『チャップリンの凄さ(単純に、喜劇役者・喜劇俳優と思っていました!)』
ー同じカットを何十回と重ね2分のシーンを縮めて10秒にする完璧主義者ぶりー
日経の文化欄に載った、日本チャップリン協会会長・大野浩之氏の解説を読んだことがあります。 改めて『チャップリンの凄さ』に驚き、この記事の抜粋を備忘録に残しました。
冒頭に大野氏はこう言っています。
学問の醍醐味は大きく分けて二つ、❶誰も知らない未踏の分野に挑戦、➋誰もが知っている領域から知られざる事実を発掘と。
英国の映画研究家、ケヴィン・ブラウンロー氏に発掘された『チャップリンのNGフィルム集』を見たく、京大大学院生の若干23歳でロンドンに飛び、英国映画協会に懇願するも当然のように追い返された。 帰国後、手紙・メールを送り続け、根負けした協会が許可を出してくれた。
余談です。
英国の科学・文化・芸術に関する団体には、英国王立写真協会とか、英国王立園芸協会等、王立がつくのですが英国映画協会は、『王立』がつかず、学士院(アカデミー)には、入っていません。
NGフィルムには、子供のような喜怒哀楽のチャップリンが、特に驚いたのは、同じテイク(カット)を、何十回と重ね、2分のシーンを縮めていき10秒にする完璧主義者ぶり。
これをもとに、書いた論文は後の著書『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』出版につながった。 その後、チャップリン作品の大々的な上映に当たり、そのパンフレットの記述に間違いがないかの確認依頼で、300ヶ所以上の間違いを見つけ、期せずしてチャップリン研究家としてデビューした。
この時『チャップリンはユダヤ人』という、誤った事実も訂正できた。
知られざるチャップリンを、掘り起こす作業の中で、チャップリンの日本人秘書・高野虎市氏の足跡をたどることができた。 人種差別が色濃い時代にあって、チャップリンは、高野氏の誠実さや、優秀さを見込んで、自らの片腕にした。 チャップリンは、赤狩りによって米国を追われたとき記者から米国籍をなぜ取得しないかと問われ『私は世界市民ですから』と。
代表作『街の灯』の歌舞伎の舞台台本の縁で、チャップリンの娘さんと知り合い、それ以来家族ぐるみの付き合いをしている。 チャップリン家には、20万ページに及ぶ、アーカイブ(公記録保管)が存在する。 一昨年刊行した『チャップリンとヒトラー』岩波書店は、これらの資料の一端を駆使して書き上げた。
また余談です。 大野氏の言われる娘さんとは同一人物かは、判りませんが、大作映画『ドクトルジバゴ』のジェラルデン・チャップリンは、ジュリークリスティーと共に、この映画の中では、全く違った印象が強く残った大女優二人の一人でした。 ジェラルディンは、チャップリンの4人目の妻との間の子供、8人兄弟の長女です。
ウキペデイアから引用
昨今、人類皆を心配させるどこかの国の独裁者が居ります。 独裁者は本当に始末が悪く、世界を秩序もない無法地帯にしてしまうほどです。 独裁者云々は別にしても、イスラム国家などのテロ蔓延でで、世界は秩序もない無法地帯化しつつありますが・・・。 チャップリンの『独裁者』は、ユーモラスで夢がありました。
以前に某テレビ局のヒトラー関連の、番組を見ました。 印象深かったのは『ヒトラーとロンメル』の関係の顛末でした。 『チャップリンとヒトラー』と合わせて近々、読んでみたいと思っています。
(20181223纏め、20210121追補 #042)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます