太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

今日も私は中州にいる

2023-10-17 09:25:22 | 日記
多くの人が知っていることを、私は知らない。
今始まったことではない。小学1年の父兄面談のとき、担任の先生に
「シロちゃんにもっといろんなものを見せてあげてください」
と言われた母は、
「あのときは顔から火が出そうだった」
と言ったものだ。
外出好きだった父は、週末ともなれば家族を車に乗せていろんなところに出かけたし、長い休みには温泉や遊園地にも連れて行ってくれた。
しかし、温泉旅行で私が覚えているのは、電柱の下に干からびたカエルがいたこと、といった具合で、自分が興味があるものしか見えていないようなのだ。

昨日、ハワイにいる日本人の友人からLINEが来た。

「知らないと思うけど、谷村新司さんが亡くなったよ」

もちろん、知らない。

「高橋ユキヒロさんも、鮎川誠さんも亡くなったよね」

それも、初耳。アリスはよく聞いていたし、シーナ&ロケッツだって知ってる。そうかあ、チンペイさん、亡くなったのか・・・・・

「一応聞くけど、坂本龍一が亡くなったのは知ってた?」

ハワイでも日本の有名なコンポーザーの死去ということで話題になったから、そのぐらいは知ってる。

そのあと、日本にいる友人に

「もうすっかり日本のことはわからないよ」

と言ったら、

「でもさ、日本にいた時からだよね・・・どこかズレてるよね、いつも」

と言われた。
まあ、そうなんだろう。

これも昨日、定時より早く帰る同僚マネージャーが、
「RとJって、今日一緒にクロージングじゃない?」
職場は5時半にゲートを閉めるが、ほとんどの従業員は5時に終わり、マネージャー、プラス二人が5時半までの勤務になり、それをクロージングと呼ぶ。

「そうだけど、それが何?」
「あの二人、どうなってんのかなーと思って」
「どうって?」
「親密だってことよ」
「えーー!ほんと?」
「Rは最初はTと仲良かったんだけど、今はJとコソコソやり取りしてて、Tは傷心なのよ」
「えーーー!Tと?なんでそんなこと知ってんのよ」
「だって噂話に出てくるよ」
「私はどこにいたのさ?」
「ん~、シロは働いてるんだよ、そういうとき」
「ふーん、まるでティーンエイジャーみたいなことが起きてんだね」
「だからさ、今日帰るときにさりげなく二人をチェックしてみてよ」



私はみんなのことを好きだけれど、正直なところ、誰が誰とどうなろうが私にはどうだっていいことだ。
だから、RはTともJとも気が合うんだなと思うだけで、その先には興味がいかないのだと思う。
休憩時間は、一人で読書するのが好きだし、手持ち無沙汰なときは、おしゃべりするより体を動かしているほうがいい。
職場の人間関係は、表面5ミリと最初から決めており、他人のドラマに首を突っ込むのは御免だと、どこかで思っている。


私はみんなと同じ時間だけ同じ場所にいて、それでも情報は私を飛び越えて行きかっている。
私はどこにいても、情報の中州にいて、それは死ぬまで変わらないと思うのである。