家による我田引鉄の結果だと云う。
2両編成の気道車はそんな経緯も知らず、四角形の三辺を遠回りして三陸海岸をめざす。 

先週に引き続き訪ねた気仙沼では「ポケモントレイン」に迎えられる。 
東北沿岸の子どもたちに笑顔を届ける「POKÉMON with YOU トレイン」は、
明日、団体臨時列車として、 山田線から三陸鉄道リアス線に直通運転する。 

 

東日本大震災で被害を受けた大船渡線は、気仙沼から先の海岸区間はBRTで仮復旧した。
その後、JRが提案する鉄路の廃止、BRTの継続運行を沿線自治体が受け入れ現在に至る。 

12:00発、盛(さかり)行きが2番線に時間ぴったりに入る。このあたり鉄道と変わらない。
橋梁も随道もそのままに、真っ赤なハイブリッドのBRTは専用道路を走り抜ける。 

奇跡の一本松が見えると陸前高田、被害が大きかった町は巨大な防潮堤が屹立している。
半島の付け根をトンネルで越えると大船渡湾、鈍く光る海に牡蠣筏の風景が広がった。 

やがて真っ赤なハイブリッドは盛駅でアイドリングを停め、大船渡線の旅が終わる。
構内に轟く音に振り返ると、岩手開発鉄道の長大な貨物列車が走り抜けて行く。
大船渡鉱山で産出される石灰石を太平洋セメント工場まで輸送する貨物鉄道なのだ。 

余韻もそこそこに路線バスに飛び乗る。3キロほど盛川を遡って酒蔵を訪ねるのだ。
陸前高田で被災した酔仙酒造は氷上山を隔てて、ここ大船渡に蔵を再建した。 

 

地元営業担当だと云う古株の社員氏に被災のこと、酒造りのことを熱く説明いただいた。
「芳醇にして呑み飽きしないきれいなお酒」 をめざして酒造りをされている。
試飲が過ぎたかな?"辛口酔仙" をぶら下げて、良い気分で迎えのタクシーに腰を沈めた。 

 

小さな地方の町の午後3時、飲食店など開いてやしない。
唯一赤い暖簾を提げていた大衆食堂に吸い込まれ、中生ジョッキーを呷る。旨いね。
熱い "五目ラーメン" を啜ったら、ここからは三陸鉄道リアス線の旅が始まる。

大船渡線 一ノ関~盛 105.7km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
道標ない旅 / 永井龍雲 1979


旧東海道・品川宿でBiz-Lunch「ひょうたん」

2019-07-13 | Biz-Lunch60分1本勝負

 北品川本通り商店街の「和風居酒屋ひょうたん」もランチタイムに定食を提供している。 
今日は "キンメの煮付け" を。金目鯛が切り身だけど定食だからね。納得。
甘辛いしっかりとした味付けに御飯がすすむ。後半は "とろろ汁" でササっとかきこむ。
小鉢の "冷奴" と "ひじき" も嬉しいね。
煮魚を食して根拠なく健康気分な昼下がりなのです。ご馳走さまでした。 


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旅先のひと皿 鶴見「ビーフシチュー」

2019-07-11 | 旅のアクセント

 鶴見線を旅した日、炎天下を歩いてブラジル料理「パライソ・ブラジル」は住宅街の中。
厨房で圧力鍋をカタカタ鳴らす "ビーフシチュー" は、煮込んだ柔らかな肉が美味しい。
少々スパイシーなひと皿はなかなかの美味。"コロナビール" を傍らにその味を楽しむ。
が、オヤジにはそのボリュームと濃い味付けが過ぎ、後半は大いに苦戦するのだ。

2014/07
 
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ご当地旨ラーメン事情 佐野「太七」

2019-07-09 | 旅のアクセント

 JR両毛線と連絡する佐野駅では上下線が交換するための少々長めに停車する。
その一つ先の堀米駅で2度目の途中下車、ここから歩いて佐野ラーメンの人気店を訪ねる。
「ラーメン太七」の看板メニューは "青ねぎラーメン"。
薄めのさっぱりスープ、麺に腰、ツルツルすすれる長い麺、シンプルな具がこだわり。
そしてご自慢のシャキシャキの青ねぎが一面に散らされている。
穴あきのレンゲでしばらくシャキシャキを楽しむと麺と具が現れてくるのだ。 

2016/07 

      
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いずれ菖蒲か杜若 フラワー長井線を完乗!

