地獄見たさに今回のトレイルに挑戦したTさん。
2日目、僕はもっと早くスタートを切りたかったのですが、Tさんは寝ないと回復しないような顔つきでした。
つつじヶ丘というくらいなので、つつじが咲き乱れるのかな?
この階段を上がって行きます。
登山道はしっとりと濡れていて蜘蛛の巣と耳元に来る小さな虫、所によりアブの襲撃を受けます。
道標と言えないレベルのパウチされた案内標識はもう使い物にならないレベルとなっています。
展望台です。
けっこう時間がかかってやっとルートに乗りました。
始まりました篭岩(かごいわ)の鎖場です。
篭岩山頂。
今日も展望は無しかと思った瞬間、
あらららら、突然目の前が開けました。
切れ落ちたぞくぞくする足元とは裏腹に、吸い込まれるような濡れた緑があまりにも美しいのです。
ここにだけホトトギスが咲いていました。
男体山に取り付きました。
奥久慈男体山到着。
茨城百景。
健脚コースは登りに使うべきです。
Tさん上手いです。
やっと鎖場を抜け、いつものアップダウンに変わりました。
一般道に出ました。
16時50分、再び山中に引き込まれていきます。
Тさん遅れています。
木々に囲まれた長福山山頂。
薄暗くなったところでお寺の階段が出てきました。
もう真っ暗です。
普段なら水をあげたりもらったりは山では絶対的にタブーです。なのでギリギリまで我慢していたのでしょう。
19時、C32ポイントを通過しました。
歩行距離 19.1km
初日は日没を迎えてしまいましたが、とりあえず目標とする道のりは踏破できました。
僕が思うにTさんは体力もあるし、身体能力も高いと思います。
5歳年上なので僕があと5年経ったらこの気力が残っているかどうかわかりません。
2日目、僕はもっと早くスタートを切りたかったのですが、Tさんは寝ないと回復しないような顔つきでした。
宮川コミュニティセンターで夜を明かしたので移動しなければなりません。
車2台攻撃です。
1台をゴール地点の袋田駅に、もう1台はスタート地点のつつじヶ丘駐車場(篭岩分岐から進みます)にデポします。
朝、5時30分起床。
朝食を簡単に済ませ、準備を整えます。
ところが全然Tさんの車内に動きなし。
窓を叩いて起こします。
これ以上は遅くなれないぞ、というところまで寝かせておきました。
10分で車を出してきました。
いろいろ忘れ物があったみたいです。
やはり前もっての準備は大切ですね。
つつじヶ丘というくらいなので、つつじが咲き乱れるのかな?
登山口はこの下の舗装路を右手に行った先からでした。
この階段を上がって行きます。
登山道はしっとりと濡れていて蜘蛛の巣と耳元に来る小さな虫、所によりアブの襲撃を受けます。
道標と言えないレベルのパウチされた案内標識はもう使い物にならないレベルとなっています。
ストックの先でめくってみます。
展望台です。
展望はなし。
けっこう時間がかかってやっとルートに乗りました。
小さいけれど急登のアップダウンは疲労を蓄積させていきます。
今日も一日長いので長距離マラソンの感覚で完走目指して歩き始めます。
始まりました篭岩(かごいわ)の鎖場です。
なんせ濡れているのでけっこう滑ります。
ここは慎重に。
篭岩から男体山まではこんな地形です。
なので今日は二人ともしっかりとした登山靴で望みます。
篭岩山頂。
なんとここまで2時間超えです。
思っているよりも時間がかかっています。
とにかくコースタイム通りに歩けていません。
今日も展望は無しかと思った瞬間、
あらららら、突然目の前が開けました。
そうそうこの感じ。
これぞ奥久慈。まるで西上州に居るかのような気分になります。
切れ落ちたぞくぞくする足元とは裏腹に、吸い込まれるような濡れた緑があまりにも美しいのです。
ここにだけホトトギスが咲いていました。
男体山に取り付きました。
634m、スカイツリーと同じ高さという看板がありました。
奥久慈男体山到着。
コースタイム通りに登ってみると、けっこうこたえました。
茨城百景。
せり出した祠が凄いのです。
健脚コースは登りに使うべきです。
特に雨の日の濡れた岩はグリップしません。
しかし、今日は下るしかありません。
Tさん上手いです。
あまりにもスムーズな下降にちょっと驚きです。
僕は鎖をまたぐ時に両足のグリップが外れ、鎖の支柱に股間を激突させるという事件を起こしました。
幸いにも問題ない部分を強打しただけで済みました。
