旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

メトロに乗って 今宵、谷根千の日本酒バルで 千代田線を完乗!

2019-11-23 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

 綾瀬駅の中線からエメラルドグリーンの10両が滑り出す。今日は千代田線を彷徨う。
千代田線は日比谷線の混雑緩和を目的としたバイパス路線として建設されたらしい。
改めて路線図を眺めると、なるほど腑に落ちる。 

千代田線には通称北綾瀬線という支線がある。
綾瀬駅から車両基地までの回送線を短い3両編成がシャトルしているのだ。
この日は「メトロファミリーパーク in AYASE」が開催され、親子連れで賑わっていた。 

先ずは根津に途中下車。
谷中銀座をはじめ谷根千(やねせん)は、昔ながらの東京の下町風情が味わえる。
とにかく人・人・人で、オーバーツリズム気味だ。呑み人はお印に根津神社を訪ねた。 

 常磐線から乗り入れて来たJRの車両に乗って、今度は二重橋で途中下車する。 

先週は「祝賀御列の儀」に沸いた皇居前広場もすでに平静を取り戻して、
いりとりどりのランナーたちが、まるで熱帯魚のように回游していく。 

日比谷、霞が関を巡ったエメラルドグリーンの10両はゆっくりと国会議事堂前へ。
週末、この辺りの駅はと云うといたって静かなものだ。  

永田町の高台に、美しいみかげ石の「白亜の殿堂」が秋晴に映えている。 

赤坂、乃木坂、表参道と瀟洒な街並みを抜けて明治神宮前、久しぶりに神宮の杜を歩く。 

 

鳥居を潜ると右手に201個の菰樽が並ぶ。外国人観光客にはフォトジェニックな場所だ。
左手にはワイン樽、どれもブルゴーニュの醸造家から奉納されたものだ。 

本日は、お日柄もよく、本殿の前では巫女に導かれて神前へと進む列に遭遇。
朱傘を差掛けられた白無垢の花嫁が美しい。どうかお幸せに。 

明治神宮前を出ると、終点の代々木上原まではひと駅を挟んで4分の乗車。
小田急線の複線をこじ開ける様に這い出たエメラルドグリーンの10両編成。
背景に新宿のスカイスクレイパーが秋の青を突いている。 

 

日が傾いて根津に戻って来た。「坂ノ下ノオリゼ」 は呑み人に不釣り合いな日本酒バル。
一杯目は香芝の "大倉 山廃特別純米秋上がり"、今宵は奈良の酒でいくと決めた。
"和の三点盛り" は、鮪の生姜煮、白和え、ローストビーフと気が利いたラインナップ。  

 

二杯目の "みむろ杉 純米吟醸 山田錦" は瑞々しい味わい、三輪の酒だね。
ゆず七味を振って、"たぬき豆腐" が美味い。これは家でもできそうだ。
そして "風の森 愛山純米 真中採り"、果実味いっぱいのフレッシュな味わいで爽やに〆る。
まだまだいい店がありそうな谷根千、On the way home、また探検してみよう。

東京地下鉄・千代田線 北綾瀬~代々木上原 30.4km 完乗  

 

大都会 / クリスタルキング 1979


メトロに乗って 有楽町で逢いましょう 有楽町線を完乗!

2019-11-17 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

 引き込み線から入線してきた車両は、ゴールドのラインを纏った堂々の10両編成。
有楽町線は和光市で東上線と相互乗り入れし、都心を経てウォーターフロントへと走る。 

和光市駅ビルは建設中、東武ホテルも入って大規模なものになりそうだ。 

8路線が乗り入れる池袋は沿線一のターミナル駅。とりあえず最初の途中下車。
西口公園から若い人波に紛れて歩くと、蔦の絡まるチャペルは学園祭まっただ中。 

 池袋線から乗り入れて来た西武ブルーを見送って、護国寺で二度目の途中下車。 

2番出口を上がると大聖護国寺の仁王門前。
阿吽の金剛力士像は出版社とマンションのビル群に変貌した参道を見下ろしている。 

 

護国寺を背にして音羽通りを下ること10分、左手に坂を上ると鳩山会館が在る。
大正後期の洋館、ステンドグラス、庭園のバラ、どれも一見の価値があると思う。 

 終点を目前に豊洲で三度目の途中下車、ガスの科学館屋上ひろばから街を眺める。

月島・豊洲・辰巳と、ウォーターフロントは市場の開場とTOKYO2020を控えて発展著しい。 

辰巳をでた10両編成は夕陽を浴びる地上に這い出てきた。
右からりんかい線、左から京葉線、3線束ねて終点の新木場駅に滑り込む。 

電車はこのまま折り返すことなく、この先の荒川沿いの車両基地に回送される様だ。 

沿線の中心駅有楽町まで戻って来た。
東京メトロの冊子MetroWalkerに紹介されていた "いも煮" に魅せられてしまったから。

 

銀座インズ2の「みちのく」は、その名の通り東北6県の郷土料理と地酒を味わえる店だ。
先ずは生ビールを呷って、出汁が浸み込んだ "玉蒟蒻うま煮" をアテにいただく。
焦がれた "村山風いも煮" が運ばれて、トロっと柔らかな里いもを箸でつまんで至福。 

 

酒田・菊勇酒造の "三十六人衆" は、穏やかな吟醸香のスッキリとした辛口の純米酒だね。
もう一皿は、青森の銘柄鶏 "桜姫 柚子こしょう焼き" がピリッと美味しい。
思いがけず東北の味に舌鼓したメトロの旅、MetroWalker侮りがたし有楽町の宵なのだ。

東京地下鉄・有楽町線 和光市~新木場 28.3km 完乗  

 

technopolis / ymo 1979

technopolis / Dance Perfume


メトロに乗って 中野・ふれあいロードの立呑みで 東西線を完乗!

