TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

スノーカントリートレイル⑦ 逆桜~まつだい駅 4日間110km 1日目その2

2019年08月31日 | Weblog
しばらく低木を背にし、濡れた草の上にしゃがみこんでいました。
どうせずぶ濡れだから、もうどうでもいいです。

20分ぐらい補給食を食べたり、データを確認したりして雷さまが通り過ぎるのを待ちました。
『そろそろいいかな?』
立ち上がって歩き出すと、雷鳴は遠のいて行ったようでした。

15時53分「平標山の家」に着きました。
『こんにちはー、予約していた高橋です』
小屋番さんかな?お2人で将棋をさしていました。チラっとこっちを見ただけで将棋に夢中です。
お若い女性スタッフが『はーい、お疲れ様でした』と言って迎えてくれました。

『すみません、乾いているところが1箇所も無いんです』と言うと『隣が避難小屋になっているので着替えに使ってもらってかまわないですよ 』と教えてくれました。
今日はどうやら僕1人のようです。
『もう好きにやって下さい』と言ってくれました。

誰もいない避難小屋で濡れたものすべてを干して乾いているものに着替え、やっと落ち着きました。
避難小屋の内部は僕の濡れもので盛大に飾られています。

小屋に戻ると『高橋さん、夕食はスタッフたちと皆んなでいかがですか?』と若旦那が声をかけてくれました。
『えーいいんですか?それは嬉しい』と答えました。

電話に出て予約を取ってくれたり、雷の中の連絡で優しく受け答えしてくれたおばあちゃん(ピンピンしてるので年寄りではないです。立場的におばあちゃんというだけ)がニコニコして出てきて最後にテーブルにつきました。

僕、若旦那、到着時に向かえてくれたのは若旦那のお嫁さん、おばあちゃん、そして将棋の相手はなんと若旦那のお友達。
そのお友達というのが、なんと若旦那が「四国お遍路」の旅で知り合った人らしいです。
なんだかスタッフとは違う感じだなーと思っていたら、そういうわけでした。
たまに遊びに登ってくるんだそうです。
素晴らしい友達が出来ましたよね。

その後は僕がやっているスノーカントリートレイルの話からお遍路の話、ここに来るお客さんの話、若旦那のヤンチャ時代の話、真面目な人と人との出逢いの話などで消灯の21時まで話し込みました。

とてもとても貴重な時間を過ごさせてもらえました。

お嫁さんがデザインした「たいらっびょう のTシャツ」を買いました。
2,500円で僕にはちょっと可愛いデザインでしたが、気に入って買いました。

さて、布団は「極薄せんべい」でしたが、横になると疲れをスーっと吸い取ってくれる魔法のせんべい布団でした。

翌朝、メモを残して3時30分予定通り小屋を出ました。
天候は曇り、怪しいぐらいの夜のとばりです。

さあ、2日目の始まりです。
この2日目さえ乗り切れればこの4日間の旅は成功したも同然と言えるほどの鬼門となります。


2日目その1へ続きます。

1日目
歩行距離 20.4km
累計標高差 +1,729m -657m
36,900歩
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スノーカントリートレイル⑦ 逆桜~まつだい駅 4日間110km 1日目その1

2019年08月30日 | Weblog
いよいよ僕らの夏休みがやって来ました。
かねてから計画していたスノーカントリートレイルの4日間連続ハイクを実行することにしました。

さて天気は?
『おお、なんと全部雨じゃ』
普通の山行ならばやめてしまうところですが、僕には「ある狙い」がありました。

『雨ならば涼しいはずだ』
前回の熱中症によって脚がつってしまい、さらにふらつきや秒速5センチという歩行スピード、そして声が出なくなってしまった経験から、猛暑恐怖症になっていたのです。

さらに持参した「塩」を紛失してしまう決定的な失態を犯し、事態を悪化させた反省もありました。
ある時から頻繁に脚がつるようになってしまい、大量の汗をかく時は「塩」を舐めながら登るという猛暑対策を試すようになり、これがかなりの効果を上げていました。

『迷うことはない、行くのみ』
固い決心のもと実行を決断しました。

まずいつも通り前夜に出発します。
今回は赤城高原SAで夜を明かしました。
日付をまたいで30%割引を賢く利用します。
なんてったって5,000円が3,500円になっちゃいますからね。

ちょっと早起きして「上毛高原駅」の駅前駐車場に停めました。
1日1,000円で5日まで連続駐車できます。
あとで気がついたのですが、道を挟んだところに1日500円というところもありました。
うーん、気がつきませんでした。

4時30分起床。
トイレ、朝食を済ませ車を走らせます。
6時に「上毛高原駅」に到着しました。
天候はやはり雨。

猿ヶ京行きのバスで「逆桜」までアクセスします。
始発は7時30分です。
しっかりとした雨支度ではなく、足元を濡らさないための極薄レインパンツにとりあえずのトレッキングシャツ、その下に撥水性の下着、帽子は雨用だと蒸れ過ぎるので軽く撥水スプレーを施した一番つばの大きなものを身につけました。

乗客は僕と部活に行く高校生3人組だけです。
途中で高校生達が降ります。
ところが、両替せずに料金箱に乗車賃以上を入れてしまいました。「差額を友達に払ってね」とバスの運転手さんが言っています。
その友達というのも自分の料金を入れてしまい「あーだめだよ、だから入れすぎた分を引いて料金箱に入れて、あとで差額をさっきの子に渡すんだよ」と。

結局返金の手続きをするためにしばらく停車し、バスは大幅に遅れてしまいました。
自動販売機みたいにお釣りが出てくると思ったのでしょうかね。

23駅の乗車で「逆桜」のバス停に到着しました。
東屋があるのはここを起点にした南下するコースを歩いたので知っています。
ここでシャツを濡らさないように脱いでしまいまい、撥水性下着のシャツのみで歩き始めました。

8時03分「逆桜」スタート。

すぐに赤谷湖が現れます。
低い雲が周辺を漂い、無風でグラッシーな湖面が灰色の空を怪しく映し出しています。
とりあえず空からはまだ雨が降っていません。

9時55分、およそ2時間歩いて「三国自然歩道」の入り口に立ちました。
ここからは山道になります。
三国峠を目指します。
その延長線上に本日の目的地「平標山の家」があります。

スノーカントリートレイルのマップによると「長岡藩士の墓よりも低標高の場所にはヤマビルが生息していますのでご注意ください」とあります。
『そうだった。塩水スプレーを用意するのを怠った』と思いましたが、あとの祭りです。

よく「ズボンの裾を靴下の中に入れるといい」とか、「厚手のストッキングを履く」とかいろいろ対処法がありますが、どれも確実ではないので『その時はとの時さ』とばかりに突っ込んで行きました。

やはりヒルが気になってズボンの裾を時々確認しながら歩いて行きました。

『なんか動いてる、うわっヒルだ』
ついに這い上がって来ました。
カッパのズボンをクネクネと動く薄茶色の物体がいました。
ストックで叩き落とそうとしてもなかなか落ちてくれません。
さらにストックで擦り落とそうと思いましたが、よく見ると頭を突っ込んでいます。

『てめぇ、カッパを突き破ろうってか?』
すごい奴らだ。
そうだアレ、アレを使おう。
ディート2倍の虫除けスプレー噴射。
ポロっと落ちてくれました。
『よっしゃ効いたぞ』

その後、靴に3匹足首に2匹のヒルが僕を襲いました。
足首に付いたヒルは僕の血を吸っていたようですが、吸い始めだったのか溶血作用のある物質を僕の体内に送り込む前に僕にスプレー攻撃され、あえなく堕ちていきました。
もう1匹は丸々としてドリルのように頭を入れてくるところを僕に見つかり、スプレーを浴びて朽ちていきました。

11時16分、そんな中「大般若塚」に到着しました。
ついに空から雨が容赦なく激しく降り始めました。
ちょいと探しましたがスノーカントリートレイルの道標が見つけられず(まだ取り付けられていないのかな?)石碑を入れてチェックポイントの写真を撮りました。

ヒルに警戒しながらも「長岡藩士の墓」に到着です。
時刻は12時07分。
『ヒルはここまでだといいなぁ』

雨が強くなったり弱くなってりしています。
増水した沢が僕の足を止めました。
『足を置くところがないな、参った』
仕方がないので、水を被った岩に足を突っ込むことにしました。最小限のダメージで済みました。

12時35分三国峠。
ここから三国山に向けて低木の急登を行くことになります。
雨は土砂降りになり、容赦なく僕を襲います。
さらに雷鳴が⋯。
ついに前線が南下しはじめたようです。

風も強くなり、もう身体全体がぐっしょりと濡れました。
乾いているところはもう1箇所もありません。
ここからは稜線歩行となります。
さらに激しい雷鳴が僕の心の強さを試すように何度も脅してきます。

風も強くなり、薄いカッパを羽織りました。
びしょ濡れの身体に着るカッパといったら、生肉をビニール袋に入れるかのような感覚でした。
低い樹木の下で身を潜めること数回、さらに頻繁に雷鳴が響き急に冷たくなる空気が僕の不安をさらに掻き立てます。
『これは少し停滞した方が良いな』

スマホを取り出し「山の家」に連絡を入れます。
『もしもし、雷が酷いので少し停滞ようと思います。ちょっと到着が遅れます』と言うと『今日は降ったり止んだりですねぇ、気をつけて来てください。高い木の下にいないで下さいね』
割とのんびりした声に落ち着きを取り戻しました。

15時30分、雷の隙を縫って「三角山」の山頂を通過しました。
三角山は展望が良く、こんな天気じゃなければザックを降ろして一休みしたいところでしたが、 今はその展望の良さが逆に恐ろしいぐらいです。

三角山を越え、大源太山に向かうところでついに前線が真上を通過したようです。
雷鳴音は真上を通過中です。
そして僕は低木の中に身を寄せ姿勢を低くして待機することにしました。


その2へ続きます。
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24時間TV募金終了

2019年08月29日 | Weblog
今年も「つくばイオン」にて、皆様からお預かりした募金を全額寄付して参りました。

皆様の優しいお気持ち、たしかにお届けしました。

今年の募金金額は『10,449円』でした。
ご協力ありがとうございます。

そして画像の山田の顔、日本人には見えないですね(笑)黒すぎ。
その後、31周年のお食事会をしてきました。
もう2人とも食べ放題はやめました。
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開店31周年記念日

2019年08月28日 | Weblog
本日8月28日は、アトリエテインカーベルの誕生日です。
そして今年もまた松戸のミヤザ〇様からお花が届きました。
いつもありがとうございます。

ここのところ、思うことがあります。
この30年以上の年月をどう感じるか、これからをどうするか⋯。

僕はただただ毎日を自分の思うように、仕事すら遊びのように楽しい心で、大切に大切に精一杯生きていくだけです。
お客様は僕たちをとても大事にしてくれます。僕たちもお客様をとても大切にしています。

終わりのことは考えず、今出来ることを今楽しめることをやるだけです。
それが一日でも長く続くことを夢見ています。

毎日楽しいです。ありがとうございます。
そしてこれからも楽しみます。
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アヤメ平~尾瀬ヶ原

2019年08月28日 | Weblog
スノーカントリートレイル4日間110kmの興奮とダメージも冷めやらぬ今回の休日は、かねてから約束していたエンド〇くん夫婦と尾瀬に行きました。

エンド〇くんが当店のお客様として来ていただくようになって、もう軽く20年は越えたかな?
こうなると、ただの美容師とお客様の関係ではないような⋯。
髪を切りながら色々お話させてもらってますが、人生、仕事、遊び、家族について本音で言い合える関係でもあります。

そのエンド〇くん、嬉しいことに山に登るようになって、益々共通の話の深みが増しています。
毛を切りに来るのか、山の話をしに来るのかどっちだい? (笑)

ということで『こんど一緒にどこか良いところ登ろうか』とだいぶ前から話していました。
それが今日この日だったという訳です。

スノーカントリートレイルの続きもありますが、そこはちょいと一休みして今回は緩く楽しめる山に行くことにしました。
エンド〇くんの奥さんも一緒なので、辛すぎる山は避けて、ちょっぴり頑張ってたくさん感動してもらえる「尾瀬」をチョイスしました。

スノーカントリートレイル4日間から帰ると、溜まっていたお客様が毎日『待ってました』とばかりに押し寄せて下さいまして、連日のMAX営業でした。
片付けもろくにやってないので、もちろん尾瀬の用意もぜーんぜんやってませんでした。

仕事を1時間残業で終え、自宅に帰ってからまずスノーカントリートレイルで使った道具やザックを片付けていきます。
それから尾瀬の用意をし、自宅を出たのが22時30分。ちょっと遅すぎやしないか⋯。

今の時期、平日は鳩待峠までマイカーで入れると、たまたま前々日に来てくれたお客様のオオイ〇くんが言っていました。
さすがオオイ〇くん、知らなかったらバスで鳩待峠に入っていた事でしょう。それにしても駐車料金2,500円っていうのはまさしく「尾瀬料金」ですね。

4時15分に「道の駅 尾瀬かたしな」で待ち合わせることになりました。
途中で眠くなってしまい、軽く仮眠したので到着は2時を過ぎてしまいました。
2時間の睡眠時間です。
またやっちまいました。

寝床を作ってさっさと寝ますが、目覚まし時計もさっさと鳴りました。
きつかったけど、なんとか飛び起きました。
エンド〇くんはすでに起きていました。
ここから2台揃って鳩待峠に行きます。

車はすでに何台も停まっていました。
この時期は花もほとんどなく、紅葉には早いのでかなり空いています。
しかもアヤメ平に向かう鳩待通りでは誰にも会いませんでした。

気になる天気ですが、前夜はけっこうな雨でした。
朝には深い霧につつまれていました。
熊笹が下半身を濡らすので、はじめからカッパ装着です。

深い霧の中を進み、ジリジリと高度を上げて中原山に着きました。
ゆっくりペースですが、そんな登山を今日はしたいのです。
スノーカントリートレイルで毎回攻めの歩きをしてきたので、本当に心地よいです。
登山とは本来こうあるべきだと思いました。

やがて竜宮十字路につきました。
濡れた木道でツルツル滑りながら進みます。
危険な転倒も無く、なんとか尾瀬ヶ原に出ました。
奥さんも頑張りました。そして天気は奇跡的に晴れてきました。

竜宮十字路のベンチで食事をし、寝転んでみたりしながら尾瀬を満喫しました。
とても良い時間でした。

ここからは「山の鼻」経由で鳩待峠まで戻ります。広大な湿原を身体に感じながら歩き続けます。
それにしてもエンド〇くん夫婦、仲良しです。仲良しだと一緒に行動する方も楽しいですね。これからも一緒に山を楽しんで下さいねー。

僕は写真を撮りつつエンド〇くん夫婦を追いかけます。
やがて山の鼻に到着しました。
そこで皆んなでトイレを借り、ソフトクリームを食べました。
ちょっと元気になり、鳩待峠までの登りを頑張れました。けっこうなハイペースになりましたが、奥さんも遅れず付いてきます。

『お疲れ様ー』
やっと鳩待峠に到着です。
「尾瀬」の看板の前でご夫婦の記念写真を撮りました。
『はい抱き合って〜』そんな注文にも笑って応えてくれるエンド〇くん夫婦、いいねぇ〜。

さっ風呂。
二人とも温泉の用意はしてきてませんでしたが、着替えはあるので「花咲の湯」で入湯しました。
残念ながら食堂の営業時間は終わっており、移動して食事をする時間が無くエンド〇くんたちは子供たちが心配なので、そのまま帰って行きました。
僕はなぜかカレーが食べたくなり、たまたまあったカレー屋さんでお腹を満たしました。
最近はひとりで食事する事が得意になりました。

沼田から高速道路に乗り、上里でいつものように眠くなり仮眠しました。
最近は一度寝ないと帰れない身体になったようです。
遅くなっても事故を起こさないように帰ることが大事と自分に言い聞かせ、慌てないことにしています。

エンド〇くん、ありがとうございました。
そしてまた誘って下さいね。


おしまい。

歩行距離 18.4km
累計標高差 +947m
所要時間 8時間
34,000歩
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スノーカントリートレイル⑦ 逆桜~まつだい駅 4日間110km

2019年08月24日 | Weblog
総延長307kmのスノーカントリートレイル、完全踏破を目指して頑張っているわけですが、僕の夏休み4日間すべてを使って一気に駒を進めることにしました。

画像をご覧いただければ、なんとなく理解していただけるかと思いますが、山ばかりです。
現在、黄色線の部分を踏破したところです。

大きい山は越後駒ヶ岳、平標山(たいらっぴょうやま)、苗場山で、小さな里山もいくつも登ります。

それぞれに特色があり、大きな山はもちろんのこと里山は地元の登山者の支えが本当に素晴らしい。
そしてロングトレイルの良いところ、面白いところは、山に関係ない人とも出会えてお話できて、そして山とはちょっと違う文化にも触れられるというところです。
つまり、高山植物や絶景もあれば、寺社仏閣や史跡も回るのです。
大した事ないところでも、それはあくまで通過点で、次々と僕に訪れる興奮が止まりません。

みなさんお出かけされて『あー疲れた』って言いますが、僕は疲れるけど気持ちはもう次に向けられています。

それではこの4日間の出来事をここに記録して行きます。
編集し終わるまで、ちょっと時間がかかりそうです。
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慰霊/親戚の野郎どもと登る富士山

2019年08月14日 | Weblog
僕ら甥っ子同士(つまり従兄弟ね)も大人を通り越して立派なオッサン。
親も次々と天国に行ってしまいました。

母と叔父の新盆となる今夏、我が家式法事がこれ「慰霊登山」。

誰も行かなくたって僕は行く、そう決めていたけれど、我も我もと集まってくれた従兄弟同士。
こんな時いつも肩を叩き合い、握手を交わしてきた僕ら。

おのおの練習したりしながら準備を進めてきました。
今回は僕以外の全員が八合目の一泊としました。

休みが一日しかない僕は当然日帰りです。
出発時間を早めに設定したいので、仕事が終わり次第そのまま出発する方法を選択しました。
仕事は長引いて、予定より1時間遅れでの出発になりました。

前日に山で食べようと思っていた「カスタードの今川焼き」をしっかり自宅の冷凍庫にしまいっぱなしにしてしまう、うっかりミスも犯しつつペットボトルホルダーも忘れて来る始末でした。

よくやる「帽子」「ペットボトルホルダー」「ストック」「ヘッドライト」の予備は車に入っています。
カスタード今川焼きはあきらめて、ペットボトルホルダーだけザックに取り付けます。

普通の山は準備が簡単、アクセス簡単でいいですねー。簡単すぎてうっかりしました。

思いのほか首都高速が空いていて、22時過ぎに水ヶ塚駐車場に到着しました。
駐車場は7割ぐらいの駐車率でした。
さっさと寝床を用意して寝ます。
寝ようとすると若者の騒ぎ声が耳に触ります。
他の山ではありえない富士山現象です。

めんどくさいので睡眠導入剤を半分だけかじって服用します。
一応1時に目覚まし時計をセットして3時間の睡眠時間を確保します。

ところが何故か0時に目が覚めました。
こういう時は素直に起きた方が身体がだるくならない事が多いのです。

コーヒーを沸かしてポットに詰めます。
そしておにぎりを1つ食べます。

ふとタクシー乗り場を確認すると、なんと行列が出来ています。
そこにいた係の人に待ち時間を聞くと「約2時間」だと言います。
まずいです。非常にまずい。
とりあえずザックを最後尾に置き、最後尾のグループに声をかけておきます。
準備を整えて列に並び直します。

タクシーがなかなか来ませんでした。
このままだと集合時間に間に合わないです。
係の人に『相乗りさせないんですか?』と聞くと『お金の問題もあるので⋯』と言うだけ。
『それでは僕が交渉するので少人数のグループがいたら相乗り可能かどうか聞いていただけますか?』と言っておきました。

タクシー1台入りました。
4人乗りました。出発しました。
係『お次の方は何名様ですか?』と聞いています。
『3人です』と言っています。
きた!
ところが係の人はそれっきり相乗りの話はしてくれません。

ちょっと頭に血がのぼって係の人にアピールしに行きました。
『次の方3人ですよね、相乗りの交渉してOKだったらよろしいですか?』 と優しく強く。
すると『はい、そりゃぁもうどうぞ』と。

3人は家族連れです。
『申し訳ありません、相乗りさせていただきたいのですがよろしいでしょうか』
するとお父さんが『ああ、構いませんよ』と言ってくれました。

係の人に登山口までおいくらかかりますか?と聞くと『5000円ちょいというところでしょうか』と言います。
『では僕が2000円出します』と言いました。
お父さんは『あ、すみません』といっていましたが、ちゃんと計算して4人の割り勘に計算してくれました。
もちろん僕はそれを断りました。
『本当は全額僕が持ちたいぐらいです』と本当にそんな気持ちでした。

子連れ登山なようで、小さな女の子を連れていました。
小学二年生だそうで、なんと日帰りするんだとか。
いろいろお話しましたが、最後はその女の子が一番速いと言っていました。

タクシーが入ってきました。
僕が前に乗りました。
僕『今日はだいぶ混んでいますが、最近そうなんですか?』
運転手『いや、珍しいです』
僕『今日は2時間待ちと言われました。タクシーが何台出るというのは決まってるんですか?』
運転手『ガスのタクシーは燃料の補充が難しいので無くなるとおしまいなんですよ。この車はガソリンなので一旦降りてどこかで給油してくるっていうのが出来ますけどね。何台出るかはドライバーの気分によることが多いですね』
なるほど。

富士宮ルート五合目に到着しました。
相乗りさせて下さった家族連れにお礼を言って登り始めました。
時刻は2時になろうかという所でした。
この時間はいつもまわりに人はいないのですが、最近はなんだろう降りてくる人もけっこういました。

しかもほとんどが外国人です。
中にはビニール袋に水が1つ入っているだけの人もいました。
驚くことにヘッドライトを持っていない人もいます。真っ暗ですよ。
ビニールのポンチョで防寒している人、キラキラのレスキューシートを巻き付けている人、タンクトップにショートパンツの人。そして登山靴の人はほとんどいません。
驚きました。

そしてゴミがすごいです。
普通に空になったペットボトルやお菓子の袋、中には破れた衣類なんかも捨ててあるんです。
もちろん吸殻は当たり前です。
山小屋の前なんかゴミだらけです。
一番驚いたのはくわえタバコで登ってくる外国人グループ。さすがに注意しましたが、まったく通じていません。
日本人はやらないのに「世界遺産」になってから富士山は変わってしまったのです。

もうこの変化はきっと止められないです。
外国人入山者に対しての入山税を検討するべきだと思います。日本人にばかり協力金を求めても限界があると思います。

世界遺産になる前は登山者どうし挨拶もしました。
今は日本人かどうかわからないアジア系の人も普通に大勢いるので、挨拶はほとんど無しです。
山そのものが外国人に占領されてしまったように感じました。

そんな事を感じながら、悶々と登り続けていると先発隊が泊まっている八合目に到着しました。
ちょうど「郷ひろみの弟みたいな顔した従弟」が出てきたところでした。
今回の先発隊リーダーです。

話によると、登るのに時間がだいぶかかっている者が2名いたとのことです。
それでも初日は天気も良く、登山日和だったと思いますし、山小屋初体験でこれまた面白かったのではないでしょうか。
やがてメンバーが揃い、全員と握手を交わして健闘をたたえました。

午前5時をすこし回った頃、山頂に向けて出発しました。
僕は仕事疲れと寝不足からか、幾分身体が重いです。
ここまでようやく登ってきた弟と山頂を目指すことにしました。まさか弟と富士山に登れる日が来るなんて思いませんでした。

ここからはカッパ装着の雨山行となります。
結局この雨は上がらず、山頂での法事も辛い雨の洗礼を受けながらとなりました。
剣ヶ峰(3776m)に続く馬の背を登りきった時、従兄弟同士それぞれの熱い血潮が燃えたぎった瞬間でもありました。

叔母の時も辛い風雨の中でしたが、またもやこうなるとは⋯。
もしかしたらお盆で帰ってきた天国の母親たちの表現方法がこれなのかもしれません。不思議と誰も雨に文句を言いませんでした。

楽しみにしていた山頂での食事もあきらめ、下山することにしました。

いつの間にか雨もやみ、あんなに冷たく凍えた指先もいつの間にか温かさを回復していました。

カッパを脱ぎ、また楽な格好に戻りました。
のんびりゆっくり。
結局、全員が下山出来たのが16時過ぎでした。
みんなよく頑張ってくれました。そして、全員その達成感を噛み締めていました。

さあ、風呂!
入りたかったんだよー風呂!
富士山の山小屋に割引券が置いてあった『花の湯』に行きました。
JAF割もありますが、富士山でもらった割引券の方が割引率が良いそうです。
水ヶ塚駐車場から20km以上ありますが、とても良いところです。色々なお風呂があり、そこで富士山談議に花が咲きました。

その後食事会となり、サラダバーとドリンクバーが一緒になったメニューで乱れ食いしました。
一番年長のボスの言葉でこの2日間を絞めくくりました。いつも彼の行動はほかの甥っ子達のお手本です。
『いつまでも今の関係を絶やさずに行こう⋯』とボスが言いました。
みんな深く頷いていました。


おしまい。
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スノーカントリートレイル⑥ 坂戸山~湯之谷中学校前 その3

2019年08月10日 | Weblog
大力山をフラフラになりながらも、なんとか落とした僕。
そういえば、スノーカントリートレイルの地図に「アップダウンが多く、山に慣れていないと厳しく感じるかもしれないです」と書いてありました。

僕にとっては「直射日光が降り注ぎ、日差しに慣れていないと厳しく感じるかもしれないです」という感じでした。

15時40分下山完了。
またもや焼けたアスファルトが僕を待っていました。

平地でもスピードは上がらず、ただただ惰性で歩くだけとなりました。

次の僕のお目当ては「ウッディー」というコーヒーショップ。
大力山のバッチを作って売っているらしいです。
僕のバッチコレクション、今では熱も冷めてきて「あれば買う」程度になりましたが、里山程度の小さな山のバッチならば、逆に是非欲しい。

木陰に入ると座り込んでしまいそうな衝動を抑えながら歩くこと20分。でもその時間が異常に長く感じました。

ウッディーの前に立ち「営業中」の看板を確認して中に入ります。

それでは その時の様子を再現します。

扉を開ける。
誰もいない。
『こんふぃふぃふぁ〜(こんにちはー)』あれ、声が出ないぞ。かすれ声がわずかに出ただけです。しかも耳もおかしい、詰まってる。

西福寺の手前でおばあちゃんに話しかけたときは声が普通に出てたはずです。
大力山の縦走中にやはり熱中症にかかってしまって、それが耳腔に障害をきたしたということでしょうか。

マスター『はーい、いらっしゃいませ』
僕『あの、大力山のバッチがあると聞いたのですが』
マスター『あ、あの変なのね、あるよ。まず水でも飲んで』と言って氷水を僕に差し出してくれました。

一気にそれを飲む僕。
『あー、うまい。ありがとうございます』
相変わらず声は扁桃炎を患った森進一(古いか?) ってところです。

マスター『こんなに暑い中どこから来たの』
僕『坂戸山から来ました』
マスター『坂戸山?17~18kmぐらいあるかな?』
僕『とんでもない、まっすぐ来ても20kmは軽く超えます。長森六万騎、坊谷、そして大力の縦走です』
マスター『あ、それは大変だ』
僕『やっぱり登るんですか?』
マスター『うん、駒ヶ岳登ったことある?そこの管理人やってたんだよ』
僕『駒ヶ岳もちろん登りましたよ、そうだったんですか。つい先日も登ったばかりです』
マスター『まあ座りなよ』
僕『ほんとうはここで身体が冷えるまで飲み物をご馳走になりたかったんですけど、この汚れ具合じゃ⋯』
マスター『大丈夫だよ。もうボロボロだし。でもうちの飲み物はまずいよ(美味しくないよ)』
僕『ははははは。本当ですか?なおさら興味ある。じゃ失礼します』と言って座りました。ビニールシートなのであとで拭けば良いかと思いました。

僕『クリームソーダをお願いします』
マスター『あそうか、山から降りてくるとそういう変なの飲みたくなるよね。でもうちのはまずいよ』
僕『あははは、じゃそのまずいのひとつ。450円? 安い』
マスター『安いよ、まずいから』

僕『失礼ですけど、ほかにお客さんがいなくてよかったです。こんな汗だく泥まみれじゃとても居場所がない』
マスター『お客さんなんて来ないよ、常連さんがたまに来るだけ。それにしてもなんでこんな暑い中?高い山の方が少しは涼しいのに』

僕『スノーカントリートレイルってご存知ですか?それをやってるんです』
マスター『知らないなぁ地元の人間が知らないってのはまだまだ新しいね、どの辺を歩くの?』
僕『水上、湯沢、津南、栄、十日町、魚沼、南魚沼、駒ヶ岳、そして水上にもどる感じです』
マスター『そりゃー大変だ。田中陽希みたいだな』
僕『307kmだそうで、11月までの期限付きなんですよ。だからこんな時期もやらないと終わらないんです』
マスター『なるほどねー、それにしても今までこんな暑さはないよ』

その時入口からご婦人が入って来ました。
マダム『暑いわねー、いらっしゃいませ』
マスター『坂戸山から歩いて来たんだってよ』
マダム『そりゃぁ大変だ、お疲れ様ね』

マスターと山の話になりました。
マスター『藪漕ぎが好きでねぇ』
僕『あ、ここにもいた。藪漕ぎって辛くないですか?』
マスター『ぜんぜん?人が歩いた道より、新しく開拓して行く感じがいい』
僕『途中で訳分からなくなったりしないんですか?』
マスター『しないね。リボン結んだり、大きな木を覚えておいたり、目印をつけながらね。獣だって歩きやすい道を選んで通っているからね、だいたい狙ったところに出るんだよ』

僕『そんなことやってるからお若いんですね』見る限り僕と同年代。
マスター『俺?66。あ、7になったか』
マダム『8よ68』
マスター『あれ?そうだっけ』

マスター『このあとどこまで行くの?』
僕『この先の湯之谷まで行ってバスに乗ります』
マスター『自分で歩かなきゃダメなんだろ?車でサーっと送ってやってもいいけど、ダメなんだろ?』
僕『笑,。ありがとうございます。もちろん自分で歩きます。どのくらいかかりますかね』
マスター『20分ぐらいだよ』

僕『じゃそろそろ行きます。いろいろとありがとうございました。楽しかったです』
マスター『ああ、気をつけて行きな』
マスターとマダムが並んで手を振ってくれました。

スノーカントリートレイルを歩く方は、ここ「ウッディー」に立ち寄って、バッチ買って、まずい(笑)クリームソーダを飲んだ方がいいですよ。

さて、北へ向かってあと少し。
けっこうある。

湯之谷中学校が見えて来ました。
バス停が学校側にあります。
これは前回通って知っています。
でも、反対側(僕が乗る側)にはないのです。
もっと先かなぁ、それにしてもない。

それもそのはず。小出駅行きは僕の来た方向とは反対側でした。
つまり僕はどんどん遠ざかっていたわけです。
次のバス停まで歩くことになり「吉田」でバスを待つことにしました。
日陰になるところがないので、待つのすら辛かったです。

やがてバスが来ました。

小出駅は小さな駅です。
冷房が効いた待合室があります。
タクシーに乗っちゃおうかと思いましたが、急にケチになり、やめときました。
バスとの接続が悪く、1時間半ほど待ちました。

まあ、その間ブログを打ち込んだりして待てば良いですからね。
18時32分の湯沢中里行きに乗り、4駅戻ります。
やっぱりタクシー乗らなくてよかった、けっこう遠いぞ。お高くつくぞ。

18時53分六日町駅に着きました。
近いとわかっていてもタクシーに乗りました。もうボロボロでしたから。

タクシーの運転手さんがいい人で、いろいろ話しかけてくれました。
近いのにごめんね という気持ちがありましたが、運転手さんは楽しそうに運転して、僕を登山口に連れて行ってくれました。
『お釣りはけっこうです』
また言っちゃった。

だって一生懸命にお客さんを大切に仕事してる人は評価されるべきですよね。
僕もお客様に時々チップをいただきます。
僕だってそういう気分になった時は、その仕事に対して評価したいです。
タクシーの運転手さん『ええーっ、これはこれは』と言って受け取ってくれました。
最後に『身体だけは注意して登って下さいね』と言ってくれました。
運転手さん、最後に僕をいい気持ちにさせてくれてありがとうございます。

さあ、風呂だ。
我慢したよ、もう。

近くの「六日町公衆浴場」に行きました。
石鹸もシャンプーもなし。サウナ別料金。
湯船(熱め)がひとつ。
サウナ用の水風呂あり。
600円でした。

相当臭くなった身体を隅々まで念入りに洗い、まず水風呂へ。
『ああああああ、冷える〜』
そして源泉だという熱い湯船へ。
『あちぃ~、けど気持ちいい~』
もう一度水風呂へ。

さっぱりしたら急にお腹が空いてきました。
明日の計画も練りたいので、ファミレスがいいなと思いましたが、そんなものは近くにありませんでした。

ちょっと調べて、近くの「青葉飯店」へ行くことにしました。
久しぶりにラーメン食べてみようと思ったのです。
『なになに?麻婆ラーメンが美味しいのか』

路地裏の狭い道の一角にお店はありました。
入るとけっこう賑わっています。
カウンターに通されました。
『麻婆ラーメンと焼き餃子お願いします』

ものすごく手早い奥さんがフライパンをガンガン振っています。
アルバイトみたいなお姉さんも愛想がよく、ミスってもお客さんは文句言いません。
僕はそこで今日のデータをまとめていました。

やがてラーメンが出されました。
『あ、美味しいー。甘めのタレが絡んだのびにくい麺の歯ごたえがうまーい』
でも、全部食べられませんでした。
歳のせいか、食欲はあっても一度に沢山食べられなくなりましたね。

餃子はオリジナルのタレがついていました。
普通にうまーい。

ご馳走様でした。
さて、翌日も休みでしたが、熱中症の症状がまだ少し残っているのか、頭痛がします。
声も復活したし、やれない事はないけれど、またあの暑さにやられたらどうなるか分からないので、ここは大人しく帰ることにしました。

車を走らせ塩沢石内インターから高速道路に乗りました。
すぐにパーキングエリアに入り、寝ます。
やっぱりかなり疲れているようですね。
目覚まし時計をかけずに寝ます。
無理しないためにね。

起きると午前0時を過ぎていました。
ヨロヨロと車を走らせます。
ところがまたすぐに眠くなってしまいました。圏央道に入る前にまた寝ます。

起きるとすっかり明るくなっていました。

圏央道に入りますが、また眠くなりました。
ここはパーキングエリアがなかなか出てこないのです。
我慢して我慢してなんとか自宅に近いインターチェンジで降りました。
すぐにコンビニに入ります。
朝食を買いました。

そのままそこで食事して、その勢いでようやく家に帰ることが出来ました。
ちなみに昨晩ラーメンを食べたのに、何故か朝から冷やしラーメンを食べてしまいました。
あまり美味しくなく、ちょっと残してしまいました。

さ、帰るか。


おしまい。

歩行距離 37.2Km
累計標高差 +1,558m -1,592m
所要時間 14時間35分
59,700歩
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スノーカントリートレイル⑥ 坂戸山登山口~湯之谷中学校前その2

2019年08月09日 | Weblog
再びロードです。

だいぶ気温が上がってきました。
3.4km歩いて7時42分坊谷山の登山口に着きました。
坊谷山→ぼたんやま と読みます。

登山口には山の解説板があります。
長森山から六万騎山の縦走がけっこう大変だったので、ひとまず登山口で腰掛けました。
アイスコーヒーとパンを少しかじりました。
とにかく飲んでばかりいます。
塩もたっぷり持ってきたので万全です。

またもやいきなりの急登です。
標高がさほど高くないのでゆっくり登ればいずれ着きます。
あたりは山ばかりなので、どの山に登らせられるのか不安でした。
だんだん近くなるにつれて『あれか』と思いました。
端から一気にグーンと登らせ、上はなだらかに見えます。そしてしっかり末端まで歩かせます。

上は小刻みにアップダウンがあり、細かく刻んだように溝がいくつも付けられています。
堀の跡だそうです。

下が見えてきましたが、なかなか降りれません。
細越側は少しだけ荒れていました。
坊谷山塊はいくつかの山頂がありました。
如来像があったり、五重の塔があったりという、つまりそういう山でした。

この坊谷山、「山と渓谷」誌でも紹介された地元の人が大切にしている山なようです。

坊谷山、塔之山、愛宕山といくつかの山頂を縦走し、細越に下山します。
ここからまたロードです。
今度は9キロ2時間ぐらいです。
もう死ぬほど暑いです。

ほとんど惰性で歩き続けている状態になりました。
遠くに高速道路が走っていて、その下をくぐるのです。遠くて遠くて歩ける気がしないのですが、時間が経つにつれて近づいてくるものですね。

ずっと日陰が無く、フラフラします。
もう決めていました。
そうです高速道路の下、つまり高架下で座り込むことにしました。
だって誰も歩いていないし。そういえばほとんど人とすれ違っていません。この暑さは不要な外出はしないでくださいレベルだからですね。

キレイそうなところで荷物を降ろします。
淵は足をブラブラさせられる感じになっていました。
いろいろ出して散らかします。
姿勢を変えて膝を抱え込もうとすると、筋肉がそれを拒否するかのように緊張してきます。
つまりつってしまう感覚です。

『塩、塩だ。あれ? ないぞ?』
どこかで落としてしまったらしいです。
背筋が寒くなりました。
水分は足りているように感じるけど、塩分が足りていないようです。
この先大丈夫かなぁ⋯。

重い身体を無理やり起こし、びっしょりと濡れたザックの背中を、それ以上に濡れたシャツに再び貼り付けます。

早出したので、まだまだ時間はあるぞ。ゆっくりでいいんだ、頑張るぞ⋯ そう言い聞かせて一歩また一歩と進んで行くしかないのです。

10時05分、西福寺に到着。
ここから城山経由で大力山(だいりきさん)に登ります。
今日1番の山塊を縦走します。

暑い、暑い、とにかく暑いです。
体温がわからないぐらいになっています。
ミストサウナってこんな感じでしたね。

大力山の入口、西福寺に向かう途中でおばあちゃんが道端の日陰で、手押し車に座ってずっとこちらを見ています。
近づくと『暑いから~』と言ってニッコリしてくれたので『暑いね〜、大丈夫?』と僕も声掛けました。
すると、うんうんと頷いてくれました。

西福寺がどんな感じだったか記憶がはっきりしません。
小さいながらにも立派な感じがしたような⋯

その裏手からテレビ塔に上がる舗装路があります。そこを登ります。
登りつめたらテレビ塔の裏に回ると登山口がありました。
大力山縦走路の始まりです。

普通の気温、ここだけ歩くのであればいい運動になる程度の山ですが、僕にとってはこれは今日のクライマックスです。
行けるのか、行けないならどうなる、そんなことを考えながらも足は大力山に向かっています。

大力山はどれだ?
これか?あれか?それともその奥か?
雑草生い茂る中、火炎放射器で炙られるような日差しと、行く手を阻むように張り巡らされた蜘蛛の巣に翻弄されながら、ジリジリとひたすら進むだけです。

あ、足が⋯ つ、つる。
倒れるように座り込む僕。
楽な姿勢など無く、足は曲げても伸ばしてもだめ。ピーンとなった筋は固く硬直しています。

ザックから冷凍ボトルを出して、リンパのあたりに押し付けてみます。冷たいはずなのに、あまり感じないです。
でも、冷やすと少しつったところが緩むのでやはりこれは熱でやられているようです。
耳が気圧で詰まったようになりました。
熱中症なのか⋯。

そんなことをしている間も、絶えずアブの攻撃を受け、アリが至るところから這い上がってきます。どこからともなく粒のような硬い虫が噛んできます。
そして天女の羽衣のように絡みついた蜘蛛の巣⋯。
もうボロボロです。

地図を見ながら大力山の山頂をロックオンしました。
たいした距離じゃないけれど、その一歩がつらいのです。

東屋が見えました。
『やった、あそこで裸になって寝転がるんだ』

14時34分、大力山山頂。
緩い風が僕を舐めていきます。
あー気持ちいい。
心ゆくまで身体を休めよう。
靴も靴下もシャツも脱いでやる。

靴下は汗が伝い落ちてびしょ濡れでした。陽の当たる焼けたベンチに置くと湯気が上がりました。
ポットの中のコーヒーを全部飲み、パンをまた少し食べました。

あとは下って平地をゴールに向かうだけです。そして、あそこに寄ってみよう⋯。


その3に続きます。
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スノーカントリートレイル⑥ 坂戸山登山口~湯之谷中学校前その1

2019年08月08日 | Weblog
急に暑くなったせいか、仕事が忙しいです。
一週間、まったく今回の計画を練る余裕がありませんでした。

そんな中、イメージがはっきりしていて上越線沿線のコースが頭に浮かびました。
3つの山塊を移動しながら(もちろん歩いて)縦走していくルートになります。

あまりに大変そうな4枚の地図を見るとちょっとためらうけど、今まで途中であきらめた事がない僕としては、余程のことがない限りやり切るのだろうと思っていました。

かなり気温も上がりそうなので、作戦を練りました。

出来るだけ自宅を早く出る。
高速料金も毎週通うと馬鹿にならないので、下車する六日町インターの1つ手前の塩沢石打サービスエリアで睡眠をとり、0時を回ってからインターチェンジを出て、3割引にしてもらう。
1つめの山塊の山頂で夜が明けるように暗いうちから歩き始めれば涼しいうちに距離を稼げる。
冷凍のペットボトルをコンビニがあるたびに仕入れていき、順番に溶かしていく。
最悪それをリンパに当てて冷やす。
防虫スプレーを携帯し、なるべく肌を露出し熱がこもらないようにする(これは人によるかな)。
タオルは絞れるほど汗で濡れるので、2本持ち交換しながら乾かしながらにする。
などです。

100円ショップの保冷バッグを2つ持ち、常に凍ったものを3本、溶けてしまったら凍ったペットボトルと一緒に保管し、ポットにぎっしり詰めた氷の中に流し込みます。
凍ったペットボトルは3、4時間もちます。

塩沢石打サービスエリアには23時に到着しました。
寝ます。
ちょっと暑いけど、まあ寝れます。

やる気満々なのか、目覚まし時計が鳴るより少し早く起きました。
時刻は1時50分でした。

六日町インターで降り、数分のところにある坂戸山の登山者用駐車場に向かいます。
坂戸山は、先月末に登ったコースです。
つまりその続きです。

今回は越後駒ヶ岳からのコースに届かせて、東側のルートを繋いでしまおうという魂胆です。

準備しておいたザックを背負い、まだ星が降る夜に歩き始めます。
そりゃー快適なほど涼しくはないけど、日中のあのツラさを思うと最高です。

積極的に水分を摂っていきます。

深夜の国道291号を北上します。
ハイビームの車がスピードを殺しながら近づいて来ました。パトカーでした。
こんな時間もお仕事ご苦労さまです。

4時15分長森山の登山口に着きました。
でも、どこから上がるかわからない、暗いからですね。
入力してきたGPSのルートだけでなく、YAMAP(スマホのアプリ)を起動して確認します。YAMAPは地図が新しくて細かいところも出てくるのでとても良いですね。

いきなり雑草が足に絡みそうなので短パンにゲイターのみの装着で入山します。
長丁場なのでゆっくりゆっくり。
ヘッドライトの光が蜘蛛の巣をキラキラ光らせています。
『今日も蜘蛛の巣地獄か⋯』

いきなりの急登となります。
このへんの山はみんなドーンと高くなっていきます。
蜘蛛の巣をストックで払いながら、雑草をかき分けながら、なんとか長森山の山頂に到着です。
山頂は狭く、コースポイントではありますがスノーカントリートレイルの道標の設置はまだでした。

途中、ノコギリクワガタに会いました。
ノコギリを突き上げて僕を威嚇してきます。
かと思えばマムシにも会いました。
そろ〜っと逃げてくれました。

6時25分六万騎山(ろくまんぎやま)山頂です。
小さいながらも急なアップダウンが多く、薮も肩までくるところがあり、蜘蛛の巣は超がつくほどの数でした。

このあたりは「中部北陸自然歩道」とリンクしているところが多く、標柱をよく見かけました。
僕が歩いている「関東ふれあいの道」は「首都圏自然歩道」の愛称です。

痩せ尾根で雑草で足元が見えないです。
これはけっこう慎重に行かないと踏み外します。

「六万騎山」はカタクリの群生で有名な山らしいですね。出来ればこの時期に来たかったな。

下山するとすぐにコンビニがありました。
もちろん飲み物を補給しておきます。
常時2リットル、山に入るときは3リットルは持って入るようにしようと思いました。
ここでは3本仕入れました。
店内で食事出来るスペースがあったので、そこで身支度を整え直し、飲み物をポットに詰めたりしました。
ペットボトルの容器も処分できるので嬉しいですね。

つかの間の涼しさに別れを告げ、再スタートします。
すでに身体は汗でびっしょりです。


その2へ続きます。
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スノーカントリートレイル⑤ 浦佐駅~駒の湯登山口その2

2019年08月03日 | Weblog
藤権現山頂に『股覗き』台がありました。(画像)
普段の僕なら絶対に覗いてみるけど、この暑さだとフラフラっとしてそのまま転落しそうなのでやめておきます。

スキー場の中を降りて行きます。
上から見たあの橋を渡るんだな?
遠くに見えるあの山の麓まで歩くのです。

橋を渡り、交差点を越えるとアーケードがありました。
日陰を歩けるなんて⋯。
アーケード内の飾りが風に吹かれて優しく揺れています。
だけど、追い風なので僕にはとっては無風になります。嗚呼無情。すれ違う方の髪がなびいています。
涼しそうです。
涙。

アーケードが終わり、容赦なく日差しが僕を蒸し焼きにします。
暑さ対策でスリーブレスシャツを着て、ペラペラのテニス用短パンでしたが、さすがに日焼けが痛くなってきました。
もちろん日焼け止めは塗っていますが、汗ですぐに流れてしまいます。

シャツを着替えることにしました。
ちょっと暑いけど袖付き(半袖ね)にします。
バス停がすべてボックスになっているので、ちょっと拝借することにしました。
豪雪地帯ならではの風景ですね。
夏はこうなるんですね。

着替えているとバスが来て止まっちゃいました。慌てて乗らないジェスチャーをします。
不機嫌そうな顔をしてバスは過ぎ去って行きました。
1時間に1本あるかないかのバスに当たるなんて(苦笑)。

どんどん先に進みます。
自販機が現れるたびに買います。
もう10回は買ったかな。
熱中症にならないように水分と塩分はどんどん摂取してます。
これだけ飲んでも尿として排泄されないのは凄かったです。

だいぶだいぶ時間が経ちました。

ユピオが見えてきました。
今日は営業日です。

『こんにちはー、スノーカントリートレイルの道標はまだ取り付けられていませんか?』
『スノーカントリートレイル?』
ハイカー証を出して『これこれ、307km歩くやつです』
『あー、見たことはあるけど⋯』
受付に立っていた方はまだご存知ない様子です。
『ちょっと待って下さいね』

事務所の中に入っていって何かを探しています。
封筒の中からハイカー証が出て来ました。
『あ、これは僕が持っているステッカーと同じです。茶色いワンサイズ大きめの⋯』

奥へ行って責任者を呼んできました。
『えーっと、道標? あーちょっと待って下さい』
探しています。
『あのー、大丈夫です。わかりました』

そう言って僕はユピオの外に出ました。
建物とハイカー証を照らし合わせて写真を撮ります。
お昼頃メールチェックしたら、事務局から「ユピオでは道標と照らし合わせなくて良い」と連絡が入っていました。
なので不安はありませんでした。

ハイカーサポート施設であるユピオの職員さんもまだ良く理解していないほど新しい取り組みなのだと思いました。
最初はなんでもこうなのかも知れません。
事務局の方々、どうか頑張って下さい。
僕は歩いて応援するだけです。

さ、気持ちを入れ替えて先へ進もう。

ユピオの手前から少しずつ傾斜が増していきます。
だんだんと民家も無くなり、森の中に入って行きます。酷道としても有名な国道352号線です。
災害が起こりやすい灰の又から枝折峠までは、時折通行止めになります。
もうすぐヒルクライムレース(自転車で坂を登るレース)が行われるようです。

やがて灰の又バス停に来ました。
ここは年に数回だけ登山バスが運行されるのです。平日はここまでバスは入りません。
なので僕も歩いています。

駒の湯登山口まで残り2kmです。

足にアブが絡みつくようになりました。
北海道でアブに100箇所ぐらい食いつかれたことを思い出しました。
慌ててタオルで振り払います。
それでもどんどん来ます。
ついに1箇所やられたようです。

早足になります。
最後は駆け出す始末。
マイカーが見えて来ました。
『えーっ!』

蝉のような大きなアブが車にびっしりと絡みついています。
どうやらウシアブという種類らしく、熱と二酸化炭素に反応するらしいです。
車が太陽で熱せられていたからでしょうか。

自分の足と車を交互にタオルで叩きながら、急いで荷物を車に放り込みます。
奇跡的に一匹しか車内に入りませんでした。
そのアブは蚊やハエに効く殺虫スプレーで処分されました。
命を終えた蝉のようにひっくり返って足全部をくの字に曲げていました。

8km走ってまた薬師の湯に向かいます。
と、ところがー 休み。
スノーカントリートレイルのハイカー証でドリンクのサービスが受けられると今さら知ったのにー。
昨日調べておけば良かったです。

さて、どうする?
近くの温泉を再検索します。
『あったあった、小出だ』
さらに8kmぐらいだったかな? 車を走らせて行ってみると⋯
『あ、今日歩いて通過した小出スキー場の温泉施設だ』

ここに来るまで、ずっと自分が歩いてきたところを走っているなーと思っていたら、そういうことか。
アブから逃げに逃げて、ここでやっと荷物を片付けることが出来ました。

念の為お休みではないか電話で確認すると、可愛らしい声の女性が営業日であることを知らせてくれました。
入館してみると、受け付けの女性がその声でした。
声とお顔が一致していました。
毎日お客様の声を聞いていると、なんとなく顔が想像出来るようになります。

食堂はあるような無いようなでしたので、行き当たりばったりでいいやと思いました。
身体が熱を持っているので、最後に水シャワーで冷やしてから出ました。

結局、高速道路のサービスエリアで食事をすることになりました。今日は生姜焼き定食になりました。
食後はさらにレストランに入ってコーヒー2杯とケーキを頼みました。

帰り道はやっぱり眠くなって、ちょっと寝るつもりが午前様になってしまいました。
明日仕事なのにね。
ま、事故になるよりいいかなと。
そして自宅に着いたのは午前3時でした。

今週のトレイルはものすごく疲れました。


おしまい。

歩行距離 35.7km
累計標高差 +827m -591m
所要時間 9h15m
53,400歩
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スノーカントリートレイル⑤ 浦佐駅~駒の湯登山口その1

2019年08月02日 | Weblog
越後駒ヶ岳を登り、ボロボロになってしまった僕。
それでも絶対にこの連休は無駄にしてはなりません。

温泉で身を清めた僕は、再び駒の湯登山口に戻ります。
明日はここからバスと電車で移動して、再びここに戻ってくる計画です。

気になることが1つ。
温泉に行く道すがら、チェックポイントの『ユピオ』に寄りました。
本当はここでお風呂に入ろうと思っていましたが、火曜日はお休みみたいです。

『えっとー道標はどこかな?』
まさかーここに限って無いなんてことはないはずです。
だってハイカーのサポート施設だし、道端に貼ってある道標とはわけが違うんだし。

まだ事務局はやっている時間なので、もう一度よく探してみて、それでも無かったら電話してみようかな。

しばらくウロウロしましたが、やっぱり見つかりませんでした。
最後の頼みの綱はやっぱり事務局に電話することでした。
『もしもし、いつもいろいろと相談にのっていただき、ありがとうございます。ところでユピオ前の道標が見つかりません』

もしかして店内にあるとか。
でも休館日だったり時間外だったりすることもあるのでそれはないですよね。

『あいにく今日は担当がお休みでして⋯』
『では、明日ここを通過する予定なのでご連絡お願いしてもよろしいですか?』
『はい、そう伝えます』

8km離れた温泉に行きました。
それは前の記事でお話した通りです。

駒の湯登山口の駐車スペースに戻り、寝ます。

そして起きます。
清々しい朝でした。

今日は約4km下ったところにあるバス停から小出駅に向かいます。
そこから2駅乗ったところにある「浦佐駅」からスタートする計画です。

浦佐駅、新幹線も止まる立派な駅でした。

僕はこれが4回目の上越線です。
朝早いので学生達でいっぱいです。
奥のホームに只見線の気動車が入ってきました。古くて渋いですね。

浦佐駅に着くとどちらの出口なのか分かりません。
太陽の位置で進むべき方向を定め、地図を見て決めました。

GPSをONにして7時30分スタートです。

しばらく国道沿いに歩きます。
けっこう通りが激しいです。
すでに気温は30℃に届きそうなほど暑いです。

やがて道をそれ、やっと少し静かになりました。
自販機で飲み物を買います。
今日は昨日仕込んだポットの氷、セブンイレブンの氷パックが山専ボトルの小さい方にジャストで入ります。これはいい。
しかも、ちょっとだけ余るのでそれは別の飲み物を注いですぐにゴクゴクやります。
ポットの氷は冷えた飲み物なら継ぎ足し継ぎ足しでほぼ一日持ちました。

100円ショップのお弁当用保冷バックに凍ったドリンクを入れて、おにぎりやパンを運べば気温が高くても安心です。半日以上は氷が残ります。

魚野川の土手には芝生の側道がついています。そこに延々と桜が植えられていました。
プレートが付いています。
「〇〇記念」
おそらく募集を募って植林したのでしょうね。
中には「結婚30周年記念」なんていうのもありました。
ソメイヨシノがずーっと植えてありますが、たまに八重桜や陽光桜なんかが現れます。
どういうことなのかな?

川は流れが速く浅瀬で、鮎釣りが盛んなようです。それも友釣りですね。
おとり鮎や入漁券を専門に扱う店が数店ありました。

ルートは川から離れ山の方に向かいます。
今日はロードだけと思っていましたが、やっぱり山も含まれましたね。

どうやら小出スキー場を従える山に登るようです。
小さなスキー場がたくさんありますね、さすが新潟。小出スキー場にはジャンプ競技に使う設備が備わっていました。
それも、平地に普通にあるのです。豪雪地帯ならではですね。

ロードは温泉施設の脇を抜けて、どんどん登って行きます。
ところが、藤権現に入るルートが分からない⋯。
プリントアウトした地図だけでは無理でした。GPSに落としたルートも曖昧な感じでした。
迷うこと30分以上、農家のおじさんに尋ねると『入り口が分かりにくいんだけどさ』と言いながら細かく教えてくれました。

11時52分
無事、藤権現の山頂に立ちます。
道標は山頂へ上がる手前のプレートに付いていました。分かりやすかったです。
山頂に日陰がなかったので、冷たい飲み物を飲んで下山しました。

さあここからが長いダラダラした登り区間に入ります。
およそ5時間のロードです。


その2へ続きます。
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スノーカントリートレイル④ 駒の湯~越後駒ヶ岳周回

2019年08月01日 | Weblog
スノーカントリートレイルの難関である『越後駒ヶ岳周回』、日が長い時期にやりたい。

今回、その時が来たようです。
覚悟を決めて日帰りでやってやろうじゃないか。

越後駒ヶ岳は数年前に山仲間と登った思い出深い山です。

僕がGPSを落としちゃって、それを拾ってくれた人とその仲間たちです。
車に戻ったら貼り紙がしてあって、連絡先が書いてありました。
そこに電話すると、送ってくれる⋯と。
なんといい人なんだ!

なんてったって僕のGPSは、まだ発売されて間もないスペシャルなものでした。価格もおよそ10万円しました。

でも、遭難するより安いと思って、思い切って買ったものです。今ではこれを使わない登山やトレイルは無いです。
本当に買って良かったです。

それをですね、あっさりと落としてしまうなんて⋯。

あの時、僕と彼らだけあの山にあのタイミングで入ったのです。
さらに、僕がGPSを持っているのを彼は見ていたのです。
そんな偶然とそんな幸運で、今僕はそのGPSをまだ使えています。
スイッチのゴムが破けても、落として画面に傷が着いても、なんとか使えるようにしています。

ある日その彼から電話がありました。
『一緒に登りませんか? 僕ら百名山やってるんですけど、高橋さんも一緒に百座登りましょうよ』
そう言われて、僕のハートに火が着いたって訳です。

彼らに追いつくために北海道や九州の日帰りもやったし、往復1,500km運転して二座登って日帰りするなんてこともしました。おかげで去年『剱岳』にて百座目を達成したのは記憶に新しいことです。

その越後駒ヶ岳、けっこう厄介な山です。
まず、遠い。そしてコースタイムが長い。標高差も結構ある。さらにアップダウンも嫌になるほど出てくるのです。

二度目は無いかなと思っていたけど、スノーカントリートレイルで再び挑戦することになったというわけです。
そして今回はさらに難儀な『駒の湯登山口』からです。
ずっと急登の連続、稜線に出てからも駒ヶ岳はさらに奥です。

前夜、頑張って早めに出ましたが、それでも21時になりそうな時間でした。
眠くなるたびパーキングエリアに入って車を降ります。
そしてジャンプします。
ん? なんでジャンプするかって?
お客様のタカ〇くんがそうするって言ってたから。実験してるのです。

相当頑張って、到着は午前0時30分。
ごちゃごちゃ用意してから目覚まし時計をセットします。
起床は4時15分にしました。

なるべく軽くすると、やっぱり調理器具は省くことになりました。
『どうせ行程が長いからゆっくり出来ないし、雷雨が心配だし』
そう、また発雷確率が上がっているのです。
ただ、予報によると風向きが南のため、尾瀬や水上よりはちょっと良くなりそうです。

寝るにしては暑い夜です。
夏場は高い登山口を選べば窓も締め切っていてもさほど暑くないのです。
山は涼しいです。

4時45分スタートします。
のっけからいきなりの急登です。
100mほど登っただけで汗が吹き出してきます。

ひたすら森の中を登ります。
『きつい、きついじゃないか』
無心になって頑張ります。

7時37分やっと小倉山山頂に到着しました。
ここがコースポイントになっています。

枝折峠からの最短ルートとこの先で合流します。
さすが百名山、それなりに登ってくる人がいます。なんか久しぶりの感覚です。
いつも人けのない山ばかりですからね。

それでも平日となれば、だいたいがリタイアされたお父さんがほとんどです。
それでも中には強い人もいます。

僕は後ろから突っつかれるのが嫌いなので、なるべく1人になりたい⋯。

今日出会った方たちはみんな普通の人ばかりで助かりました。

単独のご婦人がいました。
僕とスピードが同じです。
風が抜けるいい所でパンを食べていました。

その先の岩場でおじさんがお二人休憩しています。
僕もそこに座りました。
なんかもう疲れきってしまいました。
暑さのせいもありますね。
持って来た水は明らかに足りません。

9時43分 駒の小屋に到着しました。
水がザーザー出ています。
雪解け水のようです。
飲んでみると、クセがなく美味しかったので空いたペットボトルに2本詰め込み、さらに満足いくまでゴクゴクと飲み貯めしておきました。

その間にご婦人が先に山頂へ向かいます。
早くはないけど、なかなかいい足持ってますね。
単独なんてやるじゃん。

ふらふらになった足は、軽くつってきました。いつも持ってる塩を忘れたからかな?
念のために持っていた薬を飲んで回復を待ちます。

10時17分越後駒ヶ岳山頂。
山頂では先ほどのご婦人がベンチに腰掛けて軽い食事をしてました。
新潟県内の方だということで、3時に起きて来たんだとか。

山はいくらやってもいいけど、長距離の運転だけはやめてくれとご主人に言われているようです。

僕はまずチェックポイントの道標を探します。
山頂プレートの裏に隠れていました。

スノーカントリートレイルの話をしました。驚いていました。
まだまだ知名度としてはこれからですね。
攻略方法を考えて、それを実行する感覚がとても刺激的です。
地方の知らないことや、地元の方とのおしゃべりなんかもいいですね。各地特色があります。

日本は挨拶するとちゃんと返ってきます。
これも旅を軽快にするスパイスだと思います。

ご婦人が先に下山を開始しました。
5分ほどして僕がスタートします。
やはり下りは僕にとっては得意みたいで、だいぶ前に出た方を次々とパスしていきます。
そんなに飛ばしている感覚はないんですけどね。

ところが、何度か現れる登り返しが思うように上がれません。
フラフラします。
どうやら軽い熱中症になったようです。
小屋で汲んできた水をガブガブ飲んで癒します。

ポットには氷をぎっしり詰め込んで来ました。
これが良かった。大中小とポットのサイズを揃えて持っていますが、用意の時点で小が見当たらず中にしました。
またまたこれが良かった。下山まで僅かながらに氷が残ってくれました。

ダメだフラフラだ。
何度も座り込みます。
風がない。
日焼けがひどい。
もってきたタオルは絞れるほど汗を含んで、温泉で使ったタオルのようです。
明日は平地なので裸のような薄着と厚めのタオル2本、凍ったドリンクを用意しよう。
あと、塩もね。

13時33分、明神峠に着きました。
思っていたほど空もヘソを曲げず、これから樹林帯を降りて行きます。

『銀の道』という名が付いた道が指定されています。
江戸時代には銀山から銀をはこびだす唯一の道として栄えたらしいです。

入り込むやいなや、雑草の道でした。あまりにも背丈の高い藪漕ぎかと思われるような道でした。
『いやだなぁ、これを2時間も歩くのか⋯』
と思いながら歩いていると、たまに落ち葉のしっかりした道になったりしました。
下に行くほど良くなりなすが、突然薮になったりします。

路肩が狭く、傾斜が強いので踏み外すと藪の中に埋没しそうです。
木の根を踏んで滑り落ちないように神経を使いながら歩きます。

倒木、蜘蛛の巣、変な虫、色々なものに歓迎されながら進みます。
10合目から1合目まで道標が立っていました。そこにもトレイルの道標が付いています。こんな所まで付けに来るのは大変だっただろうなぁ。
山をやる人が付けにくるのかなぁ。
そんなことを考えたりしました。

ほとほと嫌になったころ、林道に吐き出されました。
着いた!
いやー辛かった。
身体中が腐敗した臭いだ。
風呂、風呂に入りたい。

ささっと片付けて車で風呂に向かいます。
どうせなら道標がある『ユピオ』に行ってみよう。

ところが定休日でした。
道標は⋯ 見つかりませんでした。
念のため、事務局に問合せてみると担当者さんはお休みでした。
ま、最悪分かるところで撮影するしかないな⋯。

8km走って『薬師の湯』に行きました。
近くにコンビニもあるので、色々仕入れました。
アイスや炭酸飲料も買いました。

風呂は綺麗で良かったですよ。
フロントにはスノーカントリートレイルのハイカー証(ステッカー)も置いてありました。
JAF割もあります。
小出インターも近いので明日もここかな?

食堂もありました。
キッチンにいるお姉さんにオススメを聞くと『おろしそば』と言うのでそれにしました。
あっさりとした感じで塩っけが足りなく、今の自分には薄味でしたけど、まあまあでした。

車に戻ってブログを入力します。
忘れないうちにね。

そして駒の湯登山口の駐車場で夜を明かす計画です。
少しでも標高を上げないと暑くて眠れなさそうですから。

コンビニで、焼きそばとドリンクと日焼け止めを買いました。
今夜は22時に就寝です。


おしまい。明日に続きます。

歩行距離18.7km
累計標高差 +1961m -1977m
所要時間 10h45m
41,200歩
コメント
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