2019-07-07 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 山形新幹線を降りて旧い跨線橋で4番線に渡ると、桜色の気動車が待っていた。
さくら名所100選に選ばれた南陽市の烏帽子山千本桜をイメージしたラッピング車両だ。

前衛的デザインのJR赤湯駅に対して、山形鉄道の駅舎は暖か味のあるロッジ風。
今回はフラワー長井線で最上川に沿って置賜の田園地帯を往く。 

桜色の気動車は6つ目の今泉でJR米坂線と連絡する。
地方の小駅は、フラワー線上下線の交換にJRのキハも停車して、一時の賑わいを見せる。 

 フラワー線の中心、長井駅に上り列車が入線してきた。
水を表した青をベースに、市の花である "あやめ" を描いた鮮やかなラッピング車両だ。

駅から北へ15分ほど、長井あやめ公園には500種100万本の "あやめ" が咲き誇る。
明日まで「長井あやめまつり」が開催中だが、ちょっと花の盛りを逃した様子、残念。 

今宵、まつりのフィナーレを飾る「長井おどりパレード」が市内で開催されるらしい。
ひょっとしたら、可憐な浴衣姿の "菖蒲" か "杜若" に出会えるかも知れない。  

 

 今はひっそりした商店街を過ぎて「そば処 丸万」を訪ねる。自家製粉十割そばの店だ。
地酒の "小桜" を冷やでいただく。飾りっけのない、まさに地元のオヤジが晩酌する酒。 

 

肴は "天ぷら" と "にしん" で。鰊とは最上川を介した北前舟文化の影響だろうか。
素朴だがこの甘露煮が冷や酒に合う。おもわず杯が重なる。  

長井駅は1936年に改築された貴重な昭和戦前期の木造駅舎、なんとも趣きがある。
なんでも市庁舎と併設した新駅舎が建設されることになり、年内に解体されるらしい。 

長井を発つと左右の車窓には一面の田圃が広がる。
白兎(しろうさぎ)、蚕桑(こぐわ)、鮎貝(あゆかい)と美しい響きの駅名が北へと続く。 

最上川橋梁は一世紀を超える現役の鉄道橋、歴史的にも構造的にも貴重な近代土木遺産。
明治20年、東海道本線の木曽川に架設された英国パテントシャフト&アクスルトリー社製の
ダブルワーレントラスは、下流のJR左沢線の最上川橋梁に分割して移設されたものだ。 

最上川を渡った桜色の気動車はガクンと速度を落とし、まるで這うように大カーブに入る。
東から北へ、90度を曲がり切ると荒砥駅、旅の終わりを告げる車止めが立ちはだかっている。 

山形鉄道・フラワー長井線 赤湯~荒砥 30.5km 完乗

愛の水中花 / 松坂慶子 1979


人生のそばから 北品川「藪そば」

2019-07-06 | 旅のアクセント

 東海道北品川交差点から路地を入って「薮そば」、ここ2週間で3度も通ってしまった。
先ずは "肉どうふ" を、熱々の豚肉と絹が玉子と出汁でとじて美味しい。 
すっかり脇役に徹している "冷やしたぬき" だけど、これが抜群に良い。
たっぷり山葵を溶いて、一気にズズっといただく。これに目がなく度々引き寄せられる。 

この店は「かんだやぶそば」の系列、看板には「藪睦会々員」ってある。 
地味な店だけど結構人気で、今回も5分待って工員さん風の3人連れと相席になる。 

2度目は "カレー丼"、ご飯の上に厚くカレー餡がかかる。老舗蕎麦屋のカレーに嵌まる。
そして昨日は "親子丼"、出汁が利いた鶏と玉子が濃厚で旨さたっぷりの一丼なのだ。
さて、オフィスまでは10分少々、満足のお腹を抱えて足早に戻らねば。ご馳走さまでした。 


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