マイタのブログ

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ややこしや。

2009年09月27日 | うんちく・小ネタ

久しぶりに読み物でも・・・と、本棚から引っ張り出してきた書物が面白くなく、自分で言うのもなんですが、どうしてこんな本を買ったんだろうと不思議に思いながら元の場所へ。

しょうがないので酒税法でも読み直すかってんで、平成18年3月31日に改正された文書に目を通したりして。こりゃ とてつもなく暇だった証拠ですな。

それにしても読み難いというか、理解に苦しむ箇所が所々ありますなぁ。自分の頭の悪さ、読解力の無さを露呈するようで恥ずかしいんですけど、どうしても知りたい部分が見つけられないので、後日電話して解説してもらおうっと。

それ以外の雑学としては・・・ あぁそうか、ビールは醸造酒扱いじゃ無くなったんでしたね。「発泡性酒類」とは良く考え抜かれた名称ですな。って言うか、そのまんまですが。

フムフム、この税率からすると、現在のビール350ml缶1本当たりの酒税額は77円になるのかな?同じく発泡酒は約47円、その他の発泡性酒類(第三の・・・ってヤツでしょうか)が28円かぁ、あくまでも私の計算が正しければの話ですが。ここに消費税やパッケージ、流通その他にかかる経費が加算されるんですから、原材料費をいかにして抑えるかがメーカーさんの腕の見せ所なのでしょう。輸入原料への依存度が高まるのは無理からぬこととお察しいたします。

それにしても、文中「~で次に掲げるもの以外のものを除く」との記述は、「次に掲げるものに限る」という表現ではいけないんでしょうかねぇ?嗚呼ややこしや。

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酒屋オヤジのノーガキ。

2009年02月27日 | うんちく・小ネタ

… H木社長は、減っていく日本酒の消費量とともに日本古来の文化が衰退していくことに大いなる危惧の念を抱いてきた。それは、日本酒が日本固有の酒であるように、その原料である米もまた大事なものであるからだ。「日本は米をつくるために選ばれた国である」 との長崎 明・元新潟大学学長の講演に感動したH木社長は、日本文化を守るため酒と文化にこだわる酒づくりを常に提案してきた。

 日本の穀物で単位面積当たり一番収穫が多く、連作障害もない。しかも、食べ物としても栄養のバランスがいい。日本の河川は雨が降れば滝のようになるが、水田があることによって洪水を防ぎ、肥沃な土壌が海に流れ込んでしまうのを防いでいる。自然と農村の景観の点で問題になっている、減少する棚田の保全・管理についても、米を食べて日本酒を飲むことが一番の後押しになる。

 H木社長は、一酒造メーカーのエゴからではなく「日本酒の消費が現在の倍になれば百万トンの米を使うことになり、余剰米を清酒だけで吸収できる」 と指摘する。

                                    (2002年の記事より抜粋)

新潟の酒造界では変わり者呼ばわりされてきた、私が大好きな蔵元さんのお話しです。7年経った今も残念ながら日本酒もお米も消費量は上向きにはなっていないようですが、日本酒をこよなく愛して下さる方々がいらっしゃいますから、決して悲観したものではないと思うんですよね。フランスにおけるワインも、ドイツでのビールも然り。今は世界的に「国酒受難の時代」なのです。若い人たちに その良さを理解してもらうには、我々酒屋、いえ私はまだまだ努力が足りないようです。「若い人たちの飲食の選択肢から日本酒や和食が除外されている」 といったお声をちょくちょく耳にしますからねぇ。もちろん迎合するつもりなどサラサラありませんが、このままじゃイカンですわ。

文化とか何とか難しいことは置いといて、適量飲酒で陽気になって家族円満、明日も頑張ろうって みんな楽しく過ごせたら きっと世の中もっともっと明るくなるだろう… そんな夢を持って酒屋をさせていただいております。「本物の酒」や「幻の酒」なんていう言葉に興味はありません。お客さんは「飲んで旨い!」が一番だと思いますから。ただ、汚染米を使っていた焼酎も発覚するまでは「旨い」と言われてかなりの量が飲まれていたのも事実。味だけで判断すると、時として怖い思いをするかも知れないということが実証されたのは記憶に新しいところ。まぁ こういうことは初めてじゃないですけどね。

とにかく、今まで以上に自店でおすすめするお酒の中身について熟知しなければ…と思っております。そんなことで、取り扱い銘柄が少ないことはご容赦くださいませ。さらに厚かましくも、マイタのブログをご覧の皆さまには、日本酒とお米の消費拡大にお力添えいただけたら幸いです。

以上、汚染米問題が風化しそうなこの頃だからこそ、襟を正さねば…と感じる42歳の春でした。

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精米歩合

2007年10月27日 | うんちく・小ネタ

本業は何なのか忘れられそうなので、たまには酒屋らしいお話しをひとつ。

お酒を造るときに原料のお米を削ります。これは、お米の表皮や胚芽に多く含まれているタンパク質や脂肪を取り除くためで、これらの成分が多く残っていると酒の味や香りに好ましくない影響があるので、高品質のお酒ほど『より多く削って小さくなったお米』で仕込みます。このとき、どのくらいまで削ったかを知るのに精米歩合という数字が用いられ、玄米重量に対する削ったあとの白米重量の割Photo合で示します。

簡単に言うと、100㎏の玄米を削って60㎏の白米が残れば「精米歩合60%」ということになります。 ただし、お米には等級があり、すべてが同じ条件ではありません。一般論ですが、①・等級の高いお米は粒がきれいに揃った玄米ばかりが入っているものが多く、②・等級の低いお米は未熟粒や組織のもろいお米、砕けたお米などを多く含んだものもあります。②の場合、精米中に壊れて粉になってしまうものが多く含まれてることになりますが、仮に100㎏の玄米のうち15%が粉になる(使えない)としたら、85㎏の玄米を精米したのと同じことになってしまいます。それでも50㎏の白米が残れば「精米歩合50%」という表示をしてもいいことになってます。

だけど、85㎏を削って50㎏になったんだったら、50÷85=0.5882・・・で本当の精米歩合は約59%なんですよね。006_2

ですから、①のお米でほとんど全部がきれいに白米になった場合の精米歩合60%と、②の精米歩合50%(本当は59%)のお酒が並んでたときに、数字だけで判断すると誤った選択になってしまうかもしれません。精米歩合の数字が小さいほど高品質と思われがちですから。

なんだか細かしい話で恐縮ですが、一部のお酒には精米歩合の表示が義務付けられておりますので、もしラベルなどに記載されてる数字を見つけた場合、この話を思い出して下さい。そして、「お酒の評価は飲んでからにしよう」と、ご自身の味覚で美味しいと感じるお酒、美味しいと感じる飲み方を見つけていただけたら、酒屋としてこんなに嬉しいことはありません。

なお、文中分かりやすく表現するために大雑把な部分があります。『マイタのブログ』を見て下さってる業界人の方々にはその辺はあらかじめご了承願います。

あっ そうそう、蔵元さんに断りもなく勝手にラベルの写真載せちゃいましたけど、いい意味での見本ですのでご安心してお召し上がりください。

金鶴は高品質のお酒です。

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ちょいとウンチクを、

2007年09月14日 | うんちく・小ネタ

 日本で十二種の動物にたとえられている十二支は、古代中国の天文学・暦学から生まれたもので、本来は一年の月の記号です。その十番目にあたる「酉」は、わが国ではトリと読まれていますが、元来壺の形を表す象形文字で、酒を意味しています。

 古代では一年の始まりを冬至に置いていましたので、十番目の酉の月は今の九月末から十月の頃となり、新穀が収穫されて新酒が醸される月であったことを表しています。つまり、十月は古来 酒の月でした。

 現代でも十月は新穀が実る月であり、酒造りが始まる月でもあります。明治年間の酒税法制定以来、十月~九月を以って酒造年度とされていました。こうした歴史を受けて、酒造家の中では、十月一日を「酒造元旦」として祝う風習が残っているところもあります。

 通常日本酒づくりは、晩秋から厳冬、早春にかけて仕込が行われ、併行複醗酵(糖化とアルコール醗酵が同時に進行すること)という日本酒特有の醸造方法によって新酒が誕生します。新酒には、若く澄んだ爽やかな味があります。さらに全部の仕込みが終わると、新酒を次々に火入れ(低温加熱殺菌)して貯蔵タンクに囲い、涼しい酒蔵の中で夏を越させます。酒蔵で静かに息づいてる酒は、ゆっくり完熟して秋口には香り、味ともに芳醇な酒となります。

 このように日本酒は、冬から春、夏から秋へと日本の四季の移ろいとともに生まれ育つ酒で、日本独特の気候風土が生み出したものです。豊かな自然の恵みと日本人の知恵の結晶が日本酒であるといえるでしょう。わけても、十月は全国に海の幸、山の幸があふれ、日本酒が本当に美味しくなる月です。

 日本人の文化資産ともいえるこの日本酒を正しく引き継ぎ、後世に伝えるという想いを新たにするとともに、一層の愛情とご理解を… という願いを込めて、日本酒業界では一九七八年に『十月一日は日本酒の日』と定めました。

                                        酒造組合の冊子より

Img_0859 ふぅ~ 長文ですな。いささか疲れましたが、私この文章好きです。

みなさんも明日 会社で使えるウンチクとして、どうぞ活用してください。

「ネタとして使うためには 細かい部分をもっと詳しく知りたいな…」と仰る方は どうぞお気軽にお尋ねを。メールでも電話でもいいですよ。もちろんご来店いただければ一番いいですが。なーんちゃって、質問されても答えられなかったりして… その時は笑ってごまかしますので予めご了承願いまっす。

ちなみに、十月一日は我が家の息子の誕生日でもあるのですわ。きっと将来は大酒飲みになることでしょう… 母親に似て。 

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