やっと鎖場を抜け、いつものアップダウンに変わりました。
歩いてきた稜線が見えます。
とにかく暑い、辛い、滑る、のオンパレードです。
あまりの疲労感にC42ポイントで座り込みました。Tさんのスピードが落ちてきました。
今日は昨日よりも距離は短く設定してありますが、明らかに袋田駅まで歩き切ることは不可能となりました。
最後に切れ落ちた急峻な岩尾根を抱える山「鷲の巣山」をヘッドライトで乗り切るにはあまりにも危険です。
この時点での時刻は15時30分、リタイアするにしても相当な距離を歩かないと西金駅に到着できません。
西金駅に降りるか、あと少し頑張って長福山を越え、上小川駅にエスケープするかの二択になりました。
どうせならコースから離れず、次に繋げやすい上小川駅を選択したい。
Tさんの様子はもう限界に達しそうでした。
『さあ行きましょう』腰をあげ覚悟を決めたらすぐに行動です。
一般道に出ました。
しばらく舗装路を歩きます。
とぼとぼと歩き続けるTさん。
頑張るんだ。
16時50分、再び山中に引き込まれていきます。
奥に進むと長福山へ登る駐車場がありました。
林業も行われていて、伐採した木を運ぶキャタビラーが置いてありました。
その脇を登りつめると、長福山へ登る分岐となります。
足元はドロドロだし、アブが凄かったです。
僕は手の甲にガッツリ喰いつかれ、Tさんも全身に攻撃を受けていました。
Тさん遅れています。
頑張れTさん!
木々に囲まれた長福山山頂。
ここに来るまで、いくつものニセピークを越えます。
あそこか?あそこか?と思わせておいてまたその奥、その奥と7~8回騙されました。
とにかくやっと着いた感じです。
Tさんもだいぶ遅れて到着です。
『この先日没は確実です。ヘッドライトを用意しておきましょう』
Tさんは置かれている現状がよく理解出来ていない表情をしていました。
もしかして地獄に行きかけてる?
そこからは再び森に入っていきますが、もうのんびりもしていられません。
少し引っ張るようにスピード上げます。
薄暗くなったところでお寺の階段が出てきました。
なかなか長い階段で、これを降りている途中で日没を迎えました。
もう真っ暗です。
Tさんは必死のようですが、なんか様子が変です。
僕『大丈夫?』
T『なんか目が見えなくなってきて』
僕『それ熱中症じゃないの?』
T『いやいや、違うと思います』
僕『水は?』
T『これしかないから』と言って見せてくれたボトルには指2本分しか残っていませんでした。
どうやら昨日のイメージで用意したらしく、ギリギリの量でした。
さらに500ml1本車に置いてきたらしく、水をあまり飲んでいない状態でした。
それに気がついていたら山には入らなかったと思います。
Tさんは脱水から来る熱中症だと思います。
普段なら水をあげたりもらったりは山では絶対的にタブーです。なのでギリギリまで我慢していたのでしょう。
さすがに『よく目が見えない』と言う危険な状態なので、僕の口をつけていないスポーツドリンクを半分あげました。
これで回復するといいなぁ。
ついに『地獄を見ました』と、Tさんは言いました。
それは良かった。希望通り地獄を見れて。
それは良かった。希望通り地獄を見れて。
願いがかないましたね。
そういう僕もここのところ毎回「地獄行きバスの運転手」みたいになっています。
僕だってつらいのですよ。
19時、C32ポイントを通過しました。
ここで一旦区切りを付けることにしました。
ここから「上小川駅」までさらに歩きます。
時間的にもまたもやギリギリです。
途中にコンビニがあるので、ドリンクとアイスを買いました。
Tさんの胃というか身体全体に染み込んだこと間違いなしですね。
Tさんの思考回路はすでに麻痺していて、訳の分からない勘違いをしていました。
どうやら本当に地獄を見たようです。
その様子を知ったE君(ゼロ富士達成のときのバディ)は『変態同盟にようこそ。これでTさんも立派な構成員ですね』とたいそう喜んでいました。
うちの女房はTさんに『(地獄から)帰ってこーい!』と言ってました。
Tさん、このたびは「地獄への旅」にご参加下さいまして、ありがとうございました。
またのご利用をお待ちしております。
歩行距離 19.1km
累計標高差 +1,582m -1,737m
所要時間 12時間15分
59,000歩
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