旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

水曜日は家呑み派 「鏡山 純米原酒」

2019-02-28 | 日記・エッセイ・コラム

 

 めずらしく早く帰宅したのだけれど、家人はお出掛けの模様。鍋の用意がしてある。
土鍋に火を付けたら、3日目のおでんを温めて一杯始めよう。
小さなセラーの下段から "鏡山 純米原酒"、雄町で醸した季節限定酒は濃厚でフルーティー。
おっと、土鍋が音を立ててきた。 

      


浜松町・大門界隈でBiz-Lunch「牛の五六八」

2019-02-27 | Biz-Lunch60分1本勝負

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 浜松町駅の金杉橋口を降りると、都心環状線の下を古川が淀んでいる。
広重が「名所江戸百景」で描いたこの辺りの古川は船溜まりになっていて船宿が並ぶ。
それらと向かいあって「牛の五六八」は、ワインを揃えた炭火焼肉の店だ。
今日のランチは "豚ネギ丼" に玉子と海苔をトッピング、サラダとスープが付いて880円。
塩味の豚肉にシャキシャキの葱が美味しい。後半はタマゴを箸で割ってマイルドに。
ちょっと匂うかな。葱いっぱいだったから。そんなこと考えながらモノレールへと急ぐ。 


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夕暮れ千葉散歩Ⅱ 蘇我にて 京葉線を完乗!

2019-02-24 | 呑み鉄放浪記

 ライトアップされた東京駅丸の内駅舎。赤煉瓦が鮮やかに浮かび上がって美しい。 
今宵、家路とは別の方向に電車に乗ってみる。実は京葉線を未だ潰してなかったから。 

京葉線のホームは鍛冶橋通りの下、均整のとれた丸の内オフィス街の地下空間に横たわる。
鮮やかなワインレッドのルージュを引いた10両編成で3番線を滑り出す。 

潮見からジェットコースターの様に高架を駆け上ると大輪の華が輝いている。 

 

ところで京葉線は武蔵野線と接続するために2本の支線を持っている。
まずは西船橋から南船橋へ抜ける二俣支線、むさしの号で1区間を走り抜ける。 

 

もう1本は高谷支線、市川塩浜から西船橋へと抜ける。
オレンジのラインの武蔵野線がこの支線を経て東京から府中本町までメガループを描く。 

千葉みなとから蘇我の間は海が覗く。潮の香りが車内まで届くかのようだ。 

ワインレッドの10両編成は東京湾を1/4周、3時の方向、蘇我でその旅を終える。
でも何本かの葦駄天は外房線や内房線に乗り入れて、さらに旅を続けるものもある。 

 蘇我は予想に反して旧い町並み、JEFユナイテッドの試合が無ければ静かな夕暮れだ。 

 

外房線の線路沿いを歩くこと5分、南町の住宅街に「松膳」の看板が浮かび上がる。 
常連さんに交じってカウンター、少々緊張、まずは瓶ビールで。 
通好みのお通しが充実しているでしょう。これだけで2合くらい飲めそうな感じ。 

 

刺身盛り合わせ、これが豪華でした。酒は "木戸泉" の純米、外房は大原の酒だね。
〆は "山芋ぞうすい" 寒い夜に温まる。なにより精が付きそうだ。
ちょっとどころではない寄り道だけど、旨い酒肴を愉しんでご機嫌な千葉散歩なのです。 

 京葉線 東京~蘇我 41.0km
二俣支線 西船橋~南船橋 5.4km
高浜支線 市川塩浜~西船橋 5.9km 完乗 

 

サンタモニカの風 / 桜田淳子 1979


立春朝搾りを味わう八丁堀の宵 広島電鉄・白島線を完乗!

2019-02-23 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 このレトロな電車は1978年、京都から嫁いできた。だから「大文字」と愛称が付いている。 

9系統は白島~八丁堀のわずか1.2キロを2編成が忙しなくシャトルしている。
1編成は新鋭の連節車、そして今ひとつがこのレトロな単車なのだ。 

白島を出て2つめの電停が縮景園前。
電停から東へ行くと広島藩主浅野家の別邸、名勝・縮景園。今は梅の見頃だ。 

電停から西へ行くと鯉城・広島城。毛利輝元の五重の大天守倒壊後、再建されたものだ。 

縮景園前から乗ったのは新鋭の連節車。
9系統の上下線は縮景園前と女学院前の間で擦違い。レトロな単車が唸りを上げて走り去る。 

デパートや銀行が立ち並ぶ中心街八丁堀交差点に到着して白島線の旅は終わる。
軌道は車庫へと回送するために本線へと繋がるが、連節車は足早に折り返して行った。 

 当りを付けていた2軒の立ち飲みが入り込む余地がないほど盛り上がっていた。
しからば電停近くの「大衆酒場お八」、1月にOPENしたばかりと云う。
まずは "賀茂泉 立春朝搾り" を。節分の豆まきで邪気を払った未明に搾り上がる生原酒だ。 

 

アテの "ガンス" は魚のすり身にたまねぎを入れ、パン粉で揚げた広島のご当地もの。
"亀齢 辛口純米八拾" は一般米を80%精米で仕込んでこの呑み口?すごいな。
思いがけず、真新しいカウンターで広島の地酒を堪能した八丁堀の宵なのです。

広島電鉄・白島線 白島~八丁堀 1.2km 

 

カサブランカ ダンディー / 沢田研二 1979


一酒一肴 新杉田・じぃえんとるまん「五郎八」

2019-02-21 | 津々浦々酒場探訪

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 唐辛子と刻みネギ、胡麻油で食べる "地獄どうふ" だって。これがなかなか旨い。
菊水のにごり酒「五郎八」をいただく。濃厚でコクある味わいは、本当は鍋に合いそうだ。
小1時間ほど堪能したら、常連さんで席が埋まる前に引き上げる。これが「粋」って。
旨い酒肴を味わって2,000円と少々。此の店、財布にも当に「じぃえんとる」なのだ。 

2018/02


一酒一肴 新杉田・じぃえんとるまん「初孫」

2019-02-19 | 津々浦々酒場探訪

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 新杉田駅と京急の杉田駅の間には、昭和レトロな雰囲気の商店街が延びている。
R16沿いに赤ちょうちんが揺れるのは「国民酒場じぃえんとるまん」だ。
草野球帰りのグループと、ひとり飲みの常連さん数名、お姐さん2人連れが先客。

好物の "ねぎとろ" を肴に、春季限定酒「初孫純米吟醸・美咲」を飲む。
華やかな香りは、美山錦で醸した山形の酒なのだ。

2018/02


賀茂鶴と酢牡蠣とあなごめしと 広島電鉄本線・宮島線を完乗!

2019-02-17 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 相生橋を宮島口行きの Green Liner が渡って往く。
今日は広島名物 "あなごめし" をめざして、広島電鉄・宮島線を旅する。 

市内電車のりばに2系統の連節車が入って来た。MAZDAのスポーツカーのラッピングだ。
2系統が走る広島駅~広電西広島間は本線、八丁堀、立町、紙屋町と中心街を抜けて往く。 

相生橋手前に原爆ドーム前電停、静かな休日の朝、元安川を挟んで世界遺産を望む。 

広電西広島から宮島線に入る。ここからは専用軌道、連節車はグッとスピードを上げる。

たびたび山陽本線と並走してきた連節車は、阿品東付近で海岸線を走る。
立春の凪いだ瀬戸内海が鈍く光っている。 

JRでは所要30分の広島~宮島口を、倍以上の70分かけて連節車は走り抜けた。
それでも5~10分間隔の頻度と、広島市街直結の利便性は高い。 

840円の一日乗車券を求めると、宮島航路のフェリーにも乗船できる。
しからば宮島松大汽船に乗って10分間のクルーズを愉しむ。 

 

 桟橋では平清盛に迎えられる。厳島神社に厚い信仰をよせ、栄華を誇ったその人だ。

厳島神社は、市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命を祀っている。
仁安3年(1168年)、平清盛によって寝殿造様式に修造した社殿は世界遺産だ。

 厳島神社の出口を抜け、山に向かって進むと「あなごめし」の看板が見えてくる。
大きな杓子に「ふじたや」の屋号、ミシュランの一つ星を獲得している名店なのだ。 

 

"酢牡蠣" を肴に "賀茂鶴 大吟醸" を飲みながら "あなごめし" の出来上がりを待つ。
このなんとも贅沢な時間が愉しいね。
香ばしく焼かれた地アナゴたっぷりの丼が運ばれて来た。
ふんわりツヤツヤのアナゴたちが甘い醤油ダレで美味しい。もう言うことなしの広電の旅。

 広島電鉄・本線 広島駅~広電西広島 5.4km
広島電鉄・宮島線 広電西広島~広電宮島口 16.1km 完乗 

君は薔薇より美しい / 布施明 1979


ナイス☆ユカリふたたび 広島電鉄江波線・横川線を完乗!

2019-02-16 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 江波車庫に8系統横川駅行きの電車がスタンバイしている。
この系統は江波線を6区間、本線を1区間挟んで、横川線を4区間、北へと真直ぐ走る。  

江波線は三菱重工広島造船所への通勤路線として建設されることになった。
すでに金属供出が始まっていた1943年の開業と云うから興味深い。
江波線最初の電停、E1舟入町で途中下車、横川行き単車を見送る。 

土橋から十日市町間は広島駅~西広島・宮島口を結ぶ本線上を走っている。
横川線最初の電停、Y1十日市町からふたたび8系統に乗車、今度は新鋭の連節車なのだ。 

 

冷たい雨が降る日曜日の8時過ぎは車内はがらがら。
連節車は僅か数人の乗客を運んで横川駅電停に到着する。
JR横川駅に背を向けて、ボクは横川本通りへ。この先に気に入った立ち飲みが在る。

 まずはシャリキンをホッピー赤で。「赤」は初めて、スタイリッシュなラベルだね。
アテは "セセリと蓮根"、プリプリの食感がジューシーで旨い。 

 

"大根きのこあんかけナムル風" は、さっぱり大根にピリ辛の餡がかかって美味。
広島の酒は西条の "亀齢 寒仕込"、すっきりとキレのよい辛口を愉しむ。
2年ぶり?かな「ナイス☆ユカリ」ふたたび、たしかこの前も雨降りだった広島の夜。

広島電鉄・江波線 江波~舟入町 2.6km
広島電鉄・横川線 十日市町~横川駅 1.4km 完乗  

 

想い出のスクリーン / 八神純子 1979


浜松町・大門界隈でBiz-Lunch「洋食や シェ・ノブ」

2019-02-14 | Biz-Lunch60分1本勝負

 金杉橋口を右に折れて、浜松町2丁目交差点手前角「洋食や シェ・ノブ」ふたたび。
水曜メニューは "チキンカツ・2色のソース"、青のり風味のジャーマンポテトを付けて1,100円。
カラッと揚がってサクサクだけど、中身はジューシーなチキンカツは正に美味。
赤だしの味噌汁が合うんだなこれが。ご馳走様でした。
割烹スタイルの洋食を楽しんだら足早にモノレール駅へ。待ち時間が掛かったからね。 

      
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一酒一肴 大船・鞠屋「北の錦」

2019-02-12 | 津々浦々酒場探訪

 

 にぎやかな仲通り商店街から大船市場に抜ける路地に迷い込む。
黒を基調としたシックな外観の「立ち飲み鞠屋(まりや)」11:00から酒が飲める。
キンミヤを黒ホッピーで楽しんだ後は、日本酒を注文したい。
"特別純米超辛口 秀鳳" は口当たりフルーティーだが切れも良い山形の酒だ。
厚揚げ品切れに絶望しつつも、種にだし汁が浸み込んだ "おでん" が美味しい。
ご常連の独り飲みが、30分、1,000円位で入れ替わっていく。飲み方が「粋」だ。
ボクもほろ酔いで1,400円、湘南の下町で「粋」を真似てみる土曜日の夕暮れ時だ。 

2018/02

      
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旧中山道・浦和宿 酒場事情「旬彩 赤松」

2019-02-10 | 津々浦々酒場探訪

 連休だけどこの天候。遠出はあきらめて、家族には外食で折り合いをつける。
近くのホテルにはフレンチや日本料理のほかに、何故か居酒屋が入っている。
其々好きなものを頼んだら、私はいつもの酒場メニューになってしまった。 

 

"小松菜と蟹の生姜浸し" は色合いも味も春の訪れを感じさせるでしょう。
今宵は山形の酒で。先ずは "初孫 特別純米 魔斬(まきり)"、生酛造りの蔵元ですね。
深みとキレ味抜群のすっきり辛口の純米酒は刺身にピッタリなのだ。 

 

"上喜元 純米吟醸" も酒田の蔵元、爽快な吟醸香の山田錦で醸した酒です。
肴は "炙り焼き豚 温泉卵のせ"、和がらしで、温泉卵で、どちらで食べても美味。
あれっラストオーダーが20時って早くないですか?では家に帰って飲み直しますか。 

 
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日光道中二十一次 街道めし2 粕壁宿「宝来家」

2019-02-07 | 旅のアクセント

 曾良の日記には「廿七日夜 カスカベニ泊ル 江戸ヨリ九里余」とある。
趣がある蔵造りの商家「問屋場田村本家」の街道筋から1本路地を入ってみる。
とっ、昔ながらの中華屋「宝来家」の朱の暖簾が寒風に揺れているのを見つけた。
ボリュームたっぷり "中華そば・玉子丼セット" は素朴で懐かしい味。4つの小皿も嬉しい。
さぁ、腹が膨れたら、もう少し距離を稼ごう。

2017/02/
 


日光道中二十一次 街道めし1 千住宿「とくだ屋」

2019-02-05 | 旅のアクセント

 2017年正月、日本橋から3度目のスタートは日光道中・奥州道中の旅。
最初の街道めしは千住宿手前の足立市場内、この辺り芭蕉矢立初めの地である。
人気の「とくだ屋」も、列はさほどではなく暖かな店内へ。この旅、幸先がいい。
外の風は冷たいけれど、お約束の生ビールを呷る。
定番の海鮮丼 "とくだ屋丼" が着丼。新鮮な刺身の下にはネギトロの山が嬉しい。
新しいこの旅も、旨いものを喰らい、元気に歩を進めよう。

2017/01
 


ストーブ列車で日本酒と焼きスルメと 津軽鉄道を完乗!

2019-02-03 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 ディーゼルが唸るエンジン音とカタンコトンとレールを叩く車輪の音が響いてくる。
まだ到着5分前と云うのに。それだけ真冬の空気が凛として澄んでいると云うことか。 

津軽鉄道はJR五能線と連絡する五所川原から津軽中里までの20キロを往く。
開業の昭和5年から、ストーブ列車は津軽平野の冬の風物詩として走ってきた。 

 

 赤々と燃えるダルマストーブで温い車内から地吹雪の景色を眺める。
戦後まもなく製造された木造客車がなんともノスタルジックなストーブ列車なのだ。 

列車がガタンっと動きはじめたら、さっそく日本酒とスルメを求める。
スルメはアテンダント嬢がダルマストーブの上で手際よく焼いてくれる。
客車いっぱいに立ち込めるスルメの匂いの中、日本酒片手にまったりした旅が始まる。 

 金木駅から徒歩7~8分、太宰治記念館「斜陽館」は太宰の父・津島源右衛門が建てた豪邸。
1907年築、明治期の貴重な木造建築物は、太宰ファンでなくても訪れる価値がある。 

 

 金木駅で団体客が下りると、ノスタルジックな客車はいっそう趣ある雰囲気になる。
祖父と孫のふたり旅が微笑ましい。雪が溶けたら小学校に入学だと云う。
ボクはと云うとアテンダント嬢の小枝さんと歓談、終着駅周辺のランチ事情を教わる。

 

列車は雪の津軽平野を45分ひた走り、北の果て津軽中里駅に終着する。
昭和19年初夏、太宰は五所川原の叔母の家から、一番列車に乗って終着駅に降り立った。 
ここから路線バスに乗って、小泊の国民学校の運動場で乳母の「たけ」に再会する。
小説『津軽』のクライマックスだ。 

 津軽中里から雪道を10分、アテンダント嬢が教えてくれた「やよい寿司」へ向かう。
列車が折り返す制限時間が60分。ちょっと小走りで、雪国で10年余暮らした成果なのだ。 

 

さっそく "そば定食" を注文する。山菜そば、にぎり十貫で800円だから驚き。 
コハダ、ボタンエビ、ズワイカニが入って、美味しい嬉しい満足のパフォーマンス。
大将、ご馳走様です。 

 復路は単行ディーゼルカー「走れメロス号」に乗ってガタゴトと五所川原へ戻る。
日本中津々浦々、ローカル私鉄やJRの支線を走るお馴染みの車両だね。
総じて満足の津軽鉄道の旅なのだが何か足りない?、新幹線の中でずっと気になっていた。
そうだ岩木山が見えなかったのだ。 

津軽鉄道 津軽五所川原~津軽中里 20.7km 完乗

津軽平野


人生のそばから 善光寺「そば処 元屋」

2019-02-02 | 旅のアクセント

 日本海に面した地方都市に向かう途中、ふるさとの駅にふらり途中下車。
かがやきタイプに乗車するのは初めて。大宮からノンストップで57分、速いね。

 

既に初詣ではないけれど、善光寺には詣でておかなくては。
山門に登る。高さ約18メートルの入母屋造りの大楼門は寛延三年(1750年)に建立された。
楼上から真直ぐに延びる参道と市街地が見渡せる。石川五右衛門なら何と表現したろうか。

「牛に引かれて善光寺参り」と云われる通り、信心のない人でも善光寺をめざした。
善光寺は宗派を問わず、一度訪れれば誰でも極楽浄土に行くことを適えてくれる寺なのだ。 

 

一光三尊阿弥陀如来に参ったら門前で信州の酒と蕎麦。罰当たりだが寧ろこちらがメイン。
開店と同時に席が埋まった「そば処 元屋」、"西之門 純米吟醸" でそばが茹るのを待つ。
お約束の "ざるそば" は、香り高い蕎麦と海苔を楽しんでズズッといただく。
ふるさとの蕎麦処で旨い一杯と一枚で満悦の真冬の昼前のひとときなのだ。 


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天までとどけ / さだまさし 1979