TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

みちのく潮風トレイル 第11回その1 (雄勝半島)

2023年06月20日 | Weblog
スキーシーズンを終え、魂を抜かれていた僕。
二週間死んだようになっていましたが、ついにサマーシーズン開幕です。

スキーのシーズンオフと言えば「山」そして「ロングトレイル」。今週こそやるぞ! と心に決めました。

天気予報を見つつ、計画を練り、虫食い状態で残っていた宮城県の地図を見つめる僕。
「雄勝半島」と「網地島」
「道の駅硯上の里おがつ」までは行っていて、その先も陸前高田まで進んでいたのものの、鬼門となっていた「雄勝半島」は交通手段が難しくさらに長い。
2つに分けるのが理想的ですが、周回すると非ルートを歩く距離が長く、そうちょくちょく何回も行けない僕にとって頭を悩ませるルートです。

雄勝半島すべてを1回で済ますには40kmを軽く越える長さを歩かなければなりません。
今シーズンの出だしからいきなりいけるのか?
「今シーズン初のトレイルなんだからそれはないだろ?」という自分と「今までだってそのぐらい何度もやってるだろ?平気平気」という自分が心の中で葛藤しています。

前々日に気持ちは固まり、雄勝半島すべてを歩き切る決断をしました。

その代わりテクニックを使うことにしました。
非ルートを自転車で繋ぐことに決めました。
そして今ある折りたたみ自転車は貧差で車に入らないのです。
そしてギアチェンジが出来なくなるほど錆びてしまったし。

悩み抜いたあげく、これからもこういう事があるだろうと納得して、16インチの折りたたみ自転車をアマゾンプライムでギリギリに届くはずと踏んでゲットしました。


これです。
16インチはダメと大丈夫の境界線ってところですが、様々なことを考えると走りを抑えても携行しやすさを第一に考えるという結果になりました。

何故か毎週月曜日が本当に忙しく、出発前夜に1時間の残業となってしまいました。
前々日にほとんどの用意が終わっていたので、速攻晩飯&速攻風呂でマッハで自宅を出ました。
頑張ったけど、それでも21時のスタートでした。
ここから片道5時間の運転です。

牛久阿見から高速に乗るのですが、なんと!通行止めです。
そうなると一番近いのが桜土浦。
そこまで下道で行きますが、割と空いていたので助かった気分です。

トイレも行かず、連続運行で到着がなんと1時。
やった。
頑張った。
ずーっとやっていたはずの通行止め工事区間も無く、予定通り雄勝半島一周に挑戦することに決定しました。

ルートが長いので、あらかじめ自転車を組み上げて車のホイールにワイヤーロックしてから寝床を作って就寝しました。

起床は4時30分。
3時間ほど睡眠をとれました。
3時間というのは今の僕のボーダーラインだと考えています。


トイレに行って自転車にまたがったのが5時20分。
大川小学校(震災遺構)に着いて、自転車を畳んでワイヤーロックし、歩き始めたのが6時でした。
まあまあかな。


まずはロードです。
北上ルート主体の僕がここは南下ルートにしたのは、山越えを元気なうちにこなしてしまいたいという思いと、前夜のアクセスで自転車での下りが長いのがこちら側だと判断したからです。


長面浦。
グラッシーで鏡のような水面でした。
この先からオフロードになり峠越えとなります。
橋が新しくなっているのでルートも変更されていました。


久しぶりのトレイルテープ。
ここから山道に入って行きます。


案の定足が前に出てきません。
ものすごくゆっくり登りました。


やっと「尾ノ崎峠」を越えました。
道は倒木が多く、くぐるときの姿勢がキツかったです。


太平洋が見えるポイントに出ました。
ここまで来ると下りももう少しで終わりそうだと思いましたが、意外とそのあともオフロードは続きました。
あんなに得意だった下りも今日の僕には辛かったなぁ。


オンロードに出た時に暑くなって膝まくりしました。
え?
そうです。やりました。
コケの付いた倒木に乗りました。
普段は絶対に乗らない斜めになった木に足を掛けました。
他人には「斜めになった木の根とかダメだよー」と言っているのに、なんだこのザマは。


越えてきた山が終わるとまた登りです。
恐るべしリアス式海岸。


この辺りももちろん津波の影響が。


オンロードに出てからもけっこう登りました。
やっとこの先で下りに転じそうです。


この辺りで2億4000年前の魚竜の化石が多数見つかったということです。


本当に美しい海。
ここでしばし休憩します。

この先で軽自動車に乗ったおばちゃんが窓を開けて声をかけてきました。
おば『どっから来たんでぇ?』
僕『茨城です』
おば『ありゃま、そこの山から来たのけ?』
僕『まあそうです』
おば『好きな人は好きだかんな』
僕『笑。そうですね』
おば『おら、一回も行ったことねぇけんどな』
僕『けっこう鬱蒼としてるから』
おば『そんじゃ気いつけて』
僕『はい、声掛けてくれてありがとうございました』
可愛い顔した方でした。


ちょっと行き過ぎちゃったけど、思い直して戻って行ってみました。
「恋する灯台」って書いてあったけど、ピンとこなくて、ここがあそこだとはね。


ふぅ〜ん。
デートするならここに立ち寄るのもありですね。
写真撮っていい思い出にしましょう。


そして灯台の後ろ側に出ると見えるのがこれ。
「ハート型に見える漁港」
これは狙ったのか偶然なのか知りたいところです。


ルート上の注意箇所。
南下ルートだとまったくの死角になるようなところを逆レの字に曲がります。
GPSないとそのまま行ってしまいそうです。


再びオフロードになります。


森の主に出会いました。
この木だけ貫禄がありました。


草刈りが追いついていないようです。
ここではトレイルサポーターがいて、ボランティアなんですが精力的に整備してくれています。

白銀神社への分岐点でへたばりました。
切り株に腰掛けて飲み物を水筒に詰めていると(保冷水筒に氷を入れて持ち歩いています)、後続のグループが来ました。

聞くところによるとトレイルの整備をしている方たちだそうです。
もともとは山の会だったようで、定年してから地獄のような山歩きは卒業してハイキング程度の歩きに形を変えていったようです。

やっぱりみんなそうなるんですね。
僕ももう間近ですね。

その方たちが白銀神社に向かったので僕も行ってみることにしました。


山の会の方たちは灯台に向かいました。
僕は一人で行動したいのでここでサヨナラしました。
とても気さくな方たちで、山で会う人たち特有の 人懐っこさがありました。


白銀神社の道すがらから見える海。


ナワシロイチゴなのかな?
トレイルサポーターのおばちゃんが『おお、大量〜』と言ってむさぼっていました。
僕も1粒口に入れてみましたが、吐き出しました。
不味くはないけど美味しくはなかったかな。


ルート上に自販機はほとんどないです。
ここは「雄心苑」の近くにある自販機でしたが、コカコーラの方は動いていませんでした。

そういえば、ここに出てくる前の峠道で軽トラのおじちゃんが『どこまでいくんだー、乗ってくか?』と声を掛けてくださいました。
『大丈夫ですよー、ありがとうございます』と言いました。

残りのルートは死ぬほど長く感じました。


やっとこゴールしました。
足は棒のようになり、ブランクの大きさを感じました。
すでに筋肉痛です。
スキーとは違う筋肉を使うんですね。

自転車を回収して『道の駅上品の郷』に行きました。
温泉で清めて明日の目的地へ向かいます。

明日は島としては最後の「網地島」です。


歩行距離 37.8km
所要時間 10時間30分
累計登坂標高差 +1,180m
66,400歩

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