2019-10-12 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

 そろそろ日が短くなってきたので、休日の午後からぶらり夕暮れ東京散歩。
今秋は東京メトロを狙って、まずは東西線から呑み潰そうと思う。 

東京メトロとは云いながら、東西線の東端は深く千葉県に入り込んで西船橋が始発。
4線が乗り入れる要衝西船橋だけど、街の賑わいは控えめな様子だ。 

6・7番ホームにはスカイブルーを纏った新旧の車両が折り返しの発車を待っている。 

スカイブルーの10両編成が轟音を響かせて江戸川鉄橋を渡る。
河岸の堤防広場では、BBQを愉しむ何十というテントが極彩の花を咲かせている。 

 門前仲町は富岡八幡宮別当寺の永代寺の門前町として町屋が形成された。
江戸時代には伊能忠敬が住んでいたことで知られる。この日は骨董市の賑わいだ。 

 

境内の伊能忠敬像の奥にある「深川宿」では "ぶっかけ深川めし" を食べさせてくれる。
それこそ、東京メトロのCMで石原ひとみが訪ねていた。
呑み人的には付け合わせの "あさりの佃煮" が、酒のアテに絶妙だったと思う。 

 4つ進めて竹橋の階段を上がるとランナーの帯が流れるお濠前。
平川門を潜ると二の丸庭園を見学できるのだけど、すでに16:00を回って閉門している。 

 さらに一つ進めて九段下、夕陽を真正面に浴びて靖国神社まで歩いてみる。
今の平穏は、ここに眠る先人たちの犠牲の上にあると、静けさの中に感謝をしたい。 

 神楽坂に心惹かれながら、ラスト6駅を進めるて地上に這い出ると、そこは中野駅。
再び総武中央線のカナリアイエローに並ぶと、呑み人の東西線の旅は終わる。
スカイブルーの10両編成はと云うと、さらに中央線に乗り入れて三鷹まで足を延ばす。

17:30、中野駅のグリーンサインに灯が入る。もう飲んでいいよのサインってところか。
中野駅前と北に延びるサンモール商店街はなにしろ活気がある。若い人が多いからね。 

商店街を一筋東に入ると立飲み屋が並ぶ路地、呑み人は「立呑み二郎」に吸い込まれる。 
カウンターの中は女の子ふたり。先ずは生ビールを呷る。今日も暑かったからね。
料理はほとんどが260円、ジローってことか?爽やかに "冷やしトマト" が美味しい。 

 

"十六豆腐の厚揚げ" ってのが、いい味出しているね。
華やかな吟醸香、芳香なふくらみ、キレがいい "南方 純米吟醸" は和歌山世界一統の酒。
えっ今宵はこれで終いかって?だって帰ってラグビー観なくちゃね。 

東京地下鉄・東西線 西船橋~中野 30.8km 完乗 

 

ジュリーがライバル / 石野真子 1979


Osaka メトロに乗って 雨の御堂筋 御堂筋線を完乗!

2018-03-26 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

中百舌鳥駅前でほろ酔いになったら、地下鉄御堂筋線で都心に戻ろう。

午後降ったこぬか雨もやんで、家路を急ぐ人が手にする傘も乾きはじめている。

この時間帯になかもずを始発する電車はガラガラですね。
天王寺から混み始めた車内は、難波ですし詰め、ひといきれに堪らず心斎橋で降りる。

冷たい風が吹き込む階段を駆け上がると、梅田から難波を南北に貫くメインストリート。
光溢れる御堂筋も、シンボルのイチョウ並木に葉がなくて寂しげだ。 

梅田、新大阪と抜けて江坂から北大阪急行線に入る。
ひっそり乗務員が交替するだけで、電車は何事もなく走り出す。 

江坂から3区間走ると終点の千里中央。
大阪万博の輸送に活躍した北大阪急行、今ではニュータウンの足に欠かせない。
ホームを見下ろす地下1階にはカフェなんかもあって洒落ている。
千里中央は住みたい街ランキングの上位常連の様ですね。 

梅田に戻ってホテル近くの「西屋」で仕上げの一杯。若い兄さん達の対応が心地良い。
この辺りまで来ると、通りは「新御堂筋」という名称になっている。 

 

はじめまして、岡山は真庭市勝山の酒 "御前酒(ごぜんしゅ)" をいただく。
Cry Baby 無濾過生原酒はジューシーで余韻が楽しめる酒、"お造り3点盛り" に合わせる。
しめ鯖が美味しかったな。 

 

"純米吟醸 秋鹿" もはじめまして。大阪・能勢町の酒は、キレもある旨みの超辛口だ。
肴の "おろし揚げ出し茄子" が絶品なのだ。
心地よいお店と旨い酒肴に巡り合って、ご機嫌な御堂筋の週末なのです。

大阪市営地下鉄・御堂筋線 なかもず~江坂 24.5km 完乗
北大阪急行電鉄 江坂~千里中央  5.9km 完乗

Stranger in Midosuji / The Ventures