太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

慣れる、って、それ?

2020-02-12 08:01:53 | 日記
私はスーパー方向音痴である。
・地図を読むとき、ぐるぐる回す。(結局まわしても読めない)

・日本では地下道(道の反対側に出るだけだが、出口がいくつもある)で、
出たい位置に出られる確率が少ない。

・東だ西だと言われてもわからない。
たとえば「その建物の東側だよ」と言われて「それって右?左?」と聞く。

・覚えた道順は、何があってもその道順でしか行けず、応用ができない。
日本で、引っ越したばかりのアパートに帰るのに、途中が工事中で迂回させられ、
ほうほうのていで辿りついた。

・生まれ育った町で、映画館から出てくると、左右どちらに行けば帰れるのかしばらく考えなければならない。

と、まあ、こんな具合。
頭の中で描く地図は、たいてい間違っている。
それならカーナビゲーションをつければいいのだけれど、
方向音痴のくせに、カーナビが好きじゃないときている。


先日、ホノルルに用事があった帰りに、日本食スーパーに寄ろうと思い立った。
そのスーパーは街のはずれにあって、夫の運転で数えきれないほど行っている。
自分でも何回か行ったことがあるが、それはいつも家から行くのであって
どこかの帰りに寄ったことはなかった。
自分の運転で反対側から行くのは初めてだけれど
ディリングハムという大きな通りに面しているので、間違いようがない。

ワイカミーロ通りを下りてゆくと、ディリングハム通りと交差しているはず。
だが、ディリングハム通りは出てこない。
私の脳は言った。

「ディリングハム通りは、たしかキングストリートが途中で名前が変わって
ディリングハム通りになるんだよね」

じゃあ、キングストリートを左折すればいいわけだ。
ところが、どうも様子が変だ。
KFCがこんなところにあるはずがない。
これはきっともう1本手前の道を左折すべきだったのでは・・・
そこで私は適当な交差点を左折し、あわよくばその道が正しい道に通じている可能性に賭けたが、
道はどんどん狭くなり、曲がりくねって、一方通行ばかりになって、
自分がどっちに向かっているのかもわからなくなった。

やっとのことで、元のキングストリートまで出て、
なんとか無事にスーパーに行くことができた。
あとでわかったことだが、ディリングハム通りは、名前が変わることは変わるのだが
それはキングストリートではなかった。

その日、その話を夫にしたら、夫が言った。

「そろそろ慣れたら?」
「静岡市でだっていまだに迷うんだよ?」
「いや、そうじゃなくて。
そういう自分に慣れたらどうか、って言ってんの
あ、また迷っちゃった、あははー、これが私♪
あれー。ここはどこなんだろうー、うふふー、これが私♪」

夫は楽しそうに節をつけて、そう言うのだ。
小憎らしいったらない。
私が慣れるべきは地理じゃなく、こういう自分なのか。
それは的を得ているだけに、これまたこづらにくい。




私が右だと思ったら、それは左だ。
私が、ここはこっちにつながっていると思ったら、それは間違いなくつながってない。
私の脳は、平気で勘違いを覚えている。
それなのに、私はこの期に及んで、まだどこかで自分を信じており、
迷い続けているのである。