ついにこの日が来ました。
妻は「茨城県完全踏破」僕は「一都六県完全踏破」、同時に達成です。
思い起こすと4年前、女房とウォーキングする一つの目標として始めた「関東ふれあいの道」ですが、すべて踏破するのはそれなりに大変でした。
茨城県コースは比較的簡単な方ですが、筑波連山縦走という難関があり、そこをどう歩かせるか(女房を)作戦を練って長期計画を練りました。
まず歩き易い平地が多いルート、かつ交通機関を利用して「お出かけ気分」を演出できるコースから手をつけることにしました。
あまり遠くなく、地理的にもよく知っているところを改めて掘り下げていく楽しみは新鮮でした。
疲れるけれど歩いたあとの達成感は毎回訪れているようでした。
さて、それでは今回のお話です。
朝は6時に起きることにしていました。
僕は普段起きる時間よりも少し遅いので、さほど大変ではありませんでしたが、女房は寝坊していました。
まあ急ぐ旅でもないので、スッキリ起きてもらいましょう。
6時半頃モソモソと這い出して来ました。
『さ、行くよー』っておいおい、後から起きてきてそう言うか。
見事に朝の通勤渋滞にハマりながら高速道路に吸い込まれていきました。
僕の運転はゆっくりで、安全運転焦らず行く感じでした。
「道の駅かつら」に車を停めました。
相変わらずキャンプやバーベキューを楽しむ人々が来ていました。
中には夫婦で楽しむ姿があり、とても微笑ましいと思いきや『何やってんのよー』と叱られている旦那さんに苦笑いしました。
タクシーを呼びます。
前にもお世話になった「御前山タクシー」さんに来てもらいました。
電話して靴を履き替えている間に到着するほど近くに営業所があります。
地図を見せて『旧下飯野バス停に行って下さい』と言うも、よく分からないようなので『新那珂川橋を渡ったところです』と言うとすぐに理解してくれました。
ここは栃木県コースとの接点です。よく覚えている場所でした。
バス便は廃止になり、アクセスはタクシーに頼るのが一番簡単な方法です。
9時17分スタートしました。
那珂川沿いをたどるように舗装路を少しずつ高度を上げながら進んでいきます。
股関節の変形性関節症の持病がある女房、よくここまで付き合って歩いてくれました。
茨城県コースだけでも255kmあるので、頑張ったと思います。
画像は「霞たなびきたる山際」に見えますが、実はこれ「野焼き」に近い状態での自家焼却です。 消防法で禁止されているはずですが、地域全体がそういう環境を作り出しているのかお互い様と言わんばかりの煙害です。
洗濯物とかもスモーク仕上げになると思うんですけど。
山林の間を抜けていく山道が終わると集落に出ました。
その先にダムがありまして、農業用水として水が乏しかった地区や台地に利用されます。
そのダムの門扉(もちろん立ち入り禁止の柵あり)の前にひっそりと置かれていたこのまん丸い石。
気がつく人はどれだけいるのかな?
「触ってあげましょう」と言われても、今はコロナ渦の真っ最中なので、あまり影響はないと思いますがなんとなく触らずにおきました。
相変わらず女房はおしゃべりです。
普段はこんなに喋らないと思うんですけどね。やっぱり外に出ると人間変わるんですね。
今日は「相棒」を持ってきました。
※相棒とは···女房がウォーキングの時に見つけた木の枝のことです。握りやすく振り回すのにちょうど良いバランスで、これを振り回したりしながら歩くことでリズムをとっているようです。想像すると一種の障害があるように感じますが、一つ屋根の下に住んでいて今のところそう言える決め手はないです。一度僕がヘマをして折ってしまい、新しい相棒を見つけてきたがやはりしっくりせず、テープを巻いて補強して再び使っているという価値の高い枝なのです。
この「相棒」と歩くのももしかしたら最後になるのかな?
やがて道は方向を変え、坂道を登り始めます。
行き着く先には「御前山青少年旅行村」がありました。
なかなか広い敷地にバンガローなどが設置されていました。
その裏手にはハイキングコースの入口があり、ルートはそこから御前山を経て那珂川橋まで登山道となります。
残念ながら青空にはならなかったこの日、それでもこの落ち葉のサクサクした踏み心地は焼きたてのパイを食べているかのような音を聞かせてくれました。
なかなか悪くないペースで歩く女房。
アップダウンの小さな尾根道はいい具合に続いていきます。何キロもの距離を緩いアップダウンで歩ける山ってそんなにないので、貴重なルートですね。
女房はしきりに『いい道だ〜、御前山気に入った』と言っていました。
やがてラストコースポイントの「展望台」に到着です。
これにて18ヶ所のチェックポイントをすべて通過したことになります。
展望台の上から見る景色は物凄くはないけれど、いくつもの思い出が見渡せるような気がしました。
『やっほー』と言ってみました。
「やっほー」は女房の専売特許だけど、ここでヤレと促されて写真まで撮られました。
笑いの声が麓まで聞こえてしまったかもしれません。
その先も同じような稜線が続きました。
展望台から下ると話し声が聞こえます。
十数人のトレッキングツアーなのかな?
名札を下げた方を先頭に、年配の方たちとすれ違いました。
団体は二つに分かれて進み、東屋での休憩人数を調整しているようです。
夏は暑くてたまらないかもしれませんが、虫が多くて嫌かもしれませんが、晩秋から春先にかけて軽い山歩きを楽しむにはとても良いコースです。
那珂川大橋のたもとから入ると、急斜面を登りで行けるのでおすすめです。
下山後は青少年旅行村から舗装路ですから下りが苦手な人もだいぶ楽に歩けるのではないかと思います。
こうして「関東ふれあいの道茨城県コース」に僕らの足跡が刻まれたのでした。
4年7ヶ月の歳月が流れてしまいましたが、その間僕は神奈川県の三浦半島からスタートし、東京、埼玉、群馬、栃木、そして友人と歩いた千葉の全線を歩ききってこの日このコースをゴールにする事に決めました。
苦しかった、痛かった、辛かった、怖かった、そして大笑いした··· いろんなことがあったけど歩き切れて本当に良かったと思いました。
お疲れ様ね。
そして踏破おめでとう!
歩行距離 14km
累計登坂標高差 +745m
所要時間 5時間
26,000歩