19. 難波潟 短き芦の ふしのまも
逢はでこの世を 過ぐしてよとや
伊勢(9世紀後期~10世紀前期)
「芦の短い節と節の間のように、ほんの少しだけでいいからあなたにお逢いしたいのに、それも叶わずにこの世を終えてしまえとおっしゃるのですか」と詠んだ作者伊勢は、15番の歌の作者光孝天皇の子で第59代宇多天皇の后、温子(オンシ)に使えた美しい女官です。
お后の弟の藤原仲平(ナカヒラ)と恋仲になるも棄てられ、今度は仲平の弟時平(トキヒラ)に愛されるも又別れ、女官も辞めました。
しかし、宮中にすぐに呼び戻され、元上司温子の旦那になる宇多天皇に愛され、子供も産んでいますが、最後はその産んだ子の異母兄になる宇多天皇の別の皇子と結婚していると言う、恋多きと言うか多情な女性です。
私は幼児教育のおかげか、高校の頃にかぶれた山本周五郎の影響か、「貞女は二夫にまみえず」思想がこびりついていましたが、年齢を重ねるにつれて歴史も現実もそんなものではないことがよく判ってきています。
奈留島の高齢女性も、けっこう何度も結婚されていますね。
19. 鈴ノ浦 長き百合の くきのまも
逢はでこの夏を 過ぐしてよとや
がき・の・のまも・逢はでこの・を・過ぐしてよとや 19字同じ
奈留島の西の外れの半島である鈴ノ浦の海岸には、夏になると鬼百合の花が咲き誇ります。
他にも奈留島中に鬼百合は咲いています、この花が咲く頃には雲丹の身がたくさん入っていて採り頃と言うそうですが、鬼百合の咲く頃にはもう雲丹の季節は終わっているような気もしています。
鬼百合の茎はひょろっと長いですが、そんな長い茎と同じくらい長く、家内は昨夏は京都に帰っていましたが、今年の夏も同じように長く京都に帰ってしまい逢えずに暮らすのでしょうか、と未練がましくまたまた嘆きの歌になってしまいましたが、なかなか上手に出来たようです。
返事
花水木さん:ここで珈琲いいですね!暑いブラックをお願いします。
島の人は缶コーヒー、それもジョージアの甘いのが好きですね。
喜珍さん:感想は控えます・・・。
あ、歯で この世を すぐしてよ とや
短い足のふ。。。なんちゃらさんが、
歯医者に行って、歯型を、とって、
できるだけ、はよー歯をいれよと
せかしているような、多忙なうたです。。。
おしょまつーーー!
・・・漂着ごみ回収のいたちごっこに疲れ果てて読みける
難儀やな 短き夢と 不知の間に なんでこの世を 生き急ぐかな
・・・いつの間にやら人間(じんかん)五十年と信長が詠んだ年に、何歳まで生きても、その時には「あっちゅう間やったなあ。」と思うのでしょうねえ。