ドンドンドン!
『JAFです』
見つけてくれたんだー。
よく分かったですねここ。
念の為見つけられやすいように小さな灯りをつけて寝ていました。
『出られませんか?』
ランクルで雪を踏み固めてくれて走ってみるように言います。
もちろん無理です。
『腹が着いちゃってるので牽引しないと難しいです』と言うと『あ、わかりました』と爽やかに答えてくれました。
『こんな時間に申し訳ありません』
『いやいや、これが仕事ですから大丈夫ですよフックを出しておいて下さい』
バンパーのカバーを外すんですが、普段やらないのでどうなっているのかわかりませんでした。
JAFの人が開けてくれてそこに牽引フックをねじ込みます。
幸いすぐにフックは車の中から出てきてホッとしました。
しまってあるのが変な場所だったら荷物を全部降ろすしかなかったので、この車の作りがよく考えられているなと感心した瞬間でもあります。
あっという間に出ました。
良かった〜。
車検証を見せ、走行距離を聞かれました。
サインをして伝票をもらいました。
『おいくらですか?』
『会員の方は無料です。何回呼んでも無料ですよ。それこそ100回呼んでも無料です(笑)』
『えー!ここまで出動するのは大変だったですよね?』
『下郷から来ました。70kmあるので時間かかってすみません』
すみませんって···。
こちらこそすみません。
JAFの対応は素晴らしいって聞いたことあるけど、本当に素晴らしいです。
最後に『良かったです。スキー楽しんで下さいね』と言われました。
そしてさっそうと帰って行きました。
午前5時過ぎ、道の駅尾瀬桧枝岐に着きました。
除雪がまだなので慎重に停める場所を選びました。
1時間後、除雪車の音で目が覚めました。
少しでも寝れて良かったです。
こんな状況で登れるかな?
タイヤにはビッシリ雪が詰まっていて、ブレーキが効きにくくなっていました。
道の駅の雪壁に突っ込みそうになりました。
徐行していて良かったです。
このまま知らずに走ったら危険だったかもしれません。
先生来ました。
お湯を沸かしてポットに詰めます。
バックカントリーの準備は大丈夫なはずですが、何度も落ち着いてチェックしました。
『さあ、行きましょう』
身体が重い。
睡眠不足もあるけど、やっぱり年齢的なものかな。
あらがうのはやめて ゆっくり登ります。
先生はラッセルしてくれるにもかかわらず速いです。すごいなぁ。
4時間登ってタイムアップ。
思ったより高度を稼げなかったけれど、これが今の僕の実力です。
準備して。
さあ、滑ります。
ワンターン、ツーターン、あれ?
やば、ウォークモードのままだ。
普通はストックの先でカチンとやればロックするのに、雪が噛んでいてダメです。
結局板を脱いで雪を取らなければなりませんでした。
初歩的なミスです。
今日はあまりいい日ではないようです。
先生をイライラさせてしまったと思いました。
その後も滑っては転び、その都度起こされ、先生をガッカリさせる連続でした。
先生ごめんなさい。
下山すると悔しさで涙が止まらなくなりました。
こんなに悔しいのは久しぶり? いや初めてかもしれません。
先生は優しく声をかけてくれましたが、僕にはそれがさらに辛かったです。
60男が悔しくて涙を流すなんて、なんて気持ち悪いんだ。参っちゃいますよね。
結局、先生が帰るまでゴーグルを外せませんでした。
先生が帰ったあと身体が震えるほどでした。
ゆっくり片付けて気を紛らわせました。
高畑スキー場に寄って現場に残したタオルケット(タイヤの下に入れました)を回収しました。
明るくなったあと見ると、こんなところで?というぐらいなんて事ない場所でした。
先生が撮ってくれた写真です。
まあ、いいところも無いわけではなかったけれど、それ以上に最悪な一日でした。
車の中を片付けたあと、たかつえスキー場に移動しました。
まず心と身体の汗を流して夕食の準備をします。
今夜は温玉と野菜入りの賞味期限切れ袋ラーメンです。
食べるとすぐに眠気がきました。
外は雪が舞っています。
今夜から明日にかけて再び冬型の気圧配置になります。
もっさり積もってくれ。
そしてだらしない僕の練習に力を貸してくれ。
積もりました。
さらに降り続いています。
ゲレンデには8時40分に出ました。
コロナ感染の第六波による影響はもちろんここにも。
とにかく人が少ないです。子供たちがいない。
なんてことだ。
スペーシア(レストハウス)も今季は営業しないことになったようだし、リフトも限定的に稼働させていて山頂行きのリフトも 今日は運休です。
なるべく雪の深いところを狙って何度も何度も反復練習しました。
何かあるはずだ。
コツって自分で考えて編み出すものなのかもしれません。教えてもらってばかりで考えたり感じたりしないとだめなのかもしれません。
ここでいくつかの方法を試してみることにしました。
まず板をカチカチぶつけてみることにしました。
板と板の隙間が広いと浮力が逃げるからです。
これがなかなかできなかったのですが、わざとぶつけるくらいにすると不思議に安定しました。
さらに思い切って手を前に伸ばしてやると尻もちをつかなくなりました。
つまり僕は後傾でわざわざ滑りにくいポジションで滑っていたんですね。
それでも滑れちゃうのがゲレンデってわけです。
それを実践すること25本、1度も転倒や尻もちをつくこともなくラストまで滑りきることが出来ました。
ただし、ここはあくまでもゲレンデ内です。
わざと荒れた斜面や深い雪を狙ったとしても、山の底なしパウダーはこんなものではありませんでした。
僕はひとつの課題を自分に課すことにしました。
ここでは言いませんが、そうなるまで僕は先生と山に登りません。
もうあの悔しさだけは味わいたくないから。
笑顔で登れるその時を待っていて下さい。
はい〜
ではカレーレポートいきまーす。
久しぶりですね。
*この表現はあくまでも僕個人の好みでの感想です。
辛味が強く酸味があります。
食べていると汗をかきます。
ハンバーグとの相性も良さそうで、ハチミツかけたらさらに僕好みになるかも〜。
それではまた来週〜