発光路(ほっこうじ)集落を越えてさらに下のバス停に向かった僕。
腰掛けられるちょうど良い待合所があるバス停で、午後は1本しかない鹿沼駅行きのバスを待つことにしました。
蚊に刺されたりしながら帰る支度を整えます。
あたりはもう真っ暗。
18時少し前にやっとバスが来ました。
運転手さん『はーい、お待たせしましたー。やっぱり乗りましたね。こんなところ歩いてずっと行けるわけないからね。たぶん乗るんじゃないかなーって思ってましたよ』
僕『ははは、すれ違ったときですね? 僕もそう思われてんるじゃないかなーって思ってましたよ。最初からそのつもりでした。よろしくお願いします』
気さくに話かけてくれた運転手さん、いい感じ〜。
車内の乗客は僕一人です。
運『発車しまーす。どこから来たのかな?』
僕『えーっと、わたらせ渓谷鐵道の通洞駅からです。桐生駅に車停めたので』
運『じゃ桐生までもどるんだ』
僕『そうです。1時間半ぐらいかかります』
運『鹿沼駅まで行った方がいいのかな?』
僕『新鹿沼と思っていたんですけど、もう一度調べたら樅山駅の方が接続がいいんですよ』
運『そうなんだ』
僕『ところでバスは午後この1本しかないのですよね。』
運『そう、だからよそ者のような人間が歩いていると気になっちゃうんだよね』
僕『あ、帰れなくなっちゃうからですね?』
運『いつだったかすごく寒い日に夫婦で歩いている人がいて、バスの扉を開けてどこ行くか尋ねたんだよ』
僕『ふむふむ』
運『そしたら雪で車がはまって、諦めて車を置いてきたって言うじゃない。登って行けばどこか宿あるだろうと思って歩いて来たそうで、お金持ってるか聞くと8,000円持ってるっていうんだ』
僕『8,000円じゃ2人泊まるのは難しいですよね』
運『悪いこと言わねぇから、1度家に戻って明日出直しなと言って乗せたんだよ。このまま終点まで行って折り返すから駅まで乗って、家に帰るだけなら金も足りるだろうしな』
僕『もしそれが回送のバスだったら乗せられるんですか?』
運『難しい問題だな。だけど放っておいたら死んでしまうし、会社に連絡して乗せることになると思うよ。だけどな、そうやって助けてやっても礼の一つも言わない大人が多いんだよ』
僕『はあー、がっかりですね』
運『ほら、ここ小学校があるだろ? 毎朝ここまで子供たちを乗せるんだ。挨拶出来ない子供もいてな、その親も「お願いします」も言わねえもんな』
僕『大人が悪いですね。そしてそれは子供に連鎖してしまう』
運『まったくだ。』
運『このバスはよ、カメラが5台付いてるんだ。会話も録音してるんだ』
僕『最近はセキュリティ一もちゃんとしていますね。こんな話も録音されてしまってマズくないんですか?』
運『ははは、大丈夫だよ』
そんな話をしながらバスは樅山駅に到着しました。
樅山駅は無人駅です。
10分ほどで電車が入ってきました。
「山の〇ドライブイン」の旦那さんから樅山駅のことを聞かなかったら、そのまま新鹿沼駅まで行ってしまうところでした。
こうして、今回は次々と出会いがあり刺激的な旅となりました。
皆さんお世話になりました。
おしまい。
歩行距離30.1km
所要時間 9時間15分
累計標高差 +1,242m -1,508m
49,900歩
腰掛けられるちょうど良い待合所があるバス停で、午後は1本しかない鹿沼駅行きのバスを待つことにしました。
蚊に刺されたりしながら帰る支度を整えます。
あたりはもう真っ暗。
18時少し前にやっとバスが来ました。
運転手さん『はーい、お待たせしましたー。やっぱり乗りましたね。こんなところ歩いてずっと行けるわけないからね。たぶん乗るんじゃないかなーって思ってましたよ』
僕『ははは、すれ違ったときですね? 僕もそう思われてんるじゃないかなーって思ってましたよ。最初からそのつもりでした。よろしくお願いします』
気さくに話かけてくれた運転手さん、いい感じ〜。
車内の乗客は僕一人です。
運『発車しまーす。どこから来たのかな?』
僕『えーっと、わたらせ渓谷鐵道の通洞駅からです。桐生駅に車停めたので』
運『じゃ桐生までもどるんだ』
僕『そうです。1時間半ぐらいかかります』
運『鹿沼駅まで行った方がいいのかな?』
僕『新鹿沼と思っていたんですけど、もう一度調べたら樅山駅の方が接続がいいんですよ』
運『そうなんだ』
僕『ところでバスは午後この1本しかないのですよね。』
運『そう、だからよそ者のような人間が歩いていると気になっちゃうんだよね』
僕『あ、帰れなくなっちゃうからですね?』
運『いつだったかすごく寒い日に夫婦で歩いている人がいて、バスの扉を開けてどこ行くか尋ねたんだよ』
僕『ふむふむ』
運『そしたら雪で車がはまって、諦めて車を置いてきたって言うじゃない。登って行けばどこか宿あるだろうと思って歩いて来たそうで、お金持ってるか聞くと8,000円持ってるっていうんだ』
僕『8,000円じゃ2人泊まるのは難しいですよね』
運『悪いこと言わねぇから、1度家に戻って明日出直しなと言って乗せたんだよ。このまま終点まで行って折り返すから駅まで乗って、家に帰るだけなら金も足りるだろうしな』
僕『もしそれが回送のバスだったら乗せられるんですか?』
運『難しい問題だな。だけど放っておいたら死んでしまうし、会社に連絡して乗せることになると思うよ。だけどな、そうやって助けてやっても礼の一つも言わない大人が多いんだよ』
僕『はあー、がっかりですね』
運『ほら、ここ小学校があるだろ? 毎朝ここまで子供たちを乗せるんだ。挨拶出来ない子供もいてな、その親も「お願いします」も言わねえもんな』
僕『大人が悪いですね。そしてそれは子供に連鎖してしまう』
運『まったくだ。』
運『このバスはよ、カメラが5台付いてるんだ。会話も録音してるんだ』
僕『最近はセキュリティ一もちゃんとしていますね。こんな話も録音されてしまってマズくないんですか?』
運『ははは、大丈夫だよ』
そんな話をしながらバスは樅山駅に到着しました。
樅山駅は無人駅です。
10分ほどで電車が入ってきました。
「山の〇ドライブイン」の旦那さんから樅山駅のことを聞かなかったら、そのまま新鹿沼駅まで行ってしまうところでした。
こうして、今回は次々と出会いがあり刺激的な旅となりました。
皆さんお世話になりました。
おしまい。
歩行距離30.1km
所要時間 9時間15分
累計標高差 +1,242m -1,508m
49,